20. 私の正体
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今回の一連の出来事のうち、シリウス・ブラックが何故ホグワーツに侵入し、その後どうなったのかなど、フォーラには知らない事が多すぎた。スネイプはフォーラに『ハリーとハーマイオニーがシリウス・ブラックを捕まえようとした』旨を話したが、実のところそれはフォーラを混乱させないために吐いた嘘だった。スネイプ以外の彼らはあの日、味方同士となっていた。
まず昨晩、ハリーたちがブラックを庇ったのは、ブラックが無実の罪を着せられていると知ったからだった。彼の課せられた罪は、本来ロンのネズミのスキャバーズが負うべきものだった。クルックシャンクスが言っていたとおり、ネズミはアニメーガスだったのだ。一方のスネイプはタイミング悪くもその真犯人を知ることはなかった。そのためスネイプは現在も自分以外の者がブラック逃亡の手助けをしたと信じて疑わなかった。
ブラックを捕らえようとしたスネイプがハリーの攻撃によって意識を失っている間、ルーピンは満月によって狼となってしまった。その拍子にスキャバーズは人の姿でルーピンの杖を使い、ロンの意識を飛ばした。そしてネズミの姿に戻ると混乱に乗じてその場を去ってしまったのだ。一方、狼姿のルーピンはブラックを追いかけた。そしてルーピンが何かに気を取られて意識を逸らした隙に、ブラックが逃げおおせた先の湖畔では、大量のディメンターが彼を捕まえようとしていた。そして意識を失ったブラックの後から駆け付けたハリーとハーマイオニーは、謎の人物が作り出した『守護霊』によって助けられた。それはディメンターを唯一遠ざけることのできる強力な魔法だったのだ。そして三人全員が意識を手放してその場に倒れた後で、現場を見つけたスネイプがロンを含む彼らを城まで運び、ブラックを牢に一時的に幽閉したのだった。
魔法省にブラックの身柄を引き渡す時刻が幽閉から数時間後に迫る中、ハリーとハーマイオニーは彼を逃がすため、ダンブルドアの助言を受けてなんと時間を巻き戻した。ハーマイオニーが時間被りの授業に出るために魔法省から特別に借りていた『タイムターナー』という魔法道具を使用したのだ。
そしてあの夜、狼姿のルーピンが捜していた人間は、時間を巻き戻して未来からやって来た方のハリーとハーマイオニーだった。それに守護霊を作り出した謎の人物もそのハリーだった。幽閉された筈のブラックが昨晩逃亡に成功したのも、そのハリーとハーマイオニーがバックビークを同日の処刑時刻前にハグリッドの畑からこっそり連れ出し、ディメンターを撃退した後にブラックをバックビークに乗せて揃って逃亡させたからだった。ブラックの未来を変えたこの出来事は、二人とダンブルドア以外誰も知らなかった。
一方でハリーたちもまた、過去へ時間移動した自分たちが途中からルーピンに追われずに済んだのは、近くに居合わせたフォーラによるものだとは知らなかったのだった。
さて、フォーラは朝食会場の大広間への道を歩きながら、今一度スネイプが自分に残した言葉の数々を思い返していた。彼のあんなに怒るところを見たのは久しぶりな気がした。いや、もしかすると初めてだったかもしれない。彼もまた自分のことを最も心配してくれたうちの一人だったのだと思うと、彼女は改めて申し訳ない気持ちで一杯になった。
一方のスネイプも、大広間の教職員テーブルに着きながら一人考えていた。あんな風にフォーラを叱ったのは今回が初めてだっただろうかと。スネイプにとって彼女はどこか家族のような存在だった。彼はそんな彼女がルーピンを―――大嫌いな宿敵の友を好きになっていると気付いた時、嫉妬とは全く異なるどうしようもない苛立ちを感じていた。極めつけに彼女を傷物にされそうになったとあっては、スネイプは最早ルーピンに対して黙っていることなどできそうになかった。
どうして自分がフォーラをどこか家族のような存在だと思っているのか、そして何となく心の支えのように感じているのか、スネイプ自身少々疑問ではあった。
(我輩の仕事仲間の娘であるフォーラを、彼女の小さい頃から知っていたからか?いや、それもあるが……。彼女はリリーとほんの少しだけ似ているところがある気がする。昔から心を閉ざしていた我輩に手を差し伸べてくれていた。それはフォーラが単純に、幼いが故の無邪気さを我輩に向けていただけなのかもしれんが)
スネイプはかつての幼馴染とフォーラを少しだけ重ねた。兎に角、そういうわけでスネイプはこれまでフォーラに対して他の生徒よりも随分優しく接してきた。だからだろうか、今回彼は今までにないくらい彼女を叱ってしまった。
(幾ら心配だったからとはいえ、やはり少しだけ言いすぎたかもしれん)
さてその頃、フォーラは大広間の入り口にようやく辿り着き、中に入るのを躊躇しているところだった。
(大広間に入ればルーピン先生がいるかもしれない。そんな彼のことも心配だけど……ドラコたちだって、私のことを心配しているでしょうね)
昨日の夜から自分が寮に帰ってこなかったことを彼らはどれだけ気に掛けただろうか?そう思うととてつもない申し訳なさが襲ってきた。しかしフォーラは意を決し、もう殆どの生徒が着席しきっている大広間に向かって一歩踏み出した。すると彼女の目に一番初めに飛び込んできたのは、スリザリンの長テーブルの後方にいたドラコたちの姿だった。彼らはフォーラを見つけるなり立ち上がり、互いに顔を見合わせて「よかった」と声を掛け合った。フォーラはその申し訳なさから思わず駆け足で彼らの元へ向かった。
まず昨晩、ハリーたちがブラックを庇ったのは、ブラックが無実の罪を着せられていると知ったからだった。彼の課せられた罪は、本来ロンのネズミのスキャバーズが負うべきものだった。クルックシャンクスが言っていたとおり、ネズミはアニメーガスだったのだ。一方のスネイプはタイミング悪くもその真犯人を知ることはなかった。そのためスネイプは現在も自分以外の者がブラック逃亡の手助けをしたと信じて疑わなかった。
ブラックを捕らえようとしたスネイプがハリーの攻撃によって意識を失っている間、ルーピンは満月によって狼となってしまった。その拍子にスキャバーズは人の姿でルーピンの杖を使い、ロンの意識を飛ばした。そしてネズミの姿に戻ると混乱に乗じてその場を去ってしまったのだ。一方、狼姿のルーピンはブラックを追いかけた。そしてルーピンが何かに気を取られて意識を逸らした隙に、ブラックが逃げおおせた先の湖畔では、大量のディメンターが彼を捕まえようとしていた。そして意識を失ったブラックの後から駆け付けたハリーとハーマイオニーは、謎の人物が作り出した『守護霊』によって助けられた。それはディメンターを唯一遠ざけることのできる強力な魔法だったのだ。そして三人全員が意識を手放してその場に倒れた後で、現場を見つけたスネイプがロンを含む彼らを城まで運び、ブラックを牢に一時的に幽閉したのだった。
魔法省にブラックの身柄を引き渡す時刻が幽閉から数時間後に迫る中、ハリーとハーマイオニーは彼を逃がすため、ダンブルドアの助言を受けてなんと時間を巻き戻した。ハーマイオニーが時間被りの授業に出るために魔法省から特別に借りていた『タイムターナー』という魔法道具を使用したのだ。
そしてあの夜、狼姿のルーピンが捜していた人間は、時間を巻き戻して未来からやって来た方のハリーとハーマイオニーだった。それに守護霊を作り出した謎の人物もそのハリーだった。幽閉された筈のブラックが昨晩逃亡に成功したのも、そのハリーとハーマイオニーがバックビークを同日の処刑時刻前にハグリッドの畑からこっそり連れ出し、ディメンターを撃退した後にブラックをバックビークに乗せて揃って逃亡させたからだった。ブラックの未来を変えたこの出来事は、二人とダンブルドア以外誰も知らなかった。
一方でハリーたちもまた、過去へ時間移動した自分たちが途中からルーピンに追われずに済んだのは、近くに居合わせたフォーラによるものだとは知らなかったのだった。
さて、フォーラは朝食会場の大広間への道を歩きながら、今一度スネイプが自分に残した言葉の数々を思い返していた。彼のあんなに怒るところを見たのは久しぶりな気がした。いや、もしかすると初めてだったかもしれない。彼もまた自分のことを最も心配してくれたうちの一人だったのだと思うと、彼女は改めて申し訳ない気持ちで一杯になった。
一方のスネイプも、大広間の教職員テーブルに着きながら一人考えていた。あんな風にフォーラを叱ったのは今回が初めてだっただろうかと。スネイプにとって彼女はどこか家族のような存在だった。彼はそんな彼女がルーピンを―――大嫌いな宿敵の友を好きになっていると気付いた時、嫉妬とは全く異なるどうしようもない苛立ちを感じていた。極めつけに彼女を傷物にされそうになったとあっては、スネイプは最早ルーピンに対して黙っていることなどできそうになかった。
どうして自分がフォーラをどこか家族のような存在だと思っているのか、そして何となく心の支えのように感じているのか、スネイプ自身少々疑問ではあった。
(我輩の仕事仲間の娘であるフォーラを、彼女の小さい頃から知っていたからか?いや、それもあるが……。彼女はリリーとほんの少しだけ似ているところがある気がする。昔から心を閉ざしていた我輩に手を差し伸べてくれていた。それはフォーラが単純に、幼いが故の無邪気さを我輩に向けていただけなのかもしれんが)
スネイプはかつての幼馴染とフォーラを少しだけ重ねた。兎に角、そういうわけでスネイプはこれまでフォーラに対して他の生徒よりも随分優しく接してきた。だからだろうか、今回彼は今までにないくらい彼女を叱ってしまった。
(幾ら心配だったからとはいえ、やはり少しだけ言いすぎたかもしれん)
さてその頃、フォーラは大広間の入り口にようやく辿り着き、中に入るのを躊躇しているところだった。
(大広間に入ればルーピン先生がいるかもしれない。そんな彼のことも心配だけど……ドラコたちだって、私のことを心配しているでしょうね)
昨日の夜から自分が寮に帰ってこなかったことを彼らはどれだけ気に掛けただろうか?そう思うととてつもない申し訳なさが襲ってきた。しかしフォーラは意を決し、もう殆どの生徒が着席しきっている大広間に向かって一歩踏み出した。すると彼女の目に一番初めに飛び込んできたのは、スリザリンの長テーブルの後方にいたドラコたちの姿だった。彼らはフォーラを見つけるなり立ち上がり、互いに顔を見合わせて「よかった」と声を掛け合った。フォーラはその申し訳なさから思わず駆け足で彼らの元へ向かった。