16. 竜座を見上げて
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二人は芝生の上に脚を伸ばして並んで座った。きっと先生のうちの誰かがこの部屋を作ったのだろうと分かっていても、それすら忘れるほど素敵な景色だった。そうして二人は暫く無言で星を眺めていたのだが、少しするとドラコが何かに気付いた様子で切り出した。
「フォーラ、あれ、竜座だ」
「どれかしら、星が本当に多くて……。」
「ほら、あそこに大きく光っている星があるだろう」
「ええと……あっ、それは分かったと思うわ。」
「そのすぐ下の星と」ドラコは腕を伸ばして星を指差した。
「うーん?赤い星の隣?」
「そっちじゃなくて、……っ!」
腕を伸ばしたままの状態でドラコはビクリと身体を軽く跳ねさせた。フォーラがドラコの指し示した星を知るために、彼の目線と同じになるよう自身の頬を彼の頬にくっつくほど寄せてきたのだ。
「あ、……分かったわ!星同士を繋げると、クネクネした形になっているやつね。」フォーラは頭を離してドラコに微笑んだ。
「……っあ、ああ。そうだな。合っていると、思う」
ドラコはフォーラとの距離が突然殆どゼロになっていたことで、彼女が離れた今も胸の動悸が収まらなかった。
「竜座は星座表でだけ見たことがあるわ。ドラコの名前の由来、よね。」
フォーラがそのことを知っていたものだからドラコは少々驚いた。そしてそれと同時に嬉しさが湧き上がってくるのも感じた。自分に関する話を覚えてくれていたなんて。
「ああ。よく知っていたな」
「昔、ナルシッサさんに教えてもらったことがあるの。」
それから少しの間、二人とも再び無言で星を眺めた。まるで夜中に城を抜け出して、グラウンドのど真ん中で芝生の上に座っているかのようだった。
星を見ながらドラコはふと『ある事』を思い出していた。フォーラが初めてのホグズミード休暇で外出しなかったあの日、ドラコが彼女に伝えた言葉だ。
(僕はあの時、フォーラを自分の妹みたいに思っている、だなんて馬鹿な嘘を吐いた。だけど本当はそんなことこれっぽっちだって思っていない。正直、いつそのことを話そうかずっと悩んでいた。だってその誤解を解かないと、フォーラにずっとそんな感情しか持っていないと思われるじゃないか。このままじゃ、フォーラに僕を異性として意識してもらうスタートすら切れない。だけど今は丁度二人きりだし、雰囲気も悪くないと思う。言うなら今この場所がいいんじゃないか?)
「フォーラ、少し前の事なんだが」ドラコは静かにフォーラに話し掛けた。「その―――初めてのホグズミード休暇の、僕が君を突き放した日の事で話があって」
フォーラはそれを聞いて当時のことを思い出した様子だった。ドラコが続けた。
「あの日、僕が君に『妹みたいだ』って言ったのを、君はまだ覚えているか?」
「ええとそうね、覚えているわ。突然どうしたの?」
その質問にドラコは息を呑み、一呼吸置いてから再び口を開いた。
「突然というか、前から君に言おうと思っていたことがあるんだ。だけどタイミングがなくて。それで、あの時僕が君に『妹のようだ』と言った件についてだが、あれは……本当はそんなことなかったんだ」
「?そうだったの?」
「ああ。よく考えてみると、違っていたみたいだ」ドラコはそのように誤魔化す間、自身の心臓がうるささを増しているのを感じていた。
「君とは元々親同士の付き合いもあったし、僕自身、学校に入って暫くは君を本当に従兄妹 とかそういう存在だと思っていた節があった」
「じゃあ、どうしてそうじゃないと思ったのに、最近もドラコはよく私の世話を焼いてくれていたの?」
「それは、やっぱり君が僕の幼馴染だからさ。昔から見てきた分、君のことをほうっておけなかった。あと強いて言うなら……幼馴染の関係を差し引いても、純粋に君に何かしてやりたいって思う気持ちもなくはなかった。本当に少しだけどな」
フォーラはドラコの声がどこか上ずっているように聞こえたが、暗くてあまり彼の表情を読むことができなかったため、実際にはよく分からなかった。そしてドラコの方は本来伝えたかった言葉を発するか迷ったが、とうとう意を決して口を開いた。
「僕には兄妹がいないから、正直そういう身内同士の関係が本当はどんなものなのかよく分からない。だけど、君がもし本当に僕の妹だったとしたら、きっと僕は君を一人の女性としては見られなかっただろう」
「?どういうこと……?」
ドラコは先程の言葉でその真意を理解しなかったフォーラを少し恨んだ。しかし彼は根気よく説明した。
「フォーラ、あれ、竜座だ」
「どれかしら、星が本当に多くて……。」
「ほら、あそこに大きく光っている星があるだろう」
「ええと……あっ、それは分かったと思うわ。」
「そのすぐ下の星と」ドラコは腕を伸ばして星を指差した。
「うーん?赤い星の隣?」
「そっちじゃなくて、……っ!」
腕を伸ばしたままの状態でドラコはビクリと身体を軽く跳ねさせた。フォーラがドラコの指し示した星を知るために、彼の目線と同じになるよう自身の頬を彼の頬にくっつくほど寄せてきたのだ。
「あ、……分かったわ!星同士を繋げると、クネクネした形になっているやつね。」フォーラは頭を離してドラコに微笑んだ。
「……っあ、ああ。そうだな。合っていると、思う」
ドラコはフォーラとの距離が突然殆どゼロになっていたことで、彼女が離れた今も胸の動悸が収まらなかった。
「竜座は星座表でだけ見たことがあるわ。ドラコの名前の由来、よね。」
フォーラがそのことを知っていたものだからドラコは少々驚いた。そしてそれと同時に嬉しさが湧き上がってくるのも感じた。自分に関する話を覚えてくれていたなんて。
「ああ。よく知っていたな」
「昔、ナルシッサさんに教えてもらったことがあるの。」
それから少しの間、二人とも再び無言で星を眺めた。まるで夜中に城を抜け出して、グラウンドのど真ん中で芝生の上に座っているかのようだった。
星を見ながらドラコはふと『ある事』を思い出していた。フォーラが初めてのホグズミード休暇で外出しなかったあの日、ドラコが彼女に伝えた言葉だ。
(僕はあの時、フォーラを自分の妹みたいに思っている、だなんて馬鹿な嘘を吐いた。だけど本当はそんなことこれっぽっちだって思っていない。正直、いつそのことを話そうかずっと悩んでいた。だってその誤解を解かないと、フォーラにずっとそんな感情しか持っていないと思われるじゃないか。このままじゃ、フォーラに僕を異性として意識してもらうスタートすら切れない。だけど今は丁度二人きりだし、雰囲気も悪くないと思う。言うなら今この場所がいいんじゃないか?)
「フォーラ、少し前の事なんだが」ドラコは静かにフォーラに話し掛けた。「その―――初めてのホグズミード休暇の、僕が君を突き放した日の事で話があって」
フォーラはそれを聞いて当時のことを思い出した様子だった。ドラコが続けた。
「あの日、僕が君に『妹みたいだ』って言ったのを、君はまだ覚えているか?」
「ええとそうね、覚えているわ。突然どうしたの?」
その質問にドラコは息を呑み、一呼吸置いてから再び口を開いた。
「突然というか、前から君に言おうと思っていたことがあるんだ。だけどタイミングがなくて。それで、あの時僕が君に『妹のようだ』と言った件についてだが、あれは……本当はそんなことなかったんだ」
「?そうだったの?」
「ああ。よく考えてみると、違っていたみたいだ」ドラコはそのように誤魔化す間、自身の心臓がうるささを増しているのを感じていた。
「君とは元々親同士の付き合いもあったし、僕自身、学校に入って暫くは君を本当に
「じゃあ、どうしてそうじゃないと思ったのに、最近もドラコはよく私の世話を焼いてくれていたの?」
「それは、やっぱり君が僕の幼馴染だからさ。昔から見てきた分、君のことをほうっておけなかった。あと強いて言うなら……幼馴染の関係を差し引いても、純粋に君に何かしてやりたいって思う気持ちもなくはなかった。本当に少しだけどな」
フォーラはドラコの声がどこか上ずっているように聞こえたが、暗くてあまり彼の表情を読むことができなかったため、実際にはよく分からなかった。そしてドラコの方は本来伝えたかった言葉を発するか迷ったが、とうとう意を決して口を開いた。
「僕には兄妹がいないから、正直そういう身内同士の関係が本当はどんなものなのかよく分からない。だけど、君がもし本当に僕の妹だったとしたら、きっと僕は君を一人の女性としては見られなかっただろう」
「?どういうこと……?」
ドラコは先程の言葉でその真意を理解しなかったフォーラを少し恨んだ。しかし彼は根気よく説明した。