フトシの恋 *ともぴ様からの頂き物
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
~4日目~
オレは、翼と被害者の小川ミカさんが内定取消しに
なったという企業に赴いた。
彼女の採用が見送られたのは業績悪化が理由とされていたが…。
調べたところによると、業績悪化というような事実はなかった。
では、何で彼女の内定が取消されたのか…。
オレたちは人事部部長にアポを取りつけていたので、
その辺りも確認するつもりだった。
翼「警視庁の櫻井です(手帳を見せながら)」
小野瀬「小野瀬です。
本日は、お手数をおかけして申し訳ありません」
人事部長「いえ。弊社が採用を取消した小川ミカさんのコトで
いらしたとか…」
翼「ハイ。被害者の小川ミカさんがストーカー被害に
遭っていたというコトで、詳しく調べております。
内定されていたのに取消しにされた理由を伺いたいのですが…」
人事部長「えぇ…。確かに、初めは彼女に内定を出したのですが…」
人事部長は、伏し目がちに何かを言いよどんでいるような、
話すのをためらっているような、そんな気がする。
隣の翼の顔を見ると、どうも同じようなコトを思っている様子。
小野瀬「彼女は業績悪化のために、内定が取消されたと周囲に
言っていたようですが…」
人事部長「(顔をあげて)ご存知でしたか…。
そうです。表向きは、業績悪化のために採用を取消しました」
翼「表向きは…。と仰るということは、実際は違っていたのですね?」
人事部長「ハイ。彼女の採用が急に取消しになったのは……。
(ため息をついて)コレです」
翼「メール、ですね?」
人事部長「ハイ。“御社に内定した小川ミカは不倫している”
という内容で、この写真が添付されてました」
写真は、ファッションホテルから小川ミカさんと男性が
腕を組んで出てくる瞬間のモノだった。
翼「因みに…。この、相手の方はご存知ですか?」
人事部長「知りません」
小野瀬「彼女に真偽は確かめたんですか?」
人事部長「いえ。確かめておりません。でも疑わしいのなら…。
それに。例え、不倫でなかったとしても…。
リークされた時点で、彼女が第三者から怨恨を抱かれている
人物なのは間違いないワケです。
彼女を入社させても、どんな修羅場に巻込まれるのか分からないし…。
企業は、どんな小さなリスクでも避けたいんです。お察しください」
小野瀬「お話は分かりました…」
翼「では最後に…。この写真に写ってる方に見覚えはありますか?」
翼は、小笠原くんが調べていた防犯カメラに映っていた
不審人物の写真を見せた。
人事部長「どっかで…。いえ、ちょっと思い出せません」
翼「では、また、何かお気付きの点がございましたら…
(名刺を渡して)警視庁の櫻井までご連絡ください」
小野瀬「本日は貴重なお時間を割いていただき、
ありがとうございました」
オレ達は腰を上げて一礼し、応接室から退出した。
社外に出たところで…。
小野瀬「翼。食事して帰ろうか…」
翼「うん。そうだね。何、食べよっかぁ?」
小野瀬「オレはぁ…、翼…」
オレが翼の肩を抱こうとしたら…。
翼「またぁ…。ダぁメ。ただ今、お仕事中ですからッ!」
と言い、オレの手をペチと軽く叩いた音がした。
小野瀬「つめたいなぁ~。翼…」
シュンとして叩かれた手を見てるオレに、
翼「もぉ仕方ないなぁ。じゃあ。手ぇ繋いであげますねッ!」
ククク…(`△´)Ψダマされたな。翼…(笑)。
翼「ね~ぇ…葵?」
小野瀬「ん?なぁに?」
翼「自分の身体を大切にしてね。葵、長生きしてね。
お願い…。絶対。先に逝っちゃヤダからね」
小野瀬「(ビックリして)えっ…と、さ。翼。
分かってて言ってるの?
そのセリフって、何だか…えっちぃカンジがするケド…」
翼「もぉ~ッ!葵ぃ~ッ!」
真っ赤になった翼が慌てて手を放そうとしたので、
オレは隙を狙って恋人繋ぎにした。
小野瀬「だぁめッ!手ぇぐらいいいでしょ?
警視庁に戻るまで…。お・ね・が・い」
翼「ズルいよぉ。葵、甘えちゃってぇ…。
わたし、その顔…弱いのにぃ~」
へぇ~…。いいコト聞いちゃったぁ。またやろ。
捜査室に戻ると、みんな戻ってきていた。
穂積「おせぇじゃねぇかぁ~。小野瀬ぇ~。
ウチの娘、変なトコに連れ込んでねぇだろおなぁ?」
小野瀬「あぁ。ゴメン。ゴメン。
ってか、連れ込んでたって別にいいだろ?
オレら…婚約してるんだし、さ」
翼「ちょッ…。室長が想像してるようなトコには、
行ってませんからッ!もぉ…セクハラですぅ」
穂積「アホの子ぉ~。オレがどこを想像してるって思ったんだ?
え?ホラ…。ホラ…言ってみろ?」
みんな「完璧、セクハラ…」
穂積「オレは、許してないからなぁ~ッ!
ってかギリまで、反対してやるからな~ッ(`△´)Ψニヤリ」
小野瀬「穂積。翼がアホの子だったら、
お前がアホってコトになるぞ。
もぉ。ホント、いい加減にしてくれよな。
実の父親は賛成してくれてるんだから…。
ってか…。その微笑みは、なんなんだッ!悪寒が走るよッ!」
翼「2人とも、いい加減にして下さぁ~~~いッ!」
穂積「(スパっと切替えて)ハイ。じゃあ。櫻井、報告してぇ~」
翼「ハイ。ミカさんの内定を取消した会社に行って参りました。
取消した理由は、業績悪化ではなく…不倫疑惑の密告でした。
これが当時、企業側に送られてきたメールです。
特に、不倫の真偽は確かめずに内定を取消したと仰ってました。
君子危うきに近づかず…だそうです」
小野瀬「翼。それは、近寄らず…だよ。
人事部長は、リークされるというコトは第三者に怨恨を抱かれる
ような人物かもしれないから採用を取消したと言っていたね」
翼「でも、濡れ衣かもしれませんよね?」
明智「この、不倫相手って…」
翼「あ、人事部長は知らない人物だそうです」
明智「イヤ。オレ達が行ったA大の彼女の居たゼミの、
助教授の河合さんだよ。なぁ?小笠原…」
小笠原「でも。彼…、確か…左手の薬指に指輪してた」
藤守「オレらは、小笠原が防犯カメラで特定した不審人物が、
食堂に客として数回来ていたというところまでは掴めたんスけど」
如月「でも名前もわからないし、どこの誰かは特定できていません」
明智「客の1人ってだけじゃあ、どこを探したらいいか…。
見当もつかないよなぁ?」
翼「だったらッ!
もしかしたら、太田さんは面識あるかもしれないですよね?」
小野瀬「そうだね。ほぼ、毎日のように通っていたから…。
顔くらいは見たコトがあるかもしれない」
藤守「室長ッ!フトシに確認しても、ええですかッ!」
穂積「あぁ。じゃあ。明日、フトシに確認することにしましょう。
あとA大助教授にお越し頂いて、少しお話を聞きましょうか…。
明智、連絡とっておいて」
明智「了解です」
オレと翼の結婚式まで、あと6日。