☆☆警視庁戦隊!サクラダモン・NEO!!~第一章~☆☆
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
翼
「きゃあっ?!」
突然、翼の胸が輝いた。
それはブラウスの下に隠されたペンダントに提げられた、『ファウストの第一の指環』の輝き。
目の眩むような光とともに、翼の姿は、パールピンクのバトルスーツに包まれていた。
説明しよう!
櫻井翼の持つ『第一の指環』は、持ち主である翼に危機が迫ると、彼女の身を守るため、バトルスーツを装着させるのである!
その不思議な力は彼女の味方である捜査室のメンバーにも及び、全員にバトルスーツを装着させる!
このバトルスーツを身につける事によって、彼女たちの身体は、常人の七倍以上の身体能力と、常識では有り得ない不思議な力を発揮する事が出来るのである!
全ては指環の魔力であるがゆえに、その力の全貌は明らかではない!
人類にはまだまだ謎が残されているのである!
翼が発した輝きと変身した姿を初めて目の当たりにして、店の奥で成り行きを見守っていた山田が、目を瞠った。
山田
「素晴らしい」
アオイデス
「……くっ、小癪な」
前回味わった指環の力の発動を思い出したのか、アオイデスが一瞬怯む。
翼改めリング・ピンク
「スミスデスさん、アオイデスさん。せっかくご招待して頂いたのに、すみません。今日はもう帰らせて下さい」
礼儀正しくぺこりと頭を下げるピンクに、山田は高笑いを返した。
山田
「くくっ、あっはっはっはっ!」
その姿がぼやけ、ぐるりと回転したかと思うと、ギャルソンのようだった山田の服装が、不気味な変貌を遂げていた。
床まで届く黒のローブ。
その背中には、大きく翼を広げた金色の鷲の刺繍が施されている。
アオイデスとは逆に顔の左半分を銀の仮面で隠した山田、いや、スミスデスは、ピンクとその背後に居並ぶメンバーたちを悠然と見渡した。
スミスデス
「僕の接待にご満足頂けなかったようで残念ですよ、お嬢さん」
明智改めレッド
「スミスデス!もうこれ以上、櫻井には触らせない!行くわよ、みんな!」
全員
「了解!」
明智レッド
「警視庁戦隊!サクラダモン!!」
ぱぱぱぱぱぱーん!
彼らの背後で、誰も手を触れないのに六本のシャンパンが勝手にコルクの栓を飛ばし、六色の炭酸の泡を高々と噴き上げる。
小野瀬
「ああ、ドン・ペリが!全部ヴィンテージなのに!」
足を肩幅に開いて立ち、拳銃を構える姿勢になった明智を先頭に、二列目左右に如月と小笠原、さらに、三列目の左右に藤守兄弟が同じ姿勢で身構える。
レッド
「レッド・リング!」
レッドの声に、彼の胸から、赤い光の環が生まれる。
如月改めイエロー
「イエロ……」
続いて、イエローの胸からも、黄色いリング状の光が出現しかけた時。
アニ改めグリーン
「グリーン・リング!」
グリーンがフライングした。
グリーンの胸からは緑に光るリングが出現したが、イエローのリングは消滅してしまう。
小笠原改めパープル
「何で待てないのさ!パープル・リング!」
パープルが冷静に繋ぐ。
藤守改めブルー
「アニキ!そんなんやから、中学校の時に立候補したクラス委員長の選挙で得票数ゼロだったんやで!ブルー・リング!」
グリーン
「やかましいわ!」
イエロー
「……くそっ、もう一度集中して……イエロー・リング!」
すでに上空で待機していた四色の光に向かって、ひと呼吸遅れて、イエローの黄色の光が舞い上がってゆく。
だが。
サクラダモンたちの足並みの乱れによって、一瞬の遅れが生じた。
翼
「お願い、お祖母ちゃんの指環を守って!」
祈りを込めて組まれた翼の両手から、ひときわ大きなピンクの光が生まれるよりも速く、スミスデスの声が響いた。
スミスデス
「今夜はチームワークが悪かったようだね?」
翼
「えっ?きゃあっ!」
見えない巨人に掴まれたように、翼の身体が宙に舞う。
その瞬間、翼は見た。
スミスデスの前に立つ、金髪の男の姿を。
秘密結社の幹部であることを示す長いローブは黄金色で、背中には白い龍が描かれている。
白銀のアオイデス、漆黒のスミスデスに比べ、華やかな装いにも見えるが、銀色の仮面が顔の上半分を隠していて、表情はわずかに口元が見えるのみ。
今、そこからは、何の感情も読み取れなかった。
男は、握った右手を掲げている。
あの男が今、見えない力で自分の身体を拘束し、持ち上げているのだろうか。
翼は抵抗を試みたが、少しも動けない。
スミスデス
「お望み通り、今日はもう帰してあげましょう。ルイデス」
ルイデス、と呼ばれた怪人の右手が開き、指先が、宙に浮いている翼に向けられて、くい、と動いた。
翼
「あ、ぁっ?!」
途端に、全身を、甘い痺れが駆け抜けた。
翼
「あっ……ん、んぅっ」
実際に触れられているわけでもないのに、身体がぞくぞくと疼いてしまいそうな……快感。
翼
「やっ、い、いや、あ、あーーー!」
どさり、とソファーの上に落下した時、翼は半ば気を失っていた。
レッド
「櫻井!」
ほとんど天井の高さから落とされた翼に駆け寄ろうとしたサクラダモンたちは、だが、薙ぎ払うように振られたルイデスの指先によって、反対側の壁に容赦なく叩きつけられた。
ブルー
「ぐはっ!」
イエロー
「うっ……!」
指環の効力の限界を超えた衝撃を受けて意識が遠のくと、バトルスーツも解除される。
次々と本来の姿に戻ってしまい、床で痛みにもがいていた指環の戦士たちは、ばらばらと現れた全身タイツの戦闘員たちの手によって、全員、店の外に担ぎ出されて行った。
ただ一人、ソファーに落とされた翼は朦朧として動く事も出来ないまま、金髪の、仮面の男が自分に近付いて来るのを見た。
なすすべも無く、ブラウスのボタンが外される。
ルイデスの手によって、指環が持ち上げられた。
ルイデス
「……穂積が警告したはずだったが」
けれど、予想に反して、ネックレスから指環が外される事はなかった。
かわりに、素肌に唇が押しつけられたかと思うと、痛いほどに強く吸われた。
ルイデスの唇が離れた後の白い胸の膨らみに、赤い花が咲いたように口づけの痕が残る。
ルイデスがブラウスのボタンを直すと、今度はスミスデスが近付いて来た。
スミスデス
「約束ですからね。今夜はそれだけで帰してあげましょう。ですが、忘れないで。その赤い花を見るたび思い出して。あなたはもう我々の手の内にあるという事を、ね」
スミスデスはいつもと同じ笑みを浮かべると、翼の目の前で、パチン、と指を鳴らした。
遠退いてゆく意識の中で、翼は、さっきまで傍にいて、不機嫌なほど翼の身を案じてくれていた、穂積の顔を思い浮かべていた……。
警視庁戦隊サクラダモン・NEO!
その全貌は未だ謎に包まれている!
指環に選ばれながら、戦いに敗れた戦士たちは、再びサクラダモンとなる事が出来るのか?
恐るべき能力を持つ新たな怪人、ルイデスの正体はいったい何者なのか?
愛しあいながらも運命に翻弄される、翼と穂積が結ばれる日は来るのか?
そして意外とシリアスに展開するこの物語はどこに辿り着くのか?!
今回のナレーションは、ホストモードでの自己紹介を穂積の分まで考えた、根は真面目な麗王アオイデスがお送りしました。
警視庁戦隊サクラダモン・NEO!
&、
秘密結社ジョン・スミス!
指環を巡る戦いは、まだ終わらない!
~END~