22.Sweet seduction
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さて、ドラコは昨日のことは一旦忘れようと男子寮で気持ちを落ち着かせ、朝食を摂るためにスリザリンの談話室に降りた。するとそこには彼の到着を待つフォーラの姿があった。彼女はパンジーやルニーと共にローテーブルを囲んでソファに座っており、彼女の膝の上にはローブが抱えられていた。
「!ドラコ、おはよう。」
ドラコはフォーラの挨拶に返答しながら彼女たちの方へ近付いた。するとフォーラが立ち上がって彼にローブを差し出した。
「これ、昨日貴方に返さないまま女子寮に上がってしまって、ごめんなさい。今日も少し冷えるみたいだから、朝一番に返さなきゃって思っていたの。」
ドラコはその話を聞きながら、つい先程男子寮で忘れようと努めた昨晩の出来事が、頭の中を掠めていくのを感じた。
「ああ、大丈夫だ。気にしなくていい」
そのように冷静な態度で返答しつつ、ドラコは受け取ったローブに袖を通した。すると彼はそのローブがいつもと違うことに直ぐ気が付いた。というのも、ローブから何とも言い難い良い香りがするのだ。そしてそれは確かに昨晩、風呂上りのフォーラから香った甘い匂いと殆ど同じだった。彼はそれを理解するや否や、無意識の内に少々緊張気味に身体を強張らせた。
フォーラはドラコが暫く無言だったものだから、どうしたのかと質問した。すると彼は躊躇い気味に彼女をじっと見つめ、周囲の朝の騒めきによって搔き消されそうな程の小さな声で返答した。
「その……ローブから良い匂いが―――君の香りがする気がして、少し驚いたというか……」
ドラコは自分の口から発した言葉にとてつもない羞恥心を感じ、最後は消え入りそうな程の声になって視線を逸らした。
「今のは忘れてくれ。随分気持ちの悪いことを言ってしまった」
彼の話を聞いたフォーラは次第に顔を赤らめた。
「あ、あの……ごめんなさい……!」
フォーラがどういうわけか謝罪してくるものだから、ドラコは不思議そうに彼女の方を見た。すると彼女はドラコに耳打ちした。
「多分……私が昨日、貴方のローブを抱き締めて、眠ってしまったからだと思うの……。」
「えっ?」ドラコは思わず素っ頓狂な声を発した。一方のフォーラは両手で自分の赤くなった顔を軽く覆い隠した。
フォーラは確かに昨日、女子寮に戻った時にドラコのローブと共に眠りについていた。それはドラコが彼女の香りに感じたのと同じく、彼女もまたドラコのローブから香るシトラスのような爽やかな匂いに惹かれていたからだった。彼女は手で顔を隠したまま言葉を続けた。
「貴方のローブの香りが、とっても落ち着きや幸せを感じられて……つい、出来心でそんなことをしてしまったの……。」
「そ、そうだったのか」
ドラコは一度に様々な感情が押し寄せて―――フォーラの行動に対する驚きや、自分のローブが臭くなくて良かったという安堵とか―――何と言葉を返せばいいか戸惑った。そして次に彼の脳裏に自然と描かれたのは、フォーラが彼のローブを抱えてベッドに潜る、何とも艶っぽい様子だった。彼はその情景にぶわっと心臓がむず痒くなり、心の中で首を横に振ってその妄想を薙ぎ払った。
「あー、その……別に、君は何も謝る必要なんてない。寧ろそんな風に思ってもらえて、嬉しさしかないんだが……。だから気にしなくていいし、その手を退けて顔を見せてくれないか」
ドラコがそう言ってフォーラの両手首にそっと触れた。すると彼女はおずおずと両手を下げ、羞恥心で真っ赤になった顔を露わにした。そしてドラコの方を見上げると、互いに照れた笑顔を見せあったのだった。
「さあ、朝から二人が仲良くしてるのを見れて安心したところで、そろそろ朝食に行きましょうか?」
パンジーがルニーと共にニコニコとした笑みを交わしながら、ドラコとフォーラの横を通り過ぎた。彼女の言葉を聞いたドラコたちは我に返り、先程よりも強い気恥ずかしさに顔から火が噴き出そうになったのだった。
「!ドラコ、おはよう。」
ドラコはフォーラの挨拶に返答しながら彼女たちの方へ近付いた。するとフォーラが立ち上がって彼にローブを差し出した。
「これ、昨日貴方に返さないまま女子寮に上がってしまって、ごめんなさい。今日も少し冷えるみたいだから、朝一番に返さなきゃって思っていたの。」
ドラコはその話を聞きながら、つい先程男子寮で忘れようと努めた昨晩の出来事が、頭の中を掠めていくのを感じた。
「ああ、大丈夫だ。気にしなくていい」
そのように冷静な態度で返答しつつ、ドラコは受け取ったローブに袖を通した。すると彼はそのローブがいつもと違うことに直ぐ気が付いた。というのも、ローブから何とも言い難い良い香りがするのだ。そしてそれは確かに昨晩、風呂上りのフォーラから香った甘い匂いと殆ど同じだった。彼はそれを理解するや否や、無意識の内に少々緊張気味に身体を強張らせた。
フォーラはドラコが暫く無言だったものだから、どうしたのかと質問した。すると彼は躊躇い気味に彼女をじっと見つめ、周囲の朝の騒めきによって搔き消されそうな程の小さな声で返答した。
「その……ローブから良い匂いが―――君の香りがする気がして、少し驚いたというか……」
ドラコは自分の口から発した言葉にとてつもない羞恥心を感じ、最後は消え入りそうな程の声になって視線を逸らした。
「今のは忘れてくれ。随分気持ちの悪いことを言ってしまった」
彼の話を聞いたフォーラは次第に顔を赤らめた。
「あ、あの……ごめんなさい……!」
フォーラがどういうわけか謝罪してくるものだから、ドラコは不思議そうに彼女の方を見た。すると彼女はドラコに耳打ちした。
「多分……私が昨日、貴方のローブを抱き締めて、眠ってしまったからだと思うの……。」
「えっ?」ドラコは思わず素っ頓狂な声を発した。一方のフォーラは両手で自分の赤くなった顔を軽く覆い隠した。
フォーラは確かに昨日、女子寮に戻った時にドラコのローブと共に眠りについていた。それはドラコが彼女の香りに感じたのと同じく、彼女もまたドラコのローブから香るシトラスのような爽やかな匂いに惹かれていたからだった。彼女は手で顔を隠したまま言葉を続けた。
「貴方のローブの香りが、とっても落ち着きや幸せを感じられて……つい、出来心でそんなことをしてしまったの……。」
「そ、そうだったのか」
ドラコは一度に様々な感情が押し寄せて―――フォーラの行動に対する驚きや、自分のローブが臭くなくて良かったという安堵とか―――何と言葉を返せばいいか戸惑った。そして次に彼の脳裏に自然と描かれたのは、フォーラが彼のローブを抱えてベッドに潜る、何とも艶っぽい様子だった。彼はその情景にぶわっと心臓がむず痒くなり、心の中で首を横に振ってその妄想を薙ぎ払った。
「あー、その……別に、君は何も謝る必要なんてない。寧ろそんな風に思ってもらえて、嬉しさしかないんだが……。だから気にしなくていいし、その手を退けて顔を見せてくれないか」
ドラコがそう言ってフォーラの両手首にそっと触れた。すると彼女はおずおずと両手を下げ、羞恥心で真っ赤になった顔を露わにした。そしてドラコの方を見上げると、互いに照れた笑顔を見せあったのだった。
「さあ、朝から二人が仲良くしてるのを見れて安心したところで、そろそろ朝食に行きましょうか?」
パンジーがルニーと共にニコニコとした笑みを交わしながら、ドラコとフォーラの横を通り過ぎた。彼女の言葉を聞いたドラコたちは我に返り、先程よりも強い気恥ずかしさに顔から火が噴き出そうになったのだった。