2. いい子のふり
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「それにしても」フォーラが再び口を開いた。「驚きました、ブラックさんも、スキャバーズも、それからハリーのお父様も、みんな未登録のアニメーガスだったのですね。未登録ってそんなに沢山いるものなんですか?てっきり魔法省のリストに載っているのが全員かと思っていました。」
それを聞いてシリウスが思わずニヤッと笑った。
「みんなが知らないだけで案外いるさ。沢山ではないだろうがね。自分に都合のいい生き物に変身できた奴ほど登録なんかしない。それには大きさも関係ない。知っているとは思うが、アニメーガスは全員が私たちみたいに哺乳類の動物に変身するわけじゃない。鳥だっているし、なんなら人に見つかりにくい昆虫だっている。そういう奴らが登録もせず、ずる賢く景色に紛れて行動してるのさ。まあ紛れるという点では私もその一人なわけだが。だからきちんと魔法省に申請した君は本当に偉いと思うよ」
「そんな、偉いだなんて違うんです、本当は」フォーラは即座にそこまで言いかけたが、その続きを言えなかった。『自らアニメーガスの件を公表したわけではない』と、そう伝えるだけなのに。
当時、ルーピンが学校を去る前夜の晩餐の場で、フォーラはアニメーガスの能力を全校生徒の前で披露した。しかし彼女には、この場にいるルーピンを含めたみんなが、まさか自分がダンブルドアによって半強制的に公衆の面前でアニメーガスの能力を自白させられたとは知る由もないのだと分かっていた。あの出来事がなければ、フォーラは今もこの能力を未登録のままにしていた可能性だってあり得た。
「何、謙遜する必要はないさ」
「いえ……」フォーラはシリウスの言葉に思わず目を背けてしまった。
いつも自分はいい子のふりをして、周りからよく思われようとしている。そのことを初めて自覚したのはルーピンと関わりだした頃だった。彼がまだ城で教職に就いていた時、フォーラは黒猫姿で満月の夜に狼姿の彼の所へ定期的にかよった。そして、一度だってその猫が自分なのだと打ち明けようとはしなかった。
加えて、いい子のふりをより顕著に自覚したのは、自身が純血でないと知った時だった。フォーラは昔から、穢れた血というのは同じ魔法族だと思う反面、心の奥底の何処かでは可哀そうな存在なのだと認識していた。それは自分が純血で、周りに守られているからこそ持てた考えだった。
それが自分も穢れた血側の人種だったと知らされた時には本当に絶望してしまった。自分がこんな風に穢れた血を見下していた最低な人間だと知っているのは、唯一セブルス・スネイプのみだった。
ほんの数か月前、フォーラは自分がマグル生まれだと知った時に思わずその心境を恩師に打ち明けてしまったのだ。その際に彼女が自らを『穢れた血』と罵ると、スネイプは彼女に対して随分声を荒げて叱咤した。それ以来、彼女は自らを卑下する感情を誰にも話していない。そのため彼以外には卑怯なフォーラ・ファントムを知る人はいない。彼女は周囲にこれ以上幻滅されるのが怖かった。
「フォーラ?フォーラったら」ハーマイオニーの声で、彼女はようやく意識を引き戻した。
「えっ?あ、ごめんなさい!少しぼーっとしてしまって。」
ルーピンは遠目にフォーラを見ていたが、直ぐに視線を外してシリウスたちの話題に加わった。しかし、彼の脳裏には先程のフォーラの様子が何度も浮かんでは消えていたのだった。
それを聞いてシリウスが思わずニヤッと笑った。
「みんなが知らないだけで案外いるさ。沢山ではないだろうがね。自分に都合のいい生き物に変身できた奴ほど登録なんかしない。それには大きさも関係ない。知っているとは思うが、アニメーガスは全員が私たちみたいに哺乳類の動物に変身するわけじゃない。鳥だっているし、なんなら人に見つかりにくい昆虫だっている。そういう奴らが登録もせず、ずる賢く景色に紛れて行動してるのさ。まあ紛れるという点では私もその一人なわけだが。だからきちんと魔法省に申請した君は本当に偉いと思うよ」
「そんな、偉いだなんて違うんです、本当は」フォーラは即座にそこまで言いかけたが、その続きを言えなかった。『自らアニメーガスの件を公表したわけではない』と、そう伝えるだけなのに。
当時、ルーピンが学校を去る前夜の晩餐の場で、フォーラはアニメーガスの能力を全校生徒の前で披露した。しかし彼女には、この場にいるルーピンを含めたみんなが、まさか自分がダンブルドアによって半強制的に公衆の面前でアニメーガスの能力を自白させられたとは知る由もないのだと分かっていた。あの出来事がなければ、フォーラは今もこの能力を未登録のままにしていた可能性だってあり得た。
「何、謙遜する必要はないさ」
「いえ……」フォーラはシリウスの言葉に思わず目を背けてしまった。
いつも自分はいい子のふりをして、周りからよく思われようとしている。そのことを初めて自覚したのはルーピンと関わりだした頃だった。彼がまだ城で教職に就いていた時、フォーラは黒猫姿で満月の夜に狼姿の彼の所へ定期的にかよった。そして、一度だってその猫が自分なのだと打ち明けようとはしなかった。
加えて、いい子のふりをより顕著に自覚したのは、自身が純血でないと知った時だった。フォーラは昔から、穢れた血というのは同じ魔法族だと思う反面、心の奥底の何処かでは可哀そうな存在なのだと認識していた。それは自分が純血で、周りに守られているからこそ持てた考えだった。
それが自分も穢れた血側の人種だったと知らされた時には本当に絶望してしまった。自分がこんな風に穢れた血を見下していた最低な人間だと知っているのは、唯一セブルス・スネイプのみだった。
ほんの数か月前、フォーラは自分がマグル生まれだと知った時に思わずその心境を恩師に打ち明けてしまったのだ。その際に彼女が自らを『穢れた血』と罵ると、スネイプは彼女に対して随分声を荒げて叱咤した。それ以来、彼女は自らを卑下する感情を誰にも話していない。そのため彼以外には卑怯なフォーラ・ファントムを知る人はいない。彼女は周囲にこれ以上幻滅されるのが怖かった。
「フォーラ?フォーラったら」ハーマイオニーの声で、彼女はようやく意識を引き戻した。
「えっ?あ、ごめんなさい!少しぼーっとしてしまって。」
ルーピンは遠目にフォーラを見ていたが、直ぐに視線を外してシリウスたちの話題に加わった。しかし、彼の脳裏には先程のフォーラの様子が何度も浮かんでは消えていたのだった。