2. 父の薬
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アーサーは自身が噂で聞いていたシェードの人物像と、実際の彼があまりにも一致しないことに随分驚いていた。目の前の彼は随分誠実でな様子で、あの憎らしいルシウス・マルフォイとは真逆ではないかと思ったのだ。それに、純血主義で名高いルシウスと交友の深い人物が、こうして反純血主義で有名な自分たちと何の偏見もなく話をしていることにも驚かされた。
アーサーはシェードに対する偏見の目を幾らか改めるとともに、ルシウスを恨む勢力に妙な噂を流されている彼のことを少々不憫に思った。
「ファントムさん―――貴方は確かルシウス・マルフォイと大変仲がよろしいとか。その理由だけで、貴方に対する良くない噂が一部界隈で流れています。できれば気をつけられた方がよろしいかと」
以前も述べたとおり、アーサーは元々その一部の噂を殆ど信じている傾向にあった。そのため彼はシェードを心配すると同時に、あえて先程のような話をして『ファントム氏が自ら作る危険な薬品をルシウスに提供しているらしい』という噂の真相を確かめようとした。するとシェードは首を傾げた。
「私の噂、ふむ……もしかして私が魔法薬狂いの変人という噂ですか?……おや、違うみたいだ。それなら危険薬物の譲渡に関する噂ですか?」シェードが微笑んで言った。
アーサーからすれば、シェードはまるで悪い噂が流れるのを楽しんでいるように見えたし、言葉にこそ出さないもののアーサーが何を確認したがっているかもお見通しのようだった。シェードが落ち着いた声色で続けた。
「噂はどうあれ、貴方も務める魔法省のご関係者が、私に向ける厚い信頼を考えていただければ……真偽は一目瞭然です。まあつまり、噂を信じるも信じないもその人次第ということです。しかし貴方のようにお優しい人にご忠告いただけたこと、本当に嬉しく思います。どうもありがとう」
シェードはどうやら自分や家族、利害関係者から信頼されていればそれ以外はどうでもいいようだった。自分が正しい行いをしていればこそ、彼はそのような身も蓋もない噂があっても、事を上手く運ぶ術を幾らでも持っているようだった。実にスリザリン出身者らしいではないか。アーサーは彼がそこまでおおっぴらに彼自身の噂を受け入れているとは思っていなかったため、随分拍子抜けした。
「あなた、ウィーズリーさんにお礼の品をお渡しし忘れているわ」するとリプトニアがおもむろに促した。
「ああ、そうだったね」シェードは妻からの言葉に笑みを返すと、杖を振って少々大き目の箱を一つと小さな紙袋を自身の手元に出現させ、どちらもをアーサーに手渡した。
「こちらの箱は私と妻から、フォーラを助けていただいたお礼です。ダイアゴン横丁の有名店の焼き菓子なのですが、今朝急ぎで用意したのであまり十分に吟味する時間がなく……お気に召すといいのですが」シェードが続けた。
「そしてこちらは、私が新しく作った薬が入っています。熱、風邪、嘔吐その他全般に効きます。従来の物より効きが早くて、副作用は多少人が恋しくなるだけ」
それを聞いたフレッドとジョージは目を輝かせてそれを見ていた。アーサーはまさかシェードの闇取引の噂について話した直後に、彼お手製の魔法薬が直接手渡されると思わず一瞬言葉が出なかった。幾ら噂が真実ではないと本人の口から聞けたとはいえ、長く耳にしてきた噂を完全に否定できる程の自信をアーサーはまだ完全には持ち合わせていなかった。そのため彼は特に後者のプレゼントについては、やんわりと断りを入れようとした。
「シェードさん、どちらも随分有難い品ですが、私たちは当然のことをしたまでです。何もお礼なんてものは―――」
「いえいえそんな、お気になさらず」シェードはアーサーの困惑した様子に気付いておらず、純粋にアーサーが謙虚さを見せただけだと理解した。
「―――さて、あまり長くお暇するわけにはいきませんので、そろそろ失礼しようと思います。ウィーズリーさん、フォーラを助けていただいて本当にありがとうございました。どうぞまた、学校でも娘と仲良くしてあげてください」
そうしてシェードはアーサーやモリー、ロンや双子たちと順に握手を交わした。そして皆にお辞儀をすると、先にフルーパウダーで暖炉から消えた。次にリプトニアも同じように挨拶をして暖炉から消えた。そして最後にフォーラが暖炉の前に立つと、ウィーズリー家のみんなを振り返った。
「みなさん、この度は本当にありがとうございました。是非また列車でお逢いしましょうね。あ、それから……父様のお薬はきっと大丈夫なので、どうか安心してください。」
フォーラはモリーとハグをし、その他のウィーズリー家に手を振ると、彼女もフルーパウダーを使ってとうとう暖炉から消えたのだった。
ファントム家が全員完全に姿を消すと、おもむろにフレッドとジョージがアーサーに尋ねた。
「「ねえパパ、その薬、俺たちにくれない?」」
興味津々の双子にアーサーは大きく首を横に振って盛大なため息を吐いた。彼は手の中の紙袋を持て余している様子だった。
「モリー、ファントム氏の気持ちは大変有難かったのだが……正直私は彼のことをまだ何とも判断できない。勿論勘違いしていた部分もあったのは認めるがね。だから大変申し訳ないが、一先ずこの薬については処分しようと思う」
アーサーはそのように言ってゴミ箱へ向かったのだが、その翌日、捨てた筈の紙袋がこっそり双子の部屋のトランクに仕舞われていたのは言うまでもない。
アーサーはシェードに対する偏見の目を幾らか改めるとともに、ルシウスを恨む勢力に妙な噂を流されている彼のことを少々不憫に思った。
「ファントムさん―――貴方は確かルシウス・マルフォイと大変仲がよろしいとか。その理由だけで、貴方に対する良くない噂が一部界隈で流れています。できれば気をつけられた方がよろしいかと」
以前も述べたとおり、アーサーは元々その一部の噂を殆ど信じている傾向にあった。そのため彼はシェードを心配すると同時に、あえて先程のような話をして『ファントム氏が自ら作る危険な薬品をルシウスに提供しているらしい』という噂の真相を確かめようとした。するとシェードは首を傾げた。
「私の噂、ふむ……もしかして私が魔法薬狂いの変人という噂ですか?……おや、違うみたいだ。それなら危険薬物の譲渡に関する噂ですか?」シェードが微笑んで言った。
アーサーからすれば、シェードはまるで悪い噂が流れるのを楽しんでいるように見えたし、言葉にこそ出さないもののアーサーが何を確認したがっているかもお見通しのようだった。シェードが落ち着いた声色で続けた。
「噂はどうあれ、貴方も務める魔法省のご関係者が、私に向ける厚い信頼を考えていただければ……真偽は一目瞭然です。まあつまり、噂を信じるも信じないもその人次第ということです。しかし貴方のようにお優しい人にご忠告いただけたこと、本当に嬉しく思います。どうもありがとう」
シェードはどうやら自分や家族、利害関係者から信頼されていればそれ以外はどうでもいいようだった。自分が正しい行いをしていればこそ、彼はそのような身も蓋もない噂があっても、事を上手く運ぶ術を幾らでも持っているようだった。実にスリザリン出身者らしいではないか。アーサーは彼がそこまでおおっぴらに彼自身の噂を受け入れているとは思っていなかったため、随分拍子抜けした。
「あなた、ウィーズリーさんにお礼の品をお渡しし忘れているわ」するとリプトニアがおもむろに促した。
「ああ、そうだったね」シェードは妻からの言葉に笑みを返すと、杖を振って少々大き目の箱を一つと小さな紙袋を自身の手元に出現させ、どちらもをアーサーに手渡した。
「こちらの箱は私と妻から、フォーラを助けていただいたお礼です。ダイアゴン横丁の有名店の焼き菓子なのですが、今朝急ぎで用意したのであまり十分に吟味する時間がなく……お気に召すといいのですが」シェードが続けた。
「そしてこちらは、私が新しく作った薬が入っています。熱、風邪、嘔吐その他全般に効きます。従来の物より効きが早くて、副作用は多少人が恋しくなるだけ」
それを聞いたフレッドとジョージは目を輝かせてそれを見ていた。アーサーはまさかシェードの闇取引の噂について話した直後に、彼お手製の魔法薬が直接手渡されると思わず一瞬言葉が出なかった。幾ら噂が真実ではないと本人の口から聞けたとはいえ、長く耳にしてきた噂を完全に否定できる程の自信をアーサーはまだ完全には持ち合わせていなかった。そのため彼は特に後者のプレゼントについては、やんわりと断りを入れようとした。
「シェードさん、どちらも随分有難い品ですが、私たちは当然のことをしたまでです。何もお礼なんてものは―――」
「いえいえそんな、お気になさらず」シェードはアーサーの困惑した様子に気付いておらず、純粋にアーサーが謙虚さを見せただけだと理解した。
「―――さて、あまり長くお暇するわけにはいきませんので、そろそろ失礼しようと思います。ウィーズリーさん、フォーラを助けていただいて本当にありがとうございました。どうぞまた、学校でも娘と仲良くしてあげてください」
そうしてシェードはアーサーやモリー、ロンや双子たちと順に握手を交わした。そして皆にお辞儀をすると、先にフルーパウダーで暖炉から消えた。次にリプトニアも同じように挨拶をして暖炉から消えた。そして最後にフォーラが暖炉の前に立つと、ウィーズリー家のみんなを振り返った。
「みなさん、この度は本当にありがとうございました。是非また列車でお逢いしましょうね。あ、それから……父様のお薬はきっと大丈夫なので、どうか安心してください。」
フォーラはモリーとハグをし、その他のウィーズリー家に手を振ると、彼女もフルーパウダーを使ってとうとう暖炉から消えたのだった。
ファントム家が全員完全に姿を消すと、おもむろにフレッドとジョージがアーサーに尋ねた。
「「ねえパパ、その薬、俺たちにくれない?」」
興味津々の双子にアーサーは大きく首を横に振って盛大なため息を吐いた。彼は手の中の紙袋を持て余している様子だった。
「モリー、ファントム氏の気持ちは大変有難かったのだが……正直私は彼のことをまだ何とも判断できない。勿論勘違いしていた部分もあったのは認めるがね。だから大変申し訳ないが、一先ずこの薬については処分しようと思う」
アーサーはそのように言ってゴミ箱へ向かったのだが、その翌日、捨てた筈の紙袋がこっそり双子の部屋のトランクに仕舞われていたのは言うまでもない。