20. 私の正体
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「フォーラ!君、昨日の夕食からいなくなってずっと帰ってこなかったから、凄く心配していたんだぞ」フォーラがスリザリンのテーブルに来るや否や、ドラコが不安と安堵の混ざった表情でそのように声を掛け、彼女を迎え入れた。パンジーたちもドラコに続いて同じような反応を見せた。
フォーラはみんなに心配をかけたことを相当怒られるかもしれないと覚悟していたのだが、彼らは彼女が思っていた程の強い反応を見せなかった。きっとこれが、ダンブルドアが根回ししてくれたお陰というやつなのだろうとフォーラは思った。
「フォーラ、どうして昨日は行き先を教えてくれなかったんだ?それに、昨日の夜から今までご両親と会っていたって本当か?昨日の就寝時間前、どうしてかダンブルドアがその事を伝えにきたんだ」
「え、ええ!そうなの……。急ぎの用でうっかりしていて。いきなりいなくなって本当にごめんなさい。」フォーラは致し方ないとはいえ、ドラコたちに嘘を吐いていることにチクリと胸が痛んだ。
「ダンブルドアからその話を聞くまでは本当に心配したんだぞ。少しは反省してくれよ」
「ええ、ごめんなさい。もう十分反省しているわ……。」
「しかしご両親が来るなんて、一体何が―――」
「静粛に」するとその時、丁度ダンブルドアの声が大広間に響いた。彼は朝の連絡事項を伝えるために席を立ち、グラスを杖で軽く叩いて音を鳴らすと生徒たちを自身の方に注目させた。フォーラがこの時初めて教職員テーブルを見渡してみると、そこにはルーピンの姿も見受けられた。彼女はその姿に複雑な気持ちを抱きながらも、彼が無事でいることに心からホッとして胸を撫で下ろした。
それからフォーラは直ぐにドラコたちがいる席に納まった。先程ドラコから受けた質問の『一体何があったか』については食事中に話すことになるだろうが、それにしても自分はダンブルドアの嘘を友人たちにどう説明すべきなのだろう?フォーラはその件で内心焦っていた。
ダンブルドアは朝の挨拶の後で幾つか連絡事項を挙げた。シリウス・ブラックの脅威が去ったためディメンターも学校から去ること、ディメンターが無害な生徒を襲ったことなど―――。彼の話はこれで終わりかと思われた。しかし連絡事項はまだ続いた。
「さて、儂から最後に嬉しいお知らせじゃ。昨日の夜、儂は珍しい力を持った魔女に出会ったんじゃが、皆には今からその力を見てほしいと思うとる。前に呼ぶとしようかの。フォーラ・ファントム、前に出ておいで」
「えっ」フォーラはまさか自分の名前が呼ばれるとは夢にも思っていなかった。ドラコもパンジーもルニーも、他にも近くにいたみんなが彼女を振り返った。ダンブルドアはスリザリンのテーブルを見渡してフォーラを見つけると、にっこり笑って手招きした。
フォーラがどうしていいか分からずにいると、ドラコが彼女に早く前へ行くよう促した。彼女は立ち上がって歩き始めたのだが、テーブルとテーブルの間を通っていくのは妙に緊張した。何せ全校生徒の視線が刺さって肌がピリピリしたのだ。何故自分は突然呼ばれたのだろう?ダンブルドアの言う『珍しい力』とは―――。そこまで考えた時、フォーラはふと気が付いた。
(まさか、校長先生がおっしゃっているのって……)
先程ダンブルドアは『昨日の夜、儂は珍しい力を持った魔女に出会った』と言った。それはもしかすると、崖でダンブルドアが自分を助けてくれた時のことを意味しているのかもしれない。そこから察するに、彼はその時にフォーラがアニメーガスだと知ったのだろうか?
先生方は何事だろうとフォーラを見つめていた。しかしスネイプの表情だけは違っていて、眉間に皺を寄せ、ダンブルドアを凝視し、彼女のことを心配そうに見た。スネイプのその様子と今朝の医務室での会話から、フォーラはスネイプがこの短時間でダンブルドアにアニメーガスのことを打ち明けたわけではないのだと悟った。
フォーラは手に汗を握りながら頭の中を様々な考えが巡ったが、全校生徒の前に立ってみると思案するのはやめざるを得なかった。フォーラがダンブルドアに視線を向けると、彼はにっこり笑って言葉を発した。
「皆に紹介しよう。フォーラ・ファントム、彼女はアニメーガスじゃ。儂は昨日、彼女が変身する姿を見ての。それは見事な変身じゃった。それ故、これは皆にも知ってもらわねばならんと思ったわけじゃ。さあ、フォーラ。やってみてくれんかの」
大広間全体が騒ついた。それもその筈で、アニメーガスはこの十九世紀にまだ片手で数える程しか登録されていなかった。つまりアニメーガスの力を習得するのが大変難しいというのは、生徒たちにも周知の事実だった。
フォーラは息が詰まった。きっとダンブルドアには彼女がルーピンを追いかけた時か崖から落ちた時か、その辺りで変身を見られてしまったのかもしれない。ダンブルドアは好奇心に満ちたキラキラとした瞳でこちらを見ていた。他の生徒たちも先生方も、フォーラが何に変身するのか期待していた。
フォーラは思わずルーピンを振り返った。彼がフォーラを見る表情は不安で心配そうなものだった。そんな顔をするのは、彼が昨日フォーラを襲った時のことを覚えていて罪悪感があるからだろうか?それとも、彼女の正体が黒猫だと知っているからだろうか?彼はもう既に昨日、フォーラが変身する場面を見ている筈だ。彼は狼姿の時の記憶が鮮明にあるのだろうか。
フォーラはみんなに心配をかけたことを相当怒られるかもしれないと覚悟していたのだが、彼らは彼女が思っていた程の強い反応を見せなかった。きっとこれが、ダンブルドアが根回ししてくれたお陰というやつなのだろうとフォーラは思った。
「フォーラ、どうして昨日は行き先を教えてくれなかったんだ?それに、昨日の夜から今までご両親と会っていたって本当か?昨日の就寝時間前、どうしてかダンブルドアがその事を伝えにきたんだ」
「え、ええ!そうなの……。急ぎの用でうっかりしていて。いきなりいなくなって本当にごめんなさい。」フォーラは致し方ないとはいえ、ドラコたちに嘘を吐いていることにチクリと胸が痛んだ。
「ダンブルドアからその話を聞くまでは本当に心配したんだぞ。少しは反省してくれよ」
「ええ、ごめんなさい。もう十分反省しているわ……。」
「しかしご両親が来るなんて、一体何が―――」
「静粛に」するとその時、丁度ダンブルドアの声が大広間に響いた。彼は朝の連絡事項を伝えるために席を立ち、グラスを杖で軽く叩いて音を鳴らすと生徒たちを自身の方に注目させた。フォーラがこの時初めて教職員テーブルを見渡してみると、そこにはルーピンの姿も見受けられた。彼女はその姿に複雑な気持ちを抱きながらも、彼が無事でいることに心からホッとして胸を撫で下ろした。
それからフォーラは直ぐにドラコたちがいる席に納まった。先程ドラコから受けた質問の『一体何があったか』については食事中に話すことになるだろうが、それにしても自分はダンブルドアの嘘を友人たちにどう説明すべきなのだろう?フォーラはその件で内心焦っていた。
ダンブルドアは朝の挨拶の後で幾つか連絡事項を挙げた。シリウス・ブラックの脅威が去ったためディメンターも学校から去ること、ディメンターが無害な生徒を襲ったことなど―――。彼の話はこれで終わりかと思われた。しかし連絡事項はまだ続いた。
「さて、儂から最後に嬉しいお知らせじゃ。昨日の夜、儂は珍しい力を持った魔女に出会ったんじゃが、皆には今からその力を見てほしいと思うとる。前に呼ぶとしようかの。フォーラ・ファントム、前に出ておいで」
「えっ」フォーラはまさか自分の名前が呼ばれるとは夢にも思っていなかった。ドラコもパンジーもルニーも、他にも近くにいたみんなが彼女を振り返った。ダンブルドアはスリザリンのテーブルを見渡してフォーラを見つけると、にっこり笑って手招きした。
フォーラがどうしていいか分からずにいると、ドラコが彼女に早く前へ行くよう促した。彼女は立ち上がって歩き始めたのだが、テーブルとテーブルの間を通っていくのは妙に緊張した。何せ全校生徒の視線が刺さって肌がピリピリしたのだ。何故自分は突然呼ばれたのだろう?ダンブルドアの言う『珍しい力』とは―――。そこまで考えた時、フォーラはふと気が付いた。
(まさか、校長先生がおっしゃっているのって……)
先程ダンブルドアは『昨日の夜、儂は珍しい力を持った魔女に出会った』と言った。それはもしかすると、崖でダンブルドアが自分を助けてくれた時のことを意味しているのかもしれない。そこから察するに、彼はその時にフォーラがアニメーガスだと知ったのだろうか?
先生方は何事だろうとフォーラを見つめていた。しかしスネイプの表情だけは違っていて、眉間に皺を寄せ、ダンブルドアを凝視し、彼女のことを心配そうに見た。スネイプのその様子と今朝の医務室での会話から、フォーラはスネイプがこの短時間でダンブルドアにアニメーガスのことを打ち明けたわけではないのだと悟った。
フォーラは手に汗を握りながら頭の中を様々な考えが巡ったが、全校生徒の前に立ってみると思案するのはやめざるを得なかった。フォーラがダンブルドアに視線を向けると、彼はにっこり笑って言葉を発した。
「皆に紹介しよう。フォーラ・ファントム、彼女はアニメーガスじゃ。儂は昨日、彼女が変身する姿を見ての。それは見事な変身じゃった。それ故、これは皆にも知ってもらわねばならんと思ったわけじゃ。さあ、フォーラ。やってみてくれんかの」
大広間全体が騒ついた。それもその筈で、アニメーガスはこの十九世紀にまだ片手で数える程しか登録されていなかった。つまりアニメーガスの力を習得するのが大変難しいというのは、生徒たちにも周知の事実だった。
フォーラは息が詰まった。きっとダンブルドアには彼女がルーピンを追いかけた時か崖から落ちた時か、その辺りで変身を見られてしまったのかもしれない。ダンブルドアは好奇心に満ちたキラキラとした瞳でこちらを見ていた。他の生徒たちも先生方も、フォーラが何に変身するのか期待していた。
フォーラは思わずルーピンを振り返った。彼がフォーラを見る表情は不安で心配そうなものだった。そんな顔をするのは、彼が昨日フォーラを襲った時のことを覚えていて罪悪感があるからだろうか?それとも、彼女の正体が黒猫だと知っているからだろうか?彼はもう既に昨日、フォーラが変身する場面を見ている筈だ。彼は狼姿の時の記憶が鮮明にあるのだろうか。