24. I hope you are safe. (完)
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「だけど……屋敷しもべ妖精は、ご主人様の秘密を明かせない筈では?」
「ああ。確かに主人が禁止した事柄は口外できない。しかしそうでなければ他人に話すことはできる。例えば主人の好物や、他人の趣味などがそうだ。
我々は闇の陣営がポッターを欲しているのをよく分かっていた。そのため奴らがポッターをおびき寄せるため、ブラックが危険な目に遭っている『夢』をポッターに見せる可能性が高いと予測した」
「夢……?それじゃあハリーが私に伝えたことは……シリウスさんを助けに行くという話は、その夢のせいなのですか?」
「推察に過ぎないがその可能性が高い。実のところポッターは、これまで寝ている時に闇の帝王の視界を垣間見ることができた。ポッターの額の傷を通じて、ポッターと闇の帝王は不思議な力で繋がっている……その繋がりに闇の帝王が気付き、いつか逆に利用しようとする日が来る。元々、騎士団はそのように予想していたのだ」
フォーラはスネイプの最後の言葉に少しずつだが理解が追い付いていった。スネイプが続けた。
「そして今日クリーチャーを尋問して最後の最後に分かったことがある。我輩が今日この部屋で鏡を通じてブラックに連絡を取った数分前、ポッターが煙突飛行ネットワークを使って騎士団本部の暖炉に顔を出したということを。そしてポッターはその場にたった一人居たクリーチャーにブラックの居場所を尋ね、クリーチャーは……ブラックが神秘部に行ったという嘘を吐いた」
フォーラがハッと息を呑んだ。
「つまりだ。ポッターがブラックの居場所を確認しようとしたということは、ナルシッサが事前にクリーチャーから聞き出した『ポッターの大切な存在』を闇の帝王に伝え、帝王がポッターをおびき寄せるために『ブラックが危機的状況にある』という夢を見せただろうとことに繋がる。そしてナルシッサはクリーチャーに対し、ポッターをどうにかして神秘部に連れて行きたいということを前から相談していたに違いない」
「そんなことが……。」フォーラは驚きで、無理に声を絞り出さなければ言葉を発することができなかった。
「我輩はクリーチャーがポッターに吐いた嘘を聞いて、直ぐにホグワーツへ戻ってきた。ポッターが城にきちんと滞在しているか確認するために。そして結果は……知ってのとおりだ。
本来今日、我輩が騎士団本部に出向いた目的は、クリーチャーがどれだけの情報をナルシッサ・マルフォイに伝えたのか、その漏れた情報に今後どう対処していくかを騎士団員と話し合うことの筈だった。それがまさかここまで早急に事が進んでしまうとは」スネイプが滅入った様子で首を横に何度か振った。
「だけど、セブルスさんたちがその情報を掴んで準備してくれていたおかげで、きっとハリーたちは助かる筈ですよね……?出向いた先に……『例のあの人』がいたとしても……。」フォーラが懇願するように尋ねた。
「ああ、その筈だ。ダンブルドアにももう連絡が行った頃だろうからな。それにフォーラが早々にポッターの動向について伝えてくれたことで、騎士団員への連絡を早めることができた。恐らくポッターが魔法省に到着してそれほど経たない内に、騎士団員も目的地に到着するだろう」
それを聞いてフォーラはまだ内心大きな不安が渦巻いていたが、みんなが無事に帰ってくることを祈る気持ちを強めたのだった。
それからのフォーラは、スネイプに変身している間に学校で何が起こったかを話して聞かせた。アンブリッジがスネイプ姿のフォーラを呼びつけて真実薬を要求したことや、アンブリッジの部屋に侵入したハリーたちが尋問されていたこと。そしてスネイプ姿のフォーラが何かを伝えたがっているハリーに尋問の後で部屋へ来るよう伝えたが、彼は禁じられた森へ向かってしまったことなど。
「お前がそんなにも疲れ切っていた理由がよく分かった。フォーラ、本当に恩に着る」
「そんな、私はドラコから聞いた話をセブルスさんに伝えて、貴方がご不在の間の場を繋いだだけです。それに、もし本物のセブルスさんがハリーの『パッドフッドが捕まった』という言葉を聞いていたら……もっと早くに騎士団と連携が取れていたかもしれません。」フォーラが後悔の念強く言った。
「余計なことは考えるな。今日、お前ができる最善を尽くしたことを誇ればそれでいい。それにお前がポッターの行き先を把握していたことが、何よりも早急な対応に繋がったのだから」
「は、はい……。」
その後もフォーラは少しの間スネイプと言葉を交わした。それはスネイプがフォーラの習得した変身術をダンブルドアにのみ知られることになったという話だった。
「今回フォーラの変身によって我輩は、同じ時間に異なる場所で過ごしていたことになる。ただ我輩は依然として、お前の変身術については騎士団員に対しても秘密を貫く方がいいという考えは変わらない。周りに妙な心配を与え、あらぬ誤解を生みかねん。そして何より、その能力は知っている者が少ない程役立てることができるだろうからな」
「!」フォーラはスネイプの発言に少々驚いた。以前の彼はこの魔法に否定的だったが、今は役に立つと認めてくれたからだ。
「フォーラの術を隠すため、『ホグワーツで二時間過ごしていたセブルス・スネイプ』は、お前がポリジュース薬で我輩に変身していたと騎士団員に説明しておいた。誰も、我輩の手元にポリジュース薬が無い事は知る由もないのでな」
「わ、分かりました、ありがとうございます。」
それからの二人は、別日にフォーラの習得した変身術について詳細を確認し合う約束をした。そうしてその内にフォーラが落ち着きを取り戻していくと、彼女はようやくスネイプの部屋を出ることとなった。スネイプにはまだ現在進行形で騎士団からの情報を待つ責務がある。それにフォーラがこれ以上余計な心配で不安定にならないようにするためにも、彼女は友人たちのいる医務室へ見舞いに行って気分を紛らわせるよう、スネイプから指示された。
フォーラはハリーたちの安否が本当に心配だったが、言われたとおり医務室でドラコやパンジー、他の尋問官親衛隊の怪我の状態を見舞った。そうして友人たちやドラコが昨日アンブリッジの部屋で何があったかをフォーラに話して聞かせてくれた。友人たちはハリーたちがホグワーツを出たことまでは把握していないようだった。
フォーラは友人らが治療を受けてすっかり元気になった姿を見ていると、少しではあるが自分も元気付けられていくような気がしたのだった。
「ああ。確かに主人が禁止した事柄は口外できない。しかしそうでなければ他人に話すことはできる。例えば主人の好物や、他人の趣味などがそうだ。
我々は闇の陣営がポッターを欲しているのをよく分かっていた。そのため奴らがポッターをおびき寄せるため、ブラックが危険な目に遭っている『夢』をポッターに見せる可能性が高いと予測した」
「夢……?それじゃあハリーが私に伝えたことは……シリウスさんを助けに行くという話は、その夢のせいなのですか?」
「推察に過ぎないがその可能性が高い。実のところポッターは、これまで寝ている時に闇の帝王の視界を垣間見ることができた。ポッターの額の傷を通じて、ポッターと闇の帝王は不思議な力で繋がっている……その繋がりに闇の帝王が気付き、いつか逆に利用しようとする日が来る。元々、騎士団はそのように予想していたのだ」
フォーラはスネイプの最後の言葉に少しずつだが理解が追い付いていった。スネイプが続けた。
「そして今日クリーチャーを尋問して最後の最後に分かったことがある。我輩が今日この部屋で鏡を通じてブラックに連絡を取った数分前、ポッターが煙突飛行ネットワークを使って騎士団本部の暖炉に顔を出したということを。そしてポッターはその場にたった一人居たクリーチャーにブラックの居場所を尋ね、クリーチャーは……ブラックが神秘部に行ったという嘘を吐いた」
フォーラがハッと息を呑んだ。
「つまりだ。ポッターがブラックの居場所を確認しようとしたということは、ナルシッサが事前にクリーチャーから聞き出した『ポッターの大切な存在』を闇の帝王に伝え、帝王がポッターをおびき寄せるために『ブラックが危機的状況にある』という夢を見せただろうとことに繋がる。そしてナルシッサはクリーチャーに対し、ポッターをどうにかして神秘部に連れて行きたいということを前から相談していたに違いない」
「そんなことが……。」フォーラは驚きで、無理に声を絞り出さなければ言葉を発することができなかった。
「我輩はクリーチャーがポッターに吐いた嘘を聞いて、直ぐにホグワーツへ戻ってきた。ポッターが城にきちんと滞在しているか確認するために。そして結果は……知ってのとおりだ。
本来今日、我輩が騎士団本部に出向いた目的は、クリーチャーがどれだけの情報をナルシッサ・マルフォイに伝えたのか、その漏れた情報に今後どう対処していくかを騎士団員と話し合うことの筈だった。それがまさかここまで早急に事が進んでしまうとは」スネイプが滅入った様子で首を横に何度か振った。
「だけど、セブルスさんたちがその情報を掴んで準備してくれていたおかげで、きっとハリーたちは助かる筈ですよね……?出向いた先に……『例のあの人』がいたとしても……。」フォーラが懇願するように尋ねた。
「ああ、その筈だ。ダンブルドアにももう連絡が行った頃だろうからな。それにフォーラが早々にポッターの動向について伝えてくれたことで、騎士団員への連絡を早めることができた。恐らくポッターが魔法省に到着してそれほど経たない内に、騎士団員も目的地に到着するだろう」
それを聞いてフォーラはまだ内心大きな不安が渦巻いていたが、みんなが無事に帰ってくることを祈る気持ちを強めたのだった。
それからのフォーラは、スネイプに変身している間に学校で何が起こったかを話して聞かせた。アンブリッジがスネイプ姿のフォーラを呼びつけて真実薬を要求したことや、アンブリッジの部屋に侵入したハリーたちが尋問されていたこと。そしてスネイプ姿のフォーラが何かを伝えたがっているハリーに尋問の後で部屋へ来るよう伝えたが、彼は禁じられた森へ向かってしまったことなど。
「お前がそんなにも疲れ切っていた理由がよく分かった。フォーラ、本当に恩に着る」
「そんな、私はドラコから聞いた話をセブルスさんに伝えて、貴方がご不在の間の場を繋いだだけです。それに、もし本物のセブルスさんがハリーの『パッドフッドが捕まった』という言葉を聞いていたら……もっと早くに騎士団と連携が取れていたかもしれません。」フォーラが後悔の念強く言った。
「余計なことは考えるな。今日、お前ができる最善を尽くしたことを誇ればそれでいい。それにお前がポッターの行き先を把握していたことが、何よりも早急な対応に繋がったのだから」
「は、はい……。」
その後もフォーラは少しの間スネイプと言葉を交わした。それはスネイプがフォーラの習得した変身術をダンブルドアにのみ知られることになったという話だった。
「今回フォーラの変身によって我輩は、同じ時間に異なる場所で過ごしていたことになる。ただ我輩は依然として、お前の変身術については騎士団員に対しても秘密を貫く方がいいという考えは変わらない。周りに妙な心配を与え、あらぬ誤解を生みかねん。そして何より、その能力は知っている者が少ない程役立てることができるだろうからな」
「!」フォーラはスネイプの発言に少々驚いた。以前の彼はこの魔法に否定的だったが、今は役に立つと認めてくれたからだ。
「フォーラの術を隠すため、『ホグワーツで二時間過ごしていたセブルス・スネイプ』は、お前がポリジュース薬で我輩に変身していたと騎士団員に説明しておいた。誰も、我輩の手元にポリジュース薬が無い事は知る由もないのでな」
「わ、分かりました、ありがとうございます。」
それからの二人は、別日にフォーラの習得した変身術について詳細を確認し合う約束をした。そうしてその内にフォーラが落ち着きを取り戻していくと、彼女はようやくスネイプの部屋を出ることとなった。スネイプにはまだ現在進行形で騎士団からの情報を待つ責務がある。それにフォーラがこれ以上余計な心配で不安定にならないようにするためにも、彼女は友人たちのいる医務室へ見舞いに行って気分を紛らわせるよう、スネイプから指示された。
フォーラはハリーたちの安否が本当に心配だったが、言われたとおり医務室でドラコやパンジー、他の尋問官親衛隊の怪我の状態を見舞った。そうして友人たちやドラコが昨日アンブリッジの部屋で何があったかをフォーラに話して聞かせてくれた。友人たちはハリーたちがホグワーツを出たことまでは把握していないようだった。
フォーラは友人らが治療を受けてすっかり元気になった姿を見ていると、少しではあるが自分も元気付けられていくような気がしたのだった。