13. 彼女の一番じゃない
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生徒たちを乗せた列車がキングス・クロス駅に到着すると、フォーラたち一行は荷物を抱えてホームに降り立った。そしてフォーラは先に両親を見つけたパンジーやルニー、クラッブ、ゴイルと別れの挨拶をし、ドラコと共に両親を探した。何せ大抵両家の親はいつも一緒にいるからだ。
「あ、あっちにいらっしゃる」
人混みで上手く動けずにもたついているフォーラの片手をドラコがさっと取り、彼は両親の元へと彼女を引っ張っていった。
「父上、母上、それにお二人も、ただいま戻りました」ドラコはようやく人混みを掻き分けて両親の目の前まで来ると挨拶した。フォーラも遅れて「ただいま戻りました」とドラコに続いた。
「ああ、おかえり。学校はどうだったかな」フォーラの父が尋ねた。二人は口を揃えて学校生活を謳歌している旨を伝えた。
「ところでドラコ、ようやくあなたたちはお付き合いを始めたのかしら?」ドラコの母親のナルシッサが言った。というのも、ドラコがまだフォーラの手を握ったままだったからだ。
「え!?母上、何をおっしゃって―――あ」
ようやくそのことに気付いたドラコは、焦って直ぐにフォーラから手を離した。
「いえ、これは人混みでお互いはぐれてもいけないと思ったからで、僕らはそんなのじゃ……」
ドラコがフォーラをちらりと見やれば、彼女も少々焦った様子で頬がうっすら赤かった。
「ごめんなさい、ドラコ。私が頼りないばっかりに。」フォーラが謝罪した。
ドラコは自分の頬の熱さが早く治まってほしいと思った。いきなりの話題に驚いたせいもあったが、母親がそんな話をするということは……。
(『ようやく』って。もしかするとフォーラのご両親と母上たちは、僕の知らない間に、フォーラと僕が付き合うような仮の話でもしていたんじゃ?まあ、勿論そうとは限らないが……)
もしそんな話をしていたのだとしたら、両親はそのうち自分たちを許婚の関係にしようなどと言いだすんだろうか。そうなったら……。ドラコはフォーラとの約束された関係を想像して、少しだけ笑みが零れそうになった。しかしそのように考えた後で彼はその思考を振り払った。やっぱりそんなのは違うだろう。
(僕は、自力でフォーラを振り向かせるんだから)
それから一行は駅の出口へ向かい、ドラコとフォーラは両親たちの後ろを並んで歩いていた。互いの両親がファントムの屋敷で開かれるクリスマスパーティーの件について話していたものだから、フォーラは自然と一昨年のパーティーでの事を思い出していた。あの時はピンクの淡いドレスを着て、パーティーの終盤には屋敷の二階にある誰もいないバルコニーでドラコと一緒に踊ったのだ。するとドラコも同じことを思い浮かべていたようだった。
「一昨年の君の衣装は、よく似合っていたよな。だけど今年はきっと新調してもらうんだろう?僕らもお互いにあの時より背が伸びたし」
「ええ、きっとそうだと思うわ。マリアが家でウキウキしながら私を待っている姿が、今からでも想像できちゃうの。彼女は本当にお裁縫が好きだから。」フォーラが少々困った笑みを見せた。
「君に何が似合うか一番分かっている人に服を用意してもらえるんだから安心だな。それにフォーラはきっと、何を着ても似合うに決まってるさ」
フォーラはまさかそんな褒め言葉をもらえるとは思わず、少々驚いてドラコを見た。そして照れた笑みを覗かせた。
「うん……ありがとう。」
それから両家はそれぞれ別れの挨拶をして自分たちの帰路についた。ドラコは道中、最後にフォーラが見せた笑顔を思い出して、両親に分からないようにクスリと微笑んだのだった。
さて、フォーラが屋敷に着くと、まず玄関を通って目に飛び込んできたのはクリスマスの装飾だった。やりすぎもせず、綺麗に、本当にうっとりする飾り付けだった。
帰宅した初日は家の所々に施されたクリスマス飾りを落ち着いて楽しむ余裕があったのだが、パーティーまであまり日がないということもあり、翌日からのフォーラは幾らか慌ただしかった。彼女がパーティーの準備として最初に与えられた仕事は、家の使用人の中で一番歳が近く仲の良いメイドのマリアと、一昨年のドレスがまだ着られるか確認することだった。
「流石に背中のファスナーが閉まりませんわ。お嬢様は背も少し伸びましたし、何よりお胸も一昨年よりも大きくなっていらっしゃるから、やっぱり新しい物を新調なさるべきですね。ああ、腕がなります!」ふふ、と笑うマリアがフォーラの予想どおりの反応を示したものだから、フォーラは困ったように笑った。
「あら、心配なさらないでくださいね。パーティーまでには必ず間に合いますよ。実はこんなこともあろうかと、私の方である程度もう仮縫いを済ませた衣装を用意してあるんです!細かいサイズだけ確認すれば、後は完成まで三日とお待たせしませんからね。お裁縫の魔法はお手の物です」
フォーラは自分の反応をマリアが勘違いしていることに言及しないでおこうと思った。
「いつもどうもありがとう。マリアが作ってくれるものなら、きっとよく馴染みそうだわ。」
「はい、勿論です」マリアはパーティーで自身の手掛けたドレスを着るフォーラの姿を見るのが楽しみだと言わんばかりに笑顔を輝かせた。
それからのフォーラは仮縫い服を身に纏い、マリアに細かなサイズを調整してもらった。今回のドレスの色は薄青色を基調として、肩を出したデザインの少しばかり大人っぽいものとなっていた。前回が可愛らしい印象だったので、マリア曰くガラッと雰囲気を変えてみたのだという。
「あ、あっちにいらっしゃる」
人混みで上手く動けずにもたついているフォーラの片手をドラコがさっと取り、彼は両親の元へと彼女を引っ張っていった。
「父上、母上、それにお二人も、ただいま戻りました」ドラコはようやく人混みを掻き分けて両親の目の前まで来ると挨拶した。フォーラも遅れて「ただいま戻りました」とドラコに続いた。
「ああ、おかえり。学校はどうだったかな」フォーラの父が尋ねた。二人は口を揃えて学校生活を謳歌している旨を伝えた。
「ところでドラコ、ようやくあなたたちはお付き合いを始めたのかしら?」ドラコの母親のナルシッサが言った。というのも、ドラコがまだフォーラの手を握ったままだったからだ。
「え!?母上、何をおっしゃって―――あ」
ようやくそのことに気付いたドラコは、焦って直ぐにフォーラから手を離した。
「いえ、これは人混みでお互いはぐれてもいけないと思ったからで、僕らはそんなのじゃ……」
ドラコがフォーラをちらりと見やれば、彼女も少々焦った様子で頬がうっすら赤かった。
「ごめんなさい、ドラコ。私が頼りないばっかりに。」フォーラが謝罪した。
ドラコは自分の頬の熱さが早く治まってほしいと思った。いきなりの話題に驚いたせいもあったが、母親がそんな話をするということは……。
(『ようやく』って。もしかするとフォーラのご両親と母上たちは、僕の知らない間に、フォーラと僕が付き合うような仮の話でもしていたんじゃ?まあ、勿論そうとは限らないが……)
もしそんな話をしていたのだとしたら、両親はそのうち自分たちを許婚の関係にしようなどと言いだすんだろうか。そうなったら……。ドラコはフォーラとの約束された関係を想像して、少しだけ笑みが零れそうになった。しかしそのように考えた後で彼はその思考を振り払った。やっぱりそんなのは違うだろう。
(僕は、自力でフォーラを振り向かせるんだから)
それから一行は駅の出口へ向かい、ドラコとフォーラは両親たちの後ろを並んで歩いていた。互いの両親がファントムの屋敷で開かれるクリスマスパーティーの件について話していたものだから、フォーラは自然と一昨年のパーティーでの事を思い出していた。あの時はピンクの淡いドレスを着て、パーティーの終盤には屋敷の二階にある誰もいないバルコニーでドラコと一緒に踊ったのだ。するとドラコも同じことを思い浮かべていたようだった。
「一昨年の君の衣装は、よく似合っていたよな。だけど今年はきっと新調してもらうんだろう?僕らもお互いにあの時より背が伸びたし」
「ええ、きっとそうだと思うわ。マリアが家でウキウキしながら私を待っている姿が、今からでも想像できちゃうの。彼女は本当にお裁縫が好きだから。」フォーラが少々困った笑みを見せた。
「君に何が似合うか一番分かっている人に服を用意してもらえるんだから安心だな。それにフォーラはきっと、何を着ても似合うに決まってるさ」
フォーラはまさかそんな褒め言葉をもらえるとは思わず、少々驚いてドラコを見た。そして照れた笑みを覗かせた。
「うん……ありがとう。」
それから両家はそれぞれ別れの挨拶をして自分たちの帰路についた。ドラコは道中、最後にフォーラが見せた笑顔を思い出して、両親に分からないようにクスリと微笑んだのだった。
さて、フォーラが屋敷に着くと、まず玄関を通って目に飛び込んできたのはクリスマスの装飾だった。やりすぎもせず、綺麗に、本当にうっとりする飾り付けだった。
帰宅した初日は家の所々に施されたクリスマス飾りを落ち着いて楽しむ余裕があったのだが、パーティーまであまり日がないということもあり、翌日からのフォーラは幾らか慌ただしかった。彼女がパーティーの準備として最初に与えられた仕事は、家の使用人の中で一番歳が近く仲の良いメイドのマリアと、一昨年のドレスがまだ着られるか確認することだった。
「流石に背中のファスナーが閉まりませんわ。お嬢様は背も少し伸びましたし、何よりお胸も一昨年よりも大きくなっていらっしゃるから、やっぱり新しい物を新調なさるべきですね。ああ、腕がなります!」ふふ、と笑うマリアがフォーラの予想どおりの反応を示したものだから、フォーラは困ったように笑った。
「あら、心配なさらないでくださいね。パーティーまでには必ず間に合いますよ。実はこんなこともあろうかと、私の方である程度もう仮縫いを済ませた衣装を用意してあるんです!細かいサイズだけ確認すれば、後は完成まで三日とお待たせしませんからね。お裁縫の魔法はお手の物です」
フォーラは自分の反応をマリアが勘違いしていることに言及しないでおこうと思った。
「いつもどうもありがとう。マリアが作ってくれるものなら、きっとよく馴染みそうだわ。」
「はい、勿論です」マリアはパーティーで自身の手掛けたドレスを着るフォーラの姿を見るのが楽しみだと言わんばかりに笑顔を輝かせた。
それからのフォーラは仮縫い服を身に纏い、マリアに細かなサイズを調整してもらった。今回のドレスの色は薄青色を基調として、肩を出したデザインの少しばかり大人っぽいものとなっていた。前回が可愛らしい印象だったので、マリア曰くガラッと雰囲気を変えてみたのだという。