4. 胸の高鳴り
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さて、ようやくホグワーツ特急の長い旅路が終わった。フォーラたちがホグワーツの正面玄関までやって来た時、グリフィンドール寮のネビル・ロングボトムが急いで彼女たちの横を通り過ぎていくところだった。
「あ……ネビル?」フォーラが声を掛けると、振り返った彼は彼女を見て顔を真っ赤にした。
「わっ、フォーラ!久しぶり!」
「ええ、久しぶりね。そんなに急いで何かあったの?」
「それが……さっきの列車で君も吸魂鬼 を見たよね?あいつのせいでハリーが気絶しちゃって。もう大丈夫みたいだけど、念のためこれから先生に知らせにいくところなんだ」
そう言ってネビルは足速に玄関ホールへと駆けていってしまった。ドラコが勿論その話を聞き逃す筈もなく、彼ら男子勢はおもむろに用事を思い出したとかで、フォーラたち女子三人は先に大広間の食事の席につくことになった。そしてその間、案の定ドラコたちは後からやって来たハリーらを大広間の入り口で待ち伏せし、ちょっかいを出したのだった。
スリザリン寮の席から遠目にそれを視認したルニーが呆れた声を発した。
「ドラコって、相変わらずポッターに敵意を剥き出しにしすぎよね」
因みに、この場で敵意を剥き出しにしていたのはドラコだけではなかった。宴会の挨拶の際、スネイプは『闇の魔術に対する防衛術』の教員として新しく就任したリーマス・ルーピン先生―――先程ハリーたちと同じコンパートメントにいた人物―――を憎しみの表情で睨んでいた。フォーラは誰かに対してあんなにも憎悪の表情を向けるスネイプを見たことがなかった。それだけに、教職員テーブルの二人の間にはきっと過去に何かあったに違いないと思わせられた。
さて、宴会の席ではルーピンの就任以外にも伝えられたことが幾つかあった。先生に関する話題では『魔法生物飼育学』の授業を新しくハグリッドが受け持つことになったそうだ。そしてその他、最も重要な話としては、アズカバンの監獄からシリウス・ブラックが脱獄したことを受け、学校側が警備員としてアズカバンの看守を担う魔法生物の吸魂鬼 を受け入れることになったそうだ。ディメンターらはホグワーツの入口という入口を固めているそうで、生徒も教師も、誰もけっしてディメンターに近付いてはならないと告げられたのだった。
さて、新学期初日を終えた翌日、フォーラは午前中最後の『マグル学』の授業を終え、午後の授業に備えるために大広間へ続く階段を下っているところだった。
(マグル学の教室は学校の端だったのね。今日初めて行った場所だったから、来るのも帰るのも迷って大変)
フォーラ以外のスリザリンの三年生は、今年から始まったマグル学を誰も取っていなかった。マグルを好まない友人たちからは『マグルに関心を示すなんて』と驚かれた。しかしフォーラとしては、魔法族よりも多く地球の人口の大多数を締めるマグルが、自分たち魔法族にとってどのような影響や、はたまた危険があるかを把握しておくことは重要な学びだと考えていた。その学びの前では、彼女はマグルが好きとか嫌いとかいう感情は特段持ち合わせていなかった。
そんなフォーラはマグル学の授業後にチャリティ・バーベッジ先生に質問していたことも相まって、教室から出る頃には同級生はみんな既にその場から立ち去った後だった。そのため彼女は周囲に頼る術 なく、慣れない帰り道を迷いに迷っていたのだった。
そしてかれこれ周囲に誰もいないまま教室を出てから十数分は経っただろうと思われた頃、不意にフォーラの前を一人の先生が横切った。
「おや?そんな所でどうしたんだい?もう昼食の時間だよ」
フォーラに話し掛けたのは、昨日校長から紹介のあったリーマス・ルーピンだった。
(あ……この人、新しい先生だわ)
フォーラは三年生にもなって自分が迷子だということを初対面の彼に悟られたくなかった。
「こんにちは。ええとその……なんでもないんです先生、失礼します。」
フォーラは苦し紛れにその場を取り繕うと、咄嗟に逆方向に踵を返して立ち去った。一方のルーピンは、何がなんだかよく分からないままその場を後にしたのだった。
そしてその後のフォーラは逃げるように廊下を歩きながら、相変わらず路頭に迷っていた。
(思わず逃げてしまったけれど、ここが何処なのかますます分からなくなってしまったわ……)
それから少ししてフォーラはようやく一つ下のフロアに下りることができた。そしてまたもやそこでルーピンに出くわしたのだった。
「あっ……」
ルーピンはその声を聞いて振り返ると、フォーラがいることに気付いて不思議そうに首を傾げた。
「やあまた会ったね。一体、君は何処へ行くところなんだい?」
フォーラは恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にして俯いてしまった。そしてぼそぼそと小さな声を発した。
「あの……大広間、です。」
「すまない、ちょっと聞こえなかった。もう一度いいかな?」
フォーラはバッと真っ赤な顔を上げて「大広間です」と言い直した。三年生の自分がまるで一年生になったような気分だった。フォーラの様子を見たルーピンは「ああ」と何かを察したような表情を浮かべた。
「なるほど、道に迷ったのかな?」
正に図星すぎて、フォーラは上げていた顔を徐々に俯かせて頷いた。ルーピンはそんな彼女を見て小さく微笑むと、彼女の方に近付いて安心させるようにその肩をポンと軽く叩いた。
「恥ずかしがらなくても大丈夫。昔は私もよく迷ったよ。それこそ四年生になっても迷うことだってあったんだから。君はスリザリン生だね。名前は?」優しく尋ねてきたルーピンに、フォーラはおずおずと名乗った。
「フォーラか、良い名前だ。よし、それじゃあフォーラ。私も丁度さっき用事が済んで腹ぺこなんだが、一緒に大広間へ行かないか?」
ああ、きっとこの人は私に気を遣ってくれている。フォーラはそう考える以外に彼がわざわざそんなことを言う理由が見当たらなかった。
「は、はい。喜んで。」
「あ……ネビル?」フォーラが声を掛けると、振り返った彼は彼女を見て顔を真っ赤にした。
「わっ、フォーラ!久しぶり!」
「ええ、久しぶりね。そんなに急いで何かあったの?」
「それが……さっきの列車で君も
そう言ってネビルは足速に玄関ホールへと駆けていってしまった。ドラコが勿論その話を聞き逃す筈もなく、彼ら男子勢はおもむろに用事を思い出したとかで、フォーラたち女子三人は先に大広間の食事の席につくことになった。そしてその間、案の定ドラコたちは後からやって来たハリーらを大広間の入り口で待ち伏せし、ちょっかいを出したのだった。
スリザリン寮の席から遠目にそれを視認したルニーが呆れた声を発した。
「ドラコって、相変わらずポッターに敵意を剥き出しにしすぎよね」
因みに、この場で敵意を剥き出しにしていたのはドラコだけではなかった。宴会の挨拶の際、スネイプは『闇の魔術に対する防衛術』の教員として新しく就任したリーマス・ルーピン先生―――先程ハリーたちと同じコンパートメントにいた人物―――を憎しみの表情で睨んでいた。フォーラは誰かに対してあんなにも憎悪の表情を向けるスネイプを見たことがなかった。それだけに、教職員テーブルの二人の間にはきっと過去に何かあったに違いないと思わせられた。
さて、宴会の席ではルーピンの就任以外にも伝えられたことが幾つかあった。先生に関する話題では『魔法生物飼育学』の授業を新しくハグリッドが受け持つことになったそうだ。そしてその他、最も重要な話としては、アズカバンの監獄からシリウス・ブラックが脱獄したことを受け、学校側が警備員としてアズカバンの看守を担う魔法生物の
さて、新学期初日を終えた翌日、フォーラは午前中最後の『マグル学』の授業を終え、午後の授業に備えるために大広間へ続く階段を下っているところだった。
(マグル学の教室は学校の端だったのね。今日初めて行った場所だったから、来るのも帰るのも迷って大変)
フォーラ以外のスリザリンの三年生は、今年から始まったマグル学を誰も取っていなかった。マグルを好まない友人たちからは『マグルに関心を示すなんて』と驚かれた。しかしフォーラとしては、魔法族よりも多く地球の人口の大多数を締めるマグルが、自分たち魔法族にとってどのような影響や、はたまた危険があるかを把握しておくことは重要な学びだと考えていた。その学びの前では、彼女はマグルが好きとか嫌いとかいう感情は特段持ち合わせていなかった。
そんなフォーラはマグル学の授業後にチャリティ・バーベッジ先生に質問していたことも相まって、教室から出る頃には同級生はみんな既にその場から立ち去った後だった。そのため彼女は周囲に頼る
そしてかれこれ周囲に誰もいないまま教室を出てから十数分は経っただろうと思われた頃、不意にフォーラの前を一人の先生が横切った。
「おや?そんな所でどうしたんだい?もう昼食の時間だよ」
フォーラに話し掛けたのは、昨日校長から紹介のあったリーマス・ルーピンだった。
(あ……この人、新しい先生だわ)
フォーラは三年生にもなって自分が迷子だということを初対面の彼に悟られたくなかった。
「こんにちは。ええとその……なんでもないんです先生、失礼します。」
フォーラは苦し紛れにその場を取り繕うと、咄嗟に逆方向に踵を返して立ち去った。一方のルーピンは、何がなんだかよく分からないままその場を後にしたのだった。
そしてその後のフォーラは逃げるように廊下を歩きながら、相変わらず路頭に迷っていた。
(思わず逃げてしまったけれど、ここが何処なのかますます分からなくなってしまったわ……)
それから少ししてフォーラはようやく一つ下のフロアに下りることができた。そしてまたもやそこでルーピンに出くわしたのだった。
「あっ……」
ルーピンはその声を聞いて振り返ると、フォーラがいることに気付いて不思議そうに首を傾げた。
「やあまた会ったね。一体、君は何処へ行くところなんだい?」
フォーラは恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にして俯いてしまった。そしてぼそぼそと小さな声を発した。
「あの……大広間、です。」
「すまない、ちょっと聞こえなかった。もう一度いいかな?」
フォーラはバッと真っ赤な顔を上げて「大広間です」と言い直した。三年生の自分がまるで一年生になったような気分だった。フォーラの様子を見たルーピンは「ああ」と何かを察したような表情を浮かべた。
「なるほど、道に迷ったのかな?」
正に図星すぎて、フォーラは上げていた顔を徐々に俯かせて頷いた。ルーピンはそんな彼女を見て小さく微笑むと、彼女の方に近付いて安心させるようにその肩をポンと軽く叩いた。
「恥ずかしがらなくても大丈夫。昔は私もよく迷ったよ。それこそ四年生になっても迷うことだってあったんだから。君はスリザリン生だね。名前は?」優しく尋ねてきたルーピンに、フォーラはおずおずと名乗った。
「フォーラか、良い名前だ。よし、それじゃあフォーラ。私も丁度さっき用事が済んで腹ぺこなんだが、一緒に大広間へ行かないか?」
ああ、きっとこの人は私に気を遣ってくれている。フォーラはそう考える以外に彼がわざわざそんなことを言う理由が見当たらなかった。
「は、はい。喜んで。」