★★ 仮面ライダー☆HOZUMI-episode 3- ★★
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
~エピローグ~
穂積
「逃げられた?」
千代田区スポーツセンターで、秘密結社ネオ・ジョンスミスを一網打尽にした、翌日。
肩を落として捜査室に入って来た小野瀬の報告に、穂積は思わず大きな声を出していた。
小野瀬
「面目無い……」
小野瀬は反論もせずに小さくなった。
小野瀬によれば、事の顛末はこうだ。
~昨日・スポーツセンター前広場~
JS
「くっ……」
HOZUMIのフェロモン・アタックを受け、よろめいて街路樹にもたれたジョンスミスは、処理班の隊員たちに囲まれて、絶体絶命の状態に陥っていた。
緑色タイツの戦闘員たち全員の送致を終えた捜査室メンバーたちも、ばらばらと小野瀬の元に応援に駆け付ける。
小野瀬
「後はもう、お前一人だ。観念してもらおうか、ジョンスミス」
JS
「おやおや、これは……。鑑識の御大にまでご登場頂けるとは、光栄の至りです」
ジョンスミスが、小野瀬に向かって丁寧に頭を下げる。
だが、顔を上げた時、その顔は、不敵な笑みを浮かべていた。
JS
「お礼に、懐かしい方とご対面させて差し上げましょう」
小野瀬
「何?」
次の瞬間。
地響きのような重低音が轟いたかと思うと、車道から、真っ白なバイクが飛び込んで来た。
慌てて身を引く処理班の隊員たちを擦り抜けて、ジョンスミスの前に大型バイクを乗り付けた人物が、あっという間に、ジョンスミスをバイクの後部座席に引っ張り上げる。
引き締まった長身に白いスーツ、白いヘルメット。そこから垣間見えた、真っ白な髪。
それに見覚えのある小野瀬が、叫んでいた。
小野瀬
「諏訪野!」
白いバイクの男が、その声に振り向いた。
グレーのシールドに隠れて表情は見えないが、それは小野瀬の親友、諏訪野翔に間違いない。
小野瀬
「お前、諏訪野だろう?なぜ、ジョンスミスなんかに手を貸すんだ?!」
諏訪野
「……小野瀬、すまん。この先のファミレスに、母が人質にとられているんだ」
藤守
「諏訪野さん、フラグ解説早すぎ!」
藤守がツッコむ。
小野瀬
「そんな……事情は分かったが、そんな奴に手を貸すな!お前、オリキャラなのに出過ぎだぞ!」
諏訪野
「すまない、俺に警察の妨害をする意思はない。こいつはそのファミレスまで乗せたら下ろすから、見逃してくれ」
小野瀬
「諏訪野!」
JS
「では諸君、再見!」
小野瀬
「諏訪野ーー!!」
ジョンスミスの捨て台詞と、風を切る音だけを残して、諏訪野のバイクは掻き消えた。
エンジンのかかったバイクに跨がった諏訪野に追いつける人間は、少なくとも関東近郊には存在しない。
小野瀬と捜査員たちは、ただ茫然と立ち尽くすしかなかった……
穂積
「……それでか」
溜め息をつく穂積のデスクには、真新しいデータCDが置かれていた。
小野瀬
「それは?」
穂積
「新しい犯行予告だろう。今朝、机の上に届いていた」
CDを手にする小野瀬の周りに、明智や藤守ら、捜査室のメンバーたちが集まってくる。
小野瀬から受け取った小笠原が、CDをナナコに入れた。
JS
『仮面ライダー☆HOZUMIと愉快な仲間たちの皆さん、おっはよーございまーす!
みんなのアイドル、ジョンスミスでえーっす!!』
画面に現れて笑顔で手を振ったのは、紛れもなくジョンスミス。
JS
『昨日は楽しかったですね!
今日は僕、これから50人ぐらいでお台場に行って、みんなして、辺り構わずビームサーベルを振り回す予定でーす!
きっと大騒ぎになりますよ。
HOZUMIの出番ですね!
ご迷惑でしょうけど、また、遊んでくださいね!
お待ちしてまーす!』
穂積
「……はあ……」
穂積に合わせて、全員が溜め息をついた。
明智
「仮面ライダー☆HOZUMI、まだ、お役御免にはならないようですね……」
小野瀬
「むしろ前途多難というか」
翼
「でも、最初の頃に比べたら、室長も、だいぶライダーらしくなってきたんじゃないですか?」
穂積
「ライダーなんかやりたくない」
微笑む翼に、穂積はきっぱり言って眉間に皺を寄せる。
穂積
「だが……」
藤守
「『だが』?」
藤守に聞き直されて、穂積は愁眉を開いた。
穂積
「誰かがやらなきゃならないのなら、俺がやるしかないだろう」
「……」
久し振りの穂積の笑顔に、全員が笑顔になる。
それに気付いて顔を赤らめた穂積の肩を抱いて、小野瀬が笑った。
小野瀬
「よし!じゃあ、今夜は俺がみんなにおごるよ!」
わあっ、と如月が歓声を上げる。
如月
「マジですか?」
藤守
「よっしゃあ!ほな、頑張って出動するで!」
小笠原
「お台場だね」
明智
「ああ、アブナイ☆首領に率いられた、全身緑色のタイツ集団が待っている」
穂積
「……仕方ないわねえ。櫻井、気合い入れてちょうだい」
翼
「はい!」
全員が立ち上がって円陣を組む中心で、翼が、ぎゅっと握った拳を突き上げた。
翼
「『仮面ライダー☆HOZUMI』、出動っ!」
全員
「出動っ!!」
仮面ライダー☆HOZUMIは警察官である。
秘密結社ネオ・ジョンスミスは首都圏制覇を企む悪の秘密結社である。
仮面ライダー☆HOZUMIは迫り来る陰謀から人々を守る為、特命を帯びてネオ・ジョンスミスと戦う!
これは、公務という名の試練に立ち向かう一人の男と、彼とともに巨大な敵に挑む仲間たちの物語---
その、終わりなき物語の、始まりである。
~END~