5. 土日のダイアゴン横丁
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「ここは闇の魔術を防衛するちょっとした護身グッズを揃えてるんです。『盾の呪文』を掛けた帽子やマント、手袋は、魔法省から大口注文があるくらいで」フレッドが説明した。
「確かに、盾の呪文を使えない者は意外に多いと聞くからね」シェードが興味深そうに言うと、今度はジョージが続いた。
「ええ、そういうわけです。あとはペルーからの輸入品で『インスタント煙幕』というのがあって、急いで逃げる時に最適。特定の場所に暗闇を作ったら、どんな魔法でも時間が経つまで明るくできません」
「えっ、それは凄いわね……!一体どんな仕組みになっているのか、とっても気になるわ。」
「それなら一つ進呈しよう。フォーラは学校内で悪戯もしないだろうから、本来の目的での使いどころはないかもしれないけど。もし暇があって仕組みを解明したら是非教えてくれ。輸入せずに自分たちでオリジナルを作るきっかけになるかもしれない。勿論お礼は弾むからさ」
フレッドはそう言ってフォーラの手にインスタント煙幕を一箱押しつけた。戸惑う彼女だったが、先日双子が家に来た際に『商品を無償提供したい』という話を受けていたため、ここは素直にお礼を言って有難く受け取ることにしたのだった。
「それで、ここの棚の、この商品にマダムから先日新しく仕入れた魔法薬を使っていて、―――」
フレッドが説明していると、不意に短いブロンドの若い魔女が現れた。彼女も双子と同じく赤紫のユニフォームを着ていた。
「ミスター・ウィーズリー、お客様がジョーク鍋を探しています」
「分かったベリティ。今行く」
フレッドが慣れた様子でその店員に返答すると、ファントム家に一先ず挨拶して離脱する旨を伝えた。そしてフレッドの姿が見えなくなると、ジョージが引き続き一家を案内しながら店頭の方へと戻った。そうして商品説明も終盤に差し掛かった頃、フォーラはふと、とある品を目にしていないことに気が付いた。
「ねえジョージ?そういえばまだお店を開く前、ブラック邸で貴方とフレッドが作った、相互に連絡が取れる羊皮紙のことを覚えているかしら?確か商品化すると聞いていたのだけど、まだ何処にも見当たらない気がして。」
フォーラが言っているのは、五年生の時にハリーたちがダンブルドア軍団という学生組織を結成し、アンブリッジ元教員の捜査の目をかいくぐる手段として使った羊皮紙のことだった。それには『双子の呪文』が掛けられていた。普通ならその呪文で複製された方のアイテムは、元のアイテムの見た目に変化があれば同じように変化するしかできない。しかしフォーラの話した品については、双子が羊皮紙に同じだけの魔力で同時に呪文を掛けたことで、二枚の羊皮紙どちらからでも見た目に変化を与えられるようになっていた。実際、五年生の時はそれを使ってフォーラとハーマイオニーが遠隔で相互に筆談を行った。そして、ハリーたちが偽情報に騙されてシリウスを魔法省まで助けにいった日も、その羊皮紙に書かれたメッセージによって、フォーラはハリーたちの行動を知り得てスネイプに伝えたのだ。
「ああ、あの羊皮紙か。実は商品化を結構真面目に考えてはいたんだけど、取りやめることにしたんだ」
「どうして?とっても便利な品だと思ったけれど。」
「色々設計を見直してみると、残念ながらデメリットの方が大きかった。例えば、使用者一人が複数人と羊皮紙を使ってやり取りする場合、どれがどの相手と繋がってるか間違えるリスクがあったりとか。あとやっぱり一番影響が大きかったのは、俺たち双子が同時に術を掛けないといけない手間だな。これだけ色んな商品を作ってて、中には製造自体を外注してるのもあるくらいだ。そういうわけで、残念ながら商品化は諦めることにしたんだよ」
「そうだったのね。」フォーラが相槌を打つと、ジョージは少々申し訳なさそうにした。
「折角君が提案して形になった物だったのに、ごめんな」
「えっ!そんな、謝らないで。私としては今のお話を聞いて、物を作るのに採算が合うかどうかがとっても大事なんだって、知り得る良い機会になったんだもの。寧ろ私の提案を色々検討してくれて、どうもありがとう。」
フォーラは内心、今となってはあの羊皮紙が商品化せずに済んで良かったと思った。何故って、今の彼女はかつてハリーやハーマイオニーと連絡を取り合った時のように、再び彼らと何か秘密裏な情報共有をする気になれなかったからだ。それは全てハリーたちの行動がドラコを苦しめることに繋がった恨み故だった。
とはいえフォーラは実のところ、そのような遠隔での筆談による連絡手段を失ったわけではなかった。五年生の終わり頃、ハリーたちが禁じられた森からフォーラに『魔法省へ向かう』という連絡を書いて寄越した際、その連絡を最後に彼らは例の羊皮紙をその場に落として去ってしまった。そしてその後すぐ現場に駆けつけたフォーラはその羊皮紙を拾っていて、対となる自身の羊皮紙と共に、ずっと自身のトランクにそれらを保管していたのだった。
(あれが必要になることは、もしかしたらもう無いのかもしれないけれど。何かドラコのことで役立てられるのなら、その時に使い道があるかもしれないもの……)
さて、最後にジョージが一家を案内したのは入口側の窓辺の方だった。そこにはピンク色の商品が並べてあり、興奮した女の子の群れが陳列を見て興味津々にクスクスと笑っていた。
「こちら、我らが特製の『ワンダーウィッチ』というシリーズ商品でして。この商品の内の一つにも、マダム・ファントムの薬草を煎じて使っていますよ」
そう言ってジョージが陳列された商品の一つを手に取り、シェードの方に差し出した。
「これについては、魔法薬関係のお仕事をされているミスター・ファントムの方が、特に成分や効能といった視点でご興味がおありかもしれません。どこにもない最高級『惚れ薬』です」
「確かに、盾の呪文を使えない者は意外に多いと聞くからね」シェードが興味深そうに言うと、今度はジョージが続いた。
「ええ、そういうわけです。あとはペルーからの輸入品で『インスタント煙幕』というのがあって、急いで逃げる時に最適。特定の場所に暗闇を作ったら、どんな魔法でも時間が経つまで明るくできません」
「えっ、それは凄いわね……!一体どんな仕組みになっているのか、とっても気になるわ。」
「それなら一つ進呈しよう。フォーラは学校内で悪戯もしないだろうから、本来の目的での使いどころはないかもしれないけど。もし暇があって仕組みを解明したら是非教えてくれ。輸入せずに自分たちでオリジナルを作るきっかけになるかもしれない。勿論お礼は弾むからさ」
フレッドはそう言ってフォーラの手にインスタント煙幕を一箱押しつけた。戸惑う彼女だったが、先日双子が家に来た際に『商品を無償提供したい』という話を受けていたため、ここは素直にお礼を言って有難く受け取ることにしたのだった。
「それで、ここの棚の、この商品にマダムから先日新しく仕入れた魔法薬を使っていて、―――」
フレッドが説明していると、不意に短いブロンドの若い魔女が現れた。彼女も双子と同じく赤紫のユニフォームを着ていた。
「ミスター・ウィーズリー、お客様がジョーク鍋を探しています」
「分かったベリティ。今行く」
フレッドが慣れた様子でその店員に返答すると、ファントム家に一先ず挨拶して離脱する旨を伝えた。そしてフレッドの姿が見えなくなると、ジョージが引き続き一家を案内しながら店頭の方へと戻った。そうして商品説明も終盤に差し掛かった頃、フォーラはふと、とある品を目にしていないことに気が付いた。
「ねえジョージ?そういえばまだお店を開く前、ブラック邸で貴方とフレッドが作った、相互に連絡が取れる羊皮紙のことを覚えているかしら?確か商品化すると聞いていたのだけど、まだ何処にも見当たらない気がして。」
フォーラが言っているのは、五年生の時にハリーたちがダンブルドア軍団という学生組織を結成し、アンブリッジ元教員の捜査の目をかいくぐる手段として使った羊皮紙のことだった。それには『双子の呪文』が掛けられていた。普通ならその呪文で複製された方のアイテムは、元のアイテムの見た目に変化があれば同じように変化するしかできない。しかしフォーラの話した品については、双子が羊皮紙に同じだけの魔力で同時に呪文を掛けたことで、二枚の羊皮紙どちらからでも見た目に変化を与えられるようになっていた。実際、五年生の時はそれを使ってフォーラとハーマイオニーが遠隔で相互に筆談を行った。そして、ハリーたちが偽情報に騙されてシリウスを魔法省まで助けにいった日も、その羊皮紙に書かれたメッセージによって、フォーラはハリーたちの行動を知り得てスネイプに伝えたのだ。
「ああ、あの羊皮紙か。実は商品化を結構真面目に考えてはいたんだけど、取りやめることにしたんだ」
「どうして?とっても便利な品だと思ったけれど。」
「色々設計を見直してみると、残念ながらデメリットの方が大きかった。例えば、使用者一人が複数人と羊皮紙を使ってやり取りする場合、どれがどの相手と繋がってるか間違えるリスクがあったりとか。あとやっぱり一番影響が大きかったのは、俺たち双子が同時に術を掛けないといけない手間だな。これだけ色んな商品を作ってて、中には製造自体を外注してるのもあるくらいだ。そういうわけで、残念ながら商品化は諦めることにしたんだよ」
「そうだったのね。」フォーラが相槌を打つと、ジョージは少々申し訳なさそうにした。
「折角君が提案して形になった物だったのに、ごめんな」
「えっ!そんな、謝らないで。私としては今のお話を聞いて、物を作るのに採算が合うかどうかがとっても大事なんだって、知り得る良い機会になったんだもの。寧ろ私の提案を色々検討してくれて、どうもありがとう。」
フォーラは内心、今となってはあの羊皮紙が商品化せずに済んで良かったと思った。何故って、今の彼女はかつてハリーやハーマイオニーと連絡を取り合った時のように、再び彼らと何か秘密裏な情報共有をする気になれなかったからだ。それは全てハリーたちの行動がドラコを苦しめることに繋がった恨み故だった。
とはいえフォーラは実のところ、そのような遠隔での筆談による連絡手段を失ったわけではなかった。五年生の終わり頃、ハリーたちが禁じられた森からフォーラに『魔法省へ向かう』という連絡を書いて寄越した際、その連絡を最後に彼らは例の羊皮紙をその場に落として去ってしまった。そしてその後すぐ現場に駆けつけたフォーラはその羊皮紙を拾っていて、対となる自身の羊皮紙と共に、ずっと自身のトランクにそれらを保管していたのだった。
(あれが必要になることは、もしかしたらもう無いのかもしれないけれど。何かドラコのことで役立てられるのなら、その時に使い道があるかもしれないもの……)
さて、最後にジョージが一家を案内したのは入口側の窓辺の方だった。そこにはピンク色の商品が並べてあり、興奮した女の子の群れが陳列を見て興味津々にクスクスと笑っていた。
「こちら、我らが特製の『ワンダーウィッチ』というシリーズ商品でして。この商品の内の一つにも、マダム・ファントムの薬草を煎じて使っていますよ」
そう言ってジョージが陳列された商品の一つを手に取り、シェードの方に差し出した。
「これについては、魔法薬関係のお仕事をされているミスター・ファントムの方が、特に成分や効能といった視点でご興味がおありかもしれません。どこにもない最高級『惚れ薬』です」