2. 父の薬
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それは祖父母の梟だった。エドガーはようやくフォーラの近くまで来ると、彼女の伸ばした腕にスーッと飛んできて着地した。フォーラは梟にお礼を言うとともに、その脚に括りつけられている手紙を外して急いで開いた。止まり木代わりの腕が急に動いたのでエドガーがホーと鳴いて怒った。
「何て書いてあるの?」ロンが尋ねたのでフォーラは読み上げた。
『ウィーズリー様へ
この度は娘のフォーラを助けていただき、本当にありがとうございます。既に娘から事情は伺っているとのことですが、改めてお伝えしますと、娘が家を飛び出してしまったのは本当にわたくし共の至らぬところでした。大変お手数をおかけいたしました。昨晩の嵐が酷く、お手紙を受け取ったのが深夜であったことと、煙突飛行粉 の残りがなくそちらに朝から伺うことが困難となってしまったことについても、誠にお詫び申し上げます。
そしてフォーラを一日預かっていただいたこと、本当にありがとうございます。誠に勝手ながら、昼前には娘を迎えにいかせていただきます。それまでどうぞ、ご迷惑をおかけしますがフォーラのことをよろしくお願いいたします。
シェード・ファントム
追伸 フォーラ、こんなことになってしまって本当にすまない。心から無事でよかった。』
フォーラが読み終えた丁度その時、偶然にも隠れ穴の一階から物音がした。きっと誰かが起きだしてきたのだろう。フォーラはロンと顔を見合わせると、二人して隠れ穴の中に戻っていった。中に入ってみると、モリーが台所に立って今から朝食を作ろうとしているところだった。
「あら二人ともおはよう」
「おはようございます。モリーさん、これ……私の父からたった今届いたんです。」
フォーラが差し出した手紙をモリーが読むと、彼女はにっこり笑って洋皮紙と羽ペンを出現させて『了解』という意味合いの返事をさらさらと書いた。
「無事に手紙が向こうに届いてよかったわ。さあ、これを送って頂戴ね」
モリーがそのように言って手紙を差し出した時、彼女はフォーラが随分不安げな表情をしていることに気付いた。フォーラは自身がここに来るまでの経緯を忘れているのに加え、彼女の両親が随分心配していたことを手紙越しに改めて理解し、心から申し訳ないという気持ちがこみ上げていた。モリーはそんな彼女を見かねて元気付けた。
「大丈夫ですよ。誰もあなたを責めたりしませんからね。それに、記憶がなくて不安かもしれないけど、きっと時間が解決してくれますよ」
「はい……。ありがとうございます。」
そしてそれから数時間後、そろそろフォーラの両親が迎えにくる時間となった。時計の針が十一時を指した瞬間、ウィーズリー家の暖炉がエメラルド色の炎を上げた。そしてそこに現れた人影はいそいそと暖炉から出ると、目の前に立つ娘を見つけて大層嬉しそうに両手を広げた。
「フォーラ!」
「父様!」フォーラは現れた父親に思い切り抱き着いた。そして、続いて現れた母親にも先程同様きつく抱擁した。
「フォーラ、ごめんなさい……無事で本当によかった……!」リプトニアはそう言ってフォーラを抱き締め返した。そして自分たちを出迎えてくれたウィーズリー一家にシェード同様向き直った。
「ウィーズリーさん、はじめまして。シェード・ファントムです。こちらは妻のリプトニア。本日はお忙しいところに申し訳ございません。この度はフォーラを助けていただき本当にありがとうございました」シェードはアーサーやモリーと握手を交わして御礼を言った。するとアーサーは笑顔でロンと双子を紹介した。
「お礼は私ではなく、是非息子たちにお伝えください」
改めてシェードがフォーラに似た柔らかい笑みで三人に御礼を言うと、彼らはどういたしましてと得意げに胸を反らした。すると今度はモリーが口を開いた。
「娘さんはとても困惑していましたよ。―――そういうわけで暖炉からお家に帰すより、一旦うちでお預かりして心を落ち着かせた方がいいと思ったんです。お節介だったかもしれないとは考えたんですが……」そのように話したモリーに、ファントム夫妻は滅相もないと首を横に振った。
「お気遣いいただき本当にありがとうございます」
「ところで、彼女は家の外に出たらしいのですが、今の危険な時に何故そのような事態になってしまったのですか?」アーサーがシェードに尋ねた。
アーサーは昨日フォーラから一連の事情を聞いていたものの、彼女の両親からも事の次第を聞いておく必要があると感じていた。アーサーはシェードを取り巻く噂のせいで、いまいち彼のことを信じられていなかった。つまりフォーラの両親が娘に無関心で無慈悲な人ではないかと疑ったのだ。
するとシェードは重々しい表情で話した。彼自身が両親から純血主義に対する考え方について説教を受け、次第に激しい口論となりフォーラがその言い争いを恐れただろうこと、その最中に娘から目を離してしまったことなど。それらがフォーラの話していた内容と一致していたものだから、アーサーは安堵のため息を漏らした。
「そうでしたか……。いやはや、てっきり私は何かもっと別な事情もあったのではないかと、その―――いや、忘れてください」
「いえ、いえ、構いませんよ。わたくし共の管理不行き届きでフォーラを危険な目に遭わせてしまったことは、どのようにも言い逃れできません」
「何て書いてあるの?」ロンが尋ねたのでフォーラは読み上げた。
『ウィーズリー様へ
この度は娘のフォーラを助けていただき、本当にありがとうございます。既に娘から事情は伺っているとのことですが、改めてお伝えしますと、娘が家を飛び出してしまったのは本当にわたくし共の至らぬところでした。大変お手数をおかけいたしました。昨晩の嵐が酷く、お手紙を受け取ったのが深夜であったことと、
そしてフォーラを一日預かっていただいたこと、本当にありがとうございます。誠に勝手ながら、昼前には娘を迎えにいかせていただきます。それまでどうぞ、ご迷惑をおかけしますがフォーラのことをよろしくお願いいたします。
シェード・ファントム
追伸 フォーラ、こんなことになってしまって本当にすまない。心から無事でよかった。』
フォーラが読み終えた丁度その時、偶然にも隠れ穴の一階から物音がした。きっと誰かが起きだしてきたのだろう。フォーラはロンと顔を見合わせると、二人して隠れ穴の中に戻っていった。中に入ってみると、モリーが台所に立って今から朝食を作ろうとしているところだった。
「あら二人ともおはよう」
「おはようございます。モリーさん、これ……私の父からたった今届いたんです。」
フォーラが差し出した手紙をモリーが読むと、彼女はにっこり笑って洋皮紙と羽ペンを出現させて『了解』という意味合いの返事をさらさらと書いた。
「無事に手紙が向こうに届いてよかったわ。さあ、これを送って頂戴ね」
モリーがそのように言って手紙を差し出した時、彼女はフォーラが随分不安げな表情をしていることに気付いた。フォーラは自身がここに来るまでの経緯を忘れているのに加え、彼女の両親が随分心配していたことを手紙越しに改めて理解し、心から申し訳ないという気持ちがこみ上げていた。モリーはそんな彼女を見かねて元気付けた。
「大丈夫ですよ。誰もあなたを責めたりしませんからね。それに、記憶がなくて不安かもしれないけど、きっと時間が解決してくれますよ」
「はい……。ありがとうございます。」
そしてそれから数時間後、そろそろフォーラの両親が迎えにくる時間となった。時計の針が十一時を指した瞬間、ウィーズリー家の暖炉がエメラルド色の炎を上げた。そしてそこに現れた人影はいそいそと暖炉から出ると、目の前に立つ娘を見つけて大層嬉しそうに両手を広げた。
「フォーラ!」
「父様!」フォーラは現れた父親に思い切り抱き着いた。そして、続いて現れた母親にも先程同様きつく抱擁した。
「フォーラ、ごめんなさい……無事で本当によかった……!」リプトニアはそう言ってフォーラを抱き締め返した。そして自分たちを出迎えてくれたウィーズリー一家にシェード同様向き直った。
「ウィーズリーさん、はじめまして。シェード・ファントムです。こちらは妻のリプトニア。本日はお忙しいところに申し訳ございません。この度はフォーラを助けていただき本当にありがとうございました」シェードはアーサーやモリーと握手を交わして御礼を言った。するとアーサーは笑顔でロンと双子を紹介した。
「お礼は私ではなく、是非息子たちにお伝えください」
改めてシェードがフォーラに似た柔らかい笑みで三人に御礼を言うと、彼らはどういたしましてと得意げに胸を反らした。すると今度はモリーが口を開いた。
「娘さんはとても困惑していましたよ。―――そういうわけで暖炉からお家に帰すより、一旦うちでお預かりして心を落ち着かせた方がいいと思ったんです。お節介だったかもしれないとは考えたんですが……」そのように話したモリーに、ファントム夫妻は滅相もないと首を横に振った。
「お気遣いいただき本当にありがとうございます」
「ところで、彼女は家の外に出たらしいのですが、今の危険な時に何故そのような事態になってしまったのですか?」アーサーがシェードに尋ねた。
アーサーは昨日フォーラから一連の事情を聞いていたものの、彼女の両親からも事の次第を聞いておく必要があると感じていた。アーサーはシェードを取り巻く噂のせいで、いまいち彼のことを信じられていなかった。つまりフォーラの両親が娘に無関心で無慈悲な人ではないかと疑ったのだ。
するとシェードは重々しい表情で話した。彼自身が両親から純血主義に対する考え方について説教を受け、次第に激しい口論となりフォーラがその言い争いを恐れただろうこと、その最中に娘から目を離してしまったことなど。それらがフォーラの話していた内容と一致していたものだから、アーサーは安堵のため息を漏らした。
「そうでしたか……。いやはや、てっきり私は何かもっと別な事情もあったのではないかと、その―――いや、忘れてください」
「いえ、いえ、構いませんよ。わたくし共の管理不行き届きでフォーラを危険な目に遭わせてしまったことは、どのようにも言い逃れできません」