20. 私の正体
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「もう痛みはないのか」
「はい、夜中は体中痛かったのですが、今は殆ど痛みません。」
「そうか」スネイプは一度視線を落とした後でフォーラの方を見やった。
「真夜中、お前が禁じられた森の崖下に倒れていたという話をダンブルドアから聞いた時は、生きた心地がしなかった。彼がお前をここまで運んでくださったのだ」
「!そうだったんですね、ダンブルドア先生が……。」
フォーラはそれを聞いて、倒れていたのが自分だと認識されていたということは、崖下ではもうとっくにアニメーガスの変身が解けていたのだろうと推察した。
「あの、セブルスさん、そのことは本当に謝っても謝り切れません……。だけど何度だって謝ります。ごめんなさい……。」
「……ダンブルドアは、お前の直ぐ近くで狼姿のルーピンのことも発見したとおっしゃった」
「!……ルーピン先生は今、どうしているんでしょうか?大丈夫なんでしょうか?先生も私も、一緒に崖から落ちたんです。」
スネイプはフォーラが必死に質問してくる様子に、呆れを含む盛大なため息を吐くと仕方なく回答した。
「奴なら擦り傷程度で何の問題もない。ダンブルドアが奴の部屋まで運んだそうだ」
それを聞いてフォーラは思わず胸を撫で下ろした。
「そうですか、本当によかった……。」
スネイプはそんなフォーラを見て眉間に皺を深く刻んだ。あの人狼が彼女を危険な目に遭わせたのは間違いないだろう。スネイプはそのように考えずにはいられなかった。
「それで。昨晩何故お前が奴と共に倒れていたのか、わけを聞かせてもらっても?」
フォーラはスネイプの口調から、彼が心配を通り越してすっかり怒りを抱えているのだと悟った。彼女は素直に怒られることを覚悟し、事の経緯 を説明した。
「私、昨日の夕食時にルーピン先生の部屋を尋ねました。だけどノックしてもお返事がなくて。そうしたら部屋のドアが開いていて、いけないことだと分かってはいたんですが中に入ったんです。その時に、机の上に口をつけていない脱狼薬があるのを見つけました。その後直ぐに窓の外から狼の遠吠えが聞こえて―――」フォーラがそこまで話した時、スネイプが彼女を制した。
「待て。お前は昨日が満月の日だと知らずに、人の姿で人狼のいるかもしれん部屋にのこのこと入ったというのか?」
スネイプの問いかけにフォーラは直ぐには返答できなかった。何故なら彼を納得させる回答は、自分が周囲に隠し続けた能力を明かすことでしか叶わないと思ったからだ。彼女は言葉を濁した後、覚悟を決めて打ち明けた。
「満月の日であることは気付いていました。ルーピン先生の部屋へは……猫の姿で入り込んだんです。私、実は半年程前から、アニメーガスなんです。」
「!?」スネイプはまさかそんな話を聞かされるとは思わず随分驚いた。その後の彼はフォーラがアニメーガスの姿でこの半年間一体何をしていたのか詳細を聞いたのだが、それがルーピンのためだったと知った時には、怒りで卒倒するかと思った程だった。
「―――フォーラ、お前がアニメーガスの力を手に入れた経緯は理解した。だが……お前がルーピンにしていたことは、とてもではないが私の口からダンブルドアに伝えるには荷が重すぎる内容だ……。それで話を戻すが、昨日は猫の姿でルーピンの部屋に入った後、どうした」
「……私は遠吠えを頼りに、その声が聞こえる方向に猫の姿で走り続けました。ルーピン先生は直前まで近くにいた人間を捜しているような声を発していました。そうして私が先生の元に辿り付いた時には、彼の気は本当に高ぶっている様子でした。そんな先生に私は正気を取り戻すよう動物の言葉で呼び掛けたんです。そうしたら先生はその声に意識が朦朧としたみたいで……。それで、きっと先生には人の言葉で強く訴えかける方が効果があるかもしれないと思って、私は人の姿に戻ったんです。私の予想は当たっていたんですが……そのせいで先生が崖から足を踏み外して、私も後を追って猫の姿で飛び降りたんです。」
フォーラが一連の説明を終えると、二人の間に少しの沈黙が訪れた。そしてスネイプは再びため息を吐き、何度か頭を横に振ってから彼女を見据えた。
「我輩は深入りするなと言った筈だが」
突然の問いかけにフォーラは一瞬戸惑ったが、クリスマスパーティーの日にスネイプからそのような忠告を父親伝いに受けていたのを直ぐに思い出した。
「そ、その……ごめんなさい……。」
「貴様が先を考えず突っ走るような人間だったとは。我輩は確かに忠告した。それなのにお前は聞く耳を持たなかったということだ」
普段フォーラには比較的甘いスネイプではあるが、今回の事は本当にお冠のようだった。
「お前が奴のことを好いているのは、アニメーガスの件を聞かずとも見ていれば容易に分かった。しかし奴が人狼であるという事実について我輩の部屋でお前と答え合わせしたあの日、我輩は余計に嫌な予感がしたのだ。お前が何らかの方法で奴に手を差し伸べようとしているのでは、と」
「そ、それは……。はい……。」
「お前は自分の身の心配など一つもしていなかったのだろう」
「はい……。」
フォーラは何も言い返すことができなかった。スネイプの言うとおり、彼女は自分がどれだけ危険なことをしてきたのか今となってはよく理解していたからだ。そして一方のスネイプは『フォーラの身に大事がなくてよかった』という程度で話を終わらせる気がない程に怒 っていた。彼は眉間の皺を一層濃くして彼女を一瞥した。
「お前が人狼になっていたかもしれんと思うと寒気すらするわ。そうなった時、一体どれだけの人に迷惑がかかるかを先ず考えるべきだった。違うかね」
「はい、おっしゃるとおりです……。」
「もし彼奴 に噛まれていたら、我輩はお前のご両親に一切顔向けできんかっただろう。しかしお前のことだ。あの狼人間になら噛まれてもいいなどと考えたのかもしれんが」
「はい、夜中は体中痛かったのですが、今は殆ど痛みません。」
「そうか」スネイプは一度視線を落とした後でフォーラの方を見やった。
「真夜中、お前が禁じられた森の崖下に倒れていたという話をダンブルドアから聞いた時は、生きた心地がしなかった。彼がお前をここまで運んでくださったのだ」
「!そうだったんですね、ダンブルドア先生が……。」
フォーラはそれを聞いて、倒れていたのが自分だと認識されていたということは、崖下ではもうとっくにアニメーガスの変身が解けていたのだろうと推察した。
「あの、セブルスさん、そのことは本当に謝っても謝り切れません……。だけど何度だって謝ります。ごめんなさい……。」
「……ダンブルドアは、お前の直ぐ近くで狼姿のルーピンのことも発見したとおっしゃった」
「!……ルーピン先生は今、どうしているんでしょうか?大丈夫なんでしょうか?先生も私も、一緒に崖から落ちたんです。」
スネイプはフォーラが必死に質問してくる様子に、呆れを含む盛大なため息を吐くと仕方なく回答した。
「奴なら擦り傷程度で何の問題もない。ダンブルドアが奴の部屋まで運んだそうだ」
それを聞いてフォーラは思わず胸を撫で下ろした。
「そうですか、本当によかった……。」
スネイプはそんなフォーラを見て眉間に皺を深く刻んだ。あの人狼が彼女を危険な目に遭わせたのは間違いないだろう。スネイプはそのように考えずにはいられなかった。
「それで。昨晩何故お前が奴と共に倒れていたのか、わけを聞かせてもらっても?」
フォーラはスネイプの口調から、彼が心配を通り越してすっかり怒りを抱えているのだと悟った。彼女は素直に怒られることを覚悟し、事の
「私、昨日の夕食時にルーピン先生の部屋を尋ねました。だけどノックしてもお返事がなくて。そうしたら部屋のドアが開いていて、いけないことだと分かってはいたんですが中に入ったんです。その時に、机の上に口をつけていない脱狼薬があるのを見つけました。その後直ぐに窓の外から狼の遠吠えが聞こえて―――」フォーラがそこまで話した時、スネイプが彼女を制した。
「待て。お前は昨日が満月の日だと知らずに、人の姿で人狼のいるかもしれん部屋にのこのこと入ったというのか?」
スネイプの問いかけにフォーラは直ぐには返答できなかった。何故なら彼を納得させる回答は、自分が周囲に隠し続けた能力を明かすことでしか叶わないと思ったからだ。彼女は言葉を濁した後、覚悟を決めて打ち明けた。
「満月の日であることは気付いていました。ルーピン先生の部屋へは……猫の姿で入り込んだんです。私、実は半年程前から、アニメーガスなんです。」
「!?」スネイプはまさかそんな話を聞かされるとは思わず随分驚いた。その後の彼はフォーラがアニメーガスの姿でこの半年間一体何をしていたのか詳細を聞いたのだが、それがルーピンのためだったと知った時には、怒りで卒倒するかと思った程だった。
「―――フォーラ、お前がアニメーガスの力を手に入れた経緯は理解した。だが……お前がルーピンにしていたことは、とてもではないが私の口からダンブルドアに伝えるには荷が重すぎる内容だ……。それで話を戻すが、昨日は猫の姿でルーピンの部屋に入った後、どうした」
「……私は遠吠えを頼りに、その声が聞こえる方向に猫の姿で走り続けました。ルーピン先生は直前まで近くにいた人間を捜しているような声を発していました。そうして私が先生の元に辿り付いた時には、彼の気は本当に高ぶっている様子でした。そんな先生に私は正気を取り戻すよう動物の言葉で呼び掛けたんです。そうしたら先生はその声に意識が朦朧としたみたいで……。それで、きっと先生には人の言葉で強く訴えかける方が効果があるかもしれないと思って、私は人の姿に戻ったんです。私の予想は当たっていたんですが……そのせいで先生が崖から足を踏み外して、私も後を追って猫の姿で飛び降りたんです。」
フォーラが一連の説明を終えると、二人の間に少しの沈黙が訪れた。そしてスネイプは再びため息を吐き、何度か頭を横に振ってから彼女を見据えた。
「我輩は深入りするなと言った筈だが」
突然の問いかけにフォーラは一瞬戸惑ったが、クリスマスパーティーの日にスネイプからそのような忠告を父親伝いに受けていたのを直ぐに思い出した。
「そ、その……ごめんなさい……。」
「貴様が先を考えず突っ走るような人間だったとは。我輩は確かに忠告した。それなのにお前は聞く耳を持たなかったということだ」
普段フォーラには比較的甘いスネイプではあるが、今回の事は本当にお冠のようだった。
「お前が奴のことを好いているのは、アニメーガスの件を聞かずとも見ていれば容易に分かった。しかし奴が人狼であるという事実について我輩の部屋でお前と答え合わせしたあの日、我輩は余計に嫌な予感がしたのだ。お前が何らかの方法で奴に手を差し伸べようとしているのでは、と」
「そ、それは……。はい……。」
「お前は自分の身の心配など一つもしていなかったのだろう」
「はい……。」
フォーラは何も言い返すことができなかった。スネイプの言うとおり、彼女は自分がどれだけ危険なことをしてきたのか今となってはよく理解していたからだ。そして一方のスネイプは『フォーラの身に大事がなくてよかった』という程度で話を終わらせる気がない程に
「お前が人狼になっていたかもしれんと思うと寒気すらするわ。そうなった時、一体どれだけの人に迷惑がかかるかを先ず考えるべきだった。違うかね」
「はい、おっしゃるとおりです……。」
「もし