Pre・honeymoon *ともぴ様からの頂き物
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葵とは婚約してる…。
そして来年早々に、わたし達は明治神宮で挙式する。
当初、わたし達は青い空と青い海がある開放的な空間で…
結婚式を挙げるつもりでいた。
でも2人の両親(特に、うちの父…)の達ての希望で結婚式は日本で、
しかも…わたしの両親が挙げた明治神宮に決まってしまった。
それでも葵は、青い海は見えないかもしれないけど…。
神社も希望通りの開放的な空間だと納得してくれた。
海外挙式を諦めきれなかった…わたしは、バリ旅行中に青い空、
青い海の下で2人だけの式を挙げたいと思っていた。
もしも挙式が無理ならば…。ウェディングフォトだけでも撮影して、
記念に残したいと葵にワガママを言っていたのだ。
もちろん、そのワガママも聞き入れてくれて撮影の予定も組んでいた。
葵「○△□※◇☆………。
ここは、翼にも納得して欲しいんだけどッ!」
葵は何を言っても聞き分けのないわたしに、よっぽどイライラしたのか…
だんだん語尾が強くなってきた。
でも彼の声があまりよく聞こえなかったコトもあって、
なかなか納得が出来なかった、わたしはワガママを言い続けた。
翼「じゃあ、いいもん。
仕事が忙しくって葵が行けないなら、室長と行くからッ!」
途端、葵の顔色が急に変わった。
葵「なんで、ここで穂積が出てくるんだよッ!」
さっきまでとは、あきらかに声の大きさもトーンも違うし…
(あ…、やっと聞こえた)わたしも…葵の変化に気付いて、
さすがに一瞬(“元ヤン葵”に、ビビってしまい)躊躇したけれど、
でも分かってはいても…わたしの勢いも止まらない。
翼「だって。万が一、葵が行けない時は、室長に声をかけろって
言われてるんだもん」
葵「あぁ…そぉ。オレじゃなくていいのなら…。
穂積と2人で行けばいいだろ?」
わたしは瞳に、いっぱい涙をためながら…。
翼「葵は…いいんだ?
わたしが室長とバリに行っても…。一緒の部屋でも…」
葵「……ッ……。
穂積はオレと違って、君に優しくしてくれるんだろうね。
じゃあ…。オレ、もぉ(仕事に)行くから…」
結局、葵はシャワーもしないで、着替えを取りに戻ったのに
何も持たないで出て行ってしまった。
1人残った葵の部屋で…。わたしは一頻り泣いた。
泣いて、泣いて涙が枯れた頃に…。
やっと、わたしは冷静に考えるコトが出来るようになった。
今まで…葵は、わたしの、どんなワガママも、
いつだってスマートに対応して叶えてくれた。
葵を怒らせてしまったコトは、あの…声のトーンが変わった瞬間に
気付いた。なのに…。わたしは追打ちをかけてしまった。
葵。最後に…わたしのコト、名前で呼ばないで『君』って言った。
もぉ『翼』って、名前を呼ぶのも嫌だったのかなぁ……。
今回の出来事で別れるコトにはならないかもしれないけど、
きっと厭きれただろぉなぁ。
でも、もしも結婚式を挙げた後で…。
こんな…すれ違いが積み重なったら、葵に離婚されちゃうのかなぁ…。
そんなコトを考え始めたら、また涙が溢れてきた。
結局…わたしは家主が帰って来ない部屋で泣きながら、
ほとんど眠れぬ夜を過ごした。
朝、葵のラボに寄って謝るつもりで…早めに出掛けた。
でも葵が、まだ怒ってたら…。どうしていいのか分からない。
そう思うと…。
扉を開けることすら出来ず、その前で暫く立っていたけれど…。
どうしてもラボに入っていく勇気がなくて…。
1度、捜査室に戻って出直そうとUターンしたら、
どこかから戻ってきた細野さんとバッタリ鉢合わせてしまった。
細野「あッ…」
翼「あッ…」
お互いビックリして、つい声が出てしまう。
でも、わたしが口の前で人差し指を立てて「言わないで」って
ジェスチャーをしたので細野さんは言葉を飲んでくれた。
翼「細野さん、おはようございます」
小声で言いながら、ペコリと頭を下げて挨拶をした。
細野「(小声で)おはようございます。櫻井さん。御大ですか?」
翼「えぇ。でも忙しいでしょうから、ここで失礼します。
すみません。小野瀬さんに、コレ…を渡して頂けますか?」
葵の着替えと出掛けに作ったサンドウィッチが入った紙袋を手渡した。
細野「お渡しするのは、構いませんが…。
でも御大は、櫻井さんの顔を見たかったって言うと思いますよ?」
翼「ィェ…。いいんです。
小野瀬さんの…お仕事の、お邪魔はしたくないので…。
細野さんをお使いだてして本当に申し訳ありませんが、
どうか宜しくお願いします」
ペコリと頭を下げて、わたしは捜査室へ向かった。
細野さん経由で、葵の元に紙袋は届いただろうけど、
しばらく経っても彼からは何の連絡もなかった。
よっぽど怒ってるんだろぉなぁ。バリ行きは、もぉムリかも。
こんな雰囲気で行ったとしても、きっと楽しくないしぃ…。
ってか、葵と旅行なんて…もぉ一生行けないかもしれないなぁ…。
もしかしたら、このまま別れちゃうのかなぁ…。
わたしは退庁する前、一応…葵にメールしておいたけれど。
TO:葵
Subject:昨日はゴメンなさい
あの後。もっと葵の立場を考えるべきだった
と反省しました。
葵のパスポートと荷物は、わたしが持って
出掛けます。
もしも、仕事の目途がついて一緒に行ける
ようなら羽田空港に直接来てください。
でも、あまり無理しないで下さいね。
葵が来られなければキャンセルします。
翼
さっきからずっと携帯を握りしめているけれど、まだ何の反応もない。
そんなに、忙しいの?それとも、ムシ…?
もぉ…。わたしには、返事もしたくないの…かなぁ。
ワガママばかり言う…わたしのコトなんて、嫌いになっちゃった?
どんどんマイナスな方面へと想像してしまう。
~搭乗90分前~
もぉそろそろチェックインしないとヤバそぉなのに、
葵からは依然…連絡がない。
やっぱり仕事が忙しくて無理なのかな…。
バリ島(デンパサール)行きの便に搭乗される皆さんは、
どんどんチェックインをし始めてる。何度かアナウンスも入ってる。
もぉキャンセルしちゃおうかなぁ?と思っていたら、
葵からメールが入った。
TO:翼
Subject:オレの方こそ、ゴメン。
バリ行きを楽しみにしている翼の顔を
見ていたら、なかなか言い出せなくて…。
延ばし延ばしにして、前日に言うなんて。
ホント、ひどいよね。
今、車で羽田に向かっているんだけど。
かなりの渋滞で、間に合うか分からない。
でも絶対に、間に合わせるから祈ってて。
葵
翼「ぁ、ぉぃ…」
わたしは瞳をウルウルさせながら、何度も何度もメールを読んだ。
葵が来る。来てくれる。一緒に…、バリに行けるッ。
~メールから30分経過~
さっきから、ずっと葵の姿を探してるんだけど見つけられない。
そろそろチェックイン終了の時間…。
あたりをキョロキョロしてみたけど、やっぱり見当たらない。
あぁ…間に合わないんだ。
キャンセルしなきゃって思って、カウンターへと向かった…。
翼「あの…」と言って、チケットを出すと。
係員「恐れ入ります。お客様。バリ島行GA887便は、
ただ今チェックインが終了してしまいました」
翼「ぁ…あの…」
キャンセルって言葉を出そうとした瞬間…。
葵「翼ッ!」
翼「…ッあおい~ッ!」
葵の姿を確認すると、今までガマンしていた涙が溢れてきた。
わたしに代わって葵が急いでチェックインしてくれた。
葵「遅くなって申し訳ありません。チェックインお願いします」
そう言ったら…。女性の係員は、すんなりチェックインしてくれた。
ちょっと、ちょっとぉ…。
あの係員さん、わたしには終了したって言ってたのにぃ~~~~ッ。
それがパーフェクトにカッコいい葵(フィアンセの、ひいき目?)の、
エロエロビームがダダ漏れだからだったとしても。
この時ばかりは…
世の中の女性たちをトリコにしちゃう特殊能力が葵に備わってて
良かったと思った、わたしだった。