17. 特別な君①
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「急に時間を作って欲しいだなんて迷惑だったわよね。ごめんなさい。だけど、この教室に長居するわけにもいかないし……。アンブリッジ先生だって戻って来るかもしれない。」
「……それなら気にしなくていい。先生はいつもこの時間は城の中を見回りに出ているから」
「そう……そういうことなら、お言葉に甘えて話すわ。」フォーラが緊張を無理矢理落ち着けようと、浅くひと呼吸した。「私、つい最近、貴方とアマンダが別れたことを小耳に挟んだの。」
「ああ、それで?」
ドラコはなるべくフォーラの方を見ないように努めたが、そのような意志とは反対に、彼女が一生懸命に何かを伝えようとする姿を目に入れたいと思う自分がいた。そのせいで、彼は無意識のうちに彼女と目を合わせてしまっていた。
「私、それを聞いて、……貴方に自分の気持ちを伝えるなら、今しかないと思ったわ。」
「!」
フォーラはゆっくりとドラコの方に歩みを進め、彼の腕に触れられそうなくらいの距離にまで近付いた。彼女から見たドラコはしっかりこちらを見ていたし、狼狽えながらも視線を逸らすことができない様子だった。それはまるで、これから彼女が何を言おうとしているのか、彼が把握しているかのようだった。
フォーラにはそれが伝わってきたし、そのせいで彼女の心臓は余計に早鐘を打った。何なら緊張のあまり涙も出てきそうだったが、それでも彼女は怖気づかないよう自分を奮い立たせ、心からの笑顔を彼に向けたのだった。
「ずっと言えなかったけれど、私……。ドラコが四年生の終わりに告白してくれたその前から今も、ずっと貴方のことが大好きよ……。」
その瞬間、ドラコは呼吸することを忘れてしまったようだった。確かに彼はフォーラに何を言われるか、ある程度予想していた。しかし実際にその状況を目の当たりにしてみれば、そんな想像など足元にも及ばなかった。ドラコは涙が出そうな程に心の底から嬉しくて、驚いて、心臓が不安なくらい煩くて、締め付けられるくらい苦しかった。
「今更だって思われることは分かっているわ。四年生の終わりに貴方の告白を断って傷つけて、それからこんなに気持ちを伝えるのが遅くなってしまって……。ドラコ、あの時は、貴方想いを断ってしまって……本当にごめんなさい。」
フォーラの瞳には堪えていた筈の涙が浮かんでいた。それを見て、ドラコはつい先程まで彼女に冷たい態度で接していたことなどすっかり忘れてしまったようだった。彼は想像していたよりもずっと前から彼女に想われていたことや、何なら最初から両想いだったことについて、にわかには信じられない様子だった。ドラコは何とか冷静さを保とうとしながら、静かに口を開いた。
「き……君が、最近になって随分僕に積極的になっている気はしていたんだ。だけど、まさかそんなに前から」
「……私ね、ドラコに好きだと言ってもらえた時、本当に嬉しかったわ。私と同じ気持ちでいてくれていたんだって。だけど、……だけどそれと同時に、貴方の好意を受け入れるのが怖かった。
貴方のことを小さい時から本当に大切に想ってきから、だから……今までみたいに、ただの幼馴染でいられなくなってしまうことや、純血主義の貴方と、マグル生まれの人たちとも平気で仲良くする私―――殆ど『血を裏切る者』と言っても過言でないような私が、貴方と恋人として肩を並べることが、とっても不安だったの。」
フォーラがドラコの告白を断った本当の理由は、言わずもがな彼女自身がマグル生まれの『穢れた血』であり、それがドラコやマルフォイ家が忌み嫌う存在だということだった。フォーラはこうしてドラコにその真実を隠し、堂々と嘘を伝えていることに心を痛めていた。ドラコは彼女が涙を堪えているのがそのような理由だとは露程も知らず、彼女の話の続きを不安げな表情で聞いたのだった。
「だから、あの時は貴方の気持ちに応える自信がなかったわ……。だけど、今日まで貴方のことを考えない日はなかった。それに、ドラコがアマンダと付き合い始めたと知った時、勝手だと分かっていても、心の底から羨ましいと思う気持ちは常に抱えていたわ。」
フォーラは涙を拭うと、改めてドラコの瞳を見た。
「そうこうしているうちに、クリスマスにうちでのダンスパーティーがあったのだけど。あの時、貴方はほんの少しでも私に優しく接してくれたでしょう?あのことをきっかけに、私は自分の不安なんてどうでもよくなるくらい、ドラコのことが好きなんだって改めて自覚したわ。本当に色々と全てが遅すぎたけれど、それでも貴方のことを諦めたくないと思ったの。」
「だから君は、最近特に随分……」
続きを言いにくそうにするドラコに、フォーラは少々気恥ずかしそうな笑顔で頷いた。
「私、ドラコに嫌われていると分かっていたけど、少しでも私の気持ちを知って欲しくて。だからクリスマス以降、目に見えて分かるくらい貴方に積極的になっていたの。そのせいで、余計に貴方を不快にさせる可能性があることも分かっていたけれど……。それはこうして話している今も同じかもしれないわね……。」
そう言って自虐的に笑ったフォーラの声が微かに震えていることにドラコは気付いた。それによって彼は彼女が気丈に振舞いながらも、これまで冷たく接されてきた相手に向かって、相当勇気を振り絞って気持ちを伝えているのだと理解した。
「違う」
ドラコが静かに伝えた言葉に、フォーラはどうしたのかと耳を傾けた。
「ごめんなさい、良く聞こえなくて。」
フォーラの問いかけに、ドラコは苦しさを堪えた表情を見せた。アイスブルーの瞳が僅かに揺れている。彼女にここまで気を遣わせ、そして彼女を怯えさせてしまったのが自分自身であるということが、ドラコは心の底から耐えられなかった。
「最初から嫌ってなんかいない……!不快になんてなるものか……!今の話を聞いて、むしろ僕がどれだけ―――」
(僕がどれだけ嬉しかったか)
「……それなら気にしなくていい。先生はいつもこの時間は城の中を見回りに出ているから」
「そう……そういうことなら、お言葉に甘えて話すわ。」フォーラが緊張を無理矢理落ち着けようと、浅くひと呼吸した。「私、つい最近、貴方とアマンダが別れたことを小耳に挟んだの。」
「ああ、それで?」
ドラコはなるべくフォーラの方を見ないように努めたが、そのような意志とは反対に、彼女が一生懸命に何かを伝えようとする姿を目に入れたいと思う自分がいた。そのせいで、彼は無意識のうちに彼女と目を合わせてしまっていた。
「私、それを聞いて、……貴方に自分の気持ちを伝えるなら、今しかないと思ったわ。」
「!」
フォーラはゆっくりとドラコの方に歩みを進め、彼の腕に触れられそうなくらいの距離にまで近付いた。彼女から見たドラコはしっかりこちらを見ていたし、狼狽えながらも視線を逸らすことができない様子だった。それはまるで、これから彼女が何を言おうとしているのか、彼が把握しているかのようだった。
フォーラにはそれが伝わってきたし、そのせいで彼女の心臓は余計に早鐘を打った。何なら緊張のあまり涙も出てきそうだったが、それでも彼女は怖気づかないよう自分を奮い立たせ、心からの笑顔を彼に向けたのだった。
「ずっと言えなかったけれど、私……。ドラコが四年生の終わりに告白してくれたその前から今も、ずっと貴方のことが大好きよ……。」
その瞬間、ドラコは呼吸することを忘れてしまったようだった。確かに彼はフォーラに何を言われるか、ある程度予想していた。しかし実際にその状況を目の当たりにしてみれば、そんな想像など足元にも及ばなかった。ドラコは涙が出そうな程に心の底から嬉しくて、驚いて、心臓が不安なくらい煩くて、締め付けられるくらい苦しかった。
「今更だって思われることは分かっているわ。四年生の終わりに貴方の告白を断って傷つけて、それからこんなに気持ちを伝えるのが遅くなってしまって……。ドラコ、あの時は、貴方想いを断ってしまって……本当にごめんなさい。」
フォーラの瞳には堪えていた筈の涙が浮かんでいた。それを見て、ドラコはつい先程まで彼女に冷たい態度で接していたことなどすっかり忘れてしまったようだった。彼は想像していたよりもずっと前から彼女に想われていたことや、何なら最初から両想いだったことについて、にわかには信じられない様子だった。ドラコは何とか冷静さを保とうとしながら、静かに口を開いた。
「き……君が、最近になって随分僕に積極的になっている気はしていたんだ。だけど、まさかそんなに前から」
「……私ね、ドラコに好きだと言ってもらえた時、本当に嬉しかったわ。私と同じ気持ちでいてくれていたんだって。だけど、……だけどそれと同時に、貴方の好意を受け入れるのが怖かった。
貴方のことを小さい時から本当に大切に想ってきから、だから……今までみたいに、ただの幼馴染でいられなくなってしまうことや、純血主義の貴方と、マグル生まれの人たちとも平気で仲良くする私―――殆ど『血を裏切る者』と言っても過言でないような私が、貴方と恋人として肩を並べることが、とっても不安だったの。」
フォーラがドラコの告白を断った本当の理由は、言わずもがな彼女自身がマグル生まれの『穢れた血』であり、それがドラコやマルフォイ家が忌み嫌う存在だということだった。フォーラはこうしてドラコにその真実を隠し、堂々と嘘を伝えていることに心を痛めていた。ドラコは彼女が涙を堪えているのがそのような理由だとは露程も知らず、彼女の話の続きを不安げな表情で聞いたのだった。
「だから、あの時は貴方の気持ちに応える自信がなかったわ……。だけど、今日まで貴方のことを考えない日はなかった。それに、ドラコがアマンダと付き合い始めたと知った時、勝手だと分かっていても、心の底から羨ましいと思う気持ちは常に抱えていたわ。」
フォーラは涙を拭うと、改めてドラコの瞳を見た。
「そうこうしているうちに、クリスマスにうちでのダンスパーティーがあったのだけど。あの時、貴方はほんの少しでも私に優しく接してくれたでしょう?あのことをきっかけに、私は自分の不安なんてどうでもよくなるくらい、ドラコのことが好きなんだって改めて自覚したわ。本当に色々と全てが遅すぎたけれど、それでも貴方のことを諦めたくないと思ったの。」
「だから君は、最近特に随分……」
続きを言いにくそうにするドラコに、フォーラは少々気恥ずかしそうな笑顔で頷いた。
「私、ドラコに嫌われていると分かっていたけど、少しでも私の気持ちを知って欲しくて。だからクリスマス以降、目に見えて分かるくらい貴方に積極的になっていたの。そのせいで、余計に貴方を不快にさせる可能性があることも分かっていたけれど……。それはこうして話している今も同じかもしれないわね……。」
そう言って自虐的に笑ったフォーラの声が微かに震えていることにドラコは気付いた。それによって彼は彼女が気丈に振舞いながらも、これまで冷たく接されてきた相手に向かって、相当勇気を振り絞って気持ちを伝えているのだと理解した。
「違う」
ドラコが静かに伝えた言葉に、フォーラはどうしたのかと耳を傾けた。
「ごめんなさい、良く聞こえなくて。」
フォーラの問いかけに、ドラコは苦しさを堪えた表情を見せた。アイスブルーの瞳が僅かに揺れている。彼女にここまで気を遣わせ、そして彼女を怯えさせてしまったのが自分自身であるということが、ドラコは心の底から耐えられなかった。
「最初から嫌ってなんかいない……!不快になんてなるものか……!今の話を聞いて、むしろ僕がどれだけ―――」
(僕がどれだけ嬉しかったか)