23. 好きの意味
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夕食後にフォーラはスネイプと落ち合い、共に校長室を訪れた。フォーラは校長室に入るのが初めてだった。その部屋は円形状で天井が高く、大きな両開きの窓が備え付けられていた。壁伝いには高く並ぶ本棚や、繊細な魔法道具の数々、他にも目を引く品々が丁寧に陳列されていた。
そしてその部屋の奥に構えてある文机の前にはダンブルドアとマクゴナガルの姿があり、フォーラは二人に夜の挨拶をした。
「こんばんは。この度はお呼びいただき、ありがとうございます。」
「おおミス・ファントム、それにスネイプ先生も。待っておったよ」
にこやかに二人を迎え入れたダンブルドアは、マクゴナガルと共に二人の方へ歩み寄った。そしてフォーラはスネイプに背中を押されて一歩前に踏み出すと、深々と頭を下げた。
「ダンブルドア先生、満月の夜の事について、改めてお礼を言わせて下さい。スネイプ先生から、貴方が私を見つけて城まで運んでくださったと伺いました。先生が見つけて下さらなかったら、私もルーピン先生も、森で倒れたままだったと思います……。本当にあの時はありがとうございました。」
「よいのじゃ、顔を上げておくれ」
フォーラはダンブルドアに促されて姿勢を戻した。彼が続けた。
「二人に大事がなくて本当によかった。ただ、ルーピン先生が学校を去る結果になるとは思わなんだ。幾らか予想がついていたとはいえ、やはり驚いたのう」ダンブルドアはそのように話しながらチラリとスネイプを一瞥したが、一方のスネイプはフンと軽く顔を背けただけだった。
「校長先生、あの、驚いたといえば……どうして先生は、私がアニメーガスだとご存知だったのでしょうか?私、確かに狼姿のルーピン先生の前で変身しました。だけど彼は私が変身したことを覚えていらっしゃらなかったので、校長先生が彼から聞き及んだわけではないだろうと思ったんです。」
「おお、話しておらんかったのう」ダンブルドアは微笑んで続けた。「あの夜、儂は本当に偶然にも湖の近くの森を散策しに出かけておった。そうしたら、目の前に狼と黒猫が生き倒れておっての。儂は直ぐにその狼がルーピン先生だと気付いたので、介抱するために近付いた。すると少しもせんうちに、その隣にいた猫はお主に変身したんじゃ。勿論お主の意識はなかったので、儂がそばにいたことをお主は知る由もなかった。もしその変身の瞬間を見ておらなんだら、お主がアニメーガスだったとは分からんかったじゃろう」ダンブルドアは少々眉を下げ、申し訳なさそうな表情を見せた。
「儂は、お主が狼のルーピン先生のそばにいたことがどうしても気になっての。少し嫌な予感がしたんじゃ。このままお主がアニメーガスである事実を放っておいたら、何かもっとよくないことが起こってしまうんじゃなかろうか、とな。例えば、秘密裏な企みにアニメーガスの力を使ってしまうのではないかとか、そういう意味じゃ」
フォーラはそれを聞いて内心ドキリとした。ダンブルドアの予想が当たっていたからだ。恐らく隣にいるスネイプも心の中ではフォーラと同じような反応を示しているだろう。フォーラがこっそりルーピンの部屋に黒猫の姿で何度か向かっていたことについて、スネイプはダンブルドアに黙ってくれていた。しかし今こうしてダンブルドアの瞳を見ていると、彼女は何だか目の前の彼に自分の秘密を見透かされているような気分になって、申し訳なさが一層積もった。ダンブルドアが続けた。
「アニメーガスは魔法省に変身後の特徴や名前を届け出る必要があるんじゃが―――魔法使いや魔女がこっそり動物の姿で悪事を働いても認識できるように―――、お主はまだその手続きを終わらせてはおらなんだ。儂はお主がそういった悪行を働く人間とは考えておらぬが、やはり可愛い生徒のことを心配しておった。じゃからあえて大広間でお主に変身させることで、魔法省に名前を登録せざるをえん状況にしてしまったんじゃ」
それを聞いたスネイプは、眉間に軽く皺を寄せて抗議した。
「それにしても、あまりに突然すぎたのでは?それも、事故のあった翌朝に直ぐ公表するなど」
「確かにミス・ファントムの了承を得ずに事を進めてしまったのは申し訳なかったと思うとる。本当に悪いことをした。このとおりじゃ」ダンブルドアがフォーラに頭を下げたので、彼女は焦って返答した。
「そんな、謝らないでください。そしてどうかお顔を上げてください。」
フォーラに促され、ダンブルドアは顔を上げて彼女の方に眉を下げて微笑んだ。
「ただ、本心としては、どうしてもこんなに素晴らしい変身能力を持つお主のことを、少しでも早く学校中に知ってほしかったのじゃ。何せ今在籍しているホグワーツの生徒は誰一人、アニメーガスの力を持っておらんのじゃから。日頃控えめなお主に花を手向けたかった、儂の我儘じゃ」
ダンブルドアは一度言葉を切った後、ため息を一つ零してから続けた。
「自分で言うのもなんじゃが、儂の感はよく当たる方じゃと思うとる。以前から儂には、近々ルーピン先生が自ら学校を去るような、そんな嫌な予感がしておった。じゃから、彼が受け持った生徒は本当に素晴らしい力を持っていて、彼がその生徒の師の一人であることを認識しておいてほしかった。自信を持って学校を去ってほしかった。それが間に合ったことを思えば、あの日お主を大広間の前に呼んだのは間違いではなかったと、そう思いたい」
スネイプは相変わらず眉間に皺を寄せていたが、フォーラは違った。彼女は明るい声色をしていた。
「はい、私もそう思います。あの時校長先生がお声を掛けて下さらなかったら、私……。私、校長先生のおかげで大切な事への決心がついたんです。本当に感謝しています。それに、校長先生はみんなの前では、私がルーピン先生と外で倒れていたことは黙っていてくださったから……。本当にありがとうございました。」
そしてその部屋の奥に構えてある文机の前にはダンブルドアとマクゴナガルの姿があり、フォーラは二人に夜の挨拶をした。
「こんばんは。この度はお呼びいただき、ありがとうございます。」
「おおミス・ファントム、それにスネイプ先生も。待っておったよ」
にこやかに二人を迎え入れたダンブルドアは、マクゴナガルと共に二人の方へ歩み寄った。そしてフォーラはスネイプに背中を押されて一歩前に踏み出すと、深々と頭を下げた。
「ダンブルドア先生、満月の夜の事について、改めてお礼を言わせて下さい。スネイプ先生から、貴方が私を見つけて城まで運んでくださったと伺いました。先生が見つけて下さらなかったら、私もルーピン先生も、森で倒れたままだったと思います……。本当にあの時はありがとうございました。」
「よいのじゃ、顔を上げておくれ」
フォーラはダンブルドアに促されて姿勢を戻した。彼が続けた。
「二人に大事がなくて本当によかった。ただ、ルーピン先生が学校を去る結果になるとは思わなんだ。幾らか予想がついていたとはいえ、やはり驚いたのう」ダンブルドアはそのように話しながらチラリとスネイプを一瞥したが、一方のスネイプはフンと軽く顔を背けただけだった。
「校長先生、あの、驚いたといえば……どうして先生は、私がアニメーガスだとご存知だったのでしょうか?私、確かに狼姿のルーピン先生の前で変身しました。だけど彼は私が変身したことを覚えていらっしゃらなかったので、校長先生が彼から聞き及んだわけではないだろうと思ったんです。」
「おお、話しておらんかったのう」ダンブルドアは微笑んで続けた。「あの夜、儂は本当に偶然にも湖の近くの森を散策しに出かけておった。そうしたら、目の前に狼と黒猫が生き倒れておっての。儂は直ぐにその狼がルーピン先生だと気付いたので、介抱するために近付いた。すると少しもせんうちに、その隣にいた猫はお主に変身したんじゃ。勿論お主の意識はなかったので、儂がそばにいたことをお主は知る由もなかった。もしその変身の瞬間を見ておらなんだら、お主がアニメーガスだったとは分からんかったじゃろう」ダンブルドアは少々眉を下げ、申し訳なさそうな表情を見せた。
「儂は、お主が狼のルーピン先生のそばにいたことがどうしても気になっての。少し嫌な予感がしたんじゃ。このままお主がアニメーガスである事実を放っておいたら、何かもっとよくないことが起こってしまうんじゃなかろうか、とな。例えば、秘密裏な企みにアニメーガスの力を使ってしまうのではないかとか、そういう意味じゃ」
フォーラはそれを聞いて内心ドキリとした。ダンブルドアの予想が当たっていたからだ。恐らく隣にいるスネイプも心の中ではフォーラと同じような反応を示しているだろう。フォーラがこっそりルーピンの部屋に黒猫の姿で何度か向かっていたことについて、スネイプはダンブルドアに黙ってくれていた。しかし今こうしてダンブルドアの瞳を見ていると、彼女は何だか目の前の彼に自分の秘密を見透かされているような気分になって、申し訳なさが一層積もった。ダンブルドアが続けた。
「アニメーガスは魔法省に変身後の特徴や名前を届け出る必要があるんじゃが―――魔法使いや魔女がこっそり動物の姿で悪事を働いても認識できるように―――、お主はまだその手続きを終わらせてはおらなんだ。儂はお主がそういった悪行を働く人間とは考えておらぬが、やはり可愛い生徒のことを心配しておった。じゃからあえて大広間でお主に変身させることで、魔法省に名前を登録せざるをえん状況にしてしまったんじゃ」
それを聞いたスネイプは、眉間に軽く皺を寄せて抗議した。
「それにしても、あまりに突然すぎたのでは?それも、事故のあった翌朝に直ぐ公表するなど」
「確かにミス・ファントムの了承を得ずに事を進めてしまったのは申し訳なかったと思うとる。本当に悪いことをした。このとおりじゃ」ダンブルドアがフォーラに頭を下げたので、彼女は焦って返答した。
「そんな、謝らないでください。そしてどうかお顔を上げてください。」
フォーラに促され、ダンブルドアは顔を上げて彼女の方に眉を下げて微笑んだ。
「ただ、本心としては、どうしてもこんなに素晴らしい変身能力を持つお主のことを、少しでも早く学校中に知ってほしかったのじゃ。何せ今在籍しているホグワーツの生徒は誰一人、アニメーガスの力を持っておらんのじゃから。日頃控えめなお主に花を手向けたかった、儂の我儘じゃ」
ダンブルドアは一度言葉を切った後、ため息を一つ零してから続けた。
「自分で言うのもなんじゃが、儂の感はよく当たる方じゃと思うとる。以前から儂には、近々ルーピン先生が自ら学校を去るような、そんな嫌な予感がしておった。じゃから、彼が受け持った生徒は本当に素晴らしい力を持っていて、彼がその生徒の師の一人であることを認識しておいてほしかった。自信を持って学校を去ってほしかった。それが間に合ったことを思えば、あの日お主を大広間の前に呼んだのは間違いではなかったと、そう思いたい」
スネイプは相変わらず眉間に皺を寄せていたが、フォーラは違った。彼女は明るい声色をしていた。
「はい、私もそう思います。あの時校長先生がお声を掛けて下さらなかったら、私……。私、校長先生のおかげで大切な事への決心がついたんです。本当に感謝しています。それに、校長先生はみんなの前では、私がルーピン先生と外で倒れていたことは黙っていてくださったから……。本当にありがとうございました。」