3. 幸福な愛、信じあう心
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ダンブルドアがどれだけフォーラと目をしっかり合わせても、以降は彼女の心の内に踏み入ることはできなかった。それは彼女がたった今、ダンブルドアに対して閉心術を使ったに他ならなかった。しかし彼女の方は自身がそのような魔法を使ったなどとは思ってもいないし、それどころかダンブルドアが開心術を使っていたことすらも把握していなかった。
ダンブルドアはフォーラの本心を一瞬でも垣間見たことで、彼女が今回の魔法省での闘いを機に、ドラコやマルフォイ家への想いを相当強めているのを間違いなく知った。そしてそれが一歩間違えれば騎士団に敵対する感情になり得ることは想像に難くなかった。
しかし、ダンブルドアはフォーラの考えに危機感を覚えるどころか問題なしと結論付けた。スネイプからの情報では、これからドラコは闇の帝王の命令によって窮地に立たされることになる。それにフォーラは現状、彼女にしか習得できない特別な変身術の力に導かれている。後者については全く想定外だったにしろ、彼女の抱える恨みや慈愛の感情は、その力を増幅させ、ドラコを助け、生かすためにきっと役立つ筈だ。ダンブルドアはそのように考えていた。
『彼を見守って、いや、見張っていてはくれんかの』
かつて四年生を終えるフォーラにダンブルドアが伝えたそのお願いは、正に今この時のようにドラコが死喰い人側に立つことを想定して伝えたものだった。ダンブルドアは当初から、ドラコを大切に想うフォーラなら彼を闇や死から遠ざけられると踏んでいた。それがたとえ先程彼女の心を垣間見た時のように、後ろ暗い感情を孕んでいたとしても。
ダンブルドアはそこまで考えて、先程まで話していた守護霊の件に思考を戻した。
「守護霊の呪文は日常生活に縁遠いものじゃから、お主のご両親もごく最近訓練を重ねてようやく作り出せるようになったところじゃ。お二人にコツを聞いておくとよいかもしれん」
「はい、分かりました先生。色々と助言いただいてありがとうございます。」
それからの一同は温室での用事を終えると昼食を共にした。相変わらずスラグホーンの陽気さによってその場の会話は随分弾んだ。フォーラがそこに加わって分かったのは、彼にはお気に入りの教え子が何人もおり、その一人一人が現在、魔法界の最前線で様々な分野の立派な職に就いているということだった。どうやらスラグホーンは生徒の中から秀でた者を見つけるのが上手く、その人たちがまだ学生のうちから手厚く支援し、将来的にその恩恵を受けるのを好んでいるようだった。
但し、闇の陣営に加担する者には拒否反応を示しているようで、ルシウスが投獄された話になるとスラグホーンは「私はルシウスの父のアブラクサスとは良き友だったし、ルシウス自身とも良い関係を築いていたが……今となってはもう縁遠い存在だ」と言うだけだった。
そしてフォーラはこの半日という短い時間のなかで、恐らく自分もすっかり彼の『お気に入り』に含まれた気がした。スラグホーンはフォーラがアニメーガスであると知ると大層関心を示したし、残念ながら今は能力が使えないと伝えると、ガッカリするどころか励ましの言葉をくれた。そしてシェードの影響で娘は魔法薬学が得意だとリプトニアが伝えると、スラグホーンは何よりもそれを一番喜んだのだった。
「これは初日の魔法薬学の授業が俄然楽しみになってきた。いい教材を用意しておくから、君の力を是非見せておくれ」
そうしてスラグホーンとダンブルドアは昼過ぎ頃にファントム家の玄関を出た。そして二人をフォーラとリプトニアが庭先の門まで見送るために続き、四人は庭に伸びる石畳の道を進んだ。リプトニアがスラグホーンと並んで会話を弾ませる中、フォーラはその少し後ろをダンブルドアと隣り合って歩きながら言葉を交わしたのだが、その際に話の流れで彼が小声で耳打ちした。
「フォーラ、この一年間お主が取り組んできたように、お主には引き続きドラコをよく見守っていてあげてほしい」
フォーラは四年生の終わりにダンブルドアから伝えられた言葉を鮮明に思い出した。そして彼が今現在、この手の話を死喰い人嫌いのスラグホーンに聞かせたくないのだろうと察した。ダンブルドアが続けた。
「ドラコは父親がしくじって投獄された件で、騎士団に対する恨みを相当強くしておることじゃろう。その感情は彼を暗く深い闇へ誘 うには十分すぎる。ひとたびその闇に呑まれてしまえば、彼の身に危険が及ぶのは避けられぬ。そしてそれはもう目前に迫っておると、儂はそう思う」
ダンブルドアは落ち着き払ってそのように話し、詳細までは語らなかった。しかし実のところ、彼はドラコがヴォルデモートから自分を殺すよう命を受けていることをスネイプ伝いで知っていた。そしてそれがドラコだけでは到底成功にありつけないことや、殺害に失敗した暁にはドラコ自身がヴォルデモートによって殺されることも把握していた。ダンブルドアは、まだうら若いドラコを生かすためにあらゆる手を尽くそうとしていた。そしてドラコがもし絶望の淵に立っても自分自身を見失わないでいるためには、彼の心の拠り所であるフォーラという存在が必要不可欠だと考えていた。
「私、勿論ドラコのそばにいます。ですがもっと何か具体的に、私にできることはあるでしょうか?」
その問いを受け、ダンブルドアは柔らかな笑みを浮かべた。
「闇の勢力が猛威を振るう間は、お主が素性を隠してでもドラコと共にあろうとしているのを儂も既に把握しておる。すっかり彼の懐にいるお主なら、彼が何か良からぬことや危険に晒された場合に気付けることがあるかもしれぬ。じゃからして、彼を心から愛し、心の支えとなり、彼の身が安全であるためにできる範囲のことをしてくれれば助かる」
ダンブルドアはフォーラの本心を一瞬でも垣間見たことで、彼女が今回の魔法省での闘いを機に、ドラコやマルフォイ家への想いを相当強めているのを間違いなく知った。そしてそれが一歩間違えれば騎士団に敵対する感情になり得ることは想像に難くなかった。
しかし、ダンブルドアはフォーラの考えに危機感を覚えるどころか問題なしと結論付けた。スネイプからの情報では、これからドラコは闇の帝王の命令によって窮地に立たされることになる。それにフォーラは現状、彼女にしか習得できない特別な変身術の力に導かれている。後者については全く想定外だったにしろ、彼女の抱える恨みや慈愛の感情は、その力を増幅させ、ドラコを助け、生かすためにきっと役立つ筈だ。ダンブルドアはそのように考えていた。
『彼を見守って、いや、見張っていてはくれんかの』
かつて四年生を終えるフォーラにダンブルドアが伝えたそのお願いは、正に今この時のようにドラコが死喰い人側に立つことを想定して伝えたものだった。ダンブルドアは当初から、ドラコを大切に想うフォーラなら彼を闇や死から遠ざけられると踏んでいた。それがたとえ先程彼女の心を垣間見た時のように、後ろ暗い感情を孕んでいたとしても。
ダンブルドアはそこまで考えて、先程まで話していた守護霊の件に思考を戻した。
「守護霊の呪文は日常生活に縁遠いものじゃから、お主のご両親もごく最近訓練を重ねてようやく作り出せるようになったところじゃ。お二人にコツを聞いておくとよいかもしれん」
「はい、分かりました先生。色々と助言いただいてありがとうございます。」
それからの一同は温室での用事を終えると昼食を共にした。相変わらずスラグホーンの陽気さによってその場の会話は随分弾んだ。フォーラがそこに加わって分かったのは、彼にはお気に入りの教え子が何人もおり、その一人一人が現在、魔法界の最前線で様々な分野の立派な職に就いているということだった。どうやらスラグホーンは生徒の中から秀でた者を見つけるのが上手く、その人たちがまだ学生のうちから手厚く支援し、将来的にその恩恵を受けるのを好んでいるようだった。
但し、闇の陣営に加担する者には拒否反応を示しているようで、ルシウスが投獄された話になるとスラグホーンは「私はルシウスの父のアブラクサスとは良き友だったし、ルシウス自身とも良い関係を築いていたが……今となってはもう縁遠い存在だ」と言うだけだった。
そしてフォーラはこの半日という短い時間のなかで、恐らく自分もすっかり彼の『お気に入り』に含まれた気がした。スラグホーンはフォーラがアニメーガスであると知ると大層関心を示したし、残念ながら今は能力が使えないと伝えると、ガッカリするどころか励ましの言葉をくれた。そしてシェードの影響で娘は魔法薬学が得意だとリプトニアが伝えると、スラグホーンは何よりもそれを一番喜んだのだった。
「これは初日の魔法薬学の授業が俄然楽しみになってきた。いい教材を用意しておくから、君の力を是非見せておくれ」
そうしてスラグホーンとダンブルドアは昼過ぎ頃にファントム家の玄関を出た。そして二人をフォーラとリプトニアが庭先の門まで見送るために続き、四人は庭に伸びる石畳の道を進んだ。リプトニアがスラグホーンと並んで会話を弾ませる中、フォーラはその少し後ろをダンブルドアと隣り合って歩きながら言葉を交わしたのだが、その際に話の流れで彼が小声で耳打ちした。
「フォーラ、この一年間お主が取り組んできたように、お主には引き続きドラコをよく見守っていてあげてほしい」
フォーラは四年生の終わりにダンブルドアから伝えられた言葉を鮮明に思い出した。そして彼が今現在、この手の話を死喰い人嫌いのスラグホーンに聞かせたくないのだろうと察した。ダンブルドアが続けた。
「ドラコは父親がしくじって投獄された件で、騎士団に対する恨みを相当強くしておることじゃろう。その感情は彼を暗く深い闇へ
ダンブルドアは落ち着き払ってそのように話し、詳細までは語らなかった。しかし実のところ、彼はドラコがヴォルデモートから自分を殺すよう命を受けていることをスネイプ伝いで知っていた。そしてそれがドラコだけでは到底成功にありつけないことや、殺害に失敗した暁にはドラコ自身がヴォルデモートによって殺されることも把握していた。ダンブルドアは、まだうら若いドラコを生かすためにあらゆる手を尽くそうとしていた。そしてドラコがもし絶望の淵に立っても自分自身を見失わないでいるためには、彼の心の拠り所であるフォーラという存在が必要不可欠だと考えていた。
「私、勿論ドラコのそばにいます。ですがもっと何か具体的に、私にできることはあるでしょうか?」
その問いを受け、ダンブルドアは柔らかな笑みを浮かべた。
「闇の勢力が猛威を振るう間は、お主が素性を隠してでもドラコと共にあろうとしているのを儂も既に把握しておる。すっかり彼の懐にいるお主なら、彼が何か良からぬことや危険に晒された場合に気付けることがあるかもしれぬ。じゃからして、彼を心から愛し、心の支えとなり、彼の身が安全であるためにできる範囲のことをしてくれれば助かる」