18. クルックシャンクスのお願い
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その日の夕食後、フォーラは自身がアニメーガスだと唯一知っているジョージを手紙で呼び出した。
「ジョージ、急だったのに来てくれてありがとう……!」
「ああ、フォーラ。いいんだ。それよりどうかしたのか?」
「そのことなのだけど……ジョージに少しお話があって。あの、……あのね、こんなこといきなり言っていいのか分からないのだけど……。」
ジョージはフォーラの戸惑う様子からして、まさか彼女に愛の告白でもされるのではと一瞬だけ思った。
「スキャバーズがアニメーガスだって、クルックシャンクスから聞いたの……。本当だと思う?」
「えっ」あまりにも予想外すぎる言葉にジョージは固まってしまった。加えてこの子は一体何を言っているのだろうとすら思った。しかし彼はフォーラがあまりにも真剣に尋ねてくるものだから、一つずつ確認することにした。
「えーと、ちょっと待ってくれ。フォーラはクルックシャンクスと話したのか?」
「ええ、今日のお昼に初めてお話ししたわ。偶然私が猫の姿の時に声を掛けられたの。そうしたら彼が、スキャバーズは人間だって……。それにまだ生きているって言うの。私も俄 かには信じられなかった。でも冗談を言っているようにも思えなかったの。こんなこと、相談できるのはジョージしかいなくって……。」
「まさか、そんな。だってあいつはロンのペットだったろ?」
「クルックシャンクスはスキャバーズが何年生きたか聞いてみろって言うの。ネズミが長生きする筈がないって。」
「そりゃ、確かにあいつは長生きの爺さんだよ。確か……ああそうだ。十二年、それくらいだったと思う」
「十二年?ネズミって、三年くらいしか生きられないって聞いたことがあるけれど……。」
ジョージも改めて考えてみると、どうやら奇妙だと思ったようだった。
「確かにそうだな。今までずっと一緒だったからちゃんと意識したことがなかったよ。……でも、よく考えてみてくれよ。そもそも人間が十二年もネズミの姿でいたいと思うか?俺だったら絶対嫌だね。フォーラだってそうだろ?」
「え、ええ、そうね。私もそれはちょっと……。」
「もしかしたらさ、スキャバーズは何か呪いにでもかかってて寿命が延びてただけかもしれない」
「うーん。確かにそんな魔法があってもおかしくはないと思うけれど……。」
「それにロンが言ってたんだが、あいつのベッドにはスキャバーズの血が付いてたらしい。そこから察するに、もしかするとクルックシャンクスがロンやハーマイオニーに『スキャバーズを食べたのは自分じゃない』って信じてもらうために、君に嘘を吐いたってことも考えられる」
「それは確かに一理あるわね。でも、もしクルックシャンクスの言うように、スキャバーズがまだ何処かで生きているとしたら……?」
「ああ、その可能性も正直捨てきれないとは思う。だけどロンも俺たち兄妹もみんな、スキャバーズは死んだと思ってるよ。今の話を聞いた後じゃ俺は尚更そう思いたい。何せもし本当に奴がアニメーガスだったとしたら、すっげえ鳥肌ものだぜ。だって、ずっとネズミのふりした人間と暮らしてたってことになる。だから俺は、なるべくならクルックシャンクスの言うことは信じたくないな……」
ジョージはフォーラが伝えてくれた話を受け止めたい気持ちはあったが、やはりそれが事実だった時の恐ろしさから彼女の言葉を自然と拒絶してしまっていた。フォーラはそんな彼の様子を見て、確かにたった一匹の猫が言うことを鵜呑みにするにしては、話が唐突すぎたのかもしれないと思った。
「そう、よね……。本当の事かも分からないのに、不安にさせるようなことを言ってしまってごめんなさい。」
「いいや、謝らないでくれよ。君は俺を頼ってくれたのに力になれなくて、寧ろ謝るのは俺の方だ。それから、こうして直ぐに相談してくれてありがとう」
「ううん、いいの。……あのねジョージ、実のところクルックシャンクスからは、この件をロンに伝えてほしいと言われていたの。だけどきっと、それを言ったらロンは怒ってしまうわよね……?」
「ああ、もの凄く怒ると思うな。確信が持てるまでは言わない方がいい」
するとジョージは少々思案するようにしてから言葉を続けた。
「とはいえ、仮にその話をロンに伝えるにしても、フォーラがクルックシャンクスと会話できたことはどう説明するんだ?君は、猫に変身できることを隠しておきたいんだろ?」
フォーラはその言葉にハッとさせられた。うっかりしていた。これではどのみちロンにスキャバーズの件を伝えられない。
「そ、そうね……その、今回の件はまだ確実性のある話でもないし、ロンに話すのはやめておくことにするわ。」
「ああ、分かったよ。俺もそれがいいと思う」
そうして話が一区切りついた時、フォーラは先程までの会話をきっかけにある事を思い出していた。フォーラがルーピンを騙していた件で悩み疲れていた頃、ジョージから体調を心配されたことがあったのだ。加えてジョージには、アニメーガスの姿でこっそり計画していることが体調不良の原因ではないかと問われ、あの時の彼女は気丈に振舞って真相を打ち明けなかった。そのようにいつも何かと気にかけてくれる彼のことだから、てっきり今回も話の流れでそのことを質問されるかと思った。しかし彼女の予想に反し、今回は彼にまだ何も聞かれていなかった。
「あの、ところで……以前ジョージは、私がアニメーガスの能力を周りに隠している理由を知りたがっていたわよね。」
「ああ、そうだな。それがどうかしたのか?」ジョージは首を傾げてフォーラを見た。
「……聞かないの?何故なのかって。」フォーラは申し訳なさそうにジョージの顔色を伺った。すると彼は彼女に微笑んだ。
「ああ、もう俺からは聞かないよ。フォーラが話したくなったらでいい。何をしてるかは分からないけど、頑張れよ」
フォーラはその言葉に少し涙が出そうになってしまった。ルーピンへの罪悪感が強すぎて彼を元気付けることはもう頑張れそうにないが、一方でジョージがこうして応援してくれていることに一層申し訳なさを感じたのだ。
「ありがとう……。」フォーラはがんじがらめになっている状況への後悔を悟られないよう、いつもどおりの雰囲気でお礼の言葉を返したのだった。
「ジョージ、急だったのに来てくれてありがとう……!」
「ああ、フォーラ。いいんだ。それよりどうかしたのか?」
「そのことなのだけど……ジョージに少しお話があって。あの、……あのね、こんなこといきなり言っていいのか分からないのだけど……。」
ジョージはフォーラの戸惑う様子からして、まさか彼女に愛の告白でもされるのではと一瞬だけ思った。
「スキャバーズがアニメーガスだって、クルックシャンクスから聞いたの……。本当だと思う?」
「えっ」あまりにも予想外すぎる言葉にジョージは固まってしまった。加えてこの子は一体何を言っているのだろうとすら思った。しかし彼はフォーラがあまりにも真剣に尋ねてくるものだから、一つずつ確認することにした。
「えーと、ちょっと待ってくれ。フォーラはクルックシャンクスと話したのか?」
「ええ、今日のお昼に初めてお話ししたわ。偶然私が猫の姿の時に声を掛けられたの。そうしたら彼が、スキャバーズは人間だって……。それにまだ生きているって言うの。私も
「まさか、そんな。だってあいつはロンのペットだったろ?」
「クルックシャンクスはスキャバーズが何年生きたか聞いてみろって言うの。ネズミが長生きする筈がないって。」
「そりゃ、確かにあいつは長生きの爺さんだよ。確か……ああそうだ。十二年、それくらいだったと思う」
「十二年?ネズミって、三年くらいしか生きられないって聞いたことがあるけれど……。」
ジョージも改めて考えてみると、どうやら奇妙だと思ったようだった。
「確かにそうだな。今までずっと一緒だったからちゃんと意識したことがなかったよ。……でも、よく考えてみてくれよ。そもそも人間が十二年もネズミの姿でいたいと思うか?俺だったら絶対嫌だね。フォーラだってそうだろ?」
「え、ええ、そうね。私もそれはちょっと……。」
「もしかしたらさ、スキャバーズは何か呪いにでもかかってて寿命が延びてただけかもしれない」
「うーん。確かにそんな魔法があってもおかしくはないと思うけれど……。」
「それにロンが言ってたんだが、あいつのベッドにはスキャバーズの血が付いてたらしい。そこから察するに、もしかするとクルックシャンクスがロンやハーマイオニーに『スキャバーズを食べたのは自分じゃない』って信じてもらうために、君に嘘を吐いたってことも考えられる」
「それは確かに一理あるわね。でも、もしクルックシャンクスの言うように、スキャバーズがまだ何処かで生きているとしたら……?」
「ああ、その可能性も正直捨てきれないとは思う。だけどロンも俺たち兄妹もみんな、スキャバーズは死んだと思ってるよ。今の話を聞いた後じゃ俺は尚更そう思いたい。何せもし本当に奴がアニメーガスだったとしたら、すっげえ鳥肌ものだぜ。だって、ずっとネズミのふりした人間と暮らしてたってことになる。だから俺は、なるべくならクルックシャンクスの言うことは信じたくないな……」
ジョージはフォーラが伝えてくれた話を受け止めたい気持ちはあったが、やはりそれが事実だった時の恐ろしさから彼女の言葉を自然と拒絶してしまっていた。フォーラはそんな彼の様子を見て、確かにたった一匹の猫が言うことを鵜呑みにするにしては、話が唐突すぎたのかもしれないと思った。
「そう、よね……。本当の事かも分からないのに、不安にさせるようなことを言ってしまってごめんなさい。」
「いいや、謝らないでくれよ。君は俺を頼ってくれたのに力になれなくて、寧ろ謝るのは俺の方だ。それから、こうして直ぐに相談してくれてありがとう」
「ううん、いいの。……あのねジョージ、実のところクルックシャンクスからは、この件をロンに伝えてほしいと言われていたの。だけどきっと、それを言ったらロンは怒ってしまうわよね……?」
「ああ、もの凄く怒ると思うな。確信が持てるまでは言わない方がいい」
するとジョージは少々思案するようにしてから言葉を続けた。
「とはいえ、仮にその話をロンに伝えるにしても、フォーラがクルックシャンクスと会話できたことはどう説明するんだ?君は、猫に変身できることを隠しておきたいんだろ?」
フォーラはその言葉にハッとさせられた。うっかりしていた。これではどのみちロンにスキャバーズの件を伝えられない。
「そ、そうね……その、今回の件はまだ確実性のある話でもないし、ロンに話すのはやめておくことにするわ。」
「ああ、分かったよ。俺もそれがいいと思う」
そうして話が一区切りついた時、フォーラは先程までの会話をきっかけにある事を思い出していた。フォーラがルーピンを騙していた件で悩み疲れていた頃、ジョージから体調を心配されたことがあったのだ。加えてジョージには、アニメーガスの姿でこっそり計画していることが体調不良の原因ではないかと問われ、あの時の彼女は気丈に振舞って真相を打ち明けなかった。そのようにいつも何かと気にかけてくれる彼のことだから、てっきり今回も話の流れでそのことを質問されるかと思った。しかし彼女の予想に反し、今回は彼にまだ何も聞かれていなかった。
「あの、ところで……以前ジョージは、私がアニメーガスの能力を周りに隠している理由を知りたがっていたわよね。」
「ああ、そうだな。それがどうかしたのか?」ジョージは首を傾げてフォーラを見た。
「……聞かないの?何故なのかって。」フォーラは申し訳なさそうにジョージの顔色を伺った。すると彼は彼女に微笑んだ。
「ああ、もう俺からは聞かないよ。フォーラが話したくなったらでいい。何をしてるかは分からないけど、頑張れよ」
フォーラはその言葉に少し涙が出そうになってしまった。ルーピンへの罪悪感が強すぎて彼を元気付けることはもう頑張れそうにないが、一方でジョージがこうして応援してくれていることに一層申し訳なさを感じたのだ。
「ありがとう……。」フォーラはがんじがらめになっている状況への後悔を悟られないよう、いつもどおりの雰囲気でお礼の言葉を返したのだった。