9. ジョージの災難
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女子寮に到着したフォーラはバタンと扉を閉め、そのまま勢いに任せて自分のベッドに倒れ込んだ。
(うう、ドラコに心配されるくらい赤い顔をしていたなんて。それもこれも、さっきのジョージの様子が頭から離れないから……思い出しただけでも恥ずかしいのに、こんなのじゃ次に彼に会った時、一体どうしたらいいの?)
フォーラは一旦冷静にならなければと思い、ベッドに横たわったまま何度か深呼吸をしてみた。すると次第に頭の中がほんの少しだけ落ち着きを取り戻せたような気がした。
(フォーラ、大丈夫よ……さっきから考えているとおり、別にジョージは薬のせいで少し、いいえ、大分おかしくなっていただけだわ。彼には何の他意もなかった。きっとそうだわ。だって彼はいつも落ち着いているじゃない)
フォーラはその場で一つ寝返りを打った。
(ただ……ジョージが私のことを普段は『そういう目』で見ていないと分かっていても、次もし彼と顔を合わせることがあれば、やっぱり恥ずかしくて何も言えなくなってしまうと思う……)
フォーラはその後ベッドの上で、あの時の自分はどうするのが最善だったのかを考えあぐねていた。しかしようやく慣れない緊張の糸がほぐれだし、どっと疲れが押し寄せたのをきっかけに、彼女は気付かないうちに段々と浅い眠りに落ちていったのだった。
ジョージはグリフィンドールの男子寮にある自身のベッドに座ったまま、今にも泣き出しそうな程に心乱れていた。ジョージは隣のベッドに座っているフレッドに弱音を零した。
「俺、絶対嫌われた……ケダモノだと思われた……絶対そうだ」
「まあ確かにそんなことしちまったらな―――あっ」
ジョージはフレッドの言葉にとどめを刺され、とうとうその場に倒れ込んで動かなくなった。
「ジョージ、悪かった!」
ここまで落ち込んでいるジョージの姿をフレッドは殆ど見た記憶がなかった。それだけに、恐らくジョージが落ちつくまでこれ以上話し掛けない方がいいだろうと思った。しかも今ここに自分がいると、何かの拍子にまた彼の心をえぐってしまいかねない。フレッドは哀れな双子のことが心配だったが、ここはあえてそっとしておいてやることにして、静かに部屋を出たのだった。
ジョージはフレッドが部屋を出たことに気を留めないくらい、先程の自分の行いを懺悔するのに必死だった。
(もう風邪も治ったし意識もはっきりしてる。それは良かったけど、あんな代償を払うくらいなら薬なんか飲まなきゃよかった。最悪だ)
ジョージはふと、フォーラが自分に対して憎悪の視線を向ける姿を想像してしまった。
『ジョージったら最低!大っ嫌い!』
(うわーっ!やめてくれ!)
フォーラにもしそんなことを言われたらと思うとジョージは気が気でなくなり、思わず枕にグリグリと顔を押し付けた。そしてピタリと動きを止めると深いため息を吐いた。
(もうきっと、フォーラをあんな真近に見ることも、触れることもできないんだ。絶対そうだ。……いや、まだそうと決まったわけじゃない。もしかしたらフォーラはちゃんと、俺が普通じゃなかったことを理解してくれてる可能性だってある!)
その日の夕食前、ジョージはフレッドと共に大広間に向かう道すがら、あわよくば偶然フォーラに鉢合わせたいと強く願った。ジョージの胸の内では、もしフォーラに嫌われてしまっていたらという焦りと、許してくれるかもしれないという期待がひどく混ざり合っていた。とはいえもし許してもらえなかった場合を考えると、正直とてつもなく彼女に会うのが怖いと感じた。
そしてジョージが階段を下り終えて廊下を暫く進んだその時だった。近くの階下に続く階段から、何人かのスリザリン生が上がってくるのが見えたのだ。
「あっ」ジョージはその中にフォーラの姿を見つけて思わず声を漏らした。それを聞いてかどうかは分からないが、偶然にも彼女もジョージに気が付いた。そして二人の視線がバッチリ重なった。
フォーラはジョージが何か言いたげにこちらを見ている状況に、急速に顔が熱を帯びるのを感じた。そしてとてつもなく恥ずかしくなってしまい、彼女は思わず隣にいたドラコの影にサッと隠れた。
「フォーラ、急にどうしたんだ?」
ドラコはフォーラがつい先程よりも不自然に縮こまってくっついてきたものだから、驚きとともに感じた照れを何とか隠しながらそのように尋ねた。
「な、なんでもないわ!」
フォーラから返ってきたのは焦りを帯びた回答だけだった。ドラコからはその表情を視認することができなかった。
(き、急にジョージが現れるから……!どうしてもさっきの中庭での事が思い出されてしまうんだもの。うう、直視なんてとてもできないわ)
ジョージは明らかにフォーラが自分を避ける様子を目の当たりにして、ショックのあまりその場に固まってしまった。
(う……。フォーラ、本当にごめん。あんなに顔を赤くして、よっぽど俺にされた事が恥ずかしかったんだろう。何でもっと理性を保てなかったんだ、俺の馬鹿!色々おかしくなってるのは分かってたけど、それでも……。だけど本当はきっと、フォーラ相手にあわよくばと思った自分がいたんだ。そんな勝手な気持ちがあったのに、避けられたのをショックと思うのはあまりにも都合が良すぎるよな……)
それから何日かが過ぎた。ジョージは事あるごとにフォーラに声を掛けようとしたが、彼女の取り巻きが邪魔で叶わなかった。それに加え、彼女の方が遠目にジョージの姿に気付くや否や逃げてしまったりで、一度もジョージは彼女を捕まえられなかった。ジョージ自身、ここまでくると正直もうフォーラにすっかり嫌われてしまった可能性を確信し始めていた。
(俺、すっげえ避けられてるもんな……。でも、どうかせめて、なんとか謝らせてもらえないか)
(うう、ドラコに心配されるくらい赤い顔をしていたなんて。それもこれも、さっきのジョージの様子が頭から離れないから……思い出しただけでも恥ずかしいのに、こんなのじゃ次に彼に会った時、一体どうしたらいいの?)
フォーラは一旦冷静にならなければと思い、ベッドに横たわったまま何度か深呼吸をしてみた。すると次第に頭の中がほんの少しだけ落ち着きを取り戻せたような気がした。
(フォーラ、大丈夫よ……さっきから考えているとおり、別にジョージは薬のせいで少し、いいえ、大分おかしくなっていただけだわ。彼には何の他意もなかった。きっとそうだわ。だって彼はいつも落ち着いているじゃない)
フォーラはその場で一つ寝返りを打った。
(ただ……ジョージが私のことを普段は『そういう目』で見ていないと分かっていても、次もし彼と顔を合わせることがあれば、やっぱり恥ずかしくて何も言えなくなってしまうと思う……)
フォーラはその後ベッドの上で、あの時の自分はどうするのが最善だったのかを考えあぐねていた。しかしようやく慣れない緊張の糸がほぐれだし、どっと疲れが押し寄せたのをきっかけに、彼女は気付かないうちに段々と浅い眠りに落ちていったのだった。
ジョージはグリフィンドールの男子寮にある自身のベッドに座ったまま、今にも泣き出しそうな程に心乱れていた。ジョージは隣のベッドに座っているフレッドに弱音を零した。
「俺、絶対嫌われた……ケダモノだと思われた……絶対そうだ」
「まあ確かにそんなことしちまったらな―――あっ」
ジョージはフレッドの言葉にとどめを刺され、とうとうその場に倒れ込んで動かなくなった。
「ジョージ、悪かった!」
ここまで落ち込んでいるジョージの姿をフレッドは殆ど見た記憶がなかった。それだけに、恐らくジョージが落ちつくまでこれ以上話し掛けない方がいいだろうと思った。しかも今ここに自分がいると、何かの拍子にまた彼の心をえぐってしまいかねない。フレッドは哀れな双子のことが心配だったが、ここはあえてそっとしておいてやることにして、静かに部屋を出たのだった。
ジョージはフレッドが部屋を出たことに気を留めないくらい、先程の自分の行いを懺悔するのに必死だった。
(もう風邪も治ったし意識もはっきりしてる。それは良かったけど、あんな代償を払うくらいなら薬なんか飲まなきゃよかった。最悪だ)
ジョージはふと、フォーラが自分に対して憎悪の視線を向ける姿を想像してしまった。
『ジョージったら最低!大っ嫌い!』
(うわーっ!やめてくれ!)
フォーラにもしそんなことを言われたらと思うとジョージは気が気でなくなり、思わず枕にグリグリと顔を押し付けた。そしてピタリと動きを止めると深いため息を吐いた。
(もうきっと、フォーラをあんな真近に見ることも、触れることもできないんだ。絶対そうだ。……いや、まだそうと決まったわけじゃない。もしかしたらフォーラはちゃんと、俺が普通じゃなかったことを理解してくれてる可能性だってある!)
その日の夕食前、ジョージはフレッドと共に大広間に向かう道すがら、あわよくば偶然フォーラに鉢合わせたいと強く願った。ジョージの胸の内では、もしフォーラに嫌われてしまっていたらという焦りと、許してくれるかもしれないという期待がひどく混ざり合っていた。とはいえもし許してもらえなかった場合を考えると、正直とてつもなく彼女に会うのが怖いと感じた。
そしてジョージが階段を下り終えて廊下を暫く進んだその時だった。近くの階下に続く階段から、何人かのスリザリン生が上がってくるのが見えたのだ。
「あっ」ジョージはその中にフォーラの姿を見つけて思わず声を漏らした。それを聞いてかどうかは分からないが、偶然にも彼女もジョージに気が付いた。そして二人の視線がバッチリ重なった。
フォーラはジョージが何か言いたげにこちらを見ている状況に、急速に顔が熱を帯びるのを感じた。そしてとてつもなく恥ずかしくなってしまい、彼女は思わず隣にいたドラコの影にサッと隠れた。
「フォーラ、急にどうしたんだ?」
ドラコはフォーラがつい先程よりも不自然に縮こまってくっついてきたものだから、驚きとともに感じた照れを何とか隠しながらそのように尋ねた。
「な、なんでもないわ!」
フォーラから返ってきたのは焦りを帯びた回答だけだった。ドラコからはその表情を視認することができなかった。
(き、急にジョージが現れるから……!どうしてもさっきの中庭での事が思い出されてしまうんだもの。うう、直視なんてとてもできないわ)
ジョージは明らかにフォーラが自分を避ける様子を目の当たりにして、ショックのあまりその場に固まってしまった。
(う……。フォーラ、本当にごめん。あんなに顔を赤くして、よっぽど俺にされた事が恥ずかしかったんだろう。何でもっと理性を保てなかったんだ、俺の馬鹿!色々おかしくなってるのは分かってたけど、それでも……。だけど本当はきっと、フォーラ相手にあわよくばと思った自分がいたんだ。そんな勝手な気持ちがあったのに、避けられたのをショックと思うのはあまりにも都合が良すぎるよな……)
それから何日かが過ぎた。ジョージは事あるごとにフォーラに声を掛けようとしたが、彼女の取り巻きが邪魔で叶わなかった。それに加え、彼女の方が遠目にジョージの姿に気付くや否や逃げてしまったりで、一度もジョージは彼女を捕まえられなかった。ジョージ自身、ここまでくると正直もうフォーラにすっかり嫌われてしまった可能性を確信し始めていた。
(俺、すっげえ避けられてるもんな……。でも、どうかせめて、なんとか謝らせてもらえないか)