6. 冷徹なスリザリン生
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ところでほんの少し時間を遡り、スラグホーンのいるコンパートメントから退出した後のこと。ネビルはジニーやハリーと共に、フォーラとブレーズの後ろを進んでいた。ハリーが何か用事があるとかで、元いたコンパートメントに戻らずに『透明マント』を被って廊下の彼方へ消えた際、ネビルがジニーに尋ねた。
「そういえば、今日はフォーラを久しぶりに見たけど……何だか彼女、以前に比べて雰囲気が変わったよね?」
「えっ、どんな風に?」ジニーが尋ね返すと、ネビルは少々思案するように軽く頭を捻った。
「うーん、上手く言えないけど……前はどの寮の人にもすっごく物腰柔らかい感じだったと思う。それこそ、どうして彼女がスリザリン生なんだろうって思うくらいに。だけど前の学年では他の寮生と―――特にグリフィンドール生と話すところをめっきり見なくなったし、今日だって何だかよそよそしかった気がして。少し親しみやすさが無くなったというか……。最近マルフォイと恋人同士になったっていう噂を聞いたから、その影響かもしれないとも思ったけど。まあ、あの場で自由に話す雰囲気でもなかったし、気にしすぎかな」
ジニーは、フォーラが前学年の時からあえて表立っては自分たちグリフィンドール生との交流を避けていることを勿論把握していた。それは、フォーラが幼馴染かつ恋人のドラコから警戒されることなく、闇の陣営に関する何らかの情報を引き出すための手段だった。
マグル生まれのフォーラが、自身の出自を隠してまで愛する人に危害が及ぶ可能性を摘もうとし続けている。それは相当な覚悟がいることだろう。しかもその相手の家族が闇の陣営側なら尚更だ。そして実際、ジニーがこの夏休みの間にウィーズリー家で一度だけ見たフォーラの姿は、確かにネビルの言うとおり、すっかり以前のような柔らかい雰囲気が損なわれ、強い冷徹さを纏っているような気がしたのだった。
さて、フォーラと友人たちはホグワーツの城内に足を踏み入れたわけだが、その過程で城には厳重な警戒態勢が敷かれていることがありありと伝わってきた。まず城壁の外には警備と思しき魔法戦士がチラホラと確認できたし、城の入口である樫の大扉の辺りでは、管理人のアーガズ・フィルチが『詮索センサー』なる魔法道具を生徒たちの荷物や身体にかざしていた。どうやらこのセンサーで闇の品が城に紛れ込むのを防いでいるらしい。実際、クラッブが持ち込んでいたミイラ首にセンサーが反応し、その品は没収となった。他にもフィルチのお小言を聞く限りでは、城を出入りする梟便も怪しげな物が入っていないかチェックされているという。それに加えて、大広間で新入生の組分けが行われる前にダンブルドアが短いスピーチの中で話していたのだが、城を囲っている鉄製の柵や門、その他周辺の至る所に彼が自ら『侵入者避け呪文』を掛けたそうだ。
そんな物々しい状況ではあったが、新入生を迎えた大広間は、四つの長い両テーブルと最奥に設けられた教職員テーブルの上を様々な美味しい料理で満たし、生徒たちを賑 やかした。そして彼らの頭上にはいつもどおり多くの蝋燭が浮かび、更にその上の天井に魔法で映し出した夜空の星が瞬いていた。
そうして生徒たちが久しぶりに訪れた学校での日常を楽しんでいた時、大広間の両開き扉の向こう側に、私服姿のままのハリーと、いつもどおり黒装束を纏ったスネイプの姿が現れた。ハリーは鼻の辺りを血だらけにしたまま急ぎ足でグリフィンドールの寮テーブルに向かい、ロンとハーマイオニーのいる席の間にサッと収まった。そんな彼の姿を見ようと多くの生徒は視線を向けたし、何か事件に巻き込まれたのでは、と心配や興味を覗かせる声も聞こえた。
「ハッ、顔中血だらけで随分と勇ましいご登場だな。列車から降りられたのが残念だ」
スリザリンの寮テーブルで、ドラコがハリーの方を嘲笑うように見ながら言った。実状を知っている周囲の友人たちはクスクス笑い、それを聞いた別のスリザリン生たちは何があったのかと感心を示した。そして列車内での出来事を話して聞かせると、その辺一体は驚きや嘲笑に包まれた。
ドラコの向かいに座っているフォーラは、一度だけハリーの方を振り返って彼の姿を目視すると、それ以降はグリフィンドールの寮テーブルに背を向けて何事もなかったように料理を堪能した。彼女は血だらけのハリーを視界に入れれば、少しは同情の念が湧くかもしれないと思ったが、特段そんなことはなく自分でも少々驚いた程だった。
すると次に正面のドラコが鼻をへし折られる真似をしてみんなを大笑いさせ、やんやの喝采を受けた。これに関してもフォーラはハリーがそうされるだけの事をしたのだという認識で、特にドラコをとがめることはせず、周囲との会話を楽しむだけだった。
生徒たちがデザートを食べ終えた後は、恒例のダンブルドアの締めの挨拶が行われた。その際、彼の右手は以前フォーラが自宅で見た時と変わらず黒く萎びていた。生徒たちもその手の状態に気付いて大広間中が囁き合ったが、ダンブルドアはそれに関して微笑んだだけで言及しなかった。
「さて、新入生よ、歓迎いたしますぞ。上級生にはお帰りなさいじゃ!今年もまた魔法教育がびっしりと待ち受けておる。―――そして、管理人のフィルチさんから皆に伝えるようにと言われたのじゃが、ウィーズリー・ウィザード・ウィーズとかいう店で購入した悪戯用具は、全て持ち込み禁止じゃ」
周囲から小さくクスクス笑う声が僅かに聞こえた。恐らくもう既に何らかの方法であの店の品を持ち込んだ生徒がいるのだろう。ダンブルドアが続けた。
「各寮のクィディッチ・チームに入団したい者は、例によって寮監に名前を提出すること。試合の解説者も新人を募集しておるので、同じく応募すること」
これに関して、ルニーがフォーラとパンジーに囁いた。
「私、今年こそは選手に応募しようと思ってるの!」
二人がルニーに笑みを向けて頷いた時、今度はダンブルドアが新任教師のスラグホーンを紹介した。彼がダンブルドアの同輩であり、昔教えていた魔法薬学の教師として復帰することを告げると、広間中から「魔法薬?」と聞き間違いを疑う声が幾つも聞こえた。そして次にスネイプが闇の魔術に対する防衛術を教える旨を説明すると、更に生徒たちは騒めいた。
「そういえば、今日はフォーラを久しぶりに見たけど……何だか彼女、以前に比べて雰囲気が変わったよね?」
「えっ、どんな風に?」ジニーが尋ね返すと、ネビルは少々思案するように軽く頭を捻った。
「うーん、上手く言えないけど……前はどの寮の人にもすっごく物腰柔らかい感じだったと思う。それこそ、どうして彼女がスリザリン生なんだろうって思うくらいに。だけど前の学年では他の寮生と―――特にグリフィンドール生と話すところをめっきり見なくなったし、今日だって何だかよそよそしかった気がして。少し親しみやすさが無くなったというか……。最近マルフォイと恋人同士になったっていう噂を聞いたから、その影響かもしれないとも思ったけど。まあ、あの場で自由に話す雰囲気でもなかったし、気にしすぎかな」
ジニーは、フォーラが前学年の時からあえて表立っては自分たちグリフィンドール生との交流を避けていることを勿論把握していた。それは、フォーラが幼馴染かつ恋人のドラコから警戒されることなく、闇の陣営に関する何らかの情報を引き出すための手段だった。
マグル生まれのフォーラが、自身の出自を隠してまで愛する人に危害が及ぶ可能性を摘もうとし続けている。それは相当な覚悟がいることだろう。しかもその相手の家族が闇の陣営側なら尚更だ。そして実際、ジニーがこの夏休みの間にウィーズリー家で一度だけ見たフォーラの姿は、確かにネビルの言うとおり、すっかり以前のような柔らかい雰囲気が損なわれ、強い冷徹さを纏っているような気がしたのだった。
さて、フォーラと友人たちはホグワーツの城内に足を踏み入れたわけだが、その過程で城には厳重な警戒態勢が敷かれていることがありありと伝わってきた。まず城壁の外には警備と思しき魔法戦士がチラホラと確認できたし、城の入口である樫の大扉の辺りでは、管理人のアーガズ・フィルチが『詮索センサー』なる魔法道具を生徒たちの荷物や身体にかざしていた。どうやらこのセンサーで闇の品が城に紛れ込むのを防いでいるらしい。実際、クラッブが持ち込んでいたミイラ首にセンサーが反応し、その品は没収となった。他にもフィルチのお小言を聞く限りでは、城を出入りする梟便も怪しげな物が入っていないかチェックされているという。それに加えて、大広間で新入生の組分けが行われる前にダンブルドアが短いスピーチの中で話していたのだが、城を囲っている鉄製の柵や門、その他周辺の至る所に彼が自ら『侵入者避け呪文』を掛けたそうだ。
そんな物々しい状況ではあったが、新入生を迎えた大広間は、四つの長い両テーブルと最奥に設けられた教職員テーブルの上を様々な美味しい料理で満たし、生徒たちを
そうして生徒たちが久しぶりに訪れた学校での日常を楽しんでいた時、大広間の両開き扉の向こう側に、私服姿のままのハリーと、いつもどおり黒装束を纏ったスネイプの姿が現れた。ハリーは鼻の辺りを血だらけにしたまま急ぎ足でグリフィンドールの寮テーブルに向かい、ロンとハーマイオニーのいる席の間にサッと収まった。そんな彼の姿を見ようと多くの生徒は視線を向けたし、何か事件に巻き込まれたのでは、と心配や興味を覗かせる声も聞こえた。
「ハッ、顔中血だらけで随分と勇ましいご登場だな。列車から降りられたのが残念だ」
スリザリンの寮テーブルで、ドラコがハリーの方を嘲笑うように見ながら言った。実状を知っている周囲の友人たちはクスクス笑い、それを聞いた別のスリザリン生たちは何があったのかと感心を示した。そして列車内での出来事を話して聞かせると、その辺一体は驚きや嘲笑に包まれた。
ドラコの向かいに座っているフォーラは、一度だけハリーの方を振り返って彼の姿を目視すると、それ以降はグリフィンドールの寮テーブルに背を向けて何事もなかったように料理を堪能した。彼女は血だらけのハリーを視界に入れれば、少しは同情の念が湧くかもしれないと思ったが、特段そんなことはなく自分でも少々驚いた程だった。
すると次に正面のドラコが鼻をへし折られる真似をしてみんなを大笑いさせ、やんやの喝采を受けた。これに関してもフォーラはハリーがそうされるだけの事をしたのだという認識で、特にドラコをとがめることはせず、周囲との会話を楽しむだけだった。
生徒たちがデザートを食べ終えた後は、恒例のダンブルドアの締めの挨拶が行われた。その際、彼の右手は以前フォーラが自宅で見た時と変わらず黒く萎びていた。生徒たちもその手の状態に気付いて大広間中が囁き合ったが、ダンブルドアはそれに関して微笑んだだけで言及しなかった。
「さて、新入生よ、歓迎いたしますぞ。上級生にはお帰りなさいじゃ!今年もまた魔法教育がびっしりと待ち受けておる。―――そして、管理人のフィルチさんから皆に伝えるようにと言われたのじゃが、ウィーズリー・ウィザード・ウィーズとかいう店で購入した悪戯用具は、全て持ち込み禁止じゃ」
周囲から小さくクスクス笑う声が僅かに聞こえた。恐らくもう既に何らかの方法であの店の品を持ち込んだ生徒がいるのだろう。ダンブルドアが続けた。
「各寮のクィディッチ・チームに入団したい者は、例によって寮監に名前を提出すること。試合の解説者も新人を募集しておるので、同じく応募すること」
これに関して、ルニーがフォーラとパンジーに囁いた。
「私、今年こそは選手に応募しようと思ってるの!」
二人がルニーに笑みを向けて頷いた時、今度はダンブルドアが新任教師のスラグホーンを紹介した。彼がダンブルドアの同輩であり、昔教えていた魔法薬学の教師として復帰することを告げると、広間中から「魔法薬?」と聞き間違いを疑う声が幾つも聞こえた。そして次にスネイプが闇の魔術に対する防衛術を教える旨を説明すると、更に生徒たちは騒めいた。