クリスマス・ソングス
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~クリスマス・ソングス おまけ~
☆~穂積家~☆
~穂積vision~
翌朝。
娘にミルクを飲ませながら、思い出したように翼が言った。
翼
「ねえ、泪さん」
穂積
「ん?」
ネクタイを締めながら、俺はのんびりと返事をする。
翼
「私、ゆうべ、びっくりしちゃった」
穂積
「何だ」
翼は、楽しそうに笑っている。
翼
「泪さん、この子たちにミルクを作って飲ませて、げっぷまでさせてくれて。すごいなって」
穂積
「……当たり前だろ」
翼
「うん。ごめんなさい。前からやってくれるとは言ってたのに、私、頼まなかったでしょ?だから……」
そこまで言って、翼は、口を押さえた。
遅えよ。
穂積
「だから?」
翼
「……本当に出来るとは思ってなくて……」
俺は無言で、両手の塞がっている翼の小さな鼻をつまんだ。
翼
「ごめんなふぁい」
穂積
「俺はな。自慢じゃないが、何事も面倒臭いだけなんだよ。やれば出来るタイプなんだ。たぶん」
我ながら何を言ってるんだか。
けれど、手を離すと、翼は笑顔で頷いた。
翼
「うん、そうだね。ごめんなさい。これからは、意地を張らないで、泪さんにも育児をお手伝いしてもらおうかな」
穂積
「おう」
俺は胸を張って、鏡に向き直った。
翼はまだ可笑しいのか、赤ん坊に笑い掛けている。
バーカ。
毎日、お前を見てるんだよ。
お前が何を言ったか、何をしていたか、全部覚えてる。
ミルクの作り方ぐらい、自然と覚えるってんだよ。
……言わないけどな。
~END~