Pre・honeymoon *ともぴ様からの頂き物
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翌朝…。
朝食のモーニングコールに起こされた…オレは、まだ隣で寝ている
翼の寝顔を暫く見ていた。
昨日、バリ最後の夜だからって…。
ちょっとハリキリ過ぎちゃったかなぁ?
でも朝食のルームサービスの時間もあるし、そろそろ起こそうか…。
葵「翼…。起きれる…?朝、お風呂…使うんでしょ?」
翼「んッ…ぅ~……ぁぉぃ…おはよ……」
オレのいる方に視線を彷徨わせながら…ニッコリと微笑んだ。
葵「おはよう。ねぇ、カラダ…ツラい?
オレ、無理させちゃった?」
翼「……///_ _///……」
翼は、シーツに突き伏した状態で顔を上げようとしない…。
葵「翼?」
翼「もぉ恥ずかしぃぃぃぃのッ///_ _///。
コッチ、見ないでぇ……」
あぁ…今日もカワイイ。
シーツにくるまった…翼を、オレはシーツごと抱きしめて。
「愛してるよ」って囁いた。
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程なくして、朝食が運ばれてきた。
本日の朝食
(リクエストした)モーニングステーキ、トリュフエッグ、
ブレッドバスケット、(リクエストした)エビ粥、
バナナとイチゴのパンケーキ、
(リクエストした)エビとアボカドの入りのグリーンサラダ、
フルーツヨーグルト、イチゴのフレッシュジュース、ミルク、
バニラアイス。
今日は、自分でイチゴシェイクにするそうだ。
朝食を食べた後、クッキング・アシスタントが始まるまで
オレ達は荷物の整理を始めた。
南国バリ島なので、元々キャリーケースの半分くらいしか
荷物がなかった。
でもカルフールで購入したものを詰めただけでも…、
キャリーケースはパンパン。
他は紙袋に入れて貰っているとはいえ、持ち帰るのも大変だ。
今日は、翼も一緒にオレの家に戻って…。
明朝も一緒に登庁するコトにした。
翼「葵…。今夜も(わたしが)一緒で、平気ぃ?
さすがに…。もぉ…いい加減、
わたしのワガママさにウンザリしてない?」
葵「ウンザリなんて、してるワケないでしょお?
オレは付き合い始めの頃から、翼と一緒に暮らしたい
と思ってたくらいだよ?
やっと一緒に暮らせる…来年が、今から楽しみで…
待ち遠しくて、仕方ないのに…。
それに…。この旅行中の4日間、翼と一緒に
暮らしてしまったようなものだから…。
今晩から寂しいなと思ってたトコなんだ。
もう1日…だけでも一緒に居れる日が延びたなら…。
嬉しいに決まってるよ」
いろんな意味でトライアル出来た旅行だと思う。
翼と付き合い始めて、こんなに長く一緒に居たのは
初めてだったから…。
今まで気付かなかった、翼の違った一面を発見したり…。
結婚前に新婚家庭や新婚旅行の疑似体験が出来たのも、
ちょっとフライング気味の、幸せ気分が味わえた。
旅行の前日には、ケンカをしてしまったけど…。
今後の対策のために、仲直りのルールも作れたし…。
来年からの家族旅行が「バリ」に決定したのも、
この旅行が、特に(ややしつこいが、Gが出たコト以外は)
何事もなく…優雅な時を楽しく過ごせたからだろう。
だから、やはり多少の無理を押し通してでも…。
オレ達2人にとって、絶対に来るべきタイミングであり、
場所だったに違いない。
そして…。このトライアルが今後のオレ達の生活の、
ベースになっていくのかもしれない。
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スタッフによる、お料理教室のセッティングが始まった。
まだ…荷物の詰込作戦継続中だったが、
毎日クリーニングに出したので洗濯物がなく、
衣類が嵩張らなかったのが功を奏し、
オレはテトリスみたいに組合せしながら、
なんとか最少スタイルの荷物が出来た。
スタッフはセッティングが終わると、
もうすぐシェフが来ると伝えて出て行った。
オレは、頭を…テトリスモード(笑)から、
お料理モードに切替える。
最近、お料理教室に…一緒に通っているカップルが多いらしい。
翼も少しの間だけ、習っていたけど…。
あまりにも仕事が不規則だから、結局なかなか通えずに辞めた。
翼は辞める時に…。
翼「いいの。お母さんと明智さんに教えて貰うから…」
また、明智くんか…。
明智くんとは、時々…互いの弁当を交換し合って、
味のチェックをして貰ってるらしい。
オレだと「美味しい」しか言わないから、ダメなんだって…さ。
もちろん!オレにも、その美味しいお弁当を作って持って来てくれる。
いくら…特命捜査室に着任した頃の教育担当で、今でも度々
コンビを組んでいるからと言って、明智くんに依存し過ぎてない?
翼の話題に、しょっちゅう明智くんが出てくるので…
さりげなぁく聞いたコトがある。
翼「だって。明智さんて、ホントの…お兄さんみたいなんだもん。
実際…。明智さんには、お姉さんが3人いるんだけどね。
『お前は飲込みが早いし、出来も良いから、何でも聞いてくれ。
いくらでも教えてやる(うちのゴーゴン達も、お前くらい…)』
と言ってくれて…ね。わたしに、色々教えてくれるの。
何でもこなせる明智さんは、わたしが目指す“スーパー主婦”なの」
そう言ったんだよねぇ…。
しかも。藤守くんも何でも言い合える…お兄さんみたいな存在
らしいし。メイクやファッションの最新情報を教えてくれる…
如月くんは、お姉さんなんだって…。
じゃあ小笠原くんは…?って聞いたら…。
ワガママ放題の、手がかかる弟…かなぁ?
そう思えば…ツンなところも可愛いんだってさ。
まったく、なんなの?
職場の父とか…兄姉とか…弟まで、翼の身内ばかり…だ。
まぁ。穂積セレクトのメンバーは人柄も良いし、彼らとの関係が
仕事をしやすくする…。翼にとってはイイ職場なんだろう。
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オレが、そんな回想していると…。
シェフがやってきて、お料理教室が始まった。
メニューは、ナシゴレン・ミーゴレン・エビチリ。
エビを使った朝食をリクエストしたので、気遣ってくれたのかも…。
あまり時間がないので、3種類…教えて貰うことにした。
オレは手先は器用な方だと思うが、料理は自信がない。
実は、まるで…やったコトがないんだ。
もちろん。小、中学校の家庭科の授業で調理実習は
経験したけれど。調理に加わったコトは、殆ど…なかった。
だって女の子達が「小野瀬くんは、座って見てて」って言うから。
ただ座っているだけってのも辛いので、シンクに溜まっていた
食器や調理器具をすすんで洗っていたら…。
オレの株が、ものすごく上がってしまった…らしい。
「お前は自然にしているコトでも、ひとりでに女子からの
好感度が上がっていくようなシステムになっているんだな」
実習後にクラスメイトから嫌味っぽく言われたのを憶えている。
さすがに、今日は洗い物係ってワケにはいかないし…。
子供が出来たら…。家事だって分担しなきゃいけないから、
オレも少し位は覚えようと思って参加したんだけど…、心配だ。
まず、シェフが…2人に「エビチリ」を教えてくれた。
出来上がりを見て…。エビがぷりっぷりしていて、美味しそう。
とか言って、ヨダレを垂らしそうな勢いでガン見していた…翼。
シェフが「味見していいよ」と言ってくれたので、伝えると…。
遠慮なく…パクリとエビを食べていた。
翼「美味しぃ~~~~~~。ヤバイ、ヤバイ。ホント、ヤバイ。
ねぇ。葵ぃ~…。チョ~美味しぃよぉ」
よほど感動したのか…目が潤んでいる。
次の工程で、オレはシェフに「ナシゴレン」を教えて貰った。
翼は、日本語が喋れるスタッフに「ミーゴレン」を
教えて貰っていた。
出来あがった料理をテーブルに並べ、さっそく食べていると…。
デザートにと。
チョコブラウニーとバニラアイスと持って来てくれていたシェフが、
テーブルが寂しいからと言って部屋に置いてある果物や
クッキーなども使って即席デザートプレートを作ってくれた。
自分たちが作ったからか…。
ルームサービスで頼んだ時よりも何故か美味しく感じて…。
オレ達は完食した。
もぉ少し…ココで、のんびりしたい所だったが…。
帰りの飛行機の時間もあるのでチェックアウトした。
カユジンのスタッフが見送ってくれて、車で空港まで送って貰った。
その車の中で、翼がコッソリ涙を流していた。
それに気付いたオレは…。
今までオレの中だけで、決めていた言葉を言った。
葵「そんなに名残惜しまなくても…。来年から…毎年、来るよ?」
翼「えッ?」
どうやら驚いて涙が止まったようだ…。
葵「だって、まだプライベートプールの醍醐味(←当然ッ!来年来たら…
やる気ですけど?なにか?)を満喫してないし、観光もしてないし…。
日頃…お互い殺伐とした仕事をしているからリフレッシュにもなるでしょ?
それに子供が出来ても、カユジンなら泊まれるし…さ」
翼「だって…。だって…。贅沢すぎるよ…」
葵「贅沢も、時には必要だよ。
それに、それ位の稼ぎはあるつもりだけど?
オレ、この前…見せたよね?給料明細…とか、預金通帳も…」
翼「うん…見せて貰ったケド…」
葵「翼だって、後ろ髪ひかれる思いだったから…涙してたんでしょ?」
翼「だって…。だって。
カユジンのスタッフの皆さんが良くしてくれたから、
離れがたかったんだもん…。
でも…新婚旅行なら、まだ分かるケド。毎年…なんて…」
新婚旅行は、たぶんバリじゃ…ない。
今は、まだ検討中だけど…。
ハワイやニューカレドニアやモルディブなど、ド定番も捨てがたい。
最近はドバイも人気があるそうだ。
でも、翼は幼い頃から…読んでいた「赤毛のアン」の舞台であり、
作者ルーシー・モンゴメリも実際に住んでいたプリンスエドワード島に
憧れていて、オーロラも一生に1度見てみたいと言うので
北米アラスカとカナダも候補に挙がっているため、ただ今こう着状態。
葵「じゃあ。オレは、毎年バリにリフレッシュしに来るけど…。
翼は(日本で)お留守番してる?」
翼「そんな、イジワル言わないで…」
翼は、また瞳がウルウルしてきた。
オレは肩を抱いていた左手を頭に移動させてポンポン撫でながら、
葵「ゴメンゴメン…。毎年、一緒に来よう?子供が出来ても…。
約束…しよう?」
オレは、翼の頬に軽くキスをした。
翼「うん…葵?」
葵「ん?なぁに?」
翼「(オレの耳に口を近づけて、内緒話をするように)ダイスキ…。
ここへ来る時…いっぱいワガママを言って困らせて…、
すごく無理させちゃったケド。
一緒に旅行に来てくれて、本当にありがとう。
新婚旅行の予行練習みたくて、とっても幸せだった…よ」
運転手にも聞こえないよう、コッソリと言って微笑んだ。
翼の肩を抱いていた左手にギュッと力を込めて
「オレも…」と、微笑みながら言った。
~END~