夜想曲
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~小野瀬vision~
……ねえ、
もう、眠ってしまったかな?
今夜は月が綺麗だよ。
もし、まだ起きているのなら、
これからきみの部屋の窓を開けて、
空を見上げてくれたら嬉しいな。
今、俺が見ているこの美しい景色を、
きみにも見せてあげたいんだ。
もし、もう眠っていたのなら、
きみが見ているその夢を、
いつか、話して聞かせて欲しい。
……月が綺麗だよ。
こんな夜は、
万葉の頃の歌のように、
月の船を漕いで、星の林を抜けて、
雲の波を越えて、きみに逢いに行きたいんだ。
叶うなら、天の海で二人きり、
きみの傍らで、夜明けまで、優しい旋律を奏でてあげたい。
煙る息で温めているけど、上手く弾けるかな。
指先がかじかんでしまう前に、
きみに想いが届くといいな。
あ。
はは、
見つかっちゃった?
うん。
ここまで来ちゃったよ。
何となく、月の光に誘われて。
ごめん。
嘘だよ。
何となく、なんて、嘘。
ごめんね。
真冬なのに、真夜中なのに、迷惑なのに、分かってるのに。
光が漏れてたきみの窓を見上げて、姿が見えるまで待っているつもりだったのは、本当だけど。
もしも、眠っていたのなら、幸せな夢を邪魔しないよう、朝まで待つつもりだったのも、本当だけど。
どうしても逢いたくて、留守番電話に話し掛けてた。
……見つけて欲しかった。
駆け降りて来てくれて、ありがとう。
パジャマ姿だけど、きみは俺の天女様。
このまま、俺の部屋まで連れて行ってしまっても、羽衣を隠して帰れなくしてしまっても、構わない?
……ねえ、ほら、
見上げてごらん。
月が綺麗だよ。
一緒に見たかったんだ。
きみも、同じ気持ちでいてくれたら、嬉しいんだけど。
俺の思いが迷惑じゃなかったら、嬉しいんだけど。
~END~