6. 冷徹なスリザリン生
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「ほう!それは私も俄然楽しみになってきた。フォーラ、またいつか落ち着ける時に君の変身を見せておくれ」
「えっ……あの、はい。勿論です先生。」
フォーラは自分の心配が杞憂に終わって拍子抜けした。スラグホーンがさり気なくウインクを飛ばしてきたことから察するに、彼はフォーラが今は変身できないことをあえて黙ってくれたようだった。実際、その後の話題は彼の知人にアニメーガスの魔法使いがいるという別の内容や、フォーラの両親との思い出、フォーラ自身が変身術や魔法薬学に長けているというものに移っていった。
フォーラはこれまでのスラグホーンの会話っぷりから、てっきり彼が知り得ていることを明け透けに話して聞かせるタイプの人なのだろうと思っていた。しかし流石は年の功と言うべきか、実際はこういった気遣いのできる人だったのだ。
そしてとうとう話の標的がハリーに定まった。
「ハリー・ポッター!いったい何から始めようかね?夏休みに会った時は、ほんの表面を撫でただけ、そういうような感じでしたな!―――『選ばれし者』、今、君はそう呼ばれている!」
スラグホーンだけでなく、その場にいたみんながハリーの方に注目した。スラグホーンはどうやら、日刊預言者新聞に書かれていた魔法省での戦いについてや、そこの神秘部という場所に保管されている『例のあの人』に関する予言の内容が事実だったのかどうかを確認したがっていた。しかしハリーは勿論のこと、あの戦いの場に同行したジニーやネビルも『予言は割れてしまってその内容を聞いていない』の一点張りだった。それからは別の話題に移ったものの、スラグホーンはどうやらまだ完全には三人の話に納得しているわけではなさそうだった。
そうして午後はスラグホーンが教えた著名な魔法使いたちの逸話でダラダラと時間が過ぎていった。その当時の教え子たちは、全員喜んでホグワーツの『スラグ ・クラブ』というスラグホーンが取りまとめる集まりに属したという。それらの話を聞いていた幾人かの生徒は、心の中ではそろそろこの場を離れたいそぶりを覗かせていたが、結局は失礼にならずに退出する方法の見当がつかなかった。そのため全員がスラグホーンの解散の合図まで席に留まったのだった。
その声が掛かったのは、列車が何度目かの長い霧の中を通り過ぎ、真っ赤な夕日が見えた時だった。
「なんと、もう暗くなってきた!ランプが灯ったのに気付かなんだ!みんな、もう帰ってローブに着替えた方がいい。マクラーゲン、ノグテイルに関する例の本を借りに、そのうち私のところに寄りなさい。ハリー、ブレーズ、―――いつでもおいで。フォーラにミス、あなたたちもどうぞ」
スラグホーンは最後にジニーに向かってにこやかに目をキラキラさせた。
「さあ、お帰り、お帰り!」
フォーラが退出し、その後を追うようにブレーズがハリーを押しのけて暗い通路に出た。ブレーズが意地の悪い目つきでハリーを見やると、ハリーもそれにおまけを付けて睨み返した。ブレーズはフンと鼻を鳴らし、前方で待っているフォーラの方へ駆け寄った(フォーラはブレーズの方を向いた際、後方にいたハリー、ネビル、ジニーの三人に軽く会釈した)。
「あまりにも退屈で無駄な時間だった」ブレーズがフォーラと並んで歩きながら愚痴を零すと、彼女が困り気味に返答した。
「想定以上に長居することになって少し疲れてしまったけれど、でも、無駄だなんて少し言いすぎだわ。」
「ふうん?それじゃあ君は、あんな感じの集まりに今後もまた行きたいと思うのか?」
「それは、……私だって積極的にはあまり。だけどね、私の母様が学生時代にスラグ・クラブのメンバーだったのだけど、スラグホーン先生と懇意な仲だったからこそ、色々と手厚い恩恵を得られたとおっしゃっていたわ。だから無駄でないことは確かだと思うの。」
「ふーん、恩恵ねえ」ブレーズが、それならまあ一考の余地ありかと頭を捻った。
「先生はとても気遣いのできる人だと思うし、それに沢山の教え子のことを覚えていて……きっと人を支援して育てるのが好きなんじゃないかしら。」
「それで、その膨大な教え子たちから将来的に得られる甘い汁をすすって、余生を楽しむわけか」
「もう、ブレーズ!」フォーラが咎めるような声で言った。
フォーラとブレーズはそのような感じで先程の出来事を話しながら、ドラコたちのいるコンパートメントまで戻ってきた。通路は今や空っぽで、生徒たちは殆ど全員が学校用のローブに着替えて荷物を纏めるために、それぞれの席に戻っていた。
フォーラがコンパートメントの引き戸を開けて先に中に入り、その後にブレーズが続いた。そして彼は当然ながら扉を閉めようとしたのだが、どういうわけか、閉まりきる寸前のところでスライドが止まってしまった。
「どうなってるんだ?」ブレーズは癇癪 気味に何度も扉を閉めようと横に引いたが、毎回一定のところで止まった。すると次の瞬間、突如として扉がガンと開いたものだから、彼は掴んでいた取っ手に勢いよく引っ張られた。その時のフォーラは既に扉に一番近い場所に着席しており、ブレーズは彼女の膝の方に倒れ込んでしまった。
「きゃっ!」フォーラが驚きの声をあげ、ブレーズはうめき声と共に頭を軽く振った。彼は上体を彼女の太ももの上に預けている状況を理解すると、これはラッキーと言わんばかりに軽く口角を上げた。
「悪いな、痛くなかったか?ドアの調子が悪かったみたいだ」
「えっええ、私は大丈夫なのだけど、あの……もし貴方も大丈夫そうなら、早く―――」
フォーラが驚きで狼狽えて言葉に詰まっていると、彼女の隣に座っていたドラコが代わりに続きを引き継いだ。
「おい、ザビニ!早くそこから退くんだ!」
それを受けてブレーズが「はいはい」と立ち上がろうとした時、ゴイルがブレーズの上体を抱え上げて空席にドカッと投げるように座らせた。フォーラとしてはゴイルの気遣いが有難かったが、二人が歯をむき出して唸り合うことになったのは少々いただけなかった。
「えっ……あの、はい。勿論です先生。」
フォーラは自分の心配が杞憂に終わって拍子抜けした。スラグホーンがさり気なくウインクを飛ばしてきたことから察するに、彼はフォーラが今は変身できないことをあえて黙ってくれたようだった。実際、その後の話題は彼の知人にアニメーガスの魔法使いがいるという別の内容や、フォーラの両親との思い出、フォーラ自身が変身術や魔法薬学に長けているというものに移っていった。
フォーラはこれまでのスラグホーンの会話っぷりから、てっきり彼が知り得ていることを明け透けに話して聞かせるタイプの人なのだろうと思っていた。しかし流石は年の功と言うべきか、実際はこういった気遣いのできる人だったのだ。
そしてとうとう話の標的がハリーに定まった。
「ハリー・ポッター!いったい何から始めようかね?夏休みに会った時は、ほんの表面を撫でただけ、そういうような感じでしたな!―――『選ばれし者』、今、君はそう呼ばれている!」
スラグホーンだけでなく、その場にいたみんながハリーの方に注目した。スラグホーンはどうやら、日刊預言者新聞に書かれていた魔法省での戦いについてや、そこの神秘部という場所に保管されている『例のあの人』に関する予言の内容が事実だったのかどうかを確認したがっていた。しかしハリーは勿論のこと、あの戦いの場に同行したジニーやネビルも『予言は割れてしまってその内容を聞いていない』の一点張りだった。それからは別の話題に移ったものの、スラグホーンはどうやらまだ完全には三人の話に納得しているわけではなさそうだった。
そうして午後はスラグホーンが教えた著名な魔法使いたちの逸話でダラダラと時間が過ぎていった。その当時の教え子たちは、全員喜んでホグワーツの『
その声が掛かったのは、列車が何度目かの長い霧の中を通り過ぎ、真っ赤な夕日が見えた時だった。
「なんと、もう暗くなってきた!ランプが灯ったのに気付かなんだ!みんな、もう帰ってローブに着替えた方がいい。マクラーゲン、ノグテイルに関する例の本を借りに、そのうち私のところに寄りなさい。ハリー、ブレーズ、―――いつでもおいで。フォーラにミス、あなたたちもどうぞ」
スラグホーンは最後にジニーに向かってにこやかに目をキラキラさせた。
「さあ、お帰り、お帰り!」
フォーラが退出し、その後を追うようにブレーズがハリーを押しのけて暗い通路に出た。ブレーズが意地の悪い目つきでハリーを見やると、ハリーもそれにおまけを付けて睨み返した。ブレーズはフンと鼻を鳴らし、前方で待っているフォーラの方へ駆け寄った(フォーラはブレーズの方を向いた際、後方にいたハリー、ネビル、ジニーの三人に軽く会釈した)。
「あまりにも退屈で無駄な時間だった」ブレーズがフォーラと並んで歩きながら愚痴を零すと、彼女が困り気味に返答した。
「想定以上に長居することになって少し疲れてしまったけれど、でも、無駄だなんて少し言いすぎだわ。」
「ふうん?それじゃあ君は、あんな感じの集まりに今後もまた行きたいと思うのか?」
「それは、……私だって積極的にはあまり。だけどね、私の母様が学生時代にスラグ・クラブのメンバーだったのだけど、スラグホーン先生と懇意な仲だったからこそ、色々と手厚い恩恵を得られたとおっしゃっていたわ。だから無駄でないことは確かだと思うの。」
「ふーん、恩恵ねえ」ブレーズが、それならまあ一考の余地ありかと頭を捻った。
「先生はとても気遣いのできる人だと思うし、それに沢山の教え子のことを覚えていて……きっと人を支援して育てるのが好きなんじゃないかしら。」
「それで、その膨大な教え子たちから将来的に得られる甘い汁をすすって、余生を楽しむわけか」
「もう、ブレーズ!」フォーラが咎めるような声で言った。
フォーラとブレーズはそのような感じで先程の出来事を話しながら、ドラコたちのいるコンパートメントまで戻ってきた。通路は今や空っぽで、生徒たちは殆ど全員が学校用のローブに着替えて荷物を纏めるために、それぞれの席に戻っていた。
フォーラがコンパートメントの引き戸を開けて先に中に入り、その後にブレーズが続いた。そして彼は当然ながら扉を閉めようとしたのだが、どういうわけか、閉まりきる寸前のところでスライドが止まってしまった。
「どうなってるんだ?」ブレーズは
「きゃっ!」フォーラが驚きの声をあげ、ブレーズはうめき声と共に頭を軽く振った。彼は上体を彼女の太ももの上に預けている状況を理解すると、これはラッキーと言わんばかりに軽く口角を上げた。
「悪いな、痛くなかったか?ドアの調子が悪かったみたいだ」
「えっええ、私は大丈夫なのだけど、あの……もし貴方も大丈夫そうなら、早く―――」
フォーラが驚きで狼狽えて言葉に詰まっていると、彼女の隣に座っていたドラコが代わりに続きを引き継いだ。
「おい、ザビニ!早くそこから退くんだ!」
それを受けてブレーズが「はいはい」と立ち上がろうとした時、ゴイルがブレーズの上体を抱え上げて空席にドカッと投げるように座らせた。フォーラとしてはゴイルの気遣いが有難かったが、二人が歯をむき出して唸り合うことになったのは少々いただけなかった。