23. 好きの意味
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それから後二日でホグワーツとも暫くお別れとなったこの日、フォーラが一人で廊下を歩いていると、彼女は偶然にもハリー、ロン、ハーマイオニーと、双子のフレッドとジョージに出会った。彼らはフォーラを見るなり、アニメーガスだなんて知らなかった、凄いじゃないかと彼女を褒めた。
「フォーラは変身術が得意だし、何かセンスがあるのかな」ハリーにそう言われ、フォーラは照れて少々顔を赤らめると気恥ずかしそうに身を竦めた。
「そんな。でも嬉しいわ。ありがとう。」
それから少ししてアニメーガスに関する会話が一区切りついた頃、おもむろにフォーラが別の話題を切りだした。
「あのね、実は私、ジョージに少しお話があって。お時間をいただけると嬉しいのだけど……駄目かしら?」フォーラが少々緊張した面持ちで尋ねた。
「ん?俺か?いいぜ、丁度暇してたんだ」ジョージはにこやかにそう答えたのだが、内心は余裕がなかった。
(フォーラに呼び出されるなんて舞い上がらないわけがないよなあ。多分アニメーガスの話題だろうって何となく分かってても嬉しいんだから、俺って単純だよな……。今、変にニヤけてないといいんだけど)
ジョージはハリーたちから離れる際、フレッドに激励されるように背中を軽く叩かれた。ジョージがフレッドを振り返ると、フレッドはニッと笑って自身の口元を指差し、案の定ジョージの口元が緩みかけていることを指摘した。そんなジョージは咄嗟に表情をサッと整えてフォーラの後を付いていったのだった。
二人が日陰になっている中庭まで来ると、丁度今は自分たち以外誰もいなかった。フォーラは近くのベンチに座るようジョージに促した。
「ごめんなさい、急に呼び出してしまって。」
フォーラはジョージの隣に座ると、彼の方を向いて真剣な表情を向けた。
「あのね、私……。ジョージにずっと黙っていたことを話さなきゃと思っていたの。だから……。」
フォーラは以前、自分の元気がないことを心配してくれていた彼に、落ち込んでいた理由を隠してしまったことがあった。
「気にしてくれてたんだな。でも、そんなに無理に話そうとしなくてもいいんだぜ?」ジョージの言葉にフォーラは首を横に振った。
「ううん、ジョージにはその件で心配をかけてしまった時期もあったし。だから話させてほしいの。……私ね、アニメーガスになってから、色々なことがあって―――」
フォーラはこれまで自分が黒猫の姿で何をしていたのかジョージにかいつまんで話して聞かせた。ルーピンを元気付けたくて満月の夜に彼の元を訪れたこと、その行為に段々と罪悪感を覚えたこと、ルーピンに猫が自分だとばれたくなかったこと。流石にルーピンに噛まれそうになったあの夜の出来事は伏せたが、それらを聞いてジョージは納得したようだった。
「そういうことだったのか」
フォーラは随分不安そうな様子でジョージの顔を見た。彼女はドラコだけでなく、ジョージにもこれまで迷惑をかけてしまった分、それらについて打ち明けなければならないと考えていた。ただ、ドラコは自分を受け入れてくれたが、ジョージもそうとは限らない。
「自分のしたことが、結局後からいけないことだと気付くなんて。その事で思い詰めていた時にジョージが心配してくれたのに、私は貴方に何も相談しなかった。私、自分がしたことをとっても後悔しているわ。だけどそれと同じくらい、誰かに私の秘密を知られるのが怖かったの。とっても卑怯だった。」
フォーラは少々瞳を伏せた。しかしジョージは彼女の方に身体を傾けると、頭をポンポンと撫でて励ました。
「フォーラはルーピンの力になりたかっただけだろ?ルーピンもそのことは許してくれた。それに君は十分反省した自覚がある。だからきっとそんなに気に病むことじゃない。そりゃ、あの時のフォーラは随分疲れてるように見えたから、少しくらいは相談してほしかったってのはあるけどな。でも、こうして話してくれてありがとう」
「ジョージ、……こちらこそありがとう。」フォーラが彼に目を向けてお礼を伝えると、ジョージはその時の彼女の瞳が近くて思わずドキリとした。しかし直ぐに冷静さを取り戻すと、自身の姿勢を正すことで彼女から少し距離を取った。
「でも、一つだけ分からないな。どうしてフォーラはそんなにルーピンのことを気にかけてたんだ?」
「そ、それは……。」
フォーラが言いにくそうに肩を竦めたのを見て、ジョージは何となく悟ったようだった。そして、そのような質問を投げかけなければよかったと後悔した。
「私がルーピン先生のことを、好きだったからなの。」
ジョージは流石にこうして言葉にされてしまうと、狼狽えずにはいられなかった。
「そ、そうだったのか。でも『好きだった』って、過去形なのはどうしてなんだ?」
その質問を受けて、フォーラはルーピンとの別れ際に好きだと伝えなかったことや、好きというよりは憧れの方が強かったのだと気付いたことを話した。
「そんなのは、本当は強がっているだけなのかもしれないけれど。気持ちを伝えられずに彼を見送った時は、沢山泣いてしまったわ。でも今はどこかすっきりしているのよ。」
フォーラが落ち着いた笑みを覗かせた。そんな彼女を見ているとジョージは何だか胸が締め付けられる思いだった。
「本当にもうつらくないのか?」
フォーラは何と答えればいいか分からなかった。自分の中に、やはり癒えるのに少しは時間のかかりそうな傷が残っていることは理解していた。しかしきっともうこれ以上は傷つかないし、後は回復するのみだろう。フォーラは心の中でそのように呟き、ジョージに肯定するような笑みを向けた。
「フォーラは変身術が得意だし、何かセンスがあるのかな」ハリーにそう言われ、フォーラは照れて少々顔を赤らめると気恥ずかしそうに身を竦めた。
「そんな。でも嬉しいわ。ありがとう。」
それから少ししてアニメーガスに関する会話が一区切りついた頃、おもむろにフォーラが別の話題を切りだした。
「あのね、実は私、ジョージに少しお話があって。お時間をいただけると嬉しいのだけど……駄目かしら?」フォーラが少々緊張した面持ちで尋ねた。
「ん?俺か?いいぜ、丁度暇してたんだ」ジョージはにこやかにそう答えたのだが、内心は余裕がなかった。
(フォーラに呼び出されるなんて舞い上がらないわけがないよなあ。多分アニメーガスの話題だろうって何となく分かってても嬉しいんだから、俺って単純だよな……。今、変にニヤけてないといいんだけど)
ジョージはハリーたちから離れる際、フレッドに激励されるように背中を軽く叩かれた。ジョージがフレッドを振り返ると、フレッドはニッと笑って自身の口元を指差し、案の定ジョージの口元が緩みかけていることを指摘した。そんなジョージは咄嗟に表情をサッと整えてフォーラの後を付いていったのだった。
二人が日陰になっている中庭まで来ると、丁度今は自分たち以外誰もいなかった。フォーラは近くのベンチに座るようジョージに促した。
「ごめんなさい、急に呼び出してしまって。」
フォーラはジョージの隣に座ると、彼の方を向いて真剣な表情を向けた。
「あのね、私……。ジョージにずっと黙っていたことを話さなきゃと思っていたの。だから……。」
フォーラは以前、自分の元気がないことを心配してくれていた彼に、落ち込んでいた理由を隠してしまったことがあった。
「気にしてくれてたんだな。でも、そんなに無理に話そうとしなくてもいいんだぜ?」ジョージの言葉にフォーラは首を横に振った。
「ううん、ジョージにはその件で心配をかけてしまった時期もあったし。だから話させてほしいの。……私ね、アニメーガスになってから、色々なことがあって―――」
フォーラはこれまで自分が黒猫の姿で何をしていたのかジョージにかいつまんで話して聞かせた。ルーピンを元気付けたくて満月の夜に彼の元を訪れたこと、その行為に段々と罪悪感を覚えたこと、ルーピンに猫が自分だとばれたくなかったこと。流石にルーピンに噛まれそうになったあの夜の出来事は伏せたが、それらを聞いてジョージは納得したようだった。
「そういうことだったのか」
フォーラは随分不安そうな様子でジョージの顔を見た。彼女はドラコだけでなく、ジョージにもこれまで迷惑をかけてしまった分、それらについて打ち明けなければならないと考えていた。ただ、ドラコは自分を受け入れてくれたが、ジョージもそうとは限らない。
「自分のしたことが、結局後からいけないことだと気付くなんて。その事で思い詰めていた時にジョージが心配してくれたのに、私は貴方に何も相談しなかった。私、自分がしたことをとっても後悔しているわ。だけどそれと同じくらい、誰かに私の秘密を知られるのが怖かったの。とっても卑怯だった。」
フォーラは少々瞳を伏せた。しかしジョージは彼女の方に身体を傾けると、頭をポンポンと撫でて励ました。
「フォーラはルーピンの力になりたかっただけだろ?ルーピンもそのことは許してくれた。それに君は十分反省した自覚がある。だからきっとそんなに気に病むことじゃない。そりゃ、あの時のフォーラは随分疲れてるように見えたから、少しくらいは相談してほしかったってのはあるけどな。でも、こうして話してくれてありがとう」
「ジョージ、……こちらこそありがとう。」フォーラが彼に目を向けてお礼を伝えると、ジョージはその時の彼女の瞳が近くて思わずドキリとした。しかし直ぐに冷静さを取り戻すと、自身の姿勢を正すことで彼女から少し距離を取った。
「でも、一つだけ分からないな。どうしてフォーラはそんなにルーピンのことを気にかけてたんだ?」
「そ、それは……。」
フォーラが言いにくそうに肩を竦めたのを見て、ジョージは何となく悟ったようだった。そして、そのような質問を投げかけなければよかったと後悔した。
「私がルーピン先生のことを、好きだったからなの。」
ジョージは流石にこうして言葉にされてしまうと、狼狽えずにはいられなかった。
「そ、そうだったのか。でも『好きだった』って、過去形なのはどうしてなんだ?」
その質問を受けて、フォーラはルーピンとの別れ際に好きだと伝えなかったことや、好きというよりは憧れの方が強かったのだと気付いたことを話した。
「そんなのは、本当は強がっているだけなのかもしれないけれど。気持ちを伝えられずに彼を見送った時は、沢山泣いてしまったわ。でも今はどこかすっきりしているのよ。」
フォーラが落ち着いた笑みを覗かせた。そんな彼女を見ているとジョージは何だか胸が締め付けられる思いだった。
「本当にもうつらくないのか?」
フォーラは何と答えればいいか分からなかった。自分の中に、やはり癒えるのに少しは時間のかかりそうな傷が残っていることは理解していた。しかしきっともうこれ以上は傷つかないし、後は回復するのみだろう。フォーラは心の中でそのように呟き、ジョージに肯定するような笑みを向けた。