2. いい子のふり
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「この館がとってもスリザリンを象徴した空間で、まるで大魔法使いが住んでいるように思っていたんです。でも、あなたはとっても優しくて気さくで、素敵な家主さんでした。だから……」フォーラがそこまで言った時、キングズリーが慌てて彼女に声を掛けた。
「ちょっと待ってくれ、私はここの主人ではない」
「えっ、でも、ハーマイオニーが教えてくれました。家主さんは大きくて黒いと。」
それを聞いた途端、ルーピンとキングズリーは顔を見合わせて爆発したように一斉に大笑いした。フォーラはわけが分からず、彼ら二人とハーマイオニーやジニーを不安そうに代わるがわる見た。すると彼女ら二人は幾らか困ったように笑い返してきた。
「ごめんなさいフォーラ、違うのよ。ちょっとややこしいから、どう伝えればいいか迷っちゃって」
ハーマイオニーの発言の後で、ルーピンが咳払いしながらなんとか口を開いた。
「私からもすまない、あまりにも面白くてつい笑ってしまって。フォーラの言うとおり、確かにここの主人は黒くて大きい見た目だとも。今呼んであげよう。おーい、誰かシリウスを知らないかな?」ルーピンが振り返って部屋にいた他のメンバーに尋ねた。
するとテーブルの向こうから、フォーラがホグワーツで見たことのある存在が姿を見せた。のしのしとこちらにやって来た大きな犬は黒い毛並みをたなびかせていた。フォーラはそれを見た途端、驚きのあまり無意識にその犬の方へと歩み寄った。
「この子……。あなた、前にホグワーツで会ったわ。それも二回も。そうよね?」
犬は一声鳴くと、尻尾を振って彼女の周りを一周した。フォーラは笑顔になって屈むと、犬の前脚にそっと手を伸ばした。犬は求められた方の脚を彼女の手の上に差し出した。
「覚えていてくれたのね。とっても嬉しいわ!それに、あなたの怪我が綺麗に治っているみたいで良かった。でも、どうしてあなたがここにいるの?もしかして誰かご主人様と一緒なの?」
フォーラは三年生の時、この犬が脚に怪我をしたまま城から逃げ出そうとするのを手当てし、助けたことがあった。あの時は犬が行く手を阻まれたと勘違いして彼女に怪我を負わせてしまったが、その翌年にホグズミードで偶然にも再開すると、大型犬は元気な姿で彼女を受け入れてくれたのだった。
「彼はずっと君に会いたがっていた」ルーピンが言った。
「そうだったんですか……。ふふ、私もよ。」フォーラは大型犬に笑いかけた後、ふと思い出したようにハーマイオニーに尋ねた。
「そういえば、ホグズミードでこの子に会った時、ハーマイオニーやハリー、それにロンも一緒だったわ。三人のうちの誰かがこの子の飼い主なのかしら。」
ハーマイオニーは以前、シリウス・ブラックから受け取った手紙に目を通した際、彼が犬の姿の時にフォーラに怪我を治してもらったことや、彼女が犬の姿しか知らないことを教えてもらっていた。
「えーと、飼い主ではないけれどハリーの家族よ。シリウスっていうの」
「まあ、そうだったの。あなたシリウスって言うのね。素敵な名前。」
フォーラは黒い犬の頭と首のあたりを優しく撫でながら、ルーピンに冗談ぽく尋ねた。
「ふふ、まさかこの子が館の持ち主ですか?なんて、そんな筈ないですよね。」
「あー、その、フォーラ。非常に言いにくいんだが、彼がここの主人だ。我々騎士団に居場所を提供してくれている」
ルーピンはフォーラを一旦犬から離すために手を伸ばし、彼女の手を取ると立ち上がらせた。
「えっ?でも、」フォーラは自分の冗談にルーピンが随分真面目に同意するものだから、面食らった。
「実は、彼は君と同じなんだ。アニメーガスで、……!シリウス!やめろ!」
その時、黒い大型犬の毛が突然逆立ったと思うと、瞬く間に全身の毛が引いていき、布に覆われた肌色の皮膚と、黒っぽい無造作な髪の毛が現れた。それと同時にフォーラの目線より下だった頭頂部は軽々と彼女の背丈を追い越すまでに成長した。いや、正しくは変身した。
「!!」フォーラの目の前に現れたのは、何度も街中や至る所で目に止めたことのある、指名手配ポスターの人物だった。とはいえポスターの動く写真よりは髪型や髭など小綺麗だったし、顔もやつれすぎてはいなかった。その目の前の真っ黒な髪と瞳の男性がフォーラを見下ろして右手を差し出した。
「突然すまない。ようやく君と人の言葉で話ができる。今まで犬のふりをしていて悪かった。私が家主のシリウス・ブラックだ。よろしく」
「え、あ……、あの……」フォーラはあまりにも突然のことに頭が追いつかず、その場で意識を失い地面に倒れかけた。
「「「フォーラ!!」」」
その場にいた数人が叫ぶ中、間一髪のところで何とかルーピンがフォーラを支えながら床に座らせた。彼女は動物だと思っていた存在が、指名手配中の大悪党として有名な人物に突然姿を変えたことに頭がついていかなかったのだ。するとルーピンが膝立ちの状態のままシリウスに叱咤した。
「だからあれほど慎重にいこうと話したじゃないか!私が説明してから変身する約束だっただろう」
「いや、まさか倒れるなんて思わなくてつい」シリウスが慌てた様子で謝罪した。「早く一年半前の手当のお礼を伝えたかったんだ。すまない」
周りの何人かがフォーラを囲むと、キッチンにいたロンの両親たちも『なんだなんだ』と駆け寄ってきた。
「まあフォーラ!シリウス、貴方ったら一体何をしたの?」モリーの怒りの質問にシリウスはたじたじになり、苦笑いで頭を掻くばかりだった。見兼ねたルーピンは直ぐにフォーラの肩を軽く叩き、彼女の意識を呼び戻した。
「う、んん」
みんながフォーラの目覚めを確認したところで、ルーピンが「大丈夫、たいしたことじゃない」と野次馬たちを元いた場所へと追い立てた。フォーラは次第に自分がルーピンの腕の中にいることに気付くと、慌てて彼から離れた。
「!ごめんなさい先生、私」
その拍子にフォーラはふとルーピンの反対側を振り返ったのだが、視線の先にシリウス・ブラックがいたものだから途端に先程の事態を思い出した。彼女は怯えた様子で、思わず隠れるようにルーピンの腕の中に逆戻りした。
「ちょっと待ってくれ、私はここの主人ではない」
「えっ、でも、ハーマイオニーが教えてくれました。家主さんは大きくて黒いと。」
それを聞いた途端、ルーピンとキングズリーは顔を見合わせて爆発したように一斉に大笑いした。フォーラはわけが分からず、彼ら二人とハーマイオニーやジニーを不安そうに代わるがわる見た。すると彼女ら二人は幾らか困ったように笑い返してきた。
「ごめんなさいフォーラ、違うのよ。ちょっとややこしいから、どう伝えればいいか迷っちゃって」
ハーマイオニーの発言の後で、ルーピンが咳払いしながらなんとか口を開いた。
「私からもすまない、あまりにも面白くてつい笑ってしまって。フォーラの言うとおり、確かにここの主人は黒くて大きい見た目だとも。今呼んであげよう。おーい、誰かシリウスを知らないかな?」ルーピンが振り返って部屋にいた他のメンバーに尋ねた。
するとテーブルの向こうから、フォーラがホグワーツで見たことのある存在が姿を見せた。のしのしとこちらにやって来た大きな犬は黒い毛並みをたなびかせていた。フォーラはそれを見た途端、驚きのあまり無意識にその犬の方へと歩み寄った。
「この子……。あなた、前にホグワーツで会ったわ。それも二回も。そうよね?」
犬は一声鳴くと、尻尾を振って彼女の周りを一周した。フォーラは笑顔になって屈むと、犬の前脚にそっと手を伸ばした。犬は求められた方の脚を彼女の手の上に差し出した。
「覚えていてくれたのね。とっても嬉しいわ!それに、あなたの怪我が綺麗に治っているみたいで良かった。でも、どうしてあなたがここにいるの?もしかして誰かご主人様と一緒なの?」
フォーラは三年生の時、この犬が脚に怪我をしたまま城から逃げ出そうとするのを手当てし、助けたことがあった。あの時は犬が行く手を阻まれたと勘違いして彼女に怪我を負わせてしまったが、その翌年にホグズミードで偶然にも再開すると、大型犬は元気な姿で彼女を受け入れてくれたのだった。
「彼はずっと君に会いたがっていた」ルーピンが言った。
「そうだったんですか……。ふふ、私もよ。」フォーラは大型犬に笑いかけた後、ふと思い出したようにハーマイオニーに尋ねた。
「そういえば、ホグズミードでこの子に会った時、ハーマイオニーやハリー、それにロンも一緒だったわ。三人のうちの誰かがこの子の飼い主なのかしら。」
ハーマイオニーは以前、シリウス・ブラックから受け取った手紙に目を通した際、彼が犬の姿の時にフォーラに怪我を治してもらったことや、彼女が犬の姿しか知らないことを教えてもらっていた。
「えーと、飼い主ではないけれどハリーの家族よ。シリウスっていうの」
「まあ、そうだったの。あなたシリウスって言うのね。素敵な名前。」
フォーラは黒い犬の頭と首のあたりを優しく撫でながら、ルーピンに冗談ぽく尋ねた。
「ふふ、まさかこの子が館の持ち主ですか?なんて、そんな筈ないですよね。」
「あー、その、フォーラ。非常に言いにくいんだが、彼がここの主人だ。我々騎士団に居場所を提供してくれている」
ルーピンはフォーラを一旦犬から離すために手を伸ばし、彼女の手を取ると立ち上がらせた。
「えっ?でも、」フォーラは自分の冗談にルーピンが随分真面目に同意するものだから、面食らった。
「実は、彼は君と同じなんだ。アニメーガスで、……!シリウス!やめろ!」
その時、黒い大型犬の毛が突然逆立ったと思うと、瞬く間に全身の毛が引いていき、布に覆われた肌色の皮膚と、黒っぽい無造作な髪の毛が現れた。それと同時にフォーラの目線より下だった頭頂部は軽々と彼女の背丈を追い越すまでに成長した。いや、正しくは変身した。
「!!」フォーラの目の前に現れたのは、何度も街中や至る所で目に止めたことのある、指名手配ポスターの人物だった。とはいえポスターの動く写真よりは髪型や髭など小綺麗だったし、顔もやつれすぎてはいなかった。その目の前の真っ黒な髪と瞳の男性がフォーラを見下ろして右手を差し出した。
「突然すまない。ようやく君と人の言葉で話ができる。今まで犬のふりをしていて悪かった。私が家主のシリウス・ブラックだ。よろしく」
「え、あ……、あの……」フォーラはあまりにも突然のことに頭が追いつかず、その場で意識を失い地面に倒れかけた。
「「「フォーラ!!」」」
その場にいた数人が叫ぶ中、間一髪のところで何とかルーピンがフォーラを支えながら床に座らせた。彼女は動物だと思っていた存在が、指名手配中の大悪党として有名な人物に突然姿を変えたことに頭がついていかなかったのだ。するとルーピンが膝立ちの状態のままシリウスに叱咤した。
「だからあれほど慎重にいこうと話したじゃないか!私が説明してから変身する約束だっただろう」
「いや、まさか倒れるなんて思わなくてつい」シリウスが慌てた様子で謝罪した。「早く一年半前の手当のお礼を伝えたかったんだ。すまない」
周りの何人かがフォーラを囲むと、キッチンにいたロンの両親たちも『なんだなんだ』と駆け寄ってきた。
「まあフォーラ!シリウス、貴方ったら一体何をしたの?」モリーの怒りの質問にシリウスはたじたじになり、苦笑いで頭を掻くばかりだった。見兼ねたルーピンは直ぐにフォーラの肩を軽く叩き、彼女の意識を呼び戻した。
「う、んん」
みんながフォーラの目覚めを確認したところで、ルーピンが「大丈夫、たいしたことじゃない」と野次馬たちを元いた場所へと追い立てた。フォーラは次第に自分がルーピンの腕の中にいることに気付くと、慌てて彼から離れた。
「!ごめんなさい先生、私」
その拍子にフォーラはふとルーピンの反対側を振り返ったのだが、視線の先にシリウス・ブラックがいたものだから途端に先程の事態を思い出した。彼女は怯えた様子で、思わず隠れるようにルーピンの腕の中に逆戻りした。