5. 土日のダイアゴン横丁
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「へえ……」シェードは興味深くハート形の小瓶を受け取ると、中の液体を窓からの光に透かしたり、裏に極小文字で書かれた成分表に目を通したりした。
「成程、これはまた上手に作ってある。惚れ薬の中でも最も強力な『魅惑万能薬 』よりも効果を弱めてあって、ジョークグッズの範疇にギリギリ納まっている感じがするね。書かれている用法で一回あたり半日から丸一日くらい効果が続くのかな?」
「流石でいらっしゃる!最大二十四時間です。男子なら体重、女子なら魅力度によって効果に差が出ますけどね。まあ当然ながら、この品はお嬢さんにはお渡ししませんのでご安心を」
「もう……仮にあげると言われても絶対に受け取れないわ。誤って何かの拍子に使ってしまったらと思うと、とっても怖いもの。」
「フォーラならそう言うと思ったよ」ジョージが肩を竦めて笑った。「君がこいつを所持しない気概は俺としては喜ばしいが、個人的に、君に限って言えば薬を使われるリスクの方を考えてもらいたいところではあるな」
「使われる可能性は、男の子の方が高いんじゃないかしら?だってこの商品に夢中なのは見る限り女の子ばかりなのに。」
「ところがどっこい、この薬は男にもある程度売れてるのは経営者として把握済みだ。そこには勿論学生も含まれる。それにそもそも、意中の相手が異性だけとも限らないしな」
「あら?フォーラじゃない?」
その時不意に、フォーラの声に反応した女性の声が聞こえた。振り返ってみると声の主はルニー・マッケンジーという金髪のロングヘアを持つ同級生だった。そしてその隣には黒髪のパンジー・パーキンソンも揃っていた。二人はどちらもフォーラが一年生の時から仲良くしている友人だ。
「えっ!二人とも、とっても偶然だわ……!まさか新学期前に会えるなんて!」
「こっちこそ本当に驚いたわ!私たちもさっきすぐそこでバッタリ会ったのよ!」パンジーが溌剌とした声で言った。
女子三人がその場でキャアキャアと小さくはしゃいでいると、ジョージがフォーラの肩にポンと手を置いた。
「それじゃ、俺の案内はここまでだな。今日はわざわざ来てくれてありがとう。この後も好きなだけ店を楽しんでいってくれよ。勿論フォーラのご友人たちも」ジョージがパンジーとルニーに営業スマイルを向けた。
「あっ、私ったらごめんなさい!ジョージ、こちらこそ私たち家族を案内してくれて本当にありがとう。とっても楽しかったわ。」
ジョージはフォーラの笑顔に同じく笑みを返すと、彼女の両親にも丁寧に挨拶した。そしてパンジーとルニーも含めた一同に「どうぞごひいきに」と声を掛け、店内の人混みに消えていったのだった。
一連のやり取りを見ていた友人二人は、フォーラとジョージの現在の関係性を尋ねたくてソワソワしていた。何せ双子がホグワーツを中退して城の玄関ホールから盛大に去る直前、ジョージが観衆の前でフォーラの頬にキスしたのは有名な話だったからだ。友人二人はそのキスの瞬間を目撃したわけではなかったし、フォーラとドラコが恋人関係にあることを当然知っていたが、たった今まで噂の男女が同じ場に並んでいたとあっては気にならないわけがなかった。
とはいえ流石にパンジーとルニーもこの場でその話を広げるほど野暮ではなかった。そのため二人はフォーラの両親に挨拶をして気持ちを切り替えた。
「おじ様、おば様、お久しぶりですね!私たち、パンジーとルニーです。覚えていますか?お会いするのは数年前にお家に泊まりに伺わせていただいた時以来です」パンジーの声に、ルニーが続いた。
「その節はどうもありがとうございました!今年も休暇中にフォーラに会いたかったんですけど、情勢がこんな状況なので諦めるしかなくって。お二人ともお会いできて光栄です!」
そこからはその場で軽い雑談が繰り広げられた。友人二人はこの店の前でそれぞれ家族と一緒の時にバッタリ出会ったらしい。そして二人はパンジーの母親の付き添いで店内に入り、その間にルニーの親はすぐ隣の店で家庭用の消耗品を買い揃えているところなのだとか。
「母は今、別の棚の商品を見て回っているところです。私たちがここのピンク色の陳列に興味津々になって、なかなか動かなかったので」パンジーが肩を竦めて気恥ずかしそうに言った。
「ところでフォーラ、さっきジョージ・ウィーズリーが、誰かがあなたに惚れ薬を使わないか心配だっていうような話をしてなかった?」ルニーがここぞとばかりに興味津々で尋ねた。
「ええ、そういうことを言われたけれど……でも、それを言うなら私からすれば、パンジーとルニーだって薬を盛られないか心配だわ。私、二人が学校の色んな人から一目置かれているって知っているのよ。解毒薬って自分で調合できるのかしら?」
フォーラが至極真面目に考え込んで言うものだから、友人二人は互いを見やりながらニッと笑うと、フォーラを抱き締めた。
「もう、その気持ちが嬉しいわよ、ありがとう」パンジーが発言し、ルニーも続いた。
「そんなに真面目に言われると、何だか照れちゃうわね」
子供たちのやり取りを見ていたフォーラの両親は、娘がマグル生まれということを隠していても、こんなにもスリザリンの同級生と仲良くしている状況を嬉しく思った。それと同時に、友人たちが娘の秘密を知ってもなお親しく居続けてほしいという、身勝手な願いを抱かずにはいられなかった。そのためシェードはせめてもの罪滅ぼしになればという思いから、三人に対して一つ提案した。
「もしよければ、私が三人分の解毒薬を調合しようか。これだけこの店の商品が人気なんだ、惚れ薬が学校に持ち込まれてもおかしくはないだろう。何かあっても解毒薬があれば、少しは君たちのお守りになるかもしれないからね」
「えっ!おじ様、本当ですか?凄い!すっごく嬉しいです!」ルニーとパンジーが尊敬の目でシェードを見た。彼はキャッキャとはしゃぐ二人に優しい笑みを向けた。
「フォーラと仲良くしてくれている、せめてものお礼だよ。いつもありがとう。薬は新学期の初日にフォーラに持たせよう」
ダイアゴン横丁ではそのような出来事があり、それから夏休みも残り一週間となった。フォーラはダイアゴン横丁で双子や、予想外にも親友二人に会えたことで幾らか幸福な気持ちで満たされていた。そして今なら守護霊の呪文が上手くいくのではと思い、数日間をその練習に費やした。しかし残念ながら、やはり彼女が杖から作り出せたのは銀色の霞のようなものだけで、何か動物の姿を象ったものではなかったのだった。
「成程、これはまた上手に作ってある。惚れ薬の中でも最も強力な『
「流石でいらっしゃる!最大二十四時間です。男子なら体重、女子なら魅力度によって効果に差が出ますけどね。まあ当然ながら、この品はお嬢さんにはお渡ししませんのでご安心を」
「もう……仮にあげると言われても絶対に受け取れないわ。誤って何かの拍子に使ってしまったらと思うと、とっても怖いもの。」
「フォーラならそう言うと思ったよ」ジョージが肩を竦めて笑った。「君がこいつを所持しない気概は俺としては喜ばしいが、個人的に、君に限って言えば薬を使われるリスクの方を考えてもらいたいところではあるな」
「使われる可能性は、男の子の方が高いんじゃないかしら?だってこの商品に夢中なのは見る限り女の子ばかりなのに。」
「ところがどっこい、この薬は男にもある程度売れてるのは経営者として把握済みだ。そこには勿論学生も含まれる。それにそもそも、意中の相手が異性だけとも限らないしな」
「あら?フォーラじゃない?」
その時不意に、フォーラの声に反応した女性の声が聞こえた。振り返ってみると声の主はルニー・マッケンジーという金髪のロングヘアを持つ同級生だった。そしてその隣には黒髪のパンジー・パーキンソンも揃っていた。二人はどちらもフォーラが一年生の時から仲良くしている友人だ。
「えっ!二人とも、とっても偶然だわ……!まさか新学期前に会えるなんて!」
「こっちこそ本当に驚いたわ!私たちもさっきすぐそこでバッタリ会ったのよ!」パンジーが溌剌とした声で言った。
女子三人がその場でキャアキャアと小さくはしゃいでいると、ジョージがフォーラの肩にポンと手を置いた。
「それじゃ、俺の案内はここまでだな。今日はわざわざ来てくれてありがとう。この後も好きなだけ店を楽しんでいってくれよ。勿論フォーラのご友人たちも」ジョージがパンジーとルニーに営業スマイルを向けた。
「あっ、私ったらごめんなさい!ジョージ、こちらこそ私たち家族を案内してくれて本当にありがとう。とっても楽しかったわ。」
ジョージはフォーラの笑顔に同じく笑みを返すと、彼女の両親にも丁寧に挨拶した。そしてパンジーとルニーも含めた一同に「どうぞごひいきに」と声を掛け、店内の人混みに消えていったのだった。
一連のやり取りを見ていた友人二人は、フォーラとジョージの現在の関係性を尋ねたくてソワソワしていた。何せ双子がホグワーツを中退して城の玄関ホールから盛大に去る直前、ジョージが観衆の前でフォーラの頬にキスしたのは有名な話だったからだ。友人二人はそのキスの瞬間を目撃したわけではなかったし、フォーラとドラコが恋人関係にあることを当然知っていたが、たった今まで噂の男女が同じ場に並んでいたとあっては気にならないわけがなかった。
とはいえ流石にパンジーとルニーもこの場でその話を広げるほど野暮ではなかった。そのため二人はフォーラの両親に挨拶をして気持ちを切り替えた。
「おじ様、おば様、お久しぶりですね!私たち、パンジーとルニーです。覚えていますか?お会いするのは数年前にお家に泊まりに伺わせていただいた時以来です」パンジーの声に、ルニーが続いた。
「その節はどうもありがとうございました!今年も休暇中にフォーラに会いたかったんですけど、情勢がこんな状況なので諦めるしかなくって。お二人ともお会いできて光栄です!」
そこからはその場で軽い雑談が繰り広げられた。友人二人はこの店の前でそれぞれ家族と一緒の時にバッタリ出会ったらしい。そして二人はパンジーの母親の付き添いで店内に入り、その間にルニーの親はすぐ隣の店で家庭用の消耗品を買い揃えているところなのだとか。
「母は今、別の棚の商品を見て回っているところです。私たちがここのピンク色の陳列に興味津々になって、なかなか動かなかったので」パンジーが肩を竦めて気恥ずかしそうに言った。
「ところでフォーラ、さっきジョージ・ウィーズリーが、誰かがあなたに惚れ薬を使わないか心配だっていうような話をしてなかった?」ルニーがここぞとばかりに興味津々で尋ねた。
「ええ、そういうことを言われたけれど……でも、それを言うなら私からすれば、パンジーとルニーだって薬を盛られないか心配だわ。私、二人が学校の色んな人から一目置かれているって知っているのよ。解毒薬って自分で調合できるのかしら?」
フォーラが至極真面目に考え込んで言うものだから、友人二人は互いを見やりながらニッと笑うと、フォーラを抱き締めた。
「もう、その気持ちが嬉しいわよ、ありがとう」パンジーが発言し、ルニーも続いた。
「そんなに真面目に言われると、何だか照れちゃうわね」
子供たちのやり取りを見ていたフォーラの両親は、娘がマグル生まれということを隠していても、こんなにもスリザリンの同級生と仲良くしている状況を嬉しく思った。それと同時に、友人たちが娘の秘密を知ってもなお親しく居続けてほしいという、身勝手な願いを抱かずにはいられなかった。そのためシェードはせめてもの罪滅ぼしになればという思いから、三人に対して一つ提案した。
「もしよければ、私が三人分の解毒薬を調合しようか。これだけこの店の商品が人気なんだ、惚れ薬が学校に持ち込まれてもおかしくはないだろう。何かあっても解毒薬があれば、少しは君たちのお守りになるかもしれないからね」
「えっ!おじ様、本当ですか?凄い!すっごく嬉しいです!」ルニーとパンジーが尊敬の目でシェードを見た。彼はキャッキャとはしゃぐ二人に優しい笑みを向けた。
「フォーラと仲良くしてくれている、せめてものお礼だよ。いつもありがとう。薬は新学期の初日にフォーラに持たせよう」
ダイアゴン横丁ではそのような出来事があり、それから夏休みも残り一週間となった。フォーラはダイアゴン横丁で双子や、予想外にも親友二人に会えたことで幾らか幸福な気持ちで満たされていた。そして今なら守護霊の呪文が上手くいくのではと思い、数日間をその練習に費やした。しかし残念ながら、やはり彼女が杖から作り出せたのは銀色の霞のようなものだけで、何か動物の姿を象ったものではなかったのだった。