バッドエンドから始まる物語~小野瀬編~
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~翼vision~
小野瀬さんが科警研から戻って来たらしい。
もちろん、一時的なものだそうだけど。
噂の真偽を確かめたくて、私の足は、自然と鑑識室に向いていた。
翼
「……お邪魔しまーす……」
そっと覗いて見て帰るつもりだったのに、扉を開けた途端、太田さんと細野さん、それから、小野瀬さんと室長の四人と目が合ってしまった。
特に室長と。
翼
「キャー!」
穂積
「キャーじゃねえ!」
逃げ出そうとした、その首根っこを掴まれてしまった。
穂積
「アンタ仕事中でしょ!何を無断でこんなトコ来てんの?!」
翼
「すすすすみません!魔が差しました!」
小野瀬
「まぁまぁ、穂積」
ふわりと漂う柑橘系の香り。
うわあ懐かしい。
小野瀬さんが私の横に屈んで、優しい笑顔を見せた。
小野瀬
「久し振りに俺に会いたくなったんだよ、ねえ?」
この人のこの笑顔は、誰にでも見せる業務用。
半年間会わなかったのに、こういう所は相変わらず。
私は逆にホッとして、コクコク頷いた。
穂積
「けっ」
室長が手を離し、私の身体を小野瀬さんの方に向けて、とんと押した。
小野瀬さんは、そのまま、ぎゅっと私を抱き締めた。
小野瀬
「会いたかったよ、櫻井さん」
翼
「小野瀬さん、お元気そうで何よりです」
本当に、顔色が良くなっている。
病み上がりで別れたから、余計にそう思うのかもしれないけれど。
翼
「安心しました」
小野瀬さんの腕をほどきながら、私は笑った。
小野瀬
「あれ?何で逃げるかな。これから熱い接吻を」
穂積
「ハイハイ、終ー了ー」
室長の手が、再び私の首根っこを掴んで、小野瀬さんから引き離した。
小野瀬
「あーあ」
穂積
「じゃあな、小野瀬。また今夜」
小野瀬
「いつものバーでね。了解」
鑑識室を出る時にお辞儀をすると、小野瀬さんはひらひらと手を振ってくれた。
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