6. 冷徹なスリザリン生
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「まあ……お褒めの言葉をありがとう。でも残念だけれど私、貴方のことで彼女たちに妬いたわけではないのよ。純粋に貴方が女の子のお友達にばかり慕われて、凄いなと思っただけ。寧ろ嫉妬どころか、私の王子様を悪く言われてしまったから、私もそのうち貴方に平手打ちしたくなってしまうかもしれないわね。」
フォーラがフフッと冗談めいた笑みを零した。一方のブレーズは、先程の女生徒からの逆襲という恥ずかしい場面を例に出されたことで肩をすくめ、ようやく前を向いたのだった。
二人がコンパートメントCに到着すると、既にもう何人かの生徒がいた。それが誰かを確認する前にスラグホーンが二人を歓迎した。
「二人とも、よく来た!ブレーズ、彼女にしっかり招待状を渡してくれてありがとう。そしてフォーラ!会うのは夏休みぶりだね。君は本当に麗しいお嬢さんだ」
スラグホーンは以前と変わりなく太った胴回りをしていて、ビロードの光沢感のある生地の衣服がそれを覆っていた。そしてスキンヘッドに巨大な銀色の口髭が、日の光を受けてベストの金ボタンと同じくらい眩しく輝いていた。
「そういえば、ノットという生徒は君らと同学年だったね?父親とは旧知の仲だったんだが、ノット氏やその息子が今どうしているか知っているかな?」
「ああはい、セオドール・ノットは僕らの同級生です。彼の父は、例の魔法省での戦いの際に死喰い人として逮捕されましたよ」
ブレーズがサラッと回答すると、スラグホーンは『死喰い人』という単語を聞いて随分ショックを受けたようだった。
「そうか、そうだったのか。いやはやそれは……。ああ、すまなかったね。少し取り乱してしまった。何せこの頃は各地を転々としていたから、新聞を十分に読む機会を逃して―――。さあ二人とも、空いた席にお座り」
そうしてフォーラとブレーズが揃って空いた席に腰掛けた。既に揃っている何人かの先客を見てみると、窓際の席にロンの妹であるジニー・ウィーズリーの姿があったものだから、フォーラは彼女と目を合わせて微笑んだ。ジニーの方も同じように返してきたのだが、その後チラとスラグホーンの方を見てからわざとらしく肩をすくめた。その様子から、恐らくジニーがこの場には来たくなかっただろうことが窺えた。
ジニーの他には一学年上のレイブンクローの男子生徒が二名座っていた。フォーラが彼らに軽く会釈をした時、コンパートメントの引き戸が開いた。
「ハリー!よく来た!よく来た、よく来てくれた!それで、君はミスター・ロングボトムだろうね!」
スラグホーンの熱烈な声に反応して一同がそちらを見やると、ハリーとネビルの二人が入口に立っていた。フォーラはハリーの姿を視界に捉えた時、形容しがたいモヤモヤとした感情が心の中に渦巻くのを感じた。
ハリーとネビルが最後の空席に収まると、スラグホーンはジニーの隣に着席した(ジニーは彼の体格によって座れる幅が大変狭くなっていた)。
「さーて、みんなを知っているかな?」スラグホーンがハリーとネビルに尋ねた。「ブレーズ・ザビニは、勿論君たちの学年だな―――」
ブレーズはハリーたちの方を見もしなかった。とはいえそれはハリーやネビルも同様だった。何せグリフィンドールとスリザリンの学生は基本的に憎しみ合っていたからだ。フォーラはその光景を見て、先程まで道中を共にしていた時のブレーズは随分気さくだったのに、こうも人によって途端に態度を変えられるものかとある意味感心した。とはいえフォーラも心の中では、ブレーズのようにハリーに対して同じ態度を取れたなら、どれだけ心がスッキリするだろうと考えてしまっていた。
スラグホーンは続けて揃った面々に互いを紹介した。殆どのメンバーは何故自分がこの場に呼ばれたのか分かっていない様子だった。
「さてさて、楽しいかぎりですな」スラグホーンがくつろいだ様子で続けた。「みんなと多少知り合えるいい機会だ。さあ、ナプキンを取ってくれ。私は自分でランチを準備してきたのだよ。記憶によれば、ランチカートは杖型甘草飴 がどっさりで、年寄りの消化器官にはちときつい……ベルビィ、雉肉 はどうかな?」
そうして各人はスラグホーンから雉肉の半身やロールパンを受け取って口に運んだ。その間、スラグホーンはこの場にいるメンバー一人ひとりの優秀な両親や親戚との思い出を順番に話し、最近その人はどうしているかということや、生徒本人がどういった資質を持っているのかを会話の端々から掴もうとしていた。
つまりここに招かれた客は誰か有名人か有力者と繋がりのある人たちで、スラグホーン自身が支援したいと思える生徒を見つける場だった(但しジニーについては例外で、彼女は見事な『コウモリ鼻糞の呪い』を掛けているところをスラグホーンに見つかり、評価されたらしかった)。
さて、コーマック・マクラーゲンというレイブンクロー生の次に尋問されたのは、ブレーズだった。彼とスラグホーンの話によれば、ブレーズの母親は有名な美人魔女らしく、漏れなくスラグホーンの教え子だった。そして彼女は七回結婚し、どの夫もそれぞれ推理小説のような死に方をして、妻に金貨の山を残したようだった。
それを聞いたフォーラとしては、何故ブレーズが美しい女子生徒との関わりにこだわっているのか、その理由の片鱗を知った気がした。彼のことは単なる女好きとしか認識していなかったが、もしかすると母親からの愛に飢えていて、今の彼が形成されているのかもしれない……そのように思った。
そしてブレーズの次にはフォーラに声が掛かった。
「さて、フォーラ!夏に会った時よりも更に綺麗になったんじゃないかね?」スラグホーンがみんなに小さな盆に載ったパイを勧めながら言った。「それはそうと、君がアニメーガスの能力持ちだと聞いた時は本当に驚いた!ここにいる全員そのことを知っているのだろうね?」
一同が頷き、ブレーズが「見たこともあります」と付け加えた。その際フォーラは、今の自分がアニメーガスに変身できないことをスラグホーンにいつ心配されるだろうかと不安だった。彼には夏休みの間に話の流れでその件を伝えていて、他にそれを知っているのは家族と、スリザリン生の身近な友人数名だけだった。彼女はそれ以外の人たちに勝手に自身の症状を公 にされるのは、自尊心が傷つくようで避けたかったのだ。
フォーラがフフッと冗談めいた笑みを零した。一方のブレーズは、先程の女生徒からの逆襲という恥ずかしい場面を例に出されたことで肩をすくめ、ようやく前を向いたのだった。
二人がコンパートメントCに到着すると、既にもう何人かの生徒がいた。それが誰かを確認する前にスラグホーンが二人を歓迎した。
「二人とも、よく来た!ブレーズ、彼女にしっかり招待状を渡してくれてありがとう。そしてフォーラ!会うのは夏休みぶりだね。君は本当に麗しいお嬢さんだ」
スラグホーンは以前と変わりなく太った胴回りをしていて、ビロードの光沢感のある生地の衣服がそれを覆っていた。そしてスキンヘッドに巨大な銀色の口髭が、日の光を受けてベストの金ボタンと同じくらい眩しく輝いていた。
「そういえば、ノットという生徒は君らと同学年だったね?父親とは旧知の仲だったんだが、ノット氏やその息子が今どうしているか知っているかな?」
「ああはい、セオドール・ノットは僕らの同級生です。彼の父は、例の魔法省での戦いの際に死喰い人として逮捕されましたよ」
ブレーズがサラッと回答すると、スラグホーンは『死喰い人』という単語を聞いて随分ショックを受けたようだった。
「そうか、そうだったのか。いやはやそれは……。ああ、すまなかったね。少し取り乱してしまった。何せこの頃は各地を転々としていたから、新聞を十分に読む機会を逃して―――。さあ二人とも、空いた席にお座り」
そうしてフォーラとブレーズが揃って空いた席に腰掛けた。既に揃っている何人かの先客を見てみると、窓際の席にロンの妹であるジニー・ウィーズリーの姿があったものだから、フォーラは彼女と目を合わせて微笑んだ。ジニーの方も同じように返してきたのだが、その後チラとスラグホーンの方を見てからわざとらしく肩をすくめた。その様子から、恐らくジニーがこの場には来たくなかっただろうことが窺えた。
ジニーの他には一学年上のレイブンクローの男子生徒が二名座っていた。フォーラが彼らに軽く会釈をした時、コンパートメントの引き戸が開いた。
「ハリー!よく来た!よく来た、よく来てくれた!それで、君はミスター・ロングボトムだろうね!」
スラグホーンの熱烈な声に反応して一同がそちらを見やると、ハリーとネビルの二人が入口に立っていた。フォーラはハリーの姿を視界に捉えた時、形容しがたいモヤモヤとした感情が心の中に渦巻くのを感じた。
ハリーとネビルが最後の空席に収まると、スラグホーンはジニーの隣に着席した(ジニーは彼の体格によって座れる幅が大変狭くなっていた)。
「さーて、みんなを知っているかな?」スラグホーンがハリーとネビルに尋ねた。「ブレーズ・ザビニは、勿論君たちの学年だな―――」
ブレーズはハリーたちの方を見もしなかった。とはいえそれはハリーやネビルも同様だった。何せグリフィンドールとスリザリンの学生は基本的に憎しみ合っていたからだ。フォーラはその光景を見て、先程まで道中を共にしていた時のブレーズは随分気さくだったのに、こうも人によって途端に態度を変えられるものかとある意味感心した。とはいえフォーラも心の中では、ブレーズのようにハリーに対して同じ態度を取れたなら、どれだけ心がスッキリするだろうと考えてしまっていた。
スラグホーンは続けて揃った面々に互いを紹介した。殆どのメンバーは何故自分がこの場に呼ばれたのか分かっていない様子だった。
「さてさて、楽しいかぎりですな」スラグホーンがくつろいだ様子で続けた。「みんなと多少知り合えるいい機会だ。さあ、ナプキンを取ってくれ。私は自分でランチを準備してきたのだよ。記憶によれば、ランチカートは杖型
そうして各人はスラグホーンから雉肉の半身やロールパンを受け取って口に運んだ。その間、スラグホーンはこの場にいるメンバー一人ひとりの優秀な両親や親戚との思い出を順番に話し、最近その人はどうしているかということや、生徒本人がどういった資質を持っているのかを会話の端々から掴もうとしていた。
つまりここに招かれた客は誰か有名人か有力者と繋がりのある人たちで、スラグホーン自身が支援したいと思える生徒を見つける場だった(但しジニーについては例外で、彼女は見事な『コウモリ鼻糞の呪い』を掛けているところをスラグホーンに見つかり、評価されたらしかった)。
さて、コーマック・マクラーゲンというレイブンクロー生の次に尋問されたのは、ブレーズだった。彼とスラグホーンの話によれば、ブレーズの母親は有名な美人魔女らしく、漏れなくスラグホーンの教え子だった。そして彼女は七回結婚し、どの夫もそれぞれ推理小説のような死に方をして、妻に金貨の山を残したようだった。
それを聞いたフォーラとしては、何故ブレーズが美しい女子生徒との関わりにこだわっているのか、その理由の片鱗を知った気がした。彼のことは単なる女好きとしか認識していなかったが、もしかすると母親からの愛に飢えていて、今の彼が形成されているのかもしれない……そのように思った。
そしてブレーズの次にはフォーラに声が掛かった。
「さて、フォーラ!夏に会った時よりも更に綺麗になったんじゃないかね?」スラグホーンがみんなに小さな盆に載ったパイを勧めながら言った。「それはそうと、君がアニメーガスの能力持ちだと聞いた時は本当に驚いた!ここにいる全員そのことを知っているのだろうね?」
一同が頷き、ブレーズが「見たこともあります」と付け加えた。その際フォーラは、今の自分がアニメーガスに変身できないことをスラグホーンにいつ心配されるだろうかと不安だった。彼には夏休みの間に話の流れでその件を伝えていて、他にそれを知っているのは家族と、スリザリン生の身近な友人数名だけだった。彼女はそれ以外の人たちに勝手に自身の症状を