2. ベラトリックスの教え
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あれから程なくして、ヴォルデモートはナギニと共にマルフォイ邸から姿を消し、屋敷にはドラコとナルシッサ、ベラトリックスが残された。ドラコは母に肩を抱かれながら緊張の糸がほぐれると、ドッと疲れが押し寄せてくるのを感じた。それだけ無意識のうちにヴォルデモートの前で身体が強張っていたのだろう。
とはいえドラコの心は高揚感で満たされていた。何せあのお方は自分の活躍に期待しているとおっしゃったし、その証として自分の腕に『闇の印』を授けてくださった。それに何より、父はあのお方に、息子である自分のことを優秀だと話してくれていた……。
一方、ドラコに寄り添っているナルシッサは終始、絶望と不安を混ぜたような表情を息子に向けていて、頬には涙の跡が光っていた。
「ああドラコ……。何故あの方はこんなにも無茶なご提案を……。まだこの子は未成年なのに、まさか貴方一人で、あのダンブルドアをだなんて……。そんなこと成人であっても、誰も……。ドラコ、本当にごめんなさい、あの方に反論したが最後、私たち全員がこの場でどれ程の仕打ちを受けるかを思うと……何も言えなかった。こんな私をどうか許して……。」
ナルシッサはドラコの左腕の内側に刻まれた闇の印に目を留めると、自身の瞳から再び涙を流した。そして彼女はドラコを抱き締めて彼の肩に顔を埋めた。ドラコはそんな母を改めて抱き留め返すと、安心させるように声を掛けた。
「母上、僕は大丈夫です。必ずやり遂げてみせます。闇の帝王から文字どおり『お墨付き』をいただけたんですから……」
するとそれを聞いたナルシッサが涙で濡れた顔をパッと上げ、悲愴感 と怒りを混ぜたような表情を見せた。
「そんなものが何だと言うの!?貴方はあの方の恐ろしさを何も分かっていないのよ、あの方は、あの方は……」ナルシッサは声を震わせていて、続きを言うのを大層躊躇 っているようだった。
「あの方は、拒否することも許さない状況で、貴方に無謀な試練を与えている自覚がおありなのよ……ルシウスのためと言いながら、本当は……」
ナルシッサは完全にそこで言葉を切って意気消沈してしまった。ドラコは目の前の母が何を言いたいのかある程度は理解していた。闇の帝王は父の名誉を人質にして、その息子が無理難題にどれだけ応えようとするか試しているのだと。そして母は愛する息子が失敗した場合、一家にどのような仕打ちが待っているかを心配しているのだろう。
「……母上、僕はご命令の内容がどれだけ困難だろうと、あなたや父上のために必ず事を成す覚悟があります。それは何も今日に始まった話ではありません。あの憎らしいポッターや不死鳥の騎士団、そしてダンブルドアが父上を捕らえた二週間前のあの時から、僕は父上の敵を討つために死喰い人になることを強く望んでいたんですから……」
ドラコは真剣な表情で、自身の中に燻ぶっていた感情を母に伝えた。一方のナルシッサは息子がそのような考えを持っていたことに正直愕然とした。そしてその母の表情から、ドラコは自分が死喰い人として動くことを彼女が望んでいないと察したが、言葉を続けた。
「それにあの方は、どういうわけか僕が心の中で相当な闘志を燃やしていることに気付いていらっしゃった。その理由が何であれ、だからこそあの方は僕を信用してくださって、父上の名誉を挽回するチャンスを与えてくださった。となれば僕がご命令を断ること自体があり得ませんし、事を成功させる以外の選択肢もあり得ません」
ナルシッサはドラコが家族を想うが故に前向きであることに、これ以上何も反論の言葉を伝えられないと感じた。もしこの場で息子のやる気を損なってしまったら、一家は早々に終わりを迎えてしまうかもしれない……。とはいえ、そもそもやる気があろうとなかろうと、死喰い人があの方の命令を断ることは本当に『あり得ない』ことで間違いなかった。
「あのお方が貴方の思いを言い当てられたのは、彼が相当な手練れの開心術師だからよ。もしかすると聞いたことがあるでしょう。開心術は相手の心を強制的に開き、心の内にある思念や感情を読み取る魔法だと。闇の帝王は貴方と目を合わせた時、貴方の復讐心に偽りがないのを感じ取ったのでしょう。だから貴方を信用してくださったのだと思うわ。他の多くの死喰い人たちは、あのお方と話す際に目を合わせないことが度々あるから、なおのこと……」
すると、それまでずっと黙って俯いていたベラトリックスが、怒りに身体を震わせて二人の方を見た。
「私は……私は他の奴らとは違う!私は常にご主人様の目を見て本心をお伝えしてきた!それなのに、今日もこの前も、ご主人様は私がどれだけ目を合わせようとしても、私を視界に入れようともしてくださらなかった!二週間前まで、ご主人様の最側近として寵愛と信頼を受けていたのは、私やルシウスだったのに……!」ベラトリックスは両手のこぶしを固く握り締め、大層悔しそうに下唇を噛んだ。
ドラコは一瞬、ベラトリックスの怒りや嫉妬が自分に向いているのではと思った。つい先程まで闇の帝王に優しく接されていたのが自分だったからだ。しかし彼の予想は外れた。
「私は常にご主人様に尽くしてきて、危険をかえりみず、あの方と共に魔法省のど真ん中にいたというのに!それなのに、私たちがミスをしたのをいいことに、あのコウモリ男はご主人様の信頼をかすめ取っていった!あいつはあの決戦の日に温々 とホグワーツで過ごしていただけのくせに!」
実のところ、先程までベラトリックスがじっと黙っていたのはスネイプへの強い恨みを一層募 らせていたからだった。すると彼女はおもむろにドラコに焦点を絞り、ツカツカと目の前に歩み寄ると彼の両肩をがっしり掴んだ。
「ドラコ、お前はご主人様から非常に重要な命を受けた。そして私はお前への指導を任された。ということは、お前は何としてでもご主人様の命令を完遂しなきゃならないよ。お前の任務の成功は、指導する私の評価にも確実に繋がっているんだからね」
とはいえドラコの心は高揚感で満たされていた。何せあのお方は自分の活躍に期待しているとおっしゃったし、その証として自分の腕に『闇の印』を授けてくださった。それに何より、父はあのお方に、息子である自分のことを優秀だと話してくれていた……。
一方、ドラコに寄り添っているナルシッサは終始、絶望と不安を混ぜたような表情を息子に向けていて、頬には涙の跡が光っていた。
「ああドラコ……。何故あの方はこんなにも無茶なご提案を……。まだこの子は未成年なのに、まさか貴方一人で、あのダンブルドアをだなんて……。そんなこと成人であっても、誰も……。ドラコ、本当にごめんなさい、あの方に反論したが最後、私たち全員がこの場でどれ程の仕打ちを受けるかを思うと……何も言えなかった。こんな私をどうか許して……。」
ナルシッサはドラコの左腕の内側に刻まれた闇の印に目を留めると、自身の瞳から再び涙を流した。そして彼女はドラコを抱き締めて彼の肩に顔を埋めた。ドラコはそんな母を改めて抱き留め返すと、安心させるように声を掛けた。
「母上、僕は大丈夫です。必ずやり遂げてみせます。闇の帝王から文字どおり『お墨付き』をいただけたんですから……」
するとそれを聞いたナルシッサが涙で濡れた顔をパッと上げ、
「そんなものが何だと言うの!?貴方はあの方の恐ろしさを何も分かっていないのよ、あの方は、あの方は……」ナルシッサは声を震わせていて、続きを言うのを大層
「あの方は、拒否することも許さない状況で、貴方に無謀な試練を与えている自覚がおありなのよ……ルシウスのためと言いながら、本当は……」
ナルシッサは完全にそこで言葉を切って意気消沈してしまった。ドラコは目の前の母が何を言いたいのかある程度は理解していた。闇の帝王は父の名誉を人質にして、その息子が無理難題にどれだけ応えようとするか試しているのだと。そして母は愛する息子が失敗した場合、一家にどのような仕打ちが待っているかを心配しているのだろう。
「……母上、僕はご命令の内容がどれだけ困難だろうと、あなたや父上のために必ず事を成す覚悟があります。それは何も今日に始まった話ではありません。あの憎らしいポッターや不死鳥の騎士団、そしてダンブルドアが父上を捕らえた二週間前のあの時から、僕は父上の敵を討つために死喰い人になることを強く望んでいたんですから……」
ドラコは真剣な表情で、自身の中に燻ぶっていた感情を母に伝えた。一方のナルシッサは息子がそのような考えを持っていたことに正直愕然とした。そしてその母の表情から、ドラコは自分が死喰い人として動くことを彼女が望んでいないと察したが、言葉を続けた。
「それにあの方は、どういうわけか僕が心の中で相当な闘志を燃やしていることに気付いていらっしゃった。その理由が何であれ、だからこそあの方は僕を信用してくださって、父上の名誉を挽回するチャンスを与えてくださった。となれば僕がご命令を断ること自体があり得ませんし、事を成功させる以外の選択肢もあり得ません」
ナルシッサはドラコが家族を想うが故に前向きであることに、これ以上何も反論の言葉を伝えられないと感じた。もしこの場で息子のやる気を損なってしまったら、一家は早々に終わりを迎えてしまうかもしれない……。とはいえ、そもそもやる気があろうとなかろうと、死喰い人があの方の命令を断ることは本当に『あり得ない』ことで間違いなかった。
「あのお方が貴方の思いを言い当てられたのは、彼が相当な手練れの開心術師だからよ。もしかすると聞いたことがあるでしょう。開心術は相手の心を強制的に開き、心の内にある思念や感情を読み取る魔法だと。闇の帝王は貴方と目を合わせた時、貴方の復讐心に偽りがないのを感じ取ったのでしょう。だから貴方を信用してくださったのだと思うわ。他の多くの死喰い人たちは、あのお方と話す際に目を合わせないことが度々あるから、なおのこと……」
すると、それまでずっと黙って俯いていたベラトリックスが、怒りに身体を震わせて二人の方を見た。
「私は……私は他の奴らとは違う!私は常にご主人様の目を見て本心をお伝えしてきた!それなのに、今日もこの前も、ご主人様は私がどれだけ目を合わせようとしても、私を視界に入れようともしてくださらなかった!二週間前まで、ご主人様の最側近として寵愛と信頼を受けていたのは、私やルシウスだったのに……!」ベラトリックスは両手のこぶしを固く握り締め、大層悔しそうに下唇を噛んだ。
ドラコは一瞬、ベラトリックスの怒りや嫉妬が自分に向いているのではと思った。つい先程まで闇の帝王に優しく接されていたのが自分だったからだ。しかし彼の予想は外れた。
「私は常にご主人様に尽くしてきて、危険をかえりみず、あの方と共に魔法省のど真ん中にいたというのに!それなのに、私たちがミスをしたのをいいことに、あのコウモリ男はご主人様の信頼をかすめ取っていった!あいつはあの決戦の日に
実のところ、先程までベラトリックスがじっと黙っていたのはスネイプへの強い恨みを一層
「ドラコ、お前はご主人様から非常に重要な命を受けた。そして私はお前への指導を任された。ということは、お前は何としてでもご主人様の命令を完遂しなきゃならないよ。お前の任務の成功は、指導する私の評価にも確実に繋がっているんだからね」