変なの。
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~小笠原vision~
ああ、やだやだ。
向いてないんだよ。
この俺が新人指導だなんて。
しかも女の子とかありえない。
室長、絶対わざとだよ。
俺もう明日から出勤しない。
~翼vision~
困ったなあ。
小笠原さん、全然捜査室にいてくれないの。
今までは、いつでもナナコ(パソコン)の近くにいたのに。
きっと嫌われてるんだよね私。
でも、私から逃げてるせいで、小笠原さんの仕事まで遅れたらどうしよう。
うう。
落ち込んできちゃった。
~小笠原vision~
探しになんか来なくていいのに。
迎えに来られたら帰るしかないだろ。
小野瀬さんも小野瀬さんだよ。
彼女の味方をして俺を追い出すとか、ほとんど暴力でしょ。
そりゃ、鑑識室は俺がふて寝するためにあるんじゃないけど。
ああやだなあ。
~翼vision~
やっと帰って来てくれたけど。
話し掛けても会話が続かない。
目も合わせてくれないし。
仕事を頑張って、認めてもらうしかないのかな。
一区切りついたらコーヒー淹れてみようかな。
思い切って雑談とかしてみる?
悪い人じゃないのは分かってる。
何とか仲良くなれないかなあ。
~小笠原vision~
彼女、パソコン買ってみようかな、だって。
WindowsとMacintoshの違いも分かってないみたいだけど。
俺には分かってる。
彼女は俺と会話したいんだ。
面倒だし、会話の内容は的外れだけど。
たまには話に乗ってやってもいいのかな。
彼女、嬉しそうだったし。
~小笠原vision~
彼女が淹れてくれるお茶は美味しい。
これは認める。
教えた事は、すぐに出来るようになる。
これも認める。
誰にでも毅然とした態度と笑顔で接する事が出来て、なおかつ礼儀正しい。
勘がいいし、知的レベルも低くない。
それなのに、血液型とか何?
俺って、そんなに会話の糸口が見つからないのかな。
それにしても血液型とか何?
バカじゃないの?
ガッカリだよ。
~翼vision~
血液型占いは失敗だったかな。
小笠原さん呆れてたみたい。
答えてくれたけど。
というか意外と血液型占いに詳しかったけど。
お誕生日はいつだっけ?
……知らないかも。
室長に教えてもらおうかな。
でもなあ、まだ、そんなに仲良くないし。彼女でもないのに、プレゼントとか変よね。
でも、プレゼントをきっかけに仲良くなれるかもしれない。
でもなあ、絶対迷惑よね。
小笠原さんが喜んでくれそうなプレゼントなんて思い付かないし。
うーん。
~小笠原vision~
彼女が百面相してる。
普段から時々してるけど、今日のテーマはもしかして俺かな。
チラチラこっち見てるし。
ウザいんだけど。
ちょっと気になる。
彼女、俺なんかに対して、よくもああ前向きに取り組めるものだと思う。
逆の立場だったら、俺はごめんだね。
こんな面倒臭い男。
……まだ見てるし。
~小笠原vision~
小野瀬さんはどうして、笑顔で彼女のテリトリーに踏み込めるんだろう。
彼女も笑顔で返事をしている。
……何か、やだな。
彼女が小野瀬さんと話している事が、じゃない。
小野瀬さんが彼女と話しながら、時々俺を見る事が、だ。
不機嫌になっていると、小野瀬さんから解放された彼女が俺の方へ来た。
この気持ちは何だろう。
誰にでも笑顔を見せる彼女が、今は少し腹立たしい。
いつのまにか、彼女は俺のテリトリーに入っている。
今まで、室長以外は誰も踏み込んで来なかった場所。
彼女はそこに、ごく自然に、遠慮がちに立っている。
それを不快に感じない。
この気持ちは何だろう。
小野瀬さんがこっちを見て笑ってる。
本当、ムカつく。
~翼vision~
小笠原さんが不機嫌。
最近、少しずつ、話し相手になってくれる事が増えてきてたのに。
……小野瀬さんと話をしてた頃からだから、今朝かな。
もしかして私、昨日、何かミスしたのかもしれない。
データミスって、なかなか見つけられないんだけど、もう一度やり直してみようかな。
~小笠原vision~
今日も彼女は俺の隣で情報処理の手伝いをしている。
やっているのが昨日の入力チェックなのが気になるけど。
それにしても、いつ見ても一生懸命な子だね。
……やっているのは昨日の仕事だけど。
一見無駄な行動に見えるけど、彼女に関しては無駄とは言い切れないのが怖いところ。
何しろ、検挙率は捜査室トップなんだから。
~翼vision~
見つけた。
入力した数値が一桁多い行が、二箇所あった。
気を付けてるつもりなんだけど、まだまだだなあ。
でも、こんな所に気付くなんて、小笠原さんはやっぱり凄い。
~小笠原vision~
「見つけました」って何を。
数値を一桁多く入力。
それが二箇所。
……利口なのかバカなのか。
でも。
そんなにニコニコして、投げたボールを拾って来た子犬のような顔をして。
どうですか?なんて聞かれたら、よく気が付いたね、って言うしかないだろ。
これで、また私と口をきいてもらえますか?だって。
意味が分からない。
彼女は上機嫌で、今日の仕事に戻っていく。
おかげで、俺は仕事が手につかない。
彼女が俺に興味を示す事が嫌じゃないなんて。
こんなに彼女が気になるなんて。
全く、俺はどうかしてる。
振り向いた彼女が俺に微笑んでくれる事が、こんなに嬉しいなんて。
変なの。
でも不愉快じゃない。
~END~
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