14. 憧れのあなた①
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さて、クリスマスを終えた一週間後には学校が始まった。久しぶりに会う面々はお互いにこの休暇をどう過ごしたか、何をプレゼントしてもらったか、そのような話題に花を咲かせ合った。
ところで、フォーラにプレゼントをくれた人たちは主にいつものよく知るメンバーだった。彼女は贈り物をし合った相手と廊下ですれ違った際には、直接その人物にお礼を伝えた(フォーラとジョージがお礼を言い合っていた時に、ドラコがジョージをやたらと睨んでいたのは言うまでもない)。
プレゼントに関して時を少し遡るが、クリスマス前にフォーラはルーピンに対して贈り物をするかどうか迷っていた。彼女にとってのルーピンは幾らか特別な存在だが、逆に彼にとっての自分は大勢いる生徒の内の一人にすぎない。それを彼女が自覚しているからこそ、自分がそんなことをしてもいいのかという迷いがあったのだ。
(でも、やっぱり思い切って贈ってしまったわ。休暇中にルーピン先生からのふくろう便は来なかったけれど、初めから私がお返事不要だと書き記したんだもの。期待していなかったから構わないの。休暇中はゆっくり過ごしていただきたかったし)
フォーラは純粋に日頃の感謝をルーピンに伝えたくてプレゼントをした、本当にそれだけだった。
そんなある日、学期初めの『闇の魔術に対する防衛術』の授業後、彼女はルーピンに呼び止められた。
「フォーラ、君に用があるから少しの間ここに残ってくれないかな?」
フォーラはまさか自分の名前を呼ばれると思わず心臓が跳ねた。彼女は瞬く間に頬をピンク色にして恥ずかしそうに頷いた。
「は、はい。」
フォーラはルーピンにクリスマスプレゼントのお礼を言われるのかもしれないと、そのような可能性を考えた。別にそうでなくとも、自分に対して何らかの用事があるだけで十分嬉しいことには違いなかったが―――。
「すまない、待たせてしまったね」
ルーピンがようやく教卓を片付け終えた頃には、教室にはフォーラとルーピン以外誰もいなくなっていた。彼は生徒用の座席のそばで一人佇んで待っていたフォーラの元へ向かった。フォーラの方は近付いてくるルーピンの姿に心臓がうるささを増していくのを感じていた。そして自分の顔が赤くなっているであろうことも容易に分かった。
「い、いいえ、そんなに待っていないので大丈夫です。これから昼休憩ですし、まだ時間はあるので。」
ルーピンはフォーラの快い返答に安堵の表情を見せた。
「よかった、なるべく早く昼食に向かえるように手短に済ませるよ。フォーラ、クリスマスは素敵なプレゼントをありがとう。それから返事を出せなくて申し訳ない。とっても嬉しかったよ」
フォーラは幾らそのような言葉が降ってくるのを予想していたとはいえ、ルーピンに面と向かって笑顔で言われてしまうと、その嬉しさたるや想像の倍以上だった。フォーラはもう本当に目を逸らしたくなるくらい身体が熱くなった。
「その……ご迷惑でなくて、よかったです。」
「迷惑だなんてそんなことはないよ。それで、私は君に何も贈ってあげられなかっただろう?何せまさか生徒から―――フォーラからプレゼントされるとは思っていなかったんだ」ルーピンは片手で後ろ頭をかきながら少々照れた様子で言った。
「だからこれは私からのクリスマスプレゼントだ。大した物ではないが、貰ってくれないかな?」
ルーピンは小さな包みをローブの内ポケットから取り出すと、フォーラに差し出した。彼女は突然の事態に驚いてしまって、目の前のプレゼントとルーピンの顔を交互に見た。
「えっ、わ、私にですか?」
「他に誰がいる?」ルーピンがクツクツと笑いながら問いかけた。
フォーラは更に顔や身体が熱くなった。ルーピンに笑われてしまったせいだろうか?いや、彼女はルーピンからお返しの贈り物が差し出されることなど全く予想していなかったのだ。彼女はもう一度彼の顔を伺うように見ると、相変わらず目の前に差し出されているプレゼントをそっと受け取った。
(どうしよう、嬉しすぎるわ)
フォーラは手の内のプレゼントをほんの少し見つめた後で、ルーピンの顔をパッと見上げた。そして彼女は赤い頬をしたまま本当に眩しい笑顔になっていた。
「あ……ありがとうございます!私もすっごく嬉しい!」
「!……そうか、それは良かった。でも、中身は期待しちゃいけないよ。そんなに喜んでもらって申し訳ないが、本当にたいした物ではないんだ」ルーピンが苦笑いしながら言ったものだから、フォーラは首を横にブンブンと振った。
「そんなことないです!だって私、ルーピン先生からのプレゼントなら、何だって嬉し……い……です、から……。」
フォーラは後半の言葉を口に出すにつれ、ハッキリとした発音をすることができなくなっていった。彼女は発言の途中から自分がまずいことを言っていると自覚した。何せ先程の彼女の言葉は、ルーピンに一種の好意を抱いていると解釈されてもおかしくないものだったからだ。するとルーピンが口を開いた。
「おや、それは嬉しいな。私は君に随分好かれているみたいだ。……なんて、自惚れだね。ええと、フォーラ?どうかしたのかな」
ルーピンは彼自身の発言に呆れ笑いをしていたが、その後フォーラが急に俯いてしまったものだから、そっと彼女の顔を覗き見た。
「……フォーラ?」
その時ルーピンが見たフォーラの表情は、まるで恥ずかしさに耐えるような、今にもここから消えてしまいたいと思っているかのような、そんなものだった。これにはルーピンも幾らか驚いてしまった。フォーラは慌てて咄嗟に言葉を取り繕った。
ところで、フォーラにプレゼントをくれた人たちは主にいつものよく知るメンバーだった。彼女は贈り物をし合った相手と廊下ですれ違った際には、直接その人物にお礼を伝えた(フォーラとジョージがお礼を言い合っていた時に、ドラコがジョージをやたらと睨んでいたのは言うまでもない)。
プレゼントに関して時を少し遡るが、クリスマス前にフォーラはルーピンに対して贈り物をするかどうか迷っていた。彼女にとってのルーピンは幾らか特別な存在だが、逆に彼にとっての自分は大勢いる生徒の内の一人にすぎない。それを彼女が自覚しているからこそ、自分がそんなことをしてもいいのかという迷いがあったのだ。
(でも、やっぱり思い切って贈ってしまったわ。休暇中にルーピン先生からのふくろう便は来なかったけれど、初めから私がお返事不要だと書き記したんだもの。期待していなかったから構わないの。休暇中はゆっくり過ごしていただきたかったし)
フォーラは純粋に日頃の感謝をルーピンに伝えたくてプレゼントをした、本当にそれだけだった。
そんなある日、学期初めの『闇の魔術に対する防衛術』の授業後、彼女はルーピンに呼び止められた。
「フォーラ、君に用があるから少しの間ここに残ってくれないかな?」
フォーラはまさか自分の名前を呼ばれると思わず心臓が跳ねた。彼女は瞬く間に頬をピンク色にして恥ずかしそうに頷いた。
「は、はい。」
フォーラはルーピンにクリスマスプレゼントのお礼を言われるのかもしれないと、そのような可能性を考えた。別にそうでなくとも、自分に対して何らかの用事があるだけで十分嬉しいことには違いなかったが―――。
「すまない、待たせてしまったね」
ルーピンがようやく教卓を片付け終えた頃には、教室にはフォーラとルーピン以外誰もいなくなっていた。彼は生徒用の座席のそばで一人佇んで待っていたフォーラの元へ向かった。フォーラの方は近付いてくるルーピンの姿に心臓がうるささを増していくのを感じていた。そして自分の顔が赤くなっているであろうことも容易に分かった。
「い、いいえ、そんなに待っていないので大丈夫です。これから昼休憩ですし、まだ時間はあるので。」
ルーピンはフォーラの快い返答に安堵の表情を見せた。
「よかった、なるべく早く昼食に向かえるように手短に済ませるよ。フォーラ、クリスマスは素敵なプレゼントをありがとう。それから返事を出せなくて申し訳ない。とっても嬉しかったよ」
フォーラは幾らそのような言葉が降ってくるのを予想していたとはいえ、ルーピンに面と向かって笑顔で言われてしまうと、その嬉しさたるや想像の倍以上だった。フォーラはもう本当に目を逸らしたくなるくらい身体が熱くなった。
「その……ご迷惑でなくて、よかったです。」
「迷惑だなんてそんなことはないよ。それで、私は君に何も贈ってあげられなかっただろう?何せまさか生徒から―――フォーラからプレゼントされるとは思っていなかったんだ」ルーピンは片手で後ろ頭をかきながら少々照れた様子で言った。
「だからこれは私からのクリスマスプレゼントだ。大した物ではないが、貰ってくれないかな?」
ルーピンは小さな包みをローブの内ポケットから取り出すと、フォーラに差し出した。彼女は突然の事態に驚いてしまって、目の前のプレゼントとルーピンの顔を交互に見た。
「えっ、わ、私にですか?」
「他に誰がいる?」ルーピンがクツクツと笑いながら問いかけた。
フォーラは更に顔や身体が熱くなった。ルーピンに笑われてしまったせいだろうか?いや、彼女はルーピンからお返しの贈り物が差し出されることなど全く予想していなかったのだ。彼女はもう一度彼の顔を伺うように見ると、相変わらず目の前に差し出されているプレゼントをそっと受け取った。
(どうしよう、嬉しすぎるわ)
フォーラは手の内のプレゼントをほんの少し見つめた後で、ルーピンの顔をパッと見上げた。そして彼女は赤い頬をしたまま本当に眩しい笑顔になっていた。
「あ……ありがとうございます!私もすっごく嬉しい!」
「!……そうか、それは良かった。でも、中身は期待しちゃいけないよ。そんなに喜んでもらって申し訳ないが、本当にたいした物ではないんだ」ルーピンが苦笑いしながら言ったものだから、フォーラは首を横にブンブンと振った。
「そんなことないです!だって私、ルーピン先生からのプレゼントなら、何だって嬉し……い……です、から……。」
フォーラは後半の言葉を口に出すにつれ、ハッキリとした発音をすることができなくなっていった。彼女は発言の途中から自分がまずいことを言っていると自覚した。何せ先程の彼女の言葉は、ルーピンに一種の好意を抱いていると解釈されてもおかしくないものだったからだ。するとルーピンが口を開いた。
「おや、それは嬉しいな。私は君に随分好かれているみたいだ。……なんて、自惚れだね。ええと、フォーラ?どうかしたのかな」
ルーピンは彼自身の発言に呆れ笑いをしていたが、その後フォーラが急に俯いてしまったものだから、そっと彼女の顔を覗き見た。
「……フォーラ?」
その時ルーピンが見たフォーラの表情は、まるで恥ずかしさに耐えるような、今にもここから消えてしまいたいと思っているかのような、そんなものだった。これにはルーピンも幾らか驚いてしまった。フォーラは慌てて咄嗟に言葉を取り繕った。