16. 竜座を見上げて
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次のホグズミード休暇を終えたその日の夕方、フォーラはハリーたち三人にばったり廊下で出会った。フォーラはロンとハーマイオニーがスキャバーズの件で喧嘩していることを知っていたため、今こうして彼らが一緒にいるところを見て幾らか安堵した。
「こんばんは。」フォーラが挨拶すると、ロンは彼女の存在に少々狼狽えた。
「や、やあ。こんばんは。こんな所でどうしたの?」ロンが尋ねた。
「図書室から寮に帰るところよ。……あの、みんな。ヒッポグリフの裁判のこと、急に手伝えなくなってしまって本当にごめんなさい。」
「そんなに改まらないで。手紙でもうその話は聞いていたんだから」ハーマイオニーがフォーラの謝罪を制した。
「それでもやっぱり直接謝りたかったの。」
フォーラは改めて三人に、ヒッポグリフの裁判に役立つ情報をドラコに内緒で調べていたのを知られてしまったことや、彼の気持ちを考えるとこれ以上手伝うのは難しいと判断したことを話した。
「フォーラの状況がどうしようもできないのは分かるつもりだから、本当に気にしないで」
ハーマイオニーにそのように宥められ、フォーラは安堵の表情を見せながらも内心はやはり申し訳なさを感じた。ヒッポグリフが狂暴になった原因として、アニメーガスの兆候を感じた自分のせいである可能性が高いことが彼女の後ろめたさを強調していた。
「ハーマイオニー、それに二人もありがとう。」
フォーラはこれ以上謝罪をするのも三人に迷惑だろうと感じ、お礼を伝えるとともに別の話題に切り替えた。
「そういえばロン、貴方がシリウス・ブラックに襲われかけたことを聞いたわ。大丈夫だった?怪我はなかった?」
「ああ、ウン。大丈夫だったよ」ロンはフォーラに当時のことを聞かれて随分嬉しそうに頷いた。
「一体、どんな様子だったのかしら……。」
「夜中、多分寝入ってから少し経ってたと思う。僕が寝ていたら、サーッと隙間風が入ってきたんだ。初めは夢かと思ったよ。だって、そうだよね?それで……」
ロンの話では、どうやらシリウス・ブラックは寝ているロンに向かって刃物を振り下ろそうとしていたらしく、それに気付いたロンの叫び声で逃げていったのだそうだ。
フォーラはまさか自分が猫の姿でルーピンの部屋から出たその時間帯に、そのようなことが起こっていたと改めて知ってぞっとした。もしかしたらシリウス・ブラックと自分が廊下でばったり出会ってしまって、最悪の場合は彼に襲われていた可能性があったかもしれない。途端に黙ってしまったフォーラに、ハーマイオニーが尋ねた。
「フォーラ?どうかしたの?」
「え……、あっ、いいえ。なんでもないの。兎に角みんなが無事で本当によかったわ。」フォーラの言葉に今度はハリーが返答した。
「うん、それはいいんだけど、フォーラの顔色がよくないよ。大丈夫?」
「ええ、大丈夫よ。きっと少し疲れているんだわ。ごめんなさい。」
それから雑談を終えたフォーラは、その場で三人と別れてスリザリンの談話室へ向かった。先程は彼らに随分心配されてしまった。フォーラは最近自分が本当に疲れていると思ったし、酷くマイナス思考になっているとも思った。
(全部、自分のしたことが原因なんだから……もっとしっかりしないと。みんなにこれ以上迷惑をかけられないわ)
その頃、ハリーたちは寮に帰りながら先程のフォーラの様子について言葉を交わしていた。
「彼女、なんだか少し思いつめている感じだったわね。バックビークの件もマルフォイが訴えたことなんだから、彼女が申し訳なく思う必要なんてないのに」
「フォーラが疲れてるように見えたのは、やっぱりその事を気にしすぎているのが原因なのかな」
ロンがそう言った時、彼はおもむろに後ろから背中を叩かれた。驚くと同時に誰がやったのかと振り返ってみると、そこにはフレッドとジョージの姿があった。
「やあ、何の話だ?」ジョージが言った。続いてフレッドがロンとハーマイオニーを交互に見た。
「お前たち、いつの間に仲直りしたんだ?スキャバーズがいなくなった件で随分もめてただろ?」
「うるさいなあ、ついさっき和解したんだよ。その話はもう蒸し返さないでくれ。僕らはフォーラの話をしてたんだ」ロンの回答にジョージはピクリと反応したが、至って普通に聞き返した。
「フォーラがどうかしたのか?」
「さっきそこで偶然会ったんだよ、もう寮に帰っちゃったけど。彼女、何だか少し疲れた様子だったんだ。何かあったのかなと思ってさ」するとそれを聞いたフレッドが口を開いた。
「疲れてた?まあそりゃあそんな日もあるだろうよ。例えば女の子の日だったとかな」
「ちょっと、フレッド!」ハーマイオニーが彼に怒ると、フレッドは「冗談さ」と笑い飛ばした。そんな相方を横目に、ジョージは考えを巡らせた。
(疲れてる?クリスマス休暇が空けてから一度話した時はそんな感じじゃなかったな。最近何かあったのか?)
「彼女、あまりハキハキ喋るタイプじゃないから、もしかすると何か背負い込んでいるのかも。フレッドとジョージも、よかったら今度彼女に声を掛けてあげて」
「ああ、そうだな。分かったよ」
「こんばんは。」フォーラが挨拶すると、ロンは彼女の存在に少々狼狽えた。
「や、やあ。こんばんは。こんな所でどうしたの?」ロンが尋ねた。
「図書室から寮に帰るところよ。……あの、みんな。ヒッポグリフの裁判のこと、急に手伝えなくなってしまって本当にごめんなさい。」
「そんなに改まらないで。手紙でもうその話は聞いていたんだから」ハーマイオニーがフォーラの謝罪を制した。
「それでもやっぱり直接謝りたかったの。」
フォーラは改めて三人に、ヒッポグリフの裁判に役立つ情報をドラコに内緒で調べていたのを知られてしまったことや、彼の気持ちを考えるとこれ以上手伝うのは難しいと判断したことを話した。
「フォーラの状況がどうしようもできないのは分かるつもりだから、本当に気にしないで」
ハーマイオニーにそのように宥められ、フォーラは安堵の表情を見せながらも内心はやはり申し訳なさを感じた。ヒッポグリフが狂暴になった原因として、アニメーガスの兆候を感じた自分のせいである可能性が高いことが彼女の後ろめたさを強調していた。
「ハーマイオニー、それに二人もありがとう。」
フォーラはこれ以上謝罪をするのも三人に迷惑だろうと感じ、お礼を伝えるとともに別の話題に切り替えた。
「そういえばロン、貴方がシリウス・ブラックに襲われかけたことを聞いたわ。大丈夫だった?怪我はなかった?」
「ああ、ウン。大丈夫だったよ」ロンはフォーラに当時のことを聞かれて随分嬉しそうに頷いた。
「一体、どんな様子だったのかしら……。」
「夜中、多分寝入ってから少し経ってたと思う。僕が寝ていたら、サーッと隙間風が入ってきたんだ。初めは夢かと思ったよ。だって、そうだよね?それで……」
ロンの話では、どうやらシリウス・ブラックは寝ているロンに向かって刃物を振り下ろそうとしていたらしく、それに気付いたロンの叫び声で逃げていったのだそうだ。
フォーラはまさか自分が猫の姿でルーピンの部屋から出たその時間帯に、そのようなことが起こっていたと改めて知ってぞっとした。もしかしたらシリウス・ブラックと自分が廊下でばったり出会ってしまって、最悪の場合は彼に襲われていた可能性があったかもしれない。途端に黙ってしまったフォーラに、ハーマイオニーが尋ねた。
「フォーラ?どうかしたの?」
「え……、あっ、いいえ。なんでもないの。兎に角みんなが無事で本当によかったわ。」フォーラの言葉に今度はハリーが返答した。
「うん、それはいいんだけど、フォーラの顔色がよくないよ。大丈夫?」
「ええ、大丈夫よ。きっと少し疲れているんだわ。ごめんなさい。」
それから雑談を終えたフォーラは、その場で三人と別れてスリザリンの談話室へ向かった。先程は彼らに随分心配されてしまった。フォーラは最近自分が本当に疲れていると思ったし、酷くマイナス思考になっているとも思った。
(全部、自分のしたことが原因なんだから……もっとしっかりしないと。みんなにこれ以上迷惑をかけられないわ)
その頃、ハリーたちは寮に帰りながら先程のフォーラの様子について言葉を交わしていた。
「彼女、なんだか少し思いつめている感じだったわね。バックビークの件もマルフォイが訴えたことなんだから、彼女が申し訳なく思う必要なんてないのに」
「フォーラが疲れてるように見えたのは、やっぱりその事を気にしすぎているのが原因なのかな」
ロンがそう言った時、彼はおもむろに後ろから背中を叩かれた。驚くと同時に誰がやったのかと振り返ってみると、そこにはフレッドとジョージの姿があった。
「やあ、何の話だ?」ジョージが言った。続いてフレッドがロンとハーマイオニーを交互に見た。
「お前たち、いつの間に仲直りしたんだ?スキャバーズがいなくなった件で随分もめてただろ?」
「うるさいなあ、ついさっき和解したんだよ。その話はもう蒸し返さないでくれ。僕らはフォーラの話をしてたんだ」ロンの回答にジョージはピクリと反応したが、至って普通に聞き返した。
「フォーラがどうかしたのか?」
「さっきそこで偶然会ったんだよ、もう寮に帰っちゃったけど。彼女、何だか少し疲れた様子だったんだ。何かあったのかなと思ってさ」するとそれを聞いたフレッドが口を開いた。
「疲れてた?まあそりゃあそんな日もあるだろうよ。例えば女の子の日だったとかな」
「ちょっと、フレッド!」ハーマイオニーが彼に怒ると、フレッドは「冗談さ」と笑い飛ばした。そんな相方を横目に、ジョージは考えを巡らせた。
(疲れてる?クリスマス休暇が空けてから一度話した時はそんな感じじゃなかったな。最近何かあったのか?)
「彼女、あまりハキハキ喋るタイプじゃないから、もしかすると何か背負い込んでいるのかも。フレッドとジョージも、よかったら今度彼女に声を掛けてあげて」
「ああ、そうだな。分かったよ」