フトシの恋 *ともぴ様からの頂き物
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フトシの恋
~Prologue~
いきなりですが…。
(プロローグのみ)初ナレーションという大役を仰せつかりました、
太田仁志です。
自分は警視庁鑑識課の…小野瀬ラボで働いております。
小野瀬さんを大変尊敬しているので、親しみを込めて
ラボのみんなで「御大」と呼んでおります。
ただ…。御大ご自身は、この呼び名を若干…ィャ、かなり?
気に入らないご様子ですが…。
鑑識課には毎日、いろんな依頼が舞い込んできます。
たいへん忙しい職場ですが、御大は男の自分も惚れ惚れするくらい
スゴイんですッ!!(力説)
迅速かつ正確に分析し、通常の2人分の仕事をこなしてしまいます。
仕事も出来るし…。さらに、今年も「警視庁の抱かれたい男No.1」
に選ばれておりました。
そりゃあ、もぉ男女問わず、人気があるんですから…。
ィャィャ…。
確かに自分は、ぽっちゃり系なのでアッチ系の人たちに
気に入られたりするんですが…。
でも決して!自分はアッチ系では、ありませんからぁ~~~ッッ。
穂積「なぁにぃ?フトシぃ~~~~?
こっちの世界に来るのぅ???楽しいわよぉ~~~~?」
フトシ「いえ…丁重に、ご辞退させて頂きますぅ~ッ!
それから、自分の名前はフトシありませんからぁ~ッ!
ヒトシですぅ~~~ッ!」
穂積「なんだとぉ~ッ?
オレが直々に迎えにきてやってんだろがぁ~~~ッ。」
フトシ「いやぁ~~~ッ!桜田門の悪魔にぃ~~~ッ!
アッチの世界に連れてかれるぅ~……」
なんて…。いつも自分のコトをフトシ呼ばわりする、
この…桜田門の悪魔(`△´)Ψとして名高い、彼が…。
御大と同期入庁でありながら、緊急特命捜査室の室長である穂積さん。
この穂積室長。
アッチの世界の住人と庁内ではウワサされておりますが、
かなり男っぽい所もありますし、真偽のほどは如何なのでしょう…。
ココだけの話にして頂きたいのですが…。
なんとなく…ですけど…。自分は、フェイクな気がして…。
ィェ…限りなく、グレーな感じの…、とってもアヤしい存在ですぅ。
今回の事件では、捜査室の方々にも多大なご迷惑をかけてしまい…。
いくら…お詫びしても、し足りない位です。
24時間のうち寝てる時間以外は、食べ物のコトばかり考えてた
自分でしたが…。
ある日…目覚めてしまいました。
それは、今から丁度1ヶ月前の出来事でした。
フトシ「御大。あそこですぅ。
安くて美味しくて、それに大盛はサービスらしいんですよぅ。
自分、1度行ってみたかったんですぅ」
2徹して仕事がやっと一段落したので、退庁される御大と一緒に
ランチに出掛けた。
自分は以前から…どうしても来たかった、この店に…
ワガママを言って御大を引っ張ってきたのだった。
小野瀬「へぇ。そぉなの…。
って、そぉ言えば。太田?最近また、ちょっと太っ…」
「太った」なんてキーワードは、御大だろうと言わせない…ですッ。
こういう時は、櫻井さんの話を振る…に限るッ!
フトシ「そぉだ。御大。最近、あまりお見かけしませんが…。
櫻井さんは、お元気ですか?」
小野瀬「あぁ。そっか、そういえば…ラボには顔を出していないね。
彼女、今ちょっと忙しいんだよ。
でも元気だよ。今日は、交通課の手伝いに行ったみたいだよ…」
御大は、来月…緊急特命捜査室の櫻井さんとご結婚されるのです。
櫻井さんのお父さんから結婚のお許しを頂いてすぐ、御大直々に
結婚が決まったというご報告がありましたけど…。
先月だったか…櫻井さんがラボへ来てくれた際に、お2人揃って
1人1人に披露宴の招待状を手渡しして下さいました。
フトシ「御大、着きましたぁ。ココですぅ」
自動ドアが開くと、元気のいい店員さんが…。
店員「いらっしゃいませぇ。おふとりですかぁ?」
フトシ「え………」
店員「あッ。ごめんなさい。お2人ですか?」
小野瀬「ククク…」
もぉ…御大ってばぁ…。
我慢して笑いをこらえてるっぽぃケド、肩が揺れてますからぁ。
フトシ「2人ですぅッ!」
店員「こちらに、どうぞぉ」
席に案内されて。
小野瀬「まぁ。確かに、お太り…だもんねぇ…クク…」
ボソっと言って、まだ…こらえ笑いしてる。
フトシ「んもぉ。自分は、この体型を維持するためにですねぇ~」
小野瀬「維持しなくていいから…。
ってか、いくらオレが “ぽっちゃり党”でも限度があるから…。
太田。そぉいえば…。キミ、糖尿の境界型で再検らしいね?」
フトシ「えぇッ?御大ぃ~ッ!何で知ってるんですかぁ~~~ッ?」
先日の、健康診断結果が届いていたのだ。
それには再検査の判が押されていた。
御大。なんて情報網だ…。ってか…誰だよ。漏らしたの…。
まだ誰にも言ってないのにぃ~。
小野瀬「お互いに、気を付けないと…ね。
オレ達の仕事は、ただでさえ不規則なんだから…。
今は若いから何とかなってるかもしれないけど、
カラダを壊してからだと遅いんだよ?」
自分は、メニューを見ながら御大の話を聞いていた。
フトシ「自分は、生姜焼き定食の大盛りにしますッ。
御大は、どうしますか?」
小野瀬「ねぇ。太田…キミ、オレの話…聞いてた?」
フトシ「もちろんですよ。
自分の身体を心配してくれるのは、たいへん有難いんですけど…。
でも節制は明日からに、させて下さい。
だって…。今日は、せっかくココに来れたんですよぉ?」
小野瀬「いつまでも若くはないんだからね。
(手を挙げながら)すみません」
御大が店員さんを呼ぶ。
店員さんは、お茶とお手拭を持ってきてくれた。
小野瀬「生姜焼き定食を2つ。1つは大盛りで…。
あと、野菜サラダも2つ、ね。
太田。節制は明日からでもいいから、野菜サラダを食べなさい」
フトシ「野菜、ですか?」
小野瀬「うん。オレ。外食の時には、必ず野菜サラダも
食べてねって言われてるんだよ」
フトシ「えッ?」
束縛って…嫌がるかと思ったのに、とっても嬉しそうに話す御大に
自分は…少なからず驚いてしまった。
たぶん、余程ビックリした顔をしていたんでしょうか…。
小野瀬「驚いた?まぁね。オレも…だよ。人って変わるモンだねぇ(笑)」
笑いながら…そんな話をしていたら、生姜焼き定食が来た。
店員「生姜焼き定食の普通盛りと野菜サラダでぇす」
小野瀬「あ、オレ。大盛りはアッチね」
店員「大盛りでぇす。あと。コレ、サービスです。
先ほど、失礼しちゃったんで…」
と言って…。彼女は血糖値を下げると言われている、
蕃爽麗茶を付けてくれた。
フトシ「えぇ?そんな、申し訳ないですぅ。気にしないでくださいよぉ」
小野瀬「太田。せっかくのご厚意なんだから受取りなさい」
フトシ「え…。だって…」
小野瀬「いいから」
フトシ「ハイ。じゃあ。頂きますね。ありがとうございますぅ」
店員「いいえぇ。どうぞ。冷めないうちに、お召し上がりください」
元気な店員さんはニッコリ笑って、そう言った瞬間、自分は恋に堕ちた。
ここの店員、小川ミカさんに。
自分は毎日のように昼も夜も、この店に通いつめた。
お陰で、いろいろ分かったことがある。
小川ミカさんは、この店のご主人の娘で…。
今春、大学を卒業したが今は就職浪人の身なので、
お父さんの店を手伝っているらしい。
彼氏はおらず(ラッキっ!)、推理物の2時間ドラマが好きで、
食べ歩きが趣味。
自分は、あの日以来、御大の言いつけ通りに野菜サラダを付けて、
大盛りはやめて普通盛りで注文しているんだけど…。
彼女は毎回、蕃爽麗茶を付けてくれる。
そこでラボで飲むのも蕃爽麗茶に変えてみた。ら…。
健康診断の再検の結果は、糖尿病の境界型から通常の数値に戻っていた。
フトシ「御大~~~~ッ!大変ですぅ~~~ッ。
御大の言う通りに、野菜サラダを食べるようにして
ご飯の量も減らして、しょっちゅう蕃爽麗茶を飲んでたら……。
再検査、突破できましたぁ~~~~ッ。ありがとうございますぅ」
と、言いながら。御大が休んでいるソファの方へ…行くと。
ものすごぉくアワアワしてる櫻井さんが居て…。
さすがの自分も…。かなりマズいタイミングだったことに気付く。
小野瀬「(咳払いして)太田。良かったねぇ。
これも彼女のお陰かな?」
フトシ「ごめんなさぁ~~~い。
自分、ちょっとコンビニへ買出しに行ってきまぁ~すッ」