3. 幸福な愛、信じあう心
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「勿論です。先生が最後にうちのパーティーに参加してくださってから、もう十年ほどが経ちましたから。先生は国外をあっちへこっちへ行かれていたから、なかなかホームパーティーにお顔を出してくださらなかったでしょう?」リプトニアがクスクスと笑った。
「ああ、そうだった。しかしもうそんなにここへ来ていなかったのか。月日の流れの速さは恐ろしい。お嬢さん、実は私と君は初めて会うわけではないのだよ。君が小さい頃に何度かこの屋敷のパーティーに参加させてもらっていた。その時の君はまだ、このくらいの小さな淑女だった」スラグホーンが自身の腰の辺りに手をやった。
「そうだったのですね。私、お会いしていたことを覚えていなくて……ごめんなさい。」
するとスラグホーンは『とんでもない』と変わらずご機嫌な様子で首を横に振った。
「当然、覚えていなくとも無理はない。しかしこれから嫌でも覚えることになるとも。私と君は、今後定期的に顔を合わせることになるのだからね」
「ええと、それは一体どういう……?」フォーラの疑問一杯の声を聞いて、スラグホーンは「おやおや!」と零してリプトニアの方を見た。その声色はまるで『悪い子だ』とでも言いたげだったが、確実にその状況を楽しんでいるもので間違いなかった。
「リプトニア、君はまだ彼女に私のことをあまり話していないようだね?」
「ええ、お会いしてからの方がきっとフォーラにとっては驚きが多くて、皆さんともこの場でより会話を楽しめるだろうと思ったんですもの」
するとスラグホーンは茶目っ気たっぷりに笑みを零した。
「まったく、君という人は昔から変わらないな。私や周りの機嫌を取って転がすのが上手くて、実にスリザリン生らしい。いやはや、当然ながら誉め言葉として受け取ってくれ!私はあの飄々としているシェードすらも、君に転がされていたのをよく知って―――オホン、すまない、つい昔を思い出すと楽しくて話がそれてしまう。ミス・ファントム、いや、フォーラとお呼びしても?」
「勿論、喜んで。スラグホーンさん。」フォーラは彼が絶え間なく話す姿に圧倒されつつも、笑顔を崩さず頷いた。
「どうもありがとう、フォーラ。実は私は君のご両親が学生の頃に、スリザリンの寮監かつ魔法薬学の教師としてホグワーツで教えさせてもらっていたのだよ。だがこのたび、ダンブルドアのお声が掛かったことでホグワーツに戻って教師になることが決定してね。何とこれで純血のファントム一家を全員私が教えることになるとは、本当に喜ばしい!」
フォーラは『純血』という言葉を聞いて一瞬ピクリと反応したが、さも平静を装って「そうでしたか」と相槌を打った。ダンブルドアもリプトニアも、もうフォーラがその程度のことでは動じない覚悟を持っているのをよく理解していた。
「では、スラグホーン先生とお呼びさせてください。『闇の魔術に対する防衛術』は前任の先生がお辞めになってしまったので、代わりに先生が教えてくださるということでしょうか……?」
すると彼はチッチと人差し指を何度か振って悪戯な笑みを見せた。
「いいや、違うよお嬢さん。私が教えるのは魔法薬学だ。今日は私の持ち合わせの薬草を買い直すためにリプトニアを訪ねさせてもらったんだ。何せ教壇に立つのは随分久しぶりだし、この屋敷はダイアゴン横丁と違って強固な安全策が施されていると、ダンブルドアから教えてもらったのでね」
それを聞いてフォーラは驚いた。まさか彼が魔法薬学の教師になるとは思わなかったし、それなら現職の『彼』はどうなってしまうのだろう?
「ええと、ということは、スネイプ先生はどうなさるのでしょうか……?」フォーラはダンブルドアの方を見て尋ねた。彼女の脳裏には一瞬、スネイプが教師を辞めて騎士団のためにもっと別な活動をするのでは、という想像が浮かんだ。そうなれば彼に会えなくなってしまう寂しさは相当なものだろうと感じたが、すぐにその考えは杞憂に終わった。
「スネイプ先生は、今フォーラが言っていた防衛術の空きを埋めてくださるんじゃよ」ダンブルドアが落ち着いた声色で微笑んだ。
「そうでしたか……。よかった、セブルスさんがお辞めになるわけではないのですね。」フォーラはホッと胸を撫で下ろした。そしてその拍子に、彼女はついうっかりスラグホーンの前でスネイプをファーストネームで呼んでしまったことに気が付いた。
「おや、フォーラはスネイプ先生をそのように呼んでいるのだね?」
「あっ……はい。そうなんです。私が三歳の頃から良くしていただいていて、私が勝手に叔父のように慕っているんです。ホグワーツではなるべく公私は分けるようにしているんですが、うっかり今のようにお名前で呼んでしまうこともあって。その度に彼から鋭い視線を受けてしまうんです。」フォーラが眉をハの字にして困ったように笑みを零した。彼女は言葉を続けた。
「そういえばセブルスさんは防衛術を教えたがっていたと、風の噂で耳にしたことがあります。私は彼が魔法薬学以外を教える姿が想像できませんが、望んでいらした授業を担当されるとあれば、私も嬉しいです。」
「いやはや、君のような聡明なお嬢さんに慕われているセブルスが羨ましいよ」
「ホラス、となるとお主もセブルスに負けぬほど良い授業をせねばなるまい」ダンブルドアがホッホと笑って言った。
「勿論だとも!そのためにここへ来させてもらったのだからね。さて、随分立ち話が長くなってしまって申し訳ない。昼食をご馳走していただく前に、リプトニアの自慢の温室を見せてもらわねば」
そしてその後はリプトニアに加え、屋敷に住み込みで働いている庭師のニコラスがスラグホーンを温室まで案内し、その後にダンブルドアとフォーラも続いた。その際フォーラは偶然にもダンブルドアの右手が黒く萎びていることに気が付いた。まるで肉が焼き焦げて落ちたかのように見える。
「あの、ダンブルドア先生、その手はどうされたのですか……?」温室に入りながらフォーラがこっそり尋ねると、彼はいつもどおりの笑みを返した。
「少々好奇心に駆られて冒険をした結果じゃよ。何も気にすることはないので安心しておくれ」
「ああ、そうだった。しかしもうそんなにここへ来ていなかったのか。月日の流れの速さは恐ろしい。お嬢さん、実は私と君は初めて会うわけではないのだよ。君が小さい頃に何度かこの屋敷のパーティーに参加させてもらっていた。その時の君はまだ、このくらいの小さな淑女だった」スラグホーンが自身の腰の辺りに手をやった。
「そうだったのですね。私、お会いしていたことを覚えていなくて……ごめんなさい。」
するとスラグホーンは『とんでもない』と変わらずご機嫌な様子で首を横に振った。
「当然、覚えていなくとも無理はない。しかしこれから嫌でも覚えることになるとも。私と君は、今後定期的に顔を合わせることになるのだからね」
「ええと、それは一体どういう……?」フォーラの疑問一杯の声を聞いて、スラグホーンは「おやおや!」と零してリプトニアの方を見た。その声色はまるで『悪い子だ』とでも言いたげだったが、確実にその状況を楽しんでいるもので間違いなかった。
「リプトニア、君はまだ彼女に私のことをあまり話していないようだね?」
「ええ、お会いしてからの方がきっとフォーラにとっては驚きが多くて、皆さんともこの場でより会話を楽しめるだろうと思ったんですもの」
するとスラグホーンは茶目っ気たっぷりに笑みを零した。
「まったく、君という人は昔から変わらないな。私や周りの機嫌を取って転がすのが上手くて、実にスリザリン生らしい。いやはや、当然ながら誉め言葉として受け取ってくれ!私はあの飄々としているシェードすらも、君に転がされていたのをよく知って―――オホン、すまない、つい昔を思い出すと楽しくて話がそれてしまう。ミス・ファントム、いや、フォーラとお呼びしても?」
「勿論、喜んで。スラグホーンさん。」フォーラは彼が絶え間なく話す姿に圧倒されつつも、笑顔を崩さず頷いた。
「どうもありがとう、フォーラ。実は私は君のご両親が学生の頃に、スリザリンの寮監かつ魔法薬学の教師としてホグワーツで教えさせてもらっていたのだよ。だがこのたび、ダンブルドアのお声が掛かったことでホグワーツに戻って教師になることが決定してね。何とこれで純血のファントム一家を全員私が教えることになるとは、本当に喜ばしい!」
フォーラは『純血』という言葉を聞いて一瞬ピクリと反応したが、さも平静を装って「そうでしたか」と相槌を打った。ダンブルドアもリプトニアも、もうフォーラがその程度のことでは動じない覚悟を持っているのをよく理解していた。
「では、スラグホーン先生とお呼びさせてください。『闇の魔術に対する防衛術』は前任の先生がお辞めになってしまったので、代わりに先生が教えてくださるということでしょうか……?」
すると彼はチッチと人差し指を何度か振って悪戯な笑みを見せた。
「いいや、違うよお嬢さん。私が教えるのは魔法薬学だ。今日は私の持ち合わせの薬草を買い直すためにリプトニアを訪ねさせてもらったんだ。何せ教壇に立つのは随分久しぶりだし、この屋敷はダイアゴン横丁と違って強固な安全策が施されていると、ダンブルドアから教えてもらったのでね」
それを聞いてフォーラは驚いた。まさか彼が魔法薬学の教師になるとは思わなかったし、それなら現職の『彼』はどうなってしまうのだろう?
「ええと、ということは、スネイプ先生はどうなさるのでしょうか……?」フォーラはダンブルドアの方を見て尋ねた。彼女の脳裏には一瞬、スネイプが教師を辞めて騎士団のためにもっと別な活動をするのでは、という想像が浮かんだ。そうなれば彼に会えなくなってしまう寂しさは相当なものだろうと感じたが、すぐにその考えは杞憂に終わった。
「スネイプ先生は、今フォーラが言っていた防衛術の空きを埋めてくださるんじゃよ」ダンブルドアが落ち着いた声色で微笑んだ。
「そうでしたか……。よかった、セブルスさんがお辞めになるわけではないのですね。」フォーラはホッと胸を撫で下ろした。そしてその拍子に、彼女はついうっかりスラグホーンの前でスネイプをファーストネームで呼んでしまったことに気が付いた。
「おや、フォーラはスネイプ先生をそのように呼んでいるのだね?」
「あっ……はい。そうなんです。私が三歳の頃から良くしていただいていて、私が勝手に叔父のように慕っているんです。ホグワーツではなるべく公私は分けるようにしているんですが、うっかり今のようにお名前で呼んでしまうこともあって。その度に彼から鋭い視線を受けてしまうんです。」フォーラが眉をハの字にして困ったように笑みを零した。彼女は言葉を続けた。
「そういえばセブルスさんは防衛術を教えたがっていたと、風の噂で耳にしたことがあります。私は彼が魔法薬学以外を教える姿が想像できませんが、望んでいらした授業を担当されるとあれば、私も嬉しいです。」
「いやはや、君のような聡明なお嬢さんに慕われているセブルスが羨ましいよ」
「ホラス、となるとお主もセブルスに負けぬほど良い授業をせねばなるまい」ダンブルドアがホッホと笑って言った。
「勿論だとも!そのためにここへ来させてもらったのだからね。さて、随分立ち話が長くなってしまって申し訳ない。昼食をご馳走していただく前に、リプトニアの自慢の温室を見せてもらわねば」
そしてその後はリプトニアに加え、屋敷に住み込みで働いている庭師のニコラスがスラグホーンを温室まで案内し、その後にダンブルドアとフォーラも続いた。その際フォーラは偶然にもダンブルドアの右手が黒く萎びていることに気が付いた。まるで肉が焼き焦げて落ちたかのように見える。
「あの、ダンブルドア先生、その手はどうされたのですか……?」温室に入りながらフォーラがこっそり尋ねると、彼はいつもどおりの笑みを返した。
「少々好奇心に駆られて冒険をした結果じゃよ。何も気にすることはないので安心しておくれ」