如月の悲劇
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*後日談
如月
「……と、いうような事があったんですよ」
いつもの居酒屋、今日の如月は絡み酒だ。
こちらの鍋では如月、明智、藤守、小笠原が鍋をつついている。
藤守
「まあまあ、如月。ほら、取り皿を出し。鴨肉入れたるから」
如月
「ありがとうございます。でも、小野瀬さんの件では、藤守さんも一枚噛んでた事、忘れませんからね」
藤守
「うっ」
明智
「小笠原、野菜が煮えたぞ」
小笠原
「うん」
如月
「その他にもですよ、女の子に会議室に呼び出されて、ドキドキしながら向かったら、俺のじゃなく室長の携帯の番号を教えてくれって言われたり……女の子に、廊下でラブレターをもらったと思ったら小野瀬さん宛てで、如月くん渡してくれってオチだったりなんかした事も、一度や二度じゃないんですよ」
隣の鍋の方から、小野瀬ののんびりした声が聞こえてきた。
小野瀬
「ラブレターか、そんな事もあったねえ」
小野瀬はニコニコしながら、烏龍茶を啜っている。
如月
「とにかく、そうして期待を裏切られるたびに俺のグラスハートは傷付いてきたんですよ。そこへ、今回の十二人略奪事件です」
穂積
「その子たちは元々、小野瀬目当ての女だったんでしょ?当然の結果じゃない。……櫻井、これ美味しいわよ」
如月
「でも、室長!十二人を根こそぎですよ!」
穂積
「一晩に1ダースぐらい、小野瀬ならどうって事無いわよ。……美味しい?そう良かった。こっちも食べる?はい、あーん」
如月
「そうなんですか?!小野瀬さん、十二人全員喰っちゃったんですか?!」
小野瀬
「まさか。ファミレスに連れてって、デザート食べさせて解散だよ。櫻井さん、これも美味しいよ。ふーふーしてあげるね」
穂積
「櫻井、よく噛むのよ。ふふふ、アンタがもぐもぐしてるの、可愛いわね」
小野瀬
「真っ赤になって、櫻井さんは本当に可愛いね。唇の横に何か付いてるよ、ほら」
如月
「わー!二人とも何してるんですか!室長!肩を抱かない!小野瀬さん!翼ちゃんに触らない!」
藤守
「如月……気付くの遅っ」
小笠原
「最初に席順がおかしいって思わなかったのかな」
穂積
「うるせえぞ如月。お前は合コン行って他の女口説いてりゃいいだろうが」
小野瀬
「そうそう。俺たちは合コンに呼んでもらえないみたいだからね」
如月
「ぐぐぐ」
穂積
「櫻井、正座は疲れるでしょ?足を崩しなさい、こっちに。ワタシが揉んであげる」
小野瀬
「上半身は俺に任せて。今そっち行くから。肩凝ってるね。首のここにツボがあるの知ってる?」
如月
「わ゙ーん!」
小笠原
「泣く事無いと思うけど」
藤守
「如月、落ち着け。相手にしたら負けやで」
明智
「小笠原、肉も食べろ」
小笠原
「うん」
如月
「あんなに触って!パワハラだ!セクハラだ!翼ちゃーん!」
穂積
「だからうるせえよ。セクハラかどうか櫻井に聞いてみろ」
翼
「……気持ちいいでしゅ……」
小野瀬
「ほらね。嫌がらなければハラスメントにはならないんだよ、如月くん」
如月
「うわーん!」
藤守
「泣くな如月、気持ちは分かるで。俺も泣きそうや」
如月
「うわーん、藤守さーん」
藤守
「よしよし」
明智
「そろそろ雑炊を作りますから」
一同
「はーい」
如月
「みんな、俺より雑炊……」
藤守
「あー、美味かったですねえ」
穂積
「やっぱり明智は天才だな」
明智
「恐縮です」
小笠原
「本当に美味しかった」
翼
「私もお腹いっぱいですー。それにマッサージも気持ち良くて、もうふにゃふにゃ」
如月
「……」
穂積
「じゃあ、ここで解散ー」
一同
「ご馳走さまでした!」
穂積
「まあ、たまにはね」
如月
「……」
小野瀬
「まあまあ、如月くん機嫌を直して。これから、いい所へ連れてってあげるから」
如月
「……え?」
翼
「まだ、どちらか行かれるんですか?」
穂積
「そ。でも、アンタはもう遅いから帰りなさいね。明智たちを護衛につけるわ」
明智
「了解です。藤守、小笠原、いいな」
藤守・小笠原
「了解」
如月
「えっ?えっ?俺だけですか?」
小野瀬
「そ。如月くんには可哀想な事をしたみたいだからね。これから、お兄さんたちが楽しい事を教えてあげる」
如月
「ううっ……俺、俺、室長と小野瀬さんを誤解してました……」
穂積
「じゃあ明智、よろしくね。みんな、また明日」
一同
「お疲れさまでしたー」
如月
「おっはよーございまーす!」
明智
「おはよう。朝から機嫌がいいな」
藤守
「どうだった、あれから」
小笠原
「……楽しかったみたいだね」
翼
「どちらへ行かれたんですか?」
如月
「ふっふっふー」
如月は明智の机の横で、くるくる回っている。
その時、扉が開いた。
穂積
「おはよう」
小野瀬
「おはよう」
如月
「あっ!兄さんたち!おはようございまーす!」
藤守
「……兄さん?」
穂積
「おはよう、如月。昨夜は楽しんでもらえたかしら」
如月
「はい!あんな楽しかったの、俺、生まれて初めてです!ありがとうございました!」
小野瀬
「ふふ、良かった。機嫌を直してもらえて嬉しいよ」
如月
「いやー、もう、ホント最高でした!俺、これからもお二人に付いていきますのでよろしくお願いします!」
藤守
「……何があったんやろ」
小笠原
「知らない方がいい確率、100%」
明智
「まあ、元気になったからいいじゃないか」
ふふふ、と櫻井が笑った。
翼
「如月さんがゴキゲンだと、みんな嬉しいですね」
如月
「よーし、今日も一日、頑張るぞー!」
~END~