6. 冷徹なスリザリン生
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「誰からだ?」ドラコが手を差し出して尋ねた。周囲のみんなも今の会話の流れからして、少なくとも二つの巻紙のうちの一つはドラコに宛てられた物だろうと思ったのだが、ブレーズの小馬鹿にしたような表情がそれを否定していた。
「ホラス・スラグホーン教授から、フォーラに招待状だ」
「えっ、私?」
ブレーズはコンパートメントの中に入るとドラコの前を通り過ぎ、フォーラの目の前に立って巻紙を差し出した。彼女が羊皮紙を開いてみると、次のように綴られていた。
『フォーラ
コンパートメントCでのランチに参加してもらえれば大変うれしい。
敬具
H・E・F スラグホーン教授』
「ランチに来てほしいって……それじゃあ、そのもう一枚も誰かへの招待状なの?」
「ああ、僕宛てだよ。だから君にこれを渡すついでに迎えにきたんだ」
それを聞いた途端、ドラコが軽く眉間に皺を寄せた。すると同時にパンジーがザビニに尋ねた。
「スラグホーン教授って、誰?」
「新任教師らしい。といっても若くないし爺さんだ。元々、俺たちの親世代頃までのホグワーツ生を教えていたんだとか」
「その人が、どうしてブレーズとフォーラを呼んでるのよ?」今度はルニーがさっぱり分からないといった様子で質問した。
「その教師が親しくしていた当時の教え子の、その子供がどうやら僕たち二人らしい。他にも招待されているみたいだけどな。食事をしながら家族に関する雑談でもしたいんじゃないか?実際、彼は僕の母親のことをよく知っていた。それにフォーラの両親のことも知った風で話していたからね」
「ええ、先生と私の両親は確かに知り合い同士だわ。実はこの夏休み、スラグホーン先生が家にお見えになったの。私もその時に殆ど初めてご挨拶させていただいて。」
「どうして彼は君の家に?」ドラコの問いを受け、フォーラはスラグホーンが新しい魔法薬学の教師として、薬草を調達するために家の温室に用があったことを簡単に話した。すると一同は度肝を抜かれた様子になり、当時のフォーラと同じく、当然の疑問としてこれまで魔法薬学を教えてきたスネイプはどうなるのかと質問した。
「スラグホーン先生のお話だと、セブルスさんは闇の魔術に対する防衛術をお教えするみたい。」
一同はこれにも騒めいたが、元々スネイプが防衛術の職を欲していたため、念願の夢が叶ったことを喜ぶ声の方が結果的に多かった。そしてこの異動に関する話題はこの場だけに留めようという結論に至った。どうせ今日の晩餐会でダンブルドアから説明があるだろうし、それを聞いた他の生徒の驚きようが想像できて楽しみだというのも理由に挙げられた。
ところで、フォーラはスネイプの話をした時のドラコがどこか不機嫌に見えたが、先程ブレーズが招待状の話をした時からそんな様子だったため、あまり気に留めないことにしたのだった。
「それにしても」ドラコが切り出した。「スラグホーン、僕もその人のことを知っているぞ。父上からよく話を聞いていた。その教師が懇意にしていた家柄の人間を呼びつけているなら、僕の父や祖父も例外ではない筈だ。一体どういう基準で選んでいるんだ?」
「さあね。少なくともマルフォイ、君の分の招待がなかったのは確かだよ」
ブレーズはドラコの不機嫌さを少々面白がるような声色で返答した。それを察したドラコが彼を軽く睨んだが、ブレーズはそんなことは何処吹く風といった様子でフォーラに「そろそろ行こう」と声を掛けた。
「え、ええ。これ以上はお待たせしてしまうものね……。」
フォーラは自分が席を立ったことで、一瞬ドラコの表情に捨てられた子犬のような寂しさを見た気がした。今日、列車内でドラコと出会ってからブレーズが来る直前まで、彼はどういうわけか今までに類を見ない程に人前で見境なく甘えてきていた。夏休みの間に一度も会えなかった反動にしては随分オーバーな気はしたが、当然彼女も久しぶりの再会を噛み締めていた。そのためこの場を去ることを少し申し訳なく思った。
フォーラは出口に向かう前にドラコの名を優しく呼んだ。すると今度の彼はすっかり平然とした雰囲気を取り繕って彼女を見上げたのだが、それも束の間、彼女の唇がドラコの耳元にそっと寄ったものだから、彼は小さくビクリと反応せずにはいられなかった。
フォーラは片手を口元に添えると、ドラコにだけ聞こえるように囁いた。
「一緒に過ごせなくて寂しいわ。だから……、よければ就寝前には二人きりで過ごさせて?」
フォーラが少々頬を染めつつ姿勢を元に戻すと、ドラコにも同じようにじわじわとピンク色が広がっていった。彼は彼女の申し訳なさから来る気遣いを感じると同時に、明らかに恋人として純粋に自分と一緒にいたいと思ってくれていることも察した。しかも彼女の方から逢瀬に誘ってくれたとあれば、先程まで彼が抱えていた不機嫌さなどすっかり吹き飛んで当然だった。
「あ、ああ。分かった」
その返答にフォーラは微笑むと、ブレーズの後に続いてコンパートメントを後にしたのだった。
二人が通路に出ると、ランチカートを待つ生徒で一杯だった。その人々の間をフォーラはブレーズに先頭に立ってもらいながら抜けていったのだが、その間、可愛いもしくは美人な女子が度々ブレーズのそばにやって来て、「何処へ行くの?」「久しぶり」と声を掛ける場面に度々遭遇した。その中には一人だけ、怒りの眼差しを携えて彼の元にいきなり現れ、平手打ちを食らわせた人もいた。
「随分、綺麗で可愛い子たちと仲がいいのね。」フォーラが感心した様子で言うと、ブレーズがこちらを振り向きつつも返答した。
「まあね。何?妬いてくれたのか?嬉しいね。やっぱりあの寂しがりの見栄っ張りな王子より、僕の方がよっぽど君に似合うと思うんだけど。さっきだって色んな子が僕に話し掛けてきたけど、彼女たちはみんな君の方をチラチラ焦った目で見ていただろ。それだけ君が美人で、僕らが似合いだったってことだね」
「ホラス・スラグホーン教授から、フォーラに招待状だ」
「えっ、私?」
ブレーズはコンパートメントの中に入るとドラコの前を通り過ぎ、フォーラの目の前に立って巻紙を差し出した。彼女が羊皮紙を開いてみると、次のように綴られていた。
『フォーラ
コンパートメントCでのランチに参加してもらえれば大変うれしい。
敬具
H・E・F スラグホーン教授』
「ランチに来てほしいって……それじゃあ、そのもう一枚も誰かへの招待状なの?」
「ああ、僕宛てだよ。だから君にこれを渡すついでに迎えにきたんだ」
それを聞いた途端、ドラコが軽く眉間に皺を寄せた。すると同時にパンジーがザビニに尋ねた。
「スラグホーン教授って、誰?」
「新任教師らしい。といっても若くないし爺さんだ。元々、俺たちの親世代頃までのホグワーツ生を教えていたんだとか」
「その人が、どうしてブレーズとフォーラを呼んでるのよ?」今度はルニーがさっぱり分からないといった様子で質問した。
「その教師が親しくしていた当時の教え子の、その子供がどうやら僕たち二人らしい。他にも招待されているみたいだけどな。食事をしながら家族に関する雑談でもしたいんじゃないか?実際、彼は僕の母親のことをよく知っていた。それにフォーラの両親のことも知った風で話していたからね」
「ええ、先生と私の両親は確かに知り合い同士だわ。実はこの夏休み、スラグホーン先生が家にお見えになったの。私もその時に殆ど初めてご挨拶させていただいて。」
「どうして彼は君の家に?」ドラコの問いを受け、フォーラはスラグホーンが新しい魔法薬学の教師として、薬草を調達するために家の温室に用があったことを簡単に話した。すると一同は度肝を抜かれた様子になり、当時のフォーラと同じく、当然の疑問としてこれまで魔法薬学を教えてきたスネイプはどうなるのかと質問した。
「スラグホーン先生のお話だと、セブルスさんは闇の魔術に対する防衛術をお教えするみたい。」
一同はこれにも騒めいたが、元々スネイプが防衛術の職を欲していたため、念願の夢が叶ったことを喜ぶ声の方が結果的に多かった。そしてこの異動に関する話題はこの場だけに留めようという結論に至った。どうせ今日の晩餐会でダンブルドアから説明があるだろうし、それを聞いた他の生徒の驚きようが想像できて楽しみだというのも理由に挙げられた。
ところで、フォーラはスネイプの話をした時のドラコがどこか不機嫌に見えたが、先程ブレーズが招待状の話をした時からそんな様子だったため、あまり気に留めないことにしたのだった。
「それにしても」ドラコが切り出した。「スラグホーン、僕もその人のことを知っているぞ。父上からよく話を聞いていた。その教師が懇意にしていた家柄の人間を呼びつけているなら、僕の父や祖父も例外ではない筈だ。一体どういう基準で選んでいるんだ?」
「さあね。少なくともマルフォイ、君の分の招待がなかったのは確かだよ」
ブレーズはドラコの不機嫌さを少々面白がるような声色で返答した。それを察したドラコが彼を軽く睨んだが、ブレーズはそんなことは何処吹く風といった様子でフォーラに「そろそろ行こう」と声を掛けた。
「え、ええ。これ以上はお待たせしてしまうものね……。」
フォーラは自分が席を立ったことで、一瞬ドラコの表情に捨てられた子犬のような寂しさを見た気がした。今日、列車内でドラコと出会ってからブレーズが来る直前まで、彼はどういうわけか今までに類を見ない程に人前で見境なく甘えてきていた。夏休みの間に一度も会えなかった反動にしては随分オーバーな気はしたが、当然彼女も久しぶりの再会を噛み締めていた。そのためこの場を去ることを少し申し訳なく思った。
フォーラは出口に向かう前にドラコの名を優しく呼んだ。すると今度の彼はすっかり平然とした雰囲気を取り繕って彼女を見上げたのだが、それも束の間、彼女の唇がドラコの耳元にそっと寄ったものだから、彼は小さくビクリと反応せずにはいられなかった。
フォーラは片手を口元に添えると、ドラコにだけ聞こえるように囁いた。
「一緒に過ごせなくて寂しいわ。だから……、よければ就寝前には二人きりで過ごさせて?」
フォーラが少々頬を染めつつ姿勢を元に戻すと、ドラコにも同じようにじわじわとピンク色が広がっていった。彼は彼女の申し訳なさから来る気遣いを感じると同時に、明らかに恋人として純粋に自分と一緒にいたいと思ってくれていることも察した。しかも彼女の方から逢瀬に誘ってくれたとあれば、先程まで彼が抱えていた不機嫌さなどすっかり吹き飛んで当然だった。
「あ、ああ。分かった」
その返答にフォーラは微笑むと、ブレーズの後に続いてコンパートメントを後にしたのだった。
二人が通路に出ると、ランチカートを待つ生徒で一杯だった。その人々の間をフォーラはブレーズに先頭に立ってもらいながら抜けていったのだが、その間、可愛いもしくは美人な女子が度々ブレーズのそばにやって来て、「何処へ行くの?」「久しぶり」と声を掛ける場面に度々遭遇した。その中には一人だけ、怒りの眼差しを携えて彼の元にいきなり現れ、平手打ちを食らわせた人もいた。
「随分、綺麗で可愛い子たちと仲がいいのね。」フォーラが感心した様子で言うと、ブレーズがこちらを振り向きつつも返答した。
「まあね。何?妬いてくれたのか?嬉しいね。やっぱりあの寂しがりの見栄っ張りな王子より、僕の方がよっぽど君に似合うと思うんだけど。さっきだって色んな子が僕に話し掛けてきたけど、彼女たちはみんな君の方をチラチラ焦った目で見ていただろ。それだけ君が美人で、僕らが似合いだったってことだね」