16. ドラコの意志
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「ああ、君やっと振られたのか。知らなかった」
セオドールは言葉通りの意味で口にしたつもりだったが、一方のブレーズは嫌味を言われたと受け取っていた。ブレーズの表情が苛立ちで歪んだ。
「そういう話をしてるんじゃない。お前もフォーラに気があるんだったら……」
ザビ二の話を遮るように、セオドールはため息と共に彼の言葉を否定した。
「悪いけど、僕は彼女にそんな気は一切持ってないよ。彼女と会話のタイミングや、話の馬もそんなに合わないし。
あと、君の好みは特別美人な人だろ?僕からすれば、彼女は美人過ぎる。
そういうわけだから、僕は彼女といるとすっごく疲れるんだ」
セオドールはそのように感じたままを伝え、しつこく迫るザビ二を撒いた。すると暫くして、今度はドラコがセオドールの隣に現れて声をかけてきた。
「やあ。今日の授業はどうだった」
「ああ。君もファントムの話を聞きにきたのかい」
「は!?……いや、そんなつもりはなかったんだが。カエルは消せたか尋ねようとしただけだ。因みに僕は上手くいった」
「ふうん、そう。それなら僕も消せたよ。途中まで失敗してたんだけど、ファントムにアドバイスを貰ったら成功したんだ」
セオドールはドラコがどんなリアクションを見せるだろうかと、わざとフォーラの名前を出した。しかし彼は平然とした様子ですぐに口を開いた。
「よかったじゃないか。だが、次は彼女の世話にならずに済むようにするんだな」
ドラコの反応が予想以上に落ち着いていて、セオドールはあまり面白くなかった。とはいえ、フォーラがドラコの気を惹こうとして取っていた行動が、全く意味を成さないかどうかはまだ分からなかった。
「彼女の世話にならないようにだなんて、どうして?僕に嫉妬でもした?」
「……違う。特に深い意味はないさ。
僕が彼女を嫌っているのは知ってるだろう。だからつい嫌味が漏れただけだ」
「なんだ。だけど随分前にも言ったように、そんなに嫌わなくてもいいと思うけどな。君が彼女を嫌ってる理由は振られたことも含め、色々あるんだろうけど。
……今日彼女と話していて思ったけど、どういうわけだか彼女は君にあれだけ冷たくされているのに、幾らか君に気がある様子だったよ」
その時、先程まで至極冷静だったドラコの表情が、初めてほんの少しだけ強張るのをセオドールは見た。しかしドラコはすぐ落ち着いた様子を取り戻した。
「そんな筈ないだろう。君も冗談を言うんだな。
それにもし本当だったとしても、僕に恋人がいることを忘れたわけじゃないだろう」
ドラコはそのように呟くと、セオドールを追い越してスタスタと廊下を進んで行ってしまったのだった。
セオドールはそんな彼の様子に、幾らか違和感を覚えていた。
(今のはあまりにも無表情過ぎる。恋人がいるなら、他人の好意に対してもう少し迷惑がるか、調子に乗るかのどっちかだと思ってたけど)
そこまで考えて、どうして自分がこんなドラコの本音を探るようなことをしているのかと我に返った。
(こんなの、まるでファントムのためにやってるみたいじゃないか。……僕らしくなさすぎて、自分でも気味が悪い)
その頃、ドラコは何処に向かうでもなく、ひたすら足早に廊下を進んでいた。頭の中がごちゃごちゃとして落ち着かない。
つい先程までは、授業中のフォーラとセオドールの距離の近さに気分を害していた。だからそれとなく授業中の様子を聞こうとしただけだったのに、まさかセオドールにあんなことを言われるとは。本当にフォーラは自分を気に掛けるようなことを話していたのだろうか?しかも自分と仲直りしたいとかいう程度ではなく、気があるだって?
(クリスマスパーティーでのフォーラが、僕に随分好意的な姿を見せていたのはよく覚えてる。あの時、確かに僕のことを幼馴染以上に見てくれている気がしたけど、気のせいだろうと思っていた。セオドールが勘違いしただけなんじゃないか?それとも、僕をからかっていただけかもしれない)
ドラコは今学年に入ってからずっとフォーラに嫌われようと努めてきた。それなのに最近になって、彼の心を揺さぶる出来事が度々起こった。フォーラやセオドールの言動だけではない。ドラコの頭の中には、先日スネイプから言われた言葉が再び思い出された。
『もし自分の行動に少しでも躊躇いがあるのなら、その時は自分の意志を尊重しなさい』
(僕の意志は……。僕が望んでいるのは、彼女を僕に関わらせないことの筈だ)
ただ、自分の意志を尊重するという意味では、一つだけ確実なことがあった。ドラコは最早フォーラを嫌うことも、忘れることも出来ないということだった。
セオドールは言葉通りの意味で口にしたつもりだったが、一方のブレーズは嫌味を言われたと受け取っていた。ブレーズの表情が苛立ちで歪んだ。
「そういう話をしてるんじゃない。お前もフォーラに気があるんだったら……」
ザビ二の話を遮るように、セオドールはため息と共に彼の言葉を否定した。
「悪いけど、僕は彼女にそんな気は一切持ってないよ。彼女と会話のタイミングや、話の馬もそんなに合わないし。
あと、君の好みは特別美人な人だろ?僕からすれば、彼女は美人過ぎる。
そういうわけだから、僕は彼女といるとすっごく疲れるんだ」
セオドールはそのように感じたままを伝え、しつこく迫るザビ二を撒いた。すると暫くして、今度はドラコがセオドールの隣に現れて声をかけてきた。
「やあ。今日の授業はどうだった」
「ああ。君もファントムの話を聞きにきたのかい」
「は!?……いや、そんなつもりはなかったんだが。カエルは消せたか尋ねようとしただけだ。因みに僕は上手くいった」
「ふうん、そう。それなら僕も消せたよ。途中まで失敗してたんだけど、ファントムにアドバイスを貰ったら成功したんだ」
セオドールはドラコがどんなリアクションを見せるだろうかと、わざとフォーラの名前を出した。しかし彼は平然とした様子ですぐに口を開いた。
「よかったじゃないか。だが、次は彼女の世話にならずに済むようにするんだな」
ドラコの反応が予想以上に落ち着いていて、セオドールはあまり面白くなかった。とはいえ、フォーラがドラコの気を惹こうとして取っていた行動が、全く意味を成さないかどうかはまだ分からなかった。
「彼女の世話にならないようにだなんて、どうして?僕に嫉妬でもした?」
「……違う。特に深い意味はないさ。
僕が彼女を嫌っているのは知ってるだろう。だからつい嫌味が漏れただけだ」
「なんだ。だけど随分前にも言ったように、そんなに嫌わなくてもいいと思うけどな。君が彼女を嫌ってる理由は振られたことも含め、色々あるんだろうけど。
……今日彼女と話していて思ったけど、どういうわけだか彼女は君にあれだけ冷たくされているのに、幾らか君に気がある様子だったよ」
その時、先程まで至極冷静だったドラコの表情が、初めてほんの少しだけ強張るのをセオドールは見た。しかしドラコはすぐ落ち着いた様子を取り戻した。
「そんな筈ないだろう。君も冗談を言うんだな。
それにもし本当だったとしても、僕に恋人がいることを忘れたわけじゃないだろう」
ドラコはそのように呟くと、セオドールを追い越してスタスタと廊下を進んで行ってしまったのだった。
セオドールはそんな彼の様子に、幾らか違和感を覚えていた。
(今のはあまりにも無表情過ぎる。恋人がいるなら、他人の好意に対してもう少し迷惑がるか、調子に乗るかのどっちかだと思ってたけど)
そこまで考えて、どうして自分がこんなドラコの本音を探るようなことをしているのかと我に返った。
(こんなの、まるでファントムのためにやってるみたいじゃないか。……僕らしくなさすぎて、自分でも気味が悪い)
その頃、ドラコは何処に向かうでもなく、ひたすら足早に廊下を進んでいた。頭の中がごちゃごちゃとして落ち着かない。
つい先程までは、授業中のフォーラとセオドールの距離の近さに気分を害していた。だからそれとなく授業中の様子を聞こうとしただけだったのに、まさかセオドールにあんなことを言われるとは。本当にフォーラは自分を気に掛けるようなことを話していたのだろうか?しかも自分と仲直りしたいとかいう程度ではなく、気があるだって?
(クリスマスパーティーでのフォーラが、僕に随分好意的な姿を見せていたのはよく覚えてる。あの時、確かに僕のことを幼馴染以上に見てくれている気がしたけど、気のせいだろうと思っていた。セオドールが勘違いしただけなんじゃないか?それとも、僕をからかっていただけかもしれない)
ドラコは今学年に入ってからずっとフォーラに嫌われようと努めてきた。それなのに最近になって、彼の心を揺さぶる出来事が度々起こった。フォーラやセオドールの言動だけではない。ドラコの頭の中には、先日スネイプから言われた言葉が再び思い出された。
『もし自分の行動に少しでも躊躇いがあるのなら、その時は自分の意志を尊重しなさい』
(僕の意志は……。僕が望んでいるのは、彼女を僕に関わらせないことの筈だ)
ただ、自分の意志を尊重するという意味では、一つだけ確実なことがあった。ドラコは最早フォーラを嫌うことも、忘れることも出来ないということだった。