18. クルックシャンクスのお願い
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それ以降、フォーラがクルックシャンクスを見かけることはなかった。そのため結局、フォーラの中でスキャバーズの件が真実なのか嘘なのかは分からず仕舞いだった。彼女はその真相が気になって、時たま猫に変身してスキャバーズを探してみたものの、一度も見つかることはなかった。
ところで、ルーピンは例の黒猫がもう随分長い間自分の部屋を訪れていないのを気にしていた。黒猫が気まぐれで姿を見せないのなら別にそれでよかったが、もしかして何か事故に遭ってしまったのではと、そういうよくない考えをしてしまう時もあった。
それから五月に入ったある日、ルーピンはスリザリンの三年生の防衛術の課外授業で、生徒がそれぞれ課題に取り組んでいる時に偶然近くにいたフォーラに声を掛けた。
「フォーラ、ちょっといいかな」
正直ルーピンは彼女に声を掛けることに気が引けていた。彼女に避けられているという自覚があったからだ。しかし彼は教員として『どの生徒とも距離を取るべきではない』という気持ちで彼女に接しようと心掛けた。
一方、フォーラはルーピンの声に肩をビクリと跳ねさせて彼を見た。ここ最近は彼と目を合わせていなかったせいか、その瞳を本当に久しぶりに真正面から見た気がした。彼女は自分の顔が少しずつ赤くなるのが分かったし、声も上ずったが、何とか焦りの気持ちを振り払った。
「は、はい。どうかしましたか……?」
ルーピンの方もまた、フォーラの瞳をきちんと見たのは久しぶりに思ったし、どういうわけか綺麗だとすら思った。
(綺麗?私は何を突然。確かにこの子の瞳は学生らしい眩しさをしているが……)
「いや、ちょっと気になることがあってね。スリザリン寮に黒い飼い猫がいると思うんだが、その子がたまに私の部屋に遊びにきていたんだ。しかし最近はぱったりと来なくなってしまった。事故にでも遭ったのかと少し心配でね。何か知らないかと思ったんだ」
「飼い猫、ですか。」
フォーラは動揺をなんとか隠そうとして、咄嗟に視線を逸らしてしまったことを後悔した。
「分かりません、ごめんなさい……。」
「そうか、ならいいんだ。ありがとう」
フォーラは去っていったルーピンにホッとした反面、同時に寂しくも思った。本当は彼ともっと沢山話をしたかった。しかし彼女は自分のしてきた事によってどうしてもその気持ちが憚られていた。
(先生はまだ黒猫の私を待っていてくださったのね。でも、きっともう行かない。だってそう決めたもの……)
最近のドラコは、フォーラとルーピンが話すところを見かけなかったので随分安心していた。しかしそれと同時に別の不安が彼の中で渦巻くようになっていた。
(フォーラが最近ずっと無理をしている様子なのは、きっとあの教師が原因なのかもしれない。前までの彼女はもっと楽しそうだった。あいつと話さなくなってから彼女の元気がなくなったんだ。……どうしてだ?僕としては二人に距離ができたことは嬉しいが、それでフォーラがつらそうにしているのは嫌だ。こんな風に思うのはおかしいのか?)
以前のドラコはフォーラがルーピンと仲良くしているところを見るのが苦しかった。それなのに、今ではその時の嬉しそうな彼女の姿を見たいと思っている自分に困惑した。それと同時にドラコは、彼女を元気付けられる存在が自分ではないと自覚していることに腹立たしさも感じていた。そんな彼の感情は今までにないくらい渋滞していたのだった。
ところで、ルーピンは例の黒猫がもう随分長い間自分の部屋を訪れていないのを気にしていた。黒猫が気まぐれで姿を見せないのなら別にそれでよかったが、もしかして何か事故に遭ってしまったのではと、そういうよくない考えをしてしまう時もあった。
それから五月に入ったある日、ルーピンはスリザリンの三年生の防衛術の課外授業で、生徒がそれぞれ課題に取り組んでいる時に偶然近くにいたフォーラに声を掛けた。
「フォーラ、ちょっといいかな」
正直ルーピンは彼女に声を掛けることに気が引けていた。彼女に避けられているという自覚があったからだ。しかし彼は教員として『どの生徒とも距離を取るべきではない』という気持ちで彼女に接しようと心掛けた。
一方、フォーラはルーピンの声に肩をビクリと跳ねさせて彼を見た。ここ最近は彼と目を合わせていなかったせいか、その瞳を本当に久しぶりに真正面から見た気がした。彼女は自分の顔が少しずつ赤くなるのが分かったし、声も上ずったが、何とか焦りの気持ちを振り払った。
「は、はい。どうかしましたか……?」
ルーピンの方もまた、フォーラの瞳をきちんと見たのは久しぶりに思ったし、どういうわけか綺麗だとすら思った。
(綺麗?私は何を突然。確かにこの子の瞳は学生らしい眩しさをしているが……)
「いや、ちょっと気になることがあってね。スリザリン寮に黒い飼い猫がいると思うんだが、その子がたまに私の部屋に遊びにきていたんだ。しかし最近はぱったりと来なくなってしまった。事故にでも遭ったのかと少し心配でね。何か知らないかと思ったんだ」
「飼い猫、ですか。」
フォーラは動揺をなんとか隠そうとして、咄嗟に視線を逸らしてしまったことを後悔した。
「分かりません、ごめんなさい……。」
「そうか、ならいいんだ。ありがとう」
フォーラは去っていったルーピンにホッとした反面、同時に寂しくも思った。本当は彼ともっと沢山話をしたかった。しかし彼女は自分のしてきた事によってどうしてもその気持ちが憚られていた。
(先生はまだ黒猫の私を待っていてくださったのね。でも、きっともう行かない。だってそう決めたもの……)
最近のドラコは、フォーラとルーピンが話すところを見かけなかったので随分安心していた。しかしそれと同時に別の不安が彼の中で渦巻くようになっていた。
(フォーラが最近ずっと無理をしている様子なのは、きっとあの教師が原因なのかもしれない。前までの彼女はもっと楽しそうだった。あいつと話さなくなってから彼女の元気がなくなったんだ。……どうしてだ?僕としては二人に距離ができたことは嬉しいが、それでフォーラがつらそうにしているのは嫌だ。こんな風に思うのはおかしいのか?)
以前のドラコはフォーラがルーピンと仲良くしているところを見るのが苦しかった。それなのに、今ではその時の嬉しそうな彼女の姿を見たいと思っている自分に困惑した。それと同時にドラコは、彼女を元気付けられる存在が自分ではないと自覚していることに腹立たしさも感じていた。そんな彼の感情は今までにないくらい渋滞していたのだった。