20. 私の正体
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「いいえ。これは今スネイプ先生に言われる前からお伝えしようと思っていたことです。昨日の今日で心に決めていました。私は明日、学校を去ります。今まで本当に先生方にはお世話になりました。そして生徒のみんな。私の授業で何か得られたものがあったのなら、それはとても嬉しいことだ。今まで君たちと一緒に過ごせて、本当に楽しかった」
ルーピンはそのように締めくくると、お辞儀をして着席した。これにはダンブルドアもとうとう引きとめようがないと判断したらしかった。全てを聞き終えた生徒たちは突然の事に混乱していた。あんなに素晴らしい防衛術の先生が今までいただろうか?いや、いない。そんな先生が人狼だったとは誰が夢に思うだろうか。
その後、ダンブルドアの一声で一同は朝食に戻った。生徒たちはルーピンが辞めてしまう話題で持ちきりだったし、ルーピンの元まで行って恐る恐るではあるが直接話す者もいた。
「ルーピン先生が人狼だったなんて信じられない。いい先生だったのに……。残念だったわね……、ねえフォーラ」パンジーがそう言って彼女を振り返った。
しかし俯いて顔を上げないフォーラを不思議に思い、パンジーはもう一度名前を呼んだ。するとフォーラは片手で目元を少し擦ってからおずおずと顔を上げた。友人らは彼女が涙を流していると分かって驚いた。
「フォーラ、大丈夫……?」
「え、ええ。」フォーラは何とか頷くとルーピンの方に目を向けた。すると不意にルーピンの瞳がこちらを向いたではないか。フォーラはバッチリ合ってしまった彼との視線を直ぐに外すと、あまりにも耐えられなくなってもう一度涙を拭い、大広間から立ち去った。後ろから自分を呼ぶドラコの声が聞こえたが、彼女は立ち止まらなかった。
それからその日のフォーラはずっと自分のベッドにいた。気分は今朝の事で沈んでいたし、談話室にいては誰かに『黒猫に変身してくれ』と頼まれるだろうと思ったのだ。彼女はとりあえず一人で何も考えずに過ごしたかった。しかし一人になるとルーピンのことを考えてしまうのは止められなかった。
(やっぱり私、ルーピン先生に嫌われるのは耐えられなかったんだわ。だって、私はあの人に憧れていたもの。……それにしても先生が急にお辞めになるなんて……。でも、きっとこれでもうお会いすることもないと思うと、最早嫌われようが関係ないわよね……。それから、結局ルーピン先生は昨日の夜に私と対峙したことを覚えていらしたのかしら……。今朝のご様子だと、昨日の私が彼の目の前で黒猫から人の姿に戻ったことは記憶になさそうに見えたけれど)
フォーラはそこまで考えた時、自身の頭の中が考え事で一杯になっているのを自覚した。そして今はもうこれ以上考えを巡らせない方がいいと判断し、瞼 をおろして寝返りを打ったのだった。
フォーラと同室のパンジーとルニーは、無理にフォーラを談話室まで下りてこさせようとはしなかった。フォーラがルーピンを好きなのは以前から知っていたし、そのせいで今彼女がつらい思いをして一人になりたがっていることも理解していたからだ。
ドラコもその件について何も言わなかったが、彼は妙なモヤモヤを体の中に抱えていた。
(リーマス・ルーピンがホグワーツからいなくなる。これは僕にとって素晴らしく良いニュースだ。それなのにどうして僕は素直に喜べない?フォーラの想い人が城を去るんだ。普通の教師がいなくなるのとはわけが違う筈なのに)
本当はドラコ自身、もうその理由を十分に理解していた。彼は素直に認めたくなかっただけなのだ。フォーラが好きなのは自分ではなくルーピンであり、そのルーピンが立ち去ってもフォーラには何の喜びもないということを。
(ああもう。だから僕はそんな彼女のために何をしてやればいいかも、きっと分かっているんだろう)
ルーピンはそのように締めくくると、お辞儀をして着席した。これにはダンブルドアもとうとう引きとめようがないと判断したらしかった。全てを聞き終えた生徒たちは突然の事に混乱していた。あんなに素晴らしい防衛術の先生が今までいただろうか?いや、いない。そんな先生が人狼だったとは誰が夢に思うだろうか。
その後、ダンブルドアの一声で一同は朝食に戻った。生徒たちはルーピンが辞めてしまう話題で持ちきりだったし、ルーピンの元まで行って恐る恐るではあるが直接話す者もいた。
「ルーピン先生が人狼だったなんて信じられない。いい先生だったのに……。残念だったわね……、ねえフォーラ」パンジーがそう言って彼女を振り返った。
しかし俯いて顔を上げないフォーラを不思議に思い、パンジーはもう一度名前を呼んだ。するとフォーラは片手で目元を少し擦ってからおずおずと顔を上げた。友人らは彼女が涙を流していると分かって驚いた。
「フォーラ、大丈夫……?」
「え、ええ。」フォーラは何とか頷くとルーピンの方に目を向けた。すると不意にルーピンの瞳がこちらを向いたではないか。フォーラはバッチリ合ってしまった彼との視線を直ぐに外すと、あまりにも耐えられなくなってもう一度涙を拭い、大広間から立ち去った。後ろから自分を呼ぶドラコの声が聞こえたが、彼女は立ち止まらなかった。
それからその日のフォーラはずっと自分のベッドにいた。気分は今朝の事で沈んでいたし、談話室にいては誰かに『黒猫に変身してくれ』と頼まれるだろうと思ったのだ。彼女はとりあえず一人で何も考えずに過ごしたかった。しかし一人になるとルーピンのことを考えてしまうのは止められなかった。
(やっぱり私、ルーピン先生に嫌われるのは耐えられなかったんだわ。だって、私はあの人に憧れていたもの。……それにしても先生が急にお辞めになるなんて……。でも、きっとこれでもうお会いすることもないと思うと、最早嫌われようが関係ないわよね……。それから、結局ルーピン先生は昨日の夜に私と対峙したことを覚えていらしたのかしら……。今朝のご様子だと、昨日の私が彼の目の前で黒猫から人の姿に戻ったことは記憶になさそうに見えたけれど)
フォーラはそこまで考えた時、自身の頭の中が考え事で一杯になっているのを自覚した。そして今はもうこれ以上考えを巡らせない方がいいと判断し、
フォーラと同室のパンジーとルニーは、無理にフォーラを談話室まで下りてこさせようとはしなかった。フォーラがルーピンを好きなのは以前から知っていたし、そのせいで今彼女がつらい思いをして一人になりたがっていることも理解していたからだ。
ドラコもその件について何も言わなかったが、彼は妙なモヤモヤを体の中に抱えていた。
(リーマス・ルーピンがホグワーツからいなくなる。これは僕にとって素晴らしく良いニュースだ。それなのにどうして僕は素直に喜べない?フォーラの想い人が城を去るんだ。普通の教師がいなくなるのとはわけが違う筈なのに)
本当はドラコ自身、もうその理由を十分に理解していた。彼は素直に認めたくなかっただけなのだ。フォーラが好きなのは自分ではなくルーピンであり、そのルーピンが立ち去ってもフォーラには何の喜びもないということを。
(ああもう。だから僕はそんな彼女のために何をしてやればいいかも、きっと分かっているんだろう)