クリスマス・ソングス
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藤守賢史
☆クリスマスおめでとう(We Wish You a Merry Christmas)~藤守家~☆
賢太郎
「お父んまだなん?」
翼
「どうしたのかな。先に帰ったはずなんだけど」
私と息子はダイニングのテーブルに肘をついて、TVを観ながら賢史くんの帰宅を待っていた。
テーブルの上では土鍋もしゅんしゅんと湯気を立てて、残る白菜とネギの投入を待っている。
賢太郎
「いっぺん火ぃ止めとこかー?」
卓上型のガスコンロの火力は少しずつ弱められて、すでに最弱。
翼
「そうねえ……」
急に事件でも入ったのかしら。でも、それなら私にも呼び出しが来るはず。
その時。
藤守の声
「ただいまー」
賢太郎
「あ!お父んや!」
目にも止まらぬ速さで、玄関に向かう息子。
そして。
賢太郎
「うわあ!」
息子の歓声に驚きながらも、急いで後を追った私が目にしたのは。
我が家の玄関で、息子に抱きつかれてニコニコ笑っている、真っ赤な衣装と真っ白なお髭の……本格的なサンタクロース。
翼
「うわあ!」
本物だあ!!
サンタさんは大きなお腹を揺らして、HO、HO、HOと笑った。
それから、大興奮の息子を、その、真っ白でふかふかなお髭の中にぎゅうっと抱き締めてくれる。
サンタクロース
『merry Christmas!』
賢太郎
「メリークリスマス!」
サンタさんは、手にした袋から、小さなカードのような物を息子に手渡した。
賢太郎
「ありがとう!」
サンタさんは息子の頭を撫で撫でしてくれた後、外で待っていた賢史くんから手綱を受け取り、二頭のトナカイを連れて、去って行った。
笑顔で手を振りながら。
藤守
「良かったな!」
まだ呆然としていた私と息子の頭を、今度は賢史くんが、がしがしと撫でた。
賢太郎
「お父ん凄え!サンタさんと友達なん?!」
藤守
「アホやなあ。サンタさんは子供の友達やろ?お前に会いに来てくれたのを、道案内してきただけやで」
この人、なんて優しいんだろう。
賢太郎
「それでも凄え!お父ん、ありがとう!」
息子はまだぴょんぴょん跳ねながら、リビングへ戻って行った。
藤守
「改めて、ただいま。遅なってごめんな」
翼
「ううん。道案内、お疲れ様」
私は微笑むと、賢史くんの冷えた身体を抱き締めて、赤くなった鼻先にキスをした。
♪We wish you a Merry Christmas.
We wish you a Merry Christmas.
We wish you a Merry Christmas.
and a Happy New Year.♪
賢太郎
「サンタさんがくれた袋、何が入ってたかって?あんな、カードとな、銀色のコインやで。フィンランドユーロ言うの?ライオンついてて、めっちゃカッコええねん!サンタさんからお年玉もろたん、俺、生まれて初めてやで!」
~藤守編 END~