出逢い
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~小野瀬vision~
「ふう」
先輩に連れられて、穂積は行ってしまった。
まあ、忙しいのは分かってる。
俺は誘った。
一度誘っておけば、先輩たちにもとりあえず顔が立つだろう。
それにしても……穂積泪。
あんなにキレイな顔をしていて、性格はなかなかキツイ。
しかも鋭い。
あいつの言う通り、俺は、高校時代かなり荒れていた。
だが、入庁してニ年。俺は、女性に優しい色男で通っているはずだ。
抱かれたい男No.1。桜田門の光源氏。
それなのに、だ。
穂積は一瞬で、隠していた俺の全てを見抜いた。
恐ろしい。
そして、気に入らない。
~穂積vision~
「小野瀬と親しいのか?」
移動の車の中で、不意に先輩が訊いてきた。
俺は前を向いたまま答える。
「同期入庁です」
「ああ、そうか」
「話をしたのは今日が初めてです」
先の信号が黄色になり、俺はブレーキを踏んだ。
「科警研だからな。今は出向だけど。優秀らしいぞ」
「そうですか」
「鑑識とは仲良くする方がいいぞ」
「はい」
あいつと仲良く?
確かに頭は切れそうだが。
顔は笑っていても、目は笑っていない。腹の底で何を考えているのか分からない。
小野瀬葵。
気に入らない。
青信号に変わり、俺はアクセルを踏んだ。
数年後、穂積は緊急特命捜査室の室長に抜擢され、小野瀬は鑑識に専用研究室を設けるまでの技官になる。
そして穂積が小野瀬の研究室に足しげく通い、小野瀬が穂積の捜査室に入り浸るようになるのだが、この時の二人はまだ、その事を知らない。
~END~