11. 仲違いの終わり
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「あ……そんな、すぐ済むから大丈夫よ。」申し訳ないからと首を横に振る彼女に、フレッドは気さくに彼女の手を取った。
「いいから、いいから。気にするなよ」
フォーラはその言葉に甘えることにしてお礼を伝え、フレッドとその隣にいたハリーの間にぎゅっと埋まるようにして座った。
((フレッドとハリーが羨ましすぎる!))
ジョージとロンがそれぞれ内心そんなことを思う中、フォーラが切り出した。
「あのね、ウィーズリー家の皆さんにお話があって来たの。夏休みに私がお世話になったお礼を父様が改めてしたいそうなの。その、あの時お渡ししたお薬が……、失敗作だったみたいで。」
フォーラが少々目を泳がせながら恥ずかしそうにその話をした時、彼女とジョージの視線がばっちり合った。そして互いの表情から、どちらもが先日の中庭での出来事を思い出したのだと察した。
(フォーラ、やっぱりまだあの時の事はちょっと恥ずかしいのかな。ああ、その表情すっげえ可愛い)
フォーラは咄嗟にジョージから目を逸らして続けた。
「それで、今度私の家でクリスマスパーティーがあって。それに是非来ていただきたいそうなの。あっ、きっとハリーやハーマイオニーのことも歓迎してくださるわ。」
するとジョージが手に持っていた手紙をヒラヒラと振って返答した。
「今、丁度その話をしていたところなんだ。うちの父親が、ファントム家からパーティーのお誘いがあったって、僕たちに手紙を寄こしてね」
「そうなの?それじゃあ話が早いわね。」
フォーラはパッと顔を明るくしたものの、彼らの表情からは少々曇りの色が伺えた。
「それなんだけどさ、パーティーにはルシウス・マルフォイも来るんだよな?」フレッドが言った。
「ええ、ルシウスさんは毎回いらしてくださるの。今回もきっと来てくださると思うわ。……フレッドから彼のお名前が出るということは、やっぱりお家同士の仲がよくないと、同じ空間にいるだけでも気まずいわよね……。」
ウィーズリー家がパーティーの招待を喜べない一番の理由は、フォーラの言うとおりの事情だった。フォーラはルシウスとアーサー・ウィーズリーの因縁が、純血に対する考え方の違いによるものだと把握はしていた。しかしそれ以前に、そもそも性格的に見ても相当馬が合わなさそうだとも思った。何せ去年のダイアゴン横丁での二人の喧嘩は、純血云々の考え方の違いを理由にするにはその度合いを超えていたからだ。ジョージが続けた。
「うちの一家とあっちの一家の仲は最悪なんだよな。俺たちとしては、君んちがどんなパーティーをするのか是非見てみたいところなんだけど。父さんの手紙には『申し訳ないけど断ることにする』って書いてあったんだ」
「そうなの……。それなら仕方がないわよね。私ったら気が回らなくてごめんなさい。」フォーラが申し訳なさそうに言うと、ジョージはとんでもないと首を振った。
「俺たちはすっげえ行きたかったよ。なあロン」
「えっ」ロンはそれまでボーッとフォーラの方を見つめていたのだが、まさかいきなり自分に話を振られると思わず一気に目が覚めて狼狽えた。フォーラが会話の流れから自然とこちらを見ている状況に、ロンは顔が熱くなっていくのを何となく自覚しつつも返答した。
「えっと、あ、ウン。そうだなあ。パパが断ってなかったら絶対行ったと思うけど」
(そりゃ、僕だってフォーラのドレス姿を見てみたいよ。僕を嫌っている子を好きになった時点で、そういう機会はなかなかないだろうし……。それに、今までの誤解とかそういうのを解くには、絶好の場だったかもしれないし)
「そう……」
ロンがちらとフォーラを見やれば、彼女は残念そうな表情の中にも、励ましの言葉によって少々気を取り直した様子だった。ロンはジョージを介した質問に返答しているだけではあったが、目の前にいる彼女と同じ話題を共有していることに幾らか緊張していた。
「気を遣ってくれてありがとう。残念だけど、父様には私からも事情を説明しておくわ。それから、みんながパーティーに関心を持ってくれていたこともね。だけど、もしウィーズリーおじさまの気が変わることがあれば是非いらしてね。」
微笑みを向けてきたフォーラにロンはすっかり視線を奪われていた。彼女の笑みが自分だけに向けられたものではないと分かっていても、ロンは彼女から目を離すことができなかった。ハーマイオニーとハリーはそんな彼を見ながら『こりゃだめだ』と言わんばかりに目配せし合った。
「それじゃあ私、そろそろ戻るわね。お食事の邪魔をしてしまってごめんなさい。」
フォーラが立ち上がるのを見ながらロンは考えを巡らせていた。もしかしたら今こうして至近距離で彼女と話せているこの状況は、自分がこれまで彼女に取ってきた態度や行動を謝るチャンスなのではないかと思ったのだ。
ロンはそもそもフォーラと自分の仲が険悪になった原因について、自身の思い込みが始まりだったという自覚があった。当時、彼女が純血主義の家系だと思って軽蔑の目を投げたのだ。ロンは直感的に、今彼女に謝っておかないと、この先暫くそんな機会はなかなか訪れないだろうと思った。
「また何処かで会ったら、声を掛けてくれると嬉しいわ。」
「ああ勿論。またな、フォーラ」
みんなに手を振られ、彼女も同じように振り返してその場を去ろうとした時、赤毛の内の一人がいきなり立ち上がって彼女を呼び止めた。
「あの……ファントム!ちょっと待って」
ロンの直ぐ近くにいた友人や兄妹は幾らか驚いた様子で彼を見つめた。何せロンがフォーラに積極的に関わろうとする場面が相当珍しかったのだ。
「……?」フォーラはロンの方を振り返った。彼女が真っ先に思ったのは、自分を良く思っていない彼が一体何用だろうということだった。こちらを見つめたまま何も言わないロンに、フォーラは少々困惑した表情で「どうかしたの?」と尋ねた。
それを周りの友人や兄妹たちは固唾を飲んで見守った。するとロンが真剣な眼差しで口を開いた。
「あ、その、……ちょっと君に話があるんだ。直ぐ終わるから……大広間の外までついて来てくれないかな」
フォーラはまだ頭の上に疑問符を浮かべていたが、了承して彼の後に続くことにした。二人揃って大広間を出たのを皮切りに、双子やジニー、ハーマイオニーにハリーは互いに目配せし合った。そして合図でもしたかのごとく、彼らは一斉に二人を追いかけた。そして廊下を折れた人気のない場所で二人が向き合っているのを銅像の陰からこっそり確認したのだった。
「いいから、いいから。気にするなよ」
フォーラはその言葉に甘えることにしてお礼を伝え、フレッドとその隣にいたハリーの間にぎゅっと埋まるようにして座った。
((フレッドとハリーが羨ましすぎる!))
ジョージとロンがそれぞれ内心そんなことを思う中、フォーラが切り出した。
「あのね、ウィーズリー家の皆さんにお話があって来たの。夏休みに私がお世話になったお礼を父様が改めてしたいそうなの。その、あの時お渡ししたお薬が……、失敗作だったみたいで。」
フォーラが少々目を泳がせながら恥ずかしそうにその話をした時、彼女とジョージの視線がばっちり合った。そして互いの表情から、どちらもが先日の中庭での出来事を思い出したのだと察した。
(フォーラ、やっぱりまだあの時の事はちょっと恥ずかしいのかな。ああ、その表情すっげえ可愛い)
フォーラは咄嗟にジョージから目を逸らして続けた。
「それで、今度私の家でクリスマスパーティーがあって。それに是非来ていただきたいそうなの。あっ、きっとハリーやハーマイオニーのことも歓迎してくださるわ。」
するとジョージが手に持っていた手紙をヒラヒラと振って返答した。
「今、丁度その話をしていたところなんだ。うちの父親が、ファントム家からパーティーのお誘いがあったって、僕たちに手紙を寄こしてね」
「そうなの?それじゃあ話が早いわね。」
フォーラはパッと顔を明るくしたものの、彼らの表情からは少々曇りの色が伺えた。
「それなんだけどさ、パーティーにはルシウス・マルフォイも来るんだよな?」フレッドが言った。
「ええ、ルシウスさんは毎回いらしてくださるの。今回もきっと来てくださると思うわ。……フレッドから彼のお名前が出るということは、やっぱりお家同士の仲がよくないと、同じ空間にいるだけでも気まずいわよね……。」
ウィーズリー家がパーティーの招待を喜べない一番の理由は、フォーラの言うとおりの事情だった。フォーラはルシウスとアーサー・ウィーズリーの因縁が、純血に対する考え方の違いによるものだと把握はしていた。しかしそれ以前に、そもそも性格的に見ても相当馬が合わなさそうだとも思った。何せ去年のダイアゴン横丁での二人の喧嘩は、純血云々の考え方の違いを理由にするにはその度合いを超えていたからだ。ジョージが続けた。
「うちの一家とあっちの一家の仲は最悪なんだよな。俺たちとしては、君んちがどんなパーティーをするのか是非見てみたいところなんだけど。父さんの手紙には『申し訳ないけど断ることにする』って書いてあったんだ」
「そうなの……。それなら仕方がないわよね。私ったら気が回らなくてごめんなさい。」フォーラが申し訳なさそうに言うと、ジョージはとんでもないと首を振った。
「俺たちはすっげえ行きたかったよ。なあロン」
「えっ」ロンはそれまでボーッとフォーラの方を見つめていたのだが、まさかいきなり自分に話を振られると思わず一気に目が覚めて狼狽えた。フォーラが会話の流れから自然とこちらを見ている状況に、ロンは顔が熱くなっていくのを何となく自覚しつつも返答した。
「えっと、あ、ウン。そうだなあ。パパが断ってなかったら絶対行ったと思うけど」
(そりゃ、僕だってフォーラのドレス姿を見てみたいよ。僕を嫌っている子を好きになった時点で、そういう機会はなかなかないだろうし……。それに、今までの誤解とかそういうのを解くには、絶好の場だったかもしれないし)
「そう……」
ロンがちらとフォーラを見やれば、彼女は残念そうな表情の中にも、励ましの言葉によって少々気を取り直した様子だった。ロンはジョージを介した質問に返答しているだけではあったが、目の前にいる彼女と同じ話題を共有していることに幾らか緊張していた。
「気を遣ってくれてありがとう。残念だけど、父様には私からも事情を説明しておくわ。それから、みんながパーティーに関心を持ってくれていたこともね。だけど、もしウィーズリーおじさまの気が変わることがあれば是非いらしてね。」
微笑みを向けてきたフォーラにロンはすっかり視線を奪われていた。彼女の笑みが自分だけに向けられたものではないと分かっていても、ロンは彼女から目を離すことができなかった。ハーマイオニーとハリーはそんな彼を見ながら『こりゃだめだ』と言わんばかりに目配せし合った。
「それじゃあ私、そろそろ戻るわね。お食事の邪魔をしてしまってごめんなさい。」
フォーラが立ち上がるのを見ながらロンは考えを巡らせていた。もしかしたら今こうして至近距離で彼女と話せているこの状況は、自分がこれまで彼女に取ってきた態度や行動を謝るチャンスなのではないかと思ったのだ。
ロンはそもそもフォーラと自分の仲が険悪になった原因について、自身の思い込みが始まりだったという自覚があった。当時、彼女が純血主義の家系だと思って軽蔑の目を投げたのだ。ロンは直感的に、今彼女に謝っておかないと、この先暫くそんな機会はなかなか訪れないだろうと思った。
「また何処かで会ったら、声を掛けてくれると嬉しいわ。」
「ああ勿論。またな、フォーラ」
みんなに手を振られ、彼女も同じように振り返してその場を去ろうとした時、赤毛の内の一人がいきなり立ち上がって彼女を呼び止めた。
「あの……ファントム!ちょっと待って」
ロンの直ぐ近くにいた友人や兄妹は幾らか驚いた様子で彼を見つめた。何せロンがフォーラに積極的に関わろうとする場面が相当珍しかったのだ。
「……?」フォーラはロンの方を振り返った。彼女が真っ先に思ったのは、自分を良く思っていない彼が一体何用だろうということだった。こちらを見つめたまま何も言わないロンに、フォーラは少々困惑した表情で「どうかしたの?」と尋ねた。
それを周りの友人や兄妹たちは固唾を飲んで見守った。するとロンが真剣な眼差しで口を開いた。
「あ、その、……ちょっと君に話があるんだ。直ぐ終わるから……大広間の外までついて来てくれないかな」
フォーラはまだ頭の上に疑問符を浮かべていたが、了承して彼の後に続くことにした。二人揃って大広間を出たのを皮切りに、双子やジニー、ハーマイオニーにハリーは互いに目配せし合った。そして合図でもしたかのごとく、彼らは一斉に二人を追いかけた。そして廊下を折れた人気のない場所で二人が向き合っているのを銅像の陰からこっそり確認したのだった。