8. スネイプの特別な授業
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フォーラがジョージと図書室で出会った翌日、彼女は練習の様子を見られてしまったことへの恥ずかしさが相当尾を引いていた。加えて彼女は力をコントロールしてみんなを驚かせたいという思いが少なくなかったため、何をしているのか周囲に極力知られたくなかった。
そこでフォーラは放課後に図書室へ出向くのをやめ、先日のホグズミード休暇の日にハリーと二人で話したひと気のない踊り場の一角に移動することにした。ここならそうそう人が来ることもないだろうと思ったのだ。
ドラコには『いつまでも放課後に一人で何をしているのか』と聞かれることがたまにあったが、そこは真相を濁しつつも本当のことを言っておくしかなかった。そうでないと彼は本当に心配性だから。
「覚えたい術があるから練習しているの。できるようになったら必ず見せるわ。」
フォーラは友人たち以外に、もう一人驚かせたい相手の顔を無意識に思い浮かべた。自分がアニメーガスになれると知ったら、きっとその人は飛び切りの笑顔でこちらを見てくれるに違いない。
(ルーピン先生、褒めてくださるかしら)
フォーラは少しの間そんな想像に耽った後で、ハッとして首を頭をぶんぶんと横に振り、再び練習に励んだのだった。
さて、グリフィンドール対ハッフルパフのクィディッチの試合が翌日に迫ったある日のこと。この日は『闇の魔術に対する防衛術』の授業があったのだが、フォーラたち生徒が教室に行くと教壇に立っていたのはルーピンではなかった。普段は魔法薬学の講師をしている筈のスネイプが授業の準備をしていたのだ。
「ルーピン先生はどうしたのかしら?」パンジーが席につきながら首を傾げて言った。フォーラとルニーも同じことを考えていた。特にフォーラに至っては、いつもこの時間にルーピンに会えるのを楽しみにしていたため、スネイプには申し訳ないが少々残念だとすら思った。
授業が始まると、スネイプの説明によってルーピンがいない理由は直ぐに分かった。ルーピンはどうやら体調が悪く今日は教えることができないらしい。
(ルーピン先生、大丈夫かしら……早く元気になってほしいわ)
フォーラが幾らか残念そうに瞳を伏せたのを、隣にいたドラコは偶然横目にちらりと見た。彼はルーピンがいなくて嬉しい反面、フォーラのそんな寂しそうな横顔を見るのが少々つらくもあった。先生なんて好きになってもろくなことがないだろうに。
(僕にすればいいのに)
ドラコはフォーラに向けた視線を外して前方の黒板に目をやりながら、胸がきゅっと軽く締め付けられる感覚に耐えたのだった。
「今後の学習予定などあろうと思うが、今回我輩が諸君に教えるのは『人狼』についてである」スネイプが教科書のページをまだ習っていない最後の方まで捲りながら言った。
クラスは少々騒めいたものの、生徒たちはそれに従って指定されたページを開いた。スネイプは人狼が狼とは幾つか異なる点を持つことや、出会った時の対処法、人狼を殺す方法などを話していった。
「人狼は満月になると狼となるが、実際危害を加えるのは人に対してのみだ。動物には嚙みつかない。これについては実際に我輩が直接、狼人間本人からそのように聞き及んでいる。更に、人狼に噛まれた人間はその後一生人狼となり、治療方法はなく―――」
(人狼……。そういえば、お父様が少し前に人狼のお話を誰かとしていたような気がするわ。あれはそう、確かまだ私がホグワーツに行く前、セブルスさんが家にいらっしゃった時)
フォーラはその当時に父とスネイプが具体的にどんな話をしていたのかが気になったし、何故目の前の彼はこのタイミングでこんなにも後ろのページの勉強をさせるのだろうとも思った。
(あの時は、何かが完成したとおっしゃっていたような気がする。何か役に立つものだって。二人で作ったとも言っていたような―――。あら?そういえば、そんな話をついこの間も聞いた気がするわ。確かあれは、ドラコに嫌いだと言われた日、仲直りする少し前だった。セブルスさんがルーピン先生のところに薬を持っていくと教えてくださって、それから……その時に持っていらした薬がお父様と二人で作ったのと同じ物だともおっしゃっていたわ。でもそれって)
フォーラはそこまで考えて、スネイプが教壇で話している内容が自然と耳に入ってきた。それはまさに彼女が今考えていることの真相だった。
「我輩は以前、人狼特有の症状を和らげる『脱狼薬』を同業者の者と開発した。これは諸君らが最高学年になった時、煎じることができる者が一人いるかいないかという程に難しい」そう言ったスネイプの目はしっかりとフォーラを見据えていた。フォーラはその同業者が自分の父親であると察した。
(人狼特有の症状を和らげる……、そして二人が完成させたのがその薬……。この間、セブルスさんがルーピン先生に持っていったゴブレットの中には、脱狼薬が入っていたということなの?それはつまり……セブルスさんが人狼に飲ませるための薬をルーピン先生に渡したことになるわ。……ルーピン先生が、人狼?本当に?あの時の薬は、何か違う物だったかもしれないじゃない。だけど、あの時廊下で見たゴブレットの中身は、昔見た薬と同じ物のような気がしたわ)
フォーラは正直ショックを隠せなかった。まだ確定したわけではなかったが、もう殆ど辻褄が合うことから考えて、自分の考えが間違いない可能性が高いと思った。もし本当にルーピンが人狼だとしたら?自分は彼を慕っていた筈だが、改めて彼をどう思う?世の中から軽蔑されている人狼をどう思うだろうか?
(……例え人狼だったとしても、ルーピン先生はルーピン先生なのよ)
馬鹿なことを考えている自分に腹が立った。ルーピンの人柄が大変良いことには違いないのだから、ショックなんて受ける必要はない。それに、まだそもそも彼が人狼と決まったわけでもない。ただ、もし彼が本当にそうだったなら、その時は……。
(どうにか彼の力になりたい。少しでもいいわ。必ず)
そこでフォーラは放課後に図書室へ出向くのをやめ、先日のホグズミード休暇の日にハリーと二人で話したひと気のない踊り場の一角に移動することにした。ここならそうそう人が来ることもないだろうと思ったのだ。
ドラコには『いつまでも放課後に一人で何をしているのか』と聞かれることがたまにあったが、そこは真相を濁しつつも本当のことを言っておくしかなかった。そうでないと彼は本当に心配性だから。
「覚えたい術があるから練習しているの。できるようになったら必ず見せるわ。」
フォーラは友人たち以外に、もう一人驚かせたい相手の顔を無意識に思い浮かべた。自分がアニメーガスになれると知ったら、きっとその人は飛び切りの笑顔でこちらを見てくれるに違いない。
(ルーピン先生、褒めてくださるかしら)
フォーラは少しの間そんな想像に耽った後で、ハッとして首を頭をぶんぶんと横に振り、再び練習に励んだのだった。
さて、グリフィンドール対ハッフルパフのクィディッチの試合が翌日に迫ったある日のこと。この日は『闇の魔術に対する防衛術』の授業があったのだが、フォーラたち生徒が教室に行くと教壇に立っていたのはルーピンではなかった。普段は魔法薬学の講師をしている筈のスネイプが授業の準備をしていたのだ。
「ルーピン先生はどうしたのかしら?」パンジーが席につきながら首を傾げて言った。フォーラとルニーも同じことを考えていた。特にフォーラに至っては、いつもこの時間にルーピンに会えるのを楽しみにしていたため、スネイプには申し訳ないが少々残念だとすら思った。
授業が始まると、スネイプの説明によってルーピンがいない理由は直ぐに分かった。ルーピンはどうやら体調が悪く今日は教えることができないらしい。
(ルーピン先生、大丈夫かしら……早く元気になってほしいわ)
フォーラが幾らか残念そうに瞳を伏せたのを、隣にいたドラコは偶然横目にちらりと見た。彼はルーピンがいなくて嬉しい反面、フォーラのそんな寂しそうな横顔を見るのが少々つらくもあった。先生なんて好きになってもろくなことがないだろうに。
(僕にすればいいのに)
ドラコはフォーラに向けた視線を外して前方の黒板に目をやりながら、胸がきゅっと軽く締め付けられる感覚に耐えたのだった。
「今後の学習予定などあろうと思うが、今回我輩が諸君に教えるのは『人狼』についてである」スネイプが教科書のページをまだ習っていない最後の方まで捲りながら言った。
クラスは少々騒めいたものの、生徒たちはそれに従って指定されたページを開いた。スネイプは人狼が狼とは幾つか異なる点を持つことや、出会った時の対処法、人狼を殺す方法などを話していった。
「人狼は満月になると狼となるが、実際危害を加えるのは人に対してのみだ。動物には嚙みつかない。これについては実際に我輩が直接、狼人間本人からそのように聞き及んでいる。更に、人狼に噛まれた人間はその後一生人狼となり、治療方法はなく―――」
(人狼……。そういえば、お父様が少し前に人狼のお話を誰かとしていたような気がするわ。あれはそう、確かまだ私がホグワーツに行く前、セブルスさんが家にいらっしゃった時)
フォーラはその当時に父とスネイプが具体的にどんな話をしていたのかが気になったし、何故目の前の彼はこのタイミングでこんなにも後ろのページの勉強をさせるのだろうとも思った。
(あの時は、何かが完成したとおっしゃっていたような気がする。何か役に立つものだって。二人で作ったとも言っていたような―――。あら?そういえば、そんな話をついこの間も聞いた気がするわ。確かあれは、ドラコに嫌いだと言われた日、仲直りする少し前だった。セブルスさんがルーピン先生のところに薬を持っていくと教えてくださって、それから……その時に持っていらした薬がお父様と二人で作ったのと同じ物だともおっしゃっていたわ。でもそれって)
フォーラはそこまで考えて、スネイプが教壇で話している内容が自然と耳に入ってきた。それはまさに彼女が今考えていることの真相だった。
「我輩は以前、人狼特有の症状を和らげる『脱狼薬』を同業者の者と開発した。これは諸君らが最高学年になった時、煎じることができる者が一人いるかいないかという程に難しい」そう言ったスネイプの目はしっかりとフォーラを見据えていた。フォーラはその同業者が自分の父親であると察した。
(人狼特有の症状を和らげる……、そして二人が完成させたのがその薬……。この間、セブルスさんがルーピン先生に持っていったゴブレットの中には、脱狼薬が入っていたということなの?それはつまり……セブルスさんが人狼に飲ませるための薬をルーピン先生に渡したことになるわ。……ルーピン先生が、人狼?本当に?あの時の薬は、何か違う物だったかもしれないじゃない。だけど、あの時廊下で見たゴブレットの中身は、昔見た薬と同じ物のような気がしたわ)
フォーラは正直ショックを隠せなかった。まだ確定したわけではなかったが、もう殆ど辻褄が合うことから考えて、自分の考えが間違いない可能性が高いと思った。もし本当にルーピンが人狼だとしたら?自分は彼を慕っていた筈だが、改めて彼をどう思う?世の中から軽蔑されている人狼をどう思うだろうか?
(……例え人狼だったとしても、ルーピン先生はルーピン先生なのよ)
馬鹿なことを考えている自分に腹が立った。ルーピンの人柄が大変良いことには違いないのだから、ショックなんて受ける必要はない。それに、まだそもそも彼が人狼と決まったわけでもない。ただ、もし彼が本当にそうだったなら、その時は……。
(どうにか彼の力になりたい。少しでもいいわ。必ず)