18. 特別な君②
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その後、フォーラたちが朝食を摂り終えた頃、ふくろうの群れが生徒たちの頭上を飛び交う時間となった。ふくろうたちはアンブリッジによって検閲済みの荷物や手紙を届け先の生徒の元へ運んでいったのだが、その際フォーラのローブのポケットが熱を帯びた。
フォーラは周囲の生徒が自分の荷物や友人とのお喋りに夢中になっている隙に、ポケットからサッと例の羊皮紙を取り出した。そこにはハーマイオニーの筆跡でこう書かれていた。
『色々あって連絡が遅くなってごめんなさい。昨日は本当にありがとう。あなたからの連絡がなければ全員捕まっていた筈。もし見つかっていたら、当然あの場にはMr.Dもいなかったから(フォーラはMr.Dというのがダンブルドアのことを指していると理解した)、今回彼がついた嘘ではきっと通用しなかったかもしれない。
本当は直接お礼を言いたいけど、直接会わない方がきっとお互いのためよね。また上手くタイミングが合えば是非直接お礼を言わせて』
(私に出来る範囲で、少しは役に立てたのね。よかった)
さてその日、午前中の授業やその合間、生徒たちは何処に行ってもダンブルドアが逃亡した話で持ち切りだった。加えてアンブリッジが校長に就任したことについての話題も勿論囁かれた。
そんな中、フォーラたちが次の教室に向かうために廊下に出た時、フォーラの隣にいたパンジーの元へ一通のふくろう便が届いた。パンジーはそれがアンブリッジからのものだと教えてくれた。彼女は封筒から手紙を取り出したのだが、その際何か別な物も同封されていることに気が付いた。入っていたのはIの字型の小さな銀バッジだった。
パンジーは手紙の中身に目を通した―――すると彼女の眉間に軽く皺が寄った。フォーラとルニーはどうしたのだろうと顔を見合わせ、質問した。
「うん、尋問官親衛隊の、すこーーーし面倒くさい活動が増えちゃってね……」
フォーラが続きを促そうとした時、ちょうどフォーラたちの近くを、ハッフルパフの寮監をしているアーニー・マクミランと、グリフィンドールのハリー、ハーマイオニー、ロンが通りがかった。その際に彼らの話が聞こえてきた。彼らは話に夢中で、フォーラたちには気が付かない様子だった。
「『太った修道士』が話してくれたんだけど、アンブリッジが昨日の夜、城内や校庭でダンブルドアを探した後、校長室に戻ろうとしたらしいんだ。そうしたら、入り口を塞いでるガーゴイル像のところを通れなかったってさ。校長室は独りでに封鎖して、アンブリッジを締め出したんだ。どうやらあいつ、相当癇癪を起したらしい」
「ああ、あの人、きっと校長室に座る自分の姿を見てみたくてしょうがなかったんだわ」ハーマイオニーがアーニーに言った。「ほかの先生より自分が偉いんだぞって。バカな思い上がりの、権力に取っつかれたばばぁの―――」
ハーマイオニーがそのようにきつい言い方をした時だった。ドラコとクラッブ、ゴイルの三人が廊下の曲がり角から現れた。ドラコは意地悪な笑みを浮かべ、ハーマイオニーたちの前に立ちはだかった。
「おーや、君、本気で最後まで言うつもりかい?グレンジャー?気の毒だが、グリフィンドールとハッフルパフから少し減点しないといけないねえ。
なあパーキンソン、君もこいつらの話していた内容はそれに値すると思うだろ?」
ドラコは近くにいたパンジーの方を見てそう尋ねた。ハリーたちはたった今、フォーラとその友人がその場に居合わせていることに気が付き、少々驚いている様子だった。そしてフォーラはドラコの視線がこちらを向かないことの他に、彼の胸元に先程パンジーが手にしていたのと同じ銀色のバッジが輝いていることに気が付いた。クラッブとゴイルの胸にも同じものが付いている。
ドラコの問いにパンジーが少々ため息交じりで頷き、アンブリッジからの手紙を軽く掲げて見せた。
「この手紙の通りなら、その対象になるわね」
「監督生同士は減点できないぞ、マルフォイ」
アーニーが即座にそう言ったが、クラッブとゴイルは嘲り笑った。ドラコが得意げに言った。
「監督生同士ならお互いに減点できないのは知ってるよ。だけど、尋問官親衛隊には監督生からも減点できる権限が付与されたんだ」ドラコが胸の銀バッジを指した。「そこでグレンジャー、新しい校長に対する無礼な態度で五点減点。マクミラン、僕に逆らったから五点。ポッター、お前が気に食わないから五点。ウィーズリー、シャツがはみ出しているからもう五点減点。ああそうだ、グレンジャー、あと君は―――」
ドラコは勢いに任せて続きを言おうとしたが、最後に言いかけた言葉には突然口をつぐんでしまった。彼は本当ならハーマイオニーに『穢れた血だから十点減点』と言うつもりだった。日頃から敵対しているグリフィンドールへの腹いせに加え、この際フォーラの前で可能な限り傍若無人な態度を取ろうと考えていたからだ。
しかしドラコはフォーラの前で、どうしても『穢れた血』という言葉だけは口に出すことができなかった。それは二人がまだ二年生の頃、ドラコがハーマイオニーに初めてその最も酷い侮辱の言葉を使った時の記憶のせいだった。あの時は、純血主義でないフォーラがドラコに酷く怒り、悲しみ、ドラコと仲違いを起こす寸前までいった。それ以前はその言葉に何の抵抗もなかったドラコも、以降は一切『穢れた血』と言わなくなった程だ。
しかし今、フォーラに嫌われることを望んでいるドラコとしては、一言『穢れた血』と発してしまえばいい筈だった。それなのにそうできない理由は、昨日フォーラを既に傷つけた上、更に彼女に傷を上塗りしてまで、心の距離を離したくないという身勝手な想いが根底にあったからだった。
ロンはドラコがこれ以上何に減点しようというのかと怒って既に杖を抜いていたが、それをハーマイオニーが押し戻した。
「駄目よ」
「賢明だな、グレンジャー」ドラコは何事もなかったかのように落ち着き払い、囁くようにそう言った。「新しい校長、新しい時代だ。いい子にするんだぞ、ポッティ(馬鹿)、ウィー『ズル』王者」
ドラコはそう言うと、高笑いしながらクラッブとゴイルと共に去って行ってしまった。フォーラやパンジー、ルニーは互いに顔を見合わせた。三人にとっては、昨日のことを考えると今のドラコはどうしても無理しているようにしか見えなかったからだ。
フォーラは周囲の生徒が自分の荷物や友人とのお喋りに夢中になっている隙に、ポケットからサッと例の羊皮紙を取り出した。そこにはハーマイオニーの筆跡でこう書かれていた。
『色々あって連絡が遅くなってごめんなさい。昨日は本当にありがとう。あなたからの連絡がなければ全員捕まっていた筈。もし見つかっていたら、当然あの場にはMr.Dもいなかったから(フォーラはMr.Dというのがダンブルドアのことを指していると理解した)、今回彼がついた嘘ではきっと通用しなかったかもしれない。
本当は直接お礼を言いたいけど、直接会わない方がきっとお互いのためよね。また上手くタイミングが合えば是非直接お礼を言わせて』
(私に出来る範囲で、少しは役に立てたのね。よかった)
さてその日、午前中の授業やその合間、生徒たちは何処に行ってもダンブルドアが逃亡した話で持ち切りだった。加えてアンブリッジが校長に就任したことについての話題も勿論囁かれた。
そんな中、フォーラたちが次の教室に向かうために廊下に出た時、フォーラの隣にいたパンジーの元へ一通のふくろう便が届いた。パンジーはそれがアンブリッジからのものだと教えてくれた。彼女は封筒から手紙を取り出したのだが、その際何か別な物も同封されていることに気が付いた。入っていたのはIの字型の小さな銀バッジだった。
パンジーは手紙の中身に目を通した―――すると彼女の眉間に軽く皺が寄った。フォーラとルニーはどうしたのだろうと顔を見合わせ、質問した。
「うん、尋問官親衛隊の、すこーーーし面倒くさい活動が増えちゃってね……」
フォーラが続きを促そうとした時、ちょうどフォーラたちの近くを、ハッフルパフの寮監をしているアーニー・マクミランと、グリフィンドールのハリー、ハーマイオニー、ロンが通りがかった。その際に彼らの話が聞こえてきた。彼らは話に夢中で、フォーラたちには気が付かない様子だった。
「『太った修道士』が話してくれたんだけど、アンブリッジが昨日の夜、城内や校庭でダンブルドアを探した後、校長室に戻ろうとしたらしいんだ。そうしたら、入り口を塞いでるガーゴイル像のところを通れなかったってさ。校長室は独りでに封鎖して、アンブリッジを締め出したんだ。どうやらあいつ、相当癇癪を起したらしい」
「ああ、あの人、きっと校長室に座る自分の姿を見てみたくてしょうがなかったんだわ」ハーマイオニーがアーニーに言った。「ほかの先生より自分が偉いんだぞって。バカな思い上がりの、権力に取っつかれたばばぁの―――」
ハーマイオニーがそのようにきつい言い方をした時だった。ドラコとクラッブ、ゴイルの三人が廊下の曲がり角から現れた。ドラコは意地悪な笑みを浮かべ、ハーマイオニーたちの前に立ちはだかった。
「おーや、君、本気で最後まで言うつもりかい?グレンジャー?気の毒だが、グリフィンドールとハッフルパフから少し減点しないといけないねえ。
なあパーキンソン、君もこいつらの話していた内容はそれに値すると思うだろ?」
ドラコは近くにいたパンジーの方を見てそう尋ねた。ハリーたちはたった今、フォーラとその友人がその場に居合わせていることに気が付き、少々驚いている様子だった。そしてフォーラはドラコの視線がこちらを向かないことの他に、彼の胸元に先程パンジーが手にしていたのと同じ銀色のバッジが輝いていることに気が付いた。クラッブとゴイルの胸にも同じものが付いている。
ドラコの問いにパンジーが少々ため息交じりで頷き、アンブリッジからの手紙を軽く掲げて見せた。
「この手紙の通りなら、その対象になるわね」
「監督生同士は減点できないぞ、マルフォイ」
アーニーが即座にそう言ったが、クラッブとゴイルは嘲り笑った。ドラコが得意げに言った。
「監督生同士ならお互いに減点できないのは知ってるよ。だけど、尋問官親衛隊には監督生からも減点できる権限が付与されたんだ」ドラコが胸の銀バッジを指した。「そこでグレンジャー、新しい校長に対する無礼な態度で五点減点。マクミラン、僕に逆らったから五点。ポッター、お前が気に食わないから五点。ウィーズリー、シャツがはみ出しているからもう五点減点。ああそうだ、グレンジャー、あと君は―――」
ドラコは勢いに任せて続きを言おうとしたが、最後に言いかけた言葉には突然口をつぐんでしまった。彼は本当ならハーマイオニーに『穢れた血だから十点減点』と言うつもりだった。日頃から敵対しているグリフィンドールへの腹いせに加え、この際フォーラの前で可能な限り傍若無人な態度を取ろうと考えていたからだ。
しかしドラコはフォーラの前で、どうしても『穢れた血』という言葉だけは口に出すことができなかった。それは二人がまだ二年生の頃、ドラコがハーマイオニーに初めてその最も酷い侮辱の言葉を使った時の記憶のせいだった。あの時は、純血主義でないフォーラがドラコに酷く怒り、悲しみ、ドラコと仲違いを起こす寸前までいった。それ以前はその言葉に何の抵抗もなかったドラコも、以降は一切『穢れた血』と言わなくなった程だ。
しかし今、フォーラに嫌われることを望んでいるドラコとしては、一言『穢れた血』と発してしまえばいい筈だった。それなのにそうできない理由は、昨日フォーラを既に傷つけた上、更に彼女に傷を上塗りしてまで、心の距離を離したくないという身勝手な想いが根底にあったからだった。
ロンはドラコがこれ以上何に減点しようというのかと怒って既に杖を抜いていたが、それをハーマイオニーが押し戻した。
「駄目よ」
「賢明だな、グレンジャー」ドラコは何事もなかったかのように落ち着き払い、囁くようにそう言った。「新しい校長、新しい時代だ。いい子にするんだぞ、ポッティ(馬鹿)、ウィー『ズル』王者」
ドラコはそう言うと、高笑いしながらクラッブとゴイルと共に去って行ってしまった。フォーラやパンジー、ルニーは互いに顔を見合わせた。三人にとっては、昨日のことを考えると今のドラコはどうしても無理しているようにしか見えなかったからだ。