12. 狡い私
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もしルーピンにアニメーガスの力を知られて、彼の部屋に猫になってまで入った自分を気味悪がられでもしたら?正直、立ち直ることなんて到底できないだろう。そう思うとフォーラはどうすればいいのか分からなくなって、不安そうにバタービールの泡に視線を落とした。そんな彼女を心配してドラコが声を掛けたが、フォーラは無理矢理に大丈夫だと答えてバタービールを啜ったのだった。
その後、みんなで帰路に就きながらフォーラは考えていた。友人らの話はすっかりヒッポグリフの話題から別のことに移っていた。
(アニメーガスの件を黙っていたいのなら、何もできないわ。だけど、せめて他の方法がある筈)
兎に角、まだヒッポグリフが殺されると決まったわけではないのなら、フォーラ自らドラコをどうにか説得し、この話をなかったことにしてもらうしかないと思った。
「それはできない」
その日の夜、談話室でフォーラはドラコにその話を持ちかけたが、あっさりと断られてしまった。それもその筈、当時のドラコはフォーラの真後ろで彼女がヒッポグリフに襲われるのを一番間近に目撃しており、ヒッポグリフが危険だと最も強く感じた人だったのだから。
「フォーラ、そんな顔しないでくれよ。僕は君を傷つけたあいつや、そういった生物を飼うのを許している学校の体制が許せないんだ。君の傷は綺麗に治ってよかったさ。……でも僕は正直、あの時の事は忘れられないよ。君の腕から血が沢山出ていたんだ。本当にショックだった」
ドラコが悲しそうに言うものだから、フォーラはそれ以上何も反論できなかった。ここまで心配してくれている彼の考えを―ヒッポグリフを殺すことに賛成しているのを覆すのは相当難しいとさえ思った。何よりドラコが悪意を持って今回のことに賛成しているわけではないのも理解できる。そもそも原因はフォーラ自身にあるというのに、それを棚に上げて彼に強く言うことなんて彼女にはできそうになかった。
結局、フォーラはその後スリザリン寮の誰にもヒッポグリフのことを相談しなかった。誰かに自分がアニメーガスだと打ち明ける勇気もなければ、打ち明けたところでヒッポグリフが助かる可能性も百パーセントではない。そのようなマイナスなことばかり考えてしまったのだ。
自分のこういうところはもの凄く狡 いと思う。フォーラはこの状況を放っておける平気さを持っていなかった。それなのに、何かと理由をつけて事実を明かすのを避けたがった。その一番の理由は、ルーピンに嫌われてしまうリスクを考えてのことだった。
その日の就寝前、翌日からクリスマス休暇で生徒たちが家に帰るということもあり、フォーラも身支度をしていた。その合間に彼女はハグリッドに手紙を書いた。自分の核心には触れないようにして。
『ルビウス・ハグリッド様
突然のお手紙でごめんなさい。ヒッポグリフが危ないと聞きました。私にも手伝えることがあれば、手伝わせてください。
フォーラ・ファントム』
フォーラの梟であるアイシーがハグリッドの小屋の窓辺に到着すると、丁度そこにはハリー、ロン、ハーマイオニーがいて、大泣きするハグリッドを慰めているところだった。ヒッポグリフが殺されるかもしれないという話は既に彼らにも伝わっていた。ハーマイオニーが、ヒッポグリフの裁判に勝つために委員会に勝訴した事例を探すのを手伝うと話した時、彼女がアイシーの存在に気付いた。
「まあ、フォーラも手伝ってくれるって!よかったわね、ハグリッド!」
「ああ、ほんっとにお前ら、ありがとな……あの子にも、ちゃんとお礼を言わんといかんな……」
翌日の朝、フォーラがトランクを片手にホグワーツ特急に乗り込む列に並んでいた時のこと。アイシーがハグリッドの手紙をくわえてフォーラの肩に舞い降りた。フォーラは自分の前方でお喋りに夢中になっているドラコたちに気付かれないよう、こっそりとその手紙を読んだ。
『フォーラへ
手紙をありがとうな。ハーマイオニーらもお前さんと同じで、バックビークのことを手伝うっちゅうてくれとる。詳しくは、ハーマイオニーから聞いてくれ。お前さんのことを傷つけっちまったのに、ホントにありがとうな。
ハグリッド』
フォーラは何も言わずに手紙をポケットにしまい込んだ。
(私、ハグリッドの思うような優しい人じゃないわ……。狡いのよ……)
クリスマス休暇が明けたら、ハーマイオニーに自分は何を手伝えるか尋ねよう。フォーラは昨日からずっと混乱したままの頭を何とか落ち着かせるため、せめて休暇明けまでは何も考えないように努めようと決めたのだった。
その後、みんなで帰路に就きながらフォーラは考えていた。友人らの話はすっかりヒッポグリフの話題から別のことに移っていた。
(アニメーガスの件を黙っていたいのなら、何もできないわ。だけど、せめて他の方法がある筈)
兎に角、まだヒッポグリフが殺されると決まったわけではないのなら、フォーラ自らドラコをどうにか説得し、この話をなかったことにしてもらうしかないと思った。
「それはできない」
その日の夜、談話室でフォーラはドラコにその話を持ちかけたが、あっさりと断られてしまった。それもその筈、当時のドラコはフォーラの真後ろで彼女がヒッポグリフに襲われるのを一番間近に目撃しており、ヒッポグリフが危険だと最も強く感じた人だったのだから。
「フォーラ、そんな顔しないでくれよ。僕は君を傷つけたあいつや、そういった生物を飼うのを許している学校の体制が許せないんだ。君の傷は綺麗に治ってよかったさ。……でも僕は正直、あの時の事は忘れられないよ。君の腕から血が沢山出ていたんだ。本当にショックだった」
ドラコが悲しそうに言うものだから、フォーラはそれ以上何も反論できなかった。ここまで心配してくれている彼の考えを―ヒッポグリフを殺すことに賛成しているのを覆すのは相当難しいとさえ思った。何よりドラコが悪意を持って今回のことに賛成しているわけではないのも理解できる。そもそも原因はフォーラ自身にあるというのに、それを棚に上げて彼に強く言うことなんて彼女にはできそうになかった。
結局、フォーラはその後スリザリン寮の誰にもヒッポグリフのことを相談しなかった。誰かに自分がアニメーガスだと打ち明ける勇気もなければ、打ち明けたところでヒッポグリフが助かる可能性も百パーセントではない。そのようなマイナスなことばかり考えてしまったのだ。
自分のこういうところはもの凄く
その日の就寝前、翌日からクリスマス休暇で生徒たちが家に帰るということもあり、フォーラも身支度をしていた。その合間に彼女はハグリッドに手紙を書いた。自分の核心には触れないようにして。
『ルビウス・ハグリッド様
突然のお手紙でごめんなさい。ヒッポグリフが危ないと聞きました。私にも手伝えることがあれば、手伝わせてください。
フォーラ・ファントム』
フォーラの梟であるアイシーがハグリッドの小屋の窓辺に到着すると、丁度そこにはハリー、ロン、ハーマイオニーがいて、大泣きするハグリッドを慰めているところだった。ヒッポグリフが殺されるかもしれないという話は既に彼らにも伝わっていた。ハーマイオニーが、ヒッポグリフの裁判に勝つために委員会に勝訴した事例を探すのを手伝うと話した時、彼女がアイシーの存在に気付いた。
「まあ、フォーラも手伝ってくれるって!よかったわね、ハグリッド!」
「ああ、ほんっとにお前ら、ありがとな……あの子にも、ちゃんとお礼を言わんといかんな……」
翌日の朝、フォーラがトランクを片手にホグワーツ特急に乗り込む列に並んでいた時のこと。アイシーがハグリッドの手紙をくわえてフォーラの肩に舞い降りた。フォーラは自分の前方でお喋りに夢中になっているドラコたちに気付かれないよう、こっそりとその手紙を読んだ。
『フォーラへ
手紙をありがとうな。ハーマイオニーらもお前さんと同じで、バックビークのことを手伝うっちゅうてくれとる。詳しくは、ハーマイオニーから聞いてくれ。お前さんのことを傷つけっちまったのに、ホントにありがとうな。
ハグリッド』
フォーラは何も言わずに手紙をポケットにしまい込んだ。
(私、ハグリッドの思うような優しい人じゃないわ……。狡いのよ……)
クリスマス休暇が明けたら、ハーマイオニーに自分は何を手伝えるか尋ねよう。フォーラは昨日からずっと混乱したままの頭を何とか落ち着かせるため、せめて休暇明けまでは何も考えないように努めようと決めたのだった。