7. 秘密のアニメーガス
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「いや、そんなの自分で行けばいいだろ」
焦ったように抵抗するジョージを見て、フレッドは更にニヤニヤした表情を強めた。ジョージは双子の片割れが何を企んでいるのかもう既に理解しているようだった。フレッドが口を開いた。
「ほら、俺はこの後すぐにロンのところに行かなきゃならないのさ。チェスの約束があるからな。そんなわけで、頼んだぜ相棒」
ジョージの背中を押すようにしてフレッドはその場を去ってしまった。ジョージは彼を引き止めようとしたのだが、結局そうしなかった。確かに今回のややこしい授業のレポート課題には本を借りるべきかもしれない……そのように思ったのだ。そのため彼は意を決して図書室への入口を通ったのだった。
ジョージは一先ず自分に必要な本を探すことにした。図書室をうろついて十分も経っただろうか、彼は目当ての本を見つけ終えてしまった。
(まったく、フレッドはどういうつもりなんだよ。あんなにニヤニヤして)
正直、フレッドの思いつきは嬉しかった。とはいえあの悪知恵が働いたような笑い方が今のジョージには小恥ずかしかったのだ。
それからジョージはフォーラを探そうか迷った結果、折角ここまで来たのだし、もし本当に彼女がいるなら一声掛けてから談話室に戻ろうと決めたのだった。
一方その頃、フォーラは図書室で最も人目に付きにくい一番奥の席に座っており、そろそろ術の練習に取り掛かり始めていた。アニメーガスは術者の性格や特徴で変身できる動物が決まる。つまり、変身するまではどの動物になれるか分からないのだ。フォーラの場合はもう把握済みの動物に自分の意志で変身するだけだった。とはいえそれでも関連図書を読む限りでは、術の習得は大変そうだった。彼女は手元の本のページをパラパラと捲り、アニメーガスの変身についての解説に目を通した。
(『何に変身できるか分かったら、その動物になるというイメージを持つことが大事』……イメージ?黒猫を想像すればいいのかしら?)
フォーラは以前偶然に変身した時の感覚や視覚から、確かにあの時の自分は黒猫だったと思った。あんなに艶のある毛はきっとそれしかあり得ないだろう。
(うーん、黒猫……まだ想像しやすい方かしら)
因みにフォーラは数日前、自分なりに黒猫について調べてみていた。どうやら黒猫の雌の性格というのは一般傾向として、好奇心旺盛で、空気を読むのが得意なところがあるようだった。特に雌は飼い主だけに友好的で他人に中々心を開かないこともあるとか。フォーラ自身に当て嵌めてみれば、確かに魔法に対する好奇心は十分に持ち合わせていて、日頃から努力している方だと思う。空気だって幾らか読める。それに何より、他の人より人見知りしやすい……そんなところだろうか。
何はともあれ、一先ずフォーラは自分が黒猫になる姿を想像して集中した。
時を同じくして、ジョージはフォーラを探して図書室を周っていたのだが、一向に彼女を見かけないものだから、きっと今日は来ていないのではと考えたところだった。
(そういえばフォーラと最後に話したのは、生徒全員で大広間に雑魚寝した時だったな。思えば今学期はあんまり話せてないんだよな)
ジョージはそんなことを思いながら、最後に図書室の一番奥を本棚の間から覗いた。すると彼はようやくそこにフォーラの姿を見つけた。
(いた!……一体何してるんだ?)
その時のフォーラは真剣な表情で、食い入るように手元の本をじっと見つめていた。
(集中してるな。これじゃあ声は掛けない方がいいだろう)
ジョージが少々残念そうにフォーラから目を逸らそうとした時だった。彼女の手が動いたものだから、ジョージは思わず再びそちらに視線を戻した。すると彼女の膝に置かれていた両手はゆっくりと首もとまで上がり、軽く拳を握るような形になって二つ隣同士に並んだのだ。そしてジョージのいるところからやっと聞こえる程の声で彼女が声を発した。
「ミャオウ。」
「!?」あまりの事にジョージは口元を抑え、むせそうになるのを顔を真っ赤にして抑えた。
(今、フォーラは一体!?何が起こった?可愛すぎやしないか!?)
ジョージは身体をくの字にして本棚の影に隠れて耐えた後、もう一度そろりとフォーラを覗き見た。すると彼女は納得がいかない様子で再び猫の鳴き真似をした。
「うーん……、ミャッ!」
「フハッ」ジョージがフォーラの仕草に耐えかねて吹き出してしまうと、それに気付いた彼女がパッと顔を上げた。そしてジョージと目が合った途端、彼女の顔は真っ赤になっていった。
「!ジ、ジョージ……!」
「あっ、やあフォーラ」
見つかってしまったことにジョージはどうしたものかと迷ったが、一先ずフォーラのそばまで向かった。きっと今すぐここを立ち去ってしまうのはあまりにも可哀想だろうと思ったのだ。
「その、俺は何も見てないから、な?だから大丈夫だぜ?」
フォーラが耳まで真っ赤にして俯いたものだから、ジョージはそのような慰めの言葉を掛けた。彼女はよっぽど先程の謎の物真似を見られたのが恥ずかしかったのだろう。
(フォーラのさっきの鳴き声といい、今の真っ赤な顔といい、全く可愛いがすぎるな)
ジョージは思わず緩んでしまいそうな口元を引き締め、再び彼女に声を掛けた。
「ほら、フォーラ、顔を上げてくれよ。これじゃあ俺が君を虐めたみたいじゃないか」
な?とジョージがフォーラの顔を覗き込むと、彼女は恐る恐るジョージの方を見た。
「ほ……本当に何も見ていない?本当の本当に?」フォーラがまだ赤い顔で尋ねた。彼女は実のところジョージにもう殆ど見られていた気がしていたが、そのように確認せずにはいられなかった。
「ああ。なーんにも。さっきのはホラ、ちょっとむせただけさ」ジョージが笑顔でそのように回答すると、フォーラはようやく疑いの表情を少し緩めたのだった。
「ところでフォーラ、その本は何てタイトルなんだ?」ジョージが何気なく尋ねると、途端に彼女はハッとして、すぐさま本の上に身体を覆い被せてしまった。
「きゃ、だめだめ!」
「どうしたんだいきなり?さっきのといい、そんなに恥ずかしいもんなのか?」
それを聞いたフォーラが顔を上げてジョージを見た。彼はしまったと思った。
「やっぱりさっきの、見ていたのね……。」
羞恥心によって両手で顔を覆ってしまったフォーラにジョージは弁解した。
「あ、いや、偶然なんだ!」
「もう……。」フォーラが両手を幾らかずらして顔を覗かせた。「その、今はまだ言えないのだけど、きちんとできるようになったら私が何をしていたかを教えるわ。だから、お願いだから私が……その……。」
フォーラの頬が再び少しずつ赤く染まっていくと同時に、彼女の声が小さくなっていったものだから、ジョージは彼女を笑顔でたしなめた。
「ああ、猫の真似をしてたなんて誰にも言わないさ」
「ジョージったらもう……!」
その後ジョージはグリフィンドールの談話室に帰ってくるなり、肘掛け椅子に座っていたフレッドに図書室で借りてきた本をポイと投げ渡した。
「ああおかえり。それで、どうだったんだ?会えたのか?」ニヤニヤしながら尋ねるフレッドに、ジョージは「ああ」と少し嬉しそうに答えた。ジョージはフォーラの行動の詳細は分からなかったにしろ、彼女と一つ秘密を共有できたことに幾らか満足し、双子の片割れの提案に感謝したのだった。
焦ったように抵抗するジョージを見て、フレッドは更にニヤニヤした表情を強めた。ジョージは双子の片割れが何を企んでいるのかもう既に理解しているようだった。フレッドが口を開いた。
「ほら、俺はこの後すぐにロンのところに行かなきゃならないのさ。チェスの約束があるからな。そんなわけで、頼んだぜ相棒」
ジョージの背中を押すようにしてフレッドはその場を去ってしまった。ジョージは彼を引き止めようとしたのだが、結局そうしなかった。確かに今回のややこしい授業のレポート課題には本を借りるべきかもしれない……そのように思ったのだ。そのため彼は意を決して図書室への入口を通ったのだった。
ジョージは一先ず自分に必要な本を探すことにした。図書室をうろついて十分も経っただろうか、彼は目当ての本を見つけ終えてしまった。
(まったく、フレッドはどういうつもりなんだよ。あんなにニヤニヤして)
正直、フレッドの思いつきは嬉しかった。とはいえあの悪知恵が働いたような笑い方が今のジョージには小恥ずかしかったのだ。
それからジョージはフォーラを探そうか迷った結果、折角ここまで来たのだし、もし本当に彼女がいるなら一声掛けてから談話室に戻ろうと決めたのだった。
一方その頃、フォーラは図書室で最も人目に付きにくい一番奥の席に座っており、そろそろ術の練習に取り掛かり始めていた。アニメーガスは術者の性格や特徴で変身できる動物が決まる。つまり、変身するまではどの動物になれるか分からないのだ。フォーラの場合はもう把握済みの動物に自分の意志で変身するだけだった。とはいえそれでも関連図書を読む限りでは、術の習得は大変そうだった。彼女は手元の本のページをパラパラと捲り、アニメーガスの変身についての解説に目を通した。
(『何に変身できるか分かったら、その動物になるというイメージを持つことが大事』……イメージ?黒猫を想像すればいいのかしら?)
フォーラは以前偶然に変身した時の感覚や視覚から、確かにあの時の自分は黒猫だったと思った。あんなに艶のある毛はきっとそれしかあり得ないだろう。
(うーん、黒猫……まだ想像しやすい方かしら)
因みにフォーラは数日前、自分なりに黒猫について調べてみていた。どうやら黒猫の雌の性格というのは一般傾向として、好奇心旺盛で、空気を読むのが得意なところがあるようだった。特に雌は飼い主だけに友好的で他人に中々心を開かないこともあるとか。フォーラ自身に当て嵌めてみれば、確かに魔法に対する好奇心は十分に持ち合わせていて、日頃から努力している方だと思う。空気だって幾らか読める。それに何より、他の人より人見知りしやすい……そんなところだろうか。
何はともあれ、一先ずフォーラは自分が黒猫になる姿を想像して集中した。
時を同じくして、ジョージはフォーラを探して図書室を周っていたのだが、一向に彼女を見かけないものだから、きっと今日は来ていないのではと考えたところだった。
(そういえばフォーラと最後に話したのは、生徒全員で大広間に雑魚寝した時だったな。思えば今学期はあんまり話せてないんだよな)
ジョージはそんなことを思いながら、最後に図書室の一番奥を本棚の間から覗いた。すると彼はようやくそこにフォーラの姿を見つけた。
(いた!……一体何してるんだ?)
その時のフォーラは真剣な表情で、食い入るように手元の本をじっと見つめていた。
(集中してるな。これじゃあ声は掛けない方がいいだろう)
ジョージが少々残念そうにフォーラから目を逸らそうとした時だった。彼女の手が動いたものだから、ジョージは思わず再びそちらに視線を戻した。すると彼女の膝に置かれていた両手はゆっくりと首もとまで上がり、軽く拳を握るような形になって二つ隣同士に並んだのだ。そしてジョージのいるところからやっと聞こえる程の声で彼女が声を発した。
「ミャオウ。」
「!?」あまりの事にジョージは口元を抑え、むせそうになるのを顔を真っ赤にして抑えた。
(今、フォーラは一体!?何が起こった?可愛すぎやしないか!?)
ジョージは身体をくの字にして本棚の影に隠れて耐えた後、もう一度そろりとフォーラを覗き見た。すると彼女は納得がいかない様子で再び猫の鳴き真似をした。
「うーん……、ミャッ!」
「フハッ」ジョージがフォーラの仕草に耐えかねて吹き出してしまうと、それに気付いた彼女がパッと顔を上げた。そしてジョージと目が合った途端、彼女の顔は真っ赤になっていった。
「!ジ、ジョージ……!」
「あっ、やあフォーラ」
見つかってしまったことにジョージはどうしたものかと迷ったが、一先ずフォーラのそばまで向かった。きっと今すぐここを立ち去ってしまうのはあまりにも可哀想だろうと思ったのだ。
「その、俺は何も見てないから、な?だから大丈夫だぜ?」
フォーラが耳まで真っ赤にして俯いたものだから、ジョージはそのような慰めの言葉を掛けた。彼女はよっぽど先程の謎の物真似を見られたのが恥ずかしかったのだろう。
(フォーラのさっきの鳴き声といい、今の真っ赤な顔といい、全く可愛いがすぎるな)
ジョージは思わず緩んでしまいそうな口元を引き締め、再び彼女に声を掛けた。
「ほら、フォーラ、顔を上げてくれよ。これじゃあ俺が君を虐めたみたいじゃないか」
な?とジョージがフォーラの顔を覗き込むと、彼女は恐る恐るジョージの方を見た。
「ほ……本当に何も見ていない?本当の本当に?」フォーラがまだ赤い顔で尋ねた。彼女は実のところジョージにもう殆ど見られていた気がしていたが、そのように確認せずにはいられなかった。
「ああ。なーんにも。さっきのはホラ、ちょっとむせただけさ」ジョージが笑顔でそのように回答すると、フォーラはようやく疑いの表情を少し緩めたのだった。
「ところでフォーラ、その本は何てタイトルなんだ?」ジョージが何気なく尋ねると、途端に彼女はハッとして、すぐさま本の上に身体を覆い被せてしまった。
「きゃ、だめだめ!」
「どうしたんだいきなり?さっきのといい、そんなに恥ずかしいもんなのか?」
それを聞いたフォーラが顔を上げてジョージを見た。彼はしまったと思った。
「やっぱりさっきの、見ていたのね……。」
羞恥心によって両手で顔を覆ってしまったフォーラにジョージは弁解した。
「あ、いや、偶然なんだ!」
「もう……。」フォーラが両手を幾らかずらして顔を覗かせた。「その、今はまだ言えないのだけど、きちんとできるようになったら私が何をしていたかを教えるわ。だから、お願いだから私が……その……。」
フォーラの頬が再び少しずつ赤く染まっていくと同時に、彼女の声が小さくなっていったものだから、ジョージは彼女を笑顔でたしなめた。
「ああ、猫の真似をしてたなんて誰にも言わないさ」
「ジョージったらもう……!」
その後ジョージはグリフィンドールの談話室に帰ってくるなり、肘掛け椅子に座っていたフレッドに図書室で借りてきた本をポイと投げ渡した。
「ああおかえり。それで、どうだったんだ?会えたのか?」ニヤニヤしながら尋ねるフレッドに、ジョージは「ああ」と少し嬉しそうに答えた。ジョージはフォーラの行動の詳細は分からなかったにしろ、彼女と一つ秘密を共有できたことに幾らか満足し、双子の片割れの提案に感謝したのだった。