春の広報☆警視庁~緊急特命捜査室号~
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明智&藤守編(副音声:如月&小笠原)
藤守
「くっそー、終わらへん!」
明智
「藤守、そろそろ広報課が来る時間だぞ」
藤守
「マジすか?俺まだ報告書が終わらないんすけど!」
明智
「見せてみろ。……お前、これ、先週のじゃないか!」
藤守
「ううう」
如月
「藤守さんって、ホント、書類作成が苦手なんですねー」
小笠原
「俺から見ると、お前も同類だけど」
如月
「俺は先週のなんか残ってません!」
小笠原
「でも今週のは残ってる」
如月
「ううう」
小笠原
「藤守さんと如月は、身体的能力と事務処理能力の差が大きすぎる」
如月
「ヤブヘビだ……」
藤守
「明智さんは才能のバランスがええですよねえ」
明智
「俺の事務処理能力は定時に帰る必要性によって、やむにやまれず磨かれたものだ」
広報課職員
「こんにちは広報課です!明智さん、藤守さん、本日は、インタビューよろしくお願いします!」
明智
「よろしくお願いします」
藤守
「明智さんすんません、進めといて下さいー」
明智
「お、俺がか?」
如月
「おーっと、藤守さん戦線離脱です!」
小笠原
「簡単なインタビューらしいし、むしろ明智さんだけでいいんじゃない」
広報課職員
「では明智さん、ボイスレコーダー回しますので、このハガキの質問を読んで、答えて頂けますか?」
明智
「ハガキ?」
広報課職員
「庁内から広報課に届いたリクエストハガキです。本日は2、3件ピックアップしてきました。明智さん、よろしくお願いします」
明智
「……で、でで」
如月
「でで?」
明智
「では、し、質問です。明智、さんはな、ななん」
小笠原
「……」
明智
「何で、もそ、そつな、くこ、なしてかかかか格、好いいで」
小笠原
「明智さんが誤作動してる」
如月
「あー、現場再現の台本読む時とおんなじですね」
小笠原
「大根役者……」
藤守
「明智さん!俺が読みます!」
明智
「藤守……だがお前は」
藤守
「明智さんは、代わりに俺の報告書をお願いします!」
如月
「なるほど」
小笠原
「如月、感心してる場合じゃないぞ」
明智
「……」
如月
「あっ、明智さんが藤守さんと席を替わってパソコンの前に座りました!」
小笠原
「見てない、俺は何も見てない」
如月
「あれっ、小笠原さん?……行っちゃった」
藤守
「よっしゃ!ほな、賢史くんがお便り読むでー!」
広報課職員
「ははは……」
明智
「……」
藤守
「『明智さんは何でもそつなくこなして格好いいですね。ぶっちゃけ、後輩たちの欠点が目についちゃいませんか?』……何やねんこれ」
明智
「そんな風には思わない。俺だって、室長や小野瀬さんに比べたら欠点だらけだし」
藤守
「明智さんは優しいなあ」
明智
「おい、本当だぞ。今だって、藤守に助けてもらってるじゃないか」
藤守
「今はお互いさまですやん!」
明智
「ここはこんな感じか」
藤守
「はい…って半分終わってる!マジすか!明智さん、やっぱ凄いわ!」
明智
「今日も定時で帰りたいだけだ。藤守、そのまま進めてくれ」
藤守
「了解っす。『藤守さんはモテるんですか?モテないんですか?』……俺が聞きたいっちゅうねん!」
明智
「何でお前はモテないんだ?」
藤守
「がーん!( ̄□ ̄;)!!」
明智
「あ、ああすまん。しょっちゅう合コン行ってるのに、一向に彼女の話をしないから、てっきり……」
如月
「明智さん、藤守さんは、合コンではモテるタイプですよっ」
藤守
「おっ、如月!もっと言うたって!」
如月
「ジャンルで言うと、『楽しい人』です!」
藤守
「それモテてへん!」
明智
「そう言えば、如月もよく一緒に合コン行ってるな」
藤守
「こいつのジャンルは『女友達』ですよ!他の男の品定めと、メイクの話でめっちゃ盛り上がってますよ!」
如月
「わー!」
明智
「二人とも見た目はいいし性格は明るいし、モテるタイプだと思うがな」
如月
「うわーん、俺もう明智さんと結婚したいです!」
明智
「こら如月、しがみつくな!」
藤守
「明智さん……関東の女の子には俺の魅力がわからへんねん、て事でいいすか……?」
如月
「それだと、藤守さんは関西ではモテる事になっちゃいますけど」
明智
「藤守、隅っこで丸くなるのはやめろ。元気出せ。全部出来たぞ」
藤守
「うわーん、俺も明智さんと結婚したいです!」
明智
「お前もしがみつくなっ!」
小笠原
「まだバカやってる」
如月
「あっ小笠原さん。トイレでしたか?」
小笠原
「巻き込まれたくないから逃げてたんだよ。そろそろ定時だから、場を締めてよ」
明智
「藤守」
藤守
「それでは今回の放送はここまで!担当は、明智と藤守でした。またお会いしましょう!」
如月
「それじゃラジオのパーソナリティですよ……」
広報課職員がボイスレコーダーを止めた。
広報課職員
「ありがとうございましたー。後ほどこれを編集して、広報に使わせて頂きます」
頭を下げる相手に明智はお辞儀を返したが、小笠原は溜め息をついた。
小笠原
「使える所あるの?」
藤守
「うーん。ま、広報のミニコーナーやし。実際は印刷物や。担当者が上手いこと作るやろ」
広報課職員
「ハイお任せ下さい。では、ありがとうございましたー!」
明智は時計を見た。
明智
「定時で帰れそうだな」
藤守
「うおー、ホンマに報告書全部終わっとる!明智さん、ありがとうございます!」
如月
「良かったですねえ藤守さん」
明智
「よし。じゃあ、今日はこれで帰ろう」
小笠原
「俺明日休もうかな」
翌日。
穂積
「藤守ー」
穂積が室長席から、藤守を手招きした。
藤守
「はい!」
藤守は弾かれたように立ち上がると、急いで、穂積の机に駆け寄った。
穂積
「報告書、全部読んだわよ」
穂積がにっこり笑う。
藤守
「ありがとうございます。遅くなってしまって、ホンマにすんませんでした!」
藤守は深々と頭を下げた。
明智
「……」
穂積
「いいのよ。それより、今回の報告書、とても良く出来てたわ」
穂積はにこにこしている。
藤守
「ありがとうございます!」
穂積
「藤守を見直したわ」
藤守
「ありがとうございます!」
穂積
「まるで、明智が作ったみたいに良く出来た報告書だったわよ」
明智
「!」
藤守
「!」
如月
「!」
小笠原
「……」
全員静まり返り、おずおずと顔を上げて、穂積を見た。
穂積は相変わらず笑顔だ。
端正な顔立ちの穂積の笑顔は、同性でも見惚れるほど完璧で美しい。
だが、その笑顔が、とてつもなく恐ろしいのは何故だろう。
穂積は藤守以外の全員も無言の手招きで机の周りに呼び寄せると、ゆっくりと立ち上がった。
穂積
「明智」
明智
「は、はいっ!」
穂積
「どうしてお前が、藤守の報告書を書いてる?」
明智
「う……、そ、それは……すみませんでした!」
明智の頭を、ぱん、とファイルではたいて、穂積は如月と小笠原を見た。
穂積
「お前らも知っていたな?」
小笠原
「……知ってた」
穂積
「敬語!」
小笠原は無実を主張しようかとも思ったが、穂積が男言葉の時には、逆らわない方が賢明だと考え直した。
如月は半泣きだ。
如月
「えー?どうしてバレちゃったんですか?!」
穂積は、その如月と小笠原の頭も、ファイルでぱんぱん、とはたいた。
穂積
「藤守」
藤守
「すっすんません、つい出来心で!」
穂積
「ほう。お前は、出来心で警察の書類を偽装するんだな」
藤守
「うわーん、勘弁してください!」
穂積
「やかましい!」
穂積は一喝した。その剣幕に、全員が首を竦める。
穂積
「ごめんですんだら警察はいらねえんだよ!」
穂積の手が、ファイルを握った。
藤守
「ぶ!」
穂積が投げた分厚いファイルは、驚異の正確さで藤守の顔面を直撃する。
穂積
「明智は反省文!藤守は始末書!書き上げるまで今日は帰さん!」
明智
「……はい」
藤守
「ううう」
如月
「振り出しに戻った」
小笠原
「しっ、如月。巻き込まれるから黙ってろ」
穂積
「けっ、馬鹿どもが」
明智
「出来ました」
穂積
「はい完璧。明智は帰っていいわよ」
明智
「……いえ、藤守が終わるまで、残ります」
藤守
「ううう、すんません」
こうして今夜も、捜査室の明かりは深夜まで消える事は無かった。
明智
「それにしても、室長、どうして分かったんですか?」
穂積
「勘」
→next 如月&小笠原
藤守
「くっそー、終わらへん!」
明智
「藤守、そろそろ広報課が来る時間だぞ」
藤守
「マジすか?俺まだ報告書が終わらないんすけど!」
明智
「見せてみろ。……お前、これ、先週のじゃないか!」
藤守
「ううう」
如月
「藤守さんって、ホント、書類作成が苦手なんですねー」
小笠原
「俺から見ると、お前も同類だけど」
如月
「俺は先週のなんか残ってません!」
小笠原
「でも今週のは残ってる」
如月
「ううう」
小笠原
「藤守さんと如月は、身体的能力と事務処理能力の差が大きすぎる」
如月
「ヤブヘビだ……」
藤守
「明智さんは才能のバランスがええですよねえ」
明智
「俺の事務処理能力は定時に帰る必要性によって、やむにやまれず磨かれたものだ」
広報課職員
「こんにちは広報課です!明智さん、藤守さん、本日は、インタビューよろしくお願いします!」
明智
「よろしくお願いします」
藤守
「明智さんすんません、進めといて下さいー」
明智
「お、俺がか?」
如月
「おーっと、藤守さん戦線離脱です!」
小笠原
「簡単なインタビューらしいし、むしろ明智さんだけでいいんじゃない」
広報課職員
「では明智さん、ボイスレコーダー回しますので、このハガキの質問を読んで、答えて頂けますか?」
明智
「ハガキ?」
広報課職員
「庁内から広報課に届いたリクエストハガキです。本日は2、3件ピックアップしてきました。明智さん、よろしくお願いします」
明智
「……で、でで」
如月
「でで?」
明智
「では、し、質問です。明智、さんはな、ななん」
小笠原
「……」
明智
「何で、もそ、そつな、くこ、なしてかかかか格、好いいで」
小笠原
「明智さんが誤作動してる」
如月
「あー、現場再現の台本読む時とおんなじですね」
小笠原
「大根役者……」
藤守
「明智さん!俺が読みます!」
明智
「藤守……だがお前は」
藤守
「明智さんは、代わりに俺の報告書をお願いします!」
如月
「なるほど」
小笠原
「如月、感心してる場合じゃないぞ」
明智
「……」
如月
「あっ、明智さんが藤守さんと席を替わってパソコンの前に座りました!」
小笠原
「見てない、俺は何も見てない」
如月
「あれっ、小笠原さん?……行っちゃった」
藤守
「よっしゃ!ほな、賢史くんがお便り読むでー!」
広報課職員
「ははは……」
明智
「……」
藤守
「『明智さんは何でもそつなくこなして格好いいですね。ぶっちゃけ、後輩たちの欠点が目についちゃいませんか?』……何やねんこれ」
明智
「そんな風には思わない。俺だって、室長や小野瀬さんに比べたら欠点だらけだし」
藤守
「明智さんは優しいなあ」
明智
「おい、本当だぞ。今だって、藤守に助けてもらってるじゃないか」
藤守
「今はお互いさまですやん!」
明智
「ここはこんな感じか」
藤守
「はい…って半分終わってる!マジすか!明智さん、やっぱ凄いわ!」
明智
「今日も定時で帰りたいだけだ。藤守、そのまま進めてくれ」
藤守
「了解っす。『藤守さんはモテるんですか?モテないんですか?』……俺が聞きたいっちゅうねん!」
明智
「何でお前はモテないんだ?」
藤守
「がーん!( ̄□ ̄;)!!」
明智
「あ、ああすまん。しょっちゅう合コン行ってるのに、一向に彼女の話をしないから、てっきり……」
如月
「明智さん、藤守さんは、合コンではモテるタイプですよっ」
藤守
「おっ、如月!もっと言うたって!」
如月
「ジャンルで言うと、『楽しい人』です!」
藤守
「それモテてへん!」
明智
「そう言えば、如月もよく一緒に合コン行ってるな」
藤守
「こいつのジャンルは『女友達』ですよ!他の男の品定めと、メイクの話でめっちゃ盛り上がってますよ!」
如月
「わー!」
明智
「二人とも見た目はいいし性格は明るいし、モテるタイプだと思うがな」
如月
「うわーん、俺もう明智さんと結婚したいです!」
明智
「こら如月、しがみつくな!」
藤守
「明智さん……関東の女の子には俺の魅力がわからへんねん、て事でいいすか……?」
如月
「それだと、藤守さんは関西ではモテる事になっちゃいますけど」
明智
「藤守、隅っこで丸くなるのはやめろ。元気出せ。全部出来たぞ」
藤守
「うわーん、俺も明智さんと結婚したいです!」
明智
「お前もしがみつくなっ!」
小笠原
「まだバカやってる」
如月
「あっ小笠原さん。トイレでしたか?」
小笠原
「巻き込まれたくないから逃げてたんだよ。そろそろ定時だから、場を締めてよ」
明智
「藤守」
藤守
「それでは今回の放送はここまで!担当は、明智と藤守でした。またお会いしましょう!」
如月
「それじゃラジオのパーソナリティですよ……」
広報課職員がボイスレコーダーを止めた。
広報課職員
「ありがとうございましたー。後ほどこれを編集して、広報に使わせて頂きます」
頭を下げる相手に明智はお辞儀を返したが、小笠原は溜め息をついた。
小笠原
「使える所あるの?」
藤守
「うーん。ま、広報のミニコーナーやし。実際は印刷物や。担当者が上手いこと作るやろ」
広報課職員
「ハイお任せ下さい。では、ありがとうございましたー!」
明智は時計を見た。
明智
「定時で帰れそうだな」
藤守
「うおー、ホンマに報告書全部終わっとる!明智さん、ありがとうございます!」
如月
「良かったですねえ藤守さん」
明智
「よし。じゃあ、今日はこれで帰ろう」
小笠原
「俺明日休もうかな」
翌日。
穂積
「藤守ー」
穂積が室長席から、藤守を手招きした。
藤守
「はい!」
藤守は弾かれたように立ち上がると、急いで、穂積の机に駆け寄った。
穂積
「報告書、全部読んだわよ」
穂積がにっこり笑う。
藤守
「ありがとうございます。遅くなってしまって、ホンマにすんませんでした!」
藤守は深々と頭を下げた。
明智
「……」
穂積
「いいのよ。それより、今回の報告書、とても良く出来てたわ」
穂積はにこにこしている。
藤守
「ありがとうございます!」
穂積
「藤守を見直したわ」
藤守
「ありがとうございます!」
穂積
「まるで、明智が作ったみたいに良く出来た報告書だったわよ」
明智
「!」
藤守
「!」
如月
「!」
小笠原
「……」
全員静まり返り、おずおずと顔を上げて、穂積を見た。
穂積は相変わらず笑顔だ。
端正な顔立ちの穂積の笑顔は、同性でも見惚れるほど完璧で美しい。
だが、その笑顔が、とてつもなく恐ろしいのは何故だろう。
穂積は藤守以外の全員も無言の手招きで机の周りに呼び寄せると、ゆっくりと立ち上がった。
穂積
「明智」
明智
「は、はいっ!」
穂積
「どうしてお前が、藤守の報告書を書いてる?」
明智
「う……、そ、それは……すみませんでした!」
明智の頭を、ぱん、とファイルではたいて、穂積は如月と小笠原を見た。
穂積
「お前らも知っていたな?」
小笠原
「……知ってた」
穂積
「敬語!」
小笠原は無実を主張しようかとも思ったが、穂積が男言葉の時には、逆らわない方が賢明だと考え直した。
如月は半泣きだ。
如月
「えー?どうしてバレちゃったんですか?!」
穂積は、その如月と小笠原の頭も、ファイルでぱんぱん、とはたいた。
穂積
「藤守」
藤守
「すっすんません、つい出来心で!」
穂積
「ほう。お前は、出来心で警察の書類を偽装するんだな」
藤守
「うわーん、勘弁してください!」
穂積
「やかましい!」
穂積は一喝した。その剣幕に、全員が首を竦める。
穂積
「ごめんですんだら警察はいらねえんだよ!」
穂積の手が、ファイルを握った。
藤守
「ぶ!」
穂積が投げた分厚いファイルは、驚異の正確さで藤守の顔面を直撃する。
穂積
「明智は反省文!藤守は始末書!書き上げるまで今日は帰さん!」
明智
「……はい」
藤守
「ううう」
如月
「振り出しに戻った」
小笠原
「しっ、如月。巻き込まれるから黙ってろ」
穂積
「けっ、馬鹿どもが」
明智
「出来ました」
穂積
「はい完璧。明智は帰っていいわよ」
明智
「……いえ、藤守が終わるまで、残ります」
藤守
「ううう、すんません」
こうして今夜も、捜査室の明かりは深夜まで消える事は無かった。
明智
「それにしても、室長、どうして分かったんですか?」
穂積
「勘」
→next 如月&小笠原
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